十二月二十四日。世間はクリスマスで賑わい、街を行く人々には笑顔が溢れている。子供のために高価なおもちゃを。恋人とのディナーを。友人らと馬鹿騒ぎを。各々のクリスマスを過ごすべく、街中はそんな人々の幸福の雰囲気でいっぱいだった。
とあるマンションの一室。そこには一人の青年──アウラムがせこせこと準備を進めていた。
「よし、飾りつけはこんな感じで良いな」
ふぅ、と額に垂れる汗を拭い息をつく。テーブル横にはこじんまりとしたクリスマスツリー、バルーンやペーパーファンで彩られた壁、
「注文した料理はもうすぐで温め終わるし、ケーキも冷蔵庫。プレゼントもある──うん、大丈夫だな」
部屋を見渡し、指を折りながら忘れていることがないかを一つ一つ確認。改めて漏れがないことを再確認すると頷きながら拳を握る。
(いつもは三人でクリスマスだけど、ギルスが仕事の出張で来れないからイヴと二人っきりのクリスマスだ……!)
物心つく前からアウラム、ギルス、イヴの三人で過ごしてきた。それは幼稚園に入る前からアウラムとイヴが大学生となった今でも三人の関係は続いており、日常から季節のイベントも三人で過ごすことが常。
三人で正月に餅を食べ、ギルス鬼に豆を当て、イヴからのチョコレートに大喜び。お返しのマカロンがギルスと被ったり、花見で飲み食いしたり、水着姿のイヴを
そんな一年でのほぼ終わりのイベント──クリスマス。いつもは三人で準備して、豪華な料理やケーキを食べたり二人にプレゼントを渡すことが恒例。
しかし、今年は不幸にもギルスが不在。大学三年生のアウラムと大学二年生のイヴと違い、ギルスは今年度から一足先に就職。ギルス自身がかなり優秀なこともあってから、新社会人なら数々の仕事に意欲的に取り組み、既に会社からの信頼も厚い。それ故──クリスマスに出張を入れられてしまった。いかにギルスと言えど今はまだ会社の歯車。内心で血涙を流しながら地方へと向かった──これが一週間前。
(ギルスには悪いけど、オレは今日勝負するよ……!)
鬼の居ぬ間の何とやら。アウラムはふんす、と鼻息を荒くして拳を握り締めた。
幼馴染という枠でしか接してこれなかったイヴに、今日その『枠』を超える。そのためにアウラムは美容院に行って身嗜みを整え、料理やケーキも毎年のものより奮発して豪勢に。イヴへのプレゼントもいつもはぬいぐるみや小物だったが、今回はアルバイト三ヶ月分のネックレスを購入。
今夜こそ──今夜しか勝負できない。この千載一遇の機会を逃す訳にはいかないと、アウラムは張り切っていた。
(イヴは大学の課題がギリギリになるから準備は手伝えないって言ってたけど、その分全部オレの方で準備できたのも良かったな)
ごそごそとアウラムはテーブル脇に置いてある紙袋から衣装を取り出す。
一つはトナカイの衣装。
もう一つはサンタ衣装。イヴ用のものだが──それをサンタ衣装と呼称するには些か扇情的であった。チューブトップブラにマイクロミニスカート、さらに見せ紐パンまでセットとなっている。とてもではないが明らかに
(イヴはいつもへそ出し服だから大丈夫だろう)
しかし天然なのか聖夜で浮かれているのか、そんな心配は微塵もしていないアウラム。
逸る胸の鼓動に緊張と期待をしつつ、今か今かとイヴを待ち──呼び鈴がピンポーンと鳴り、その時が来たる。
「──っ、はーい!」
ドキドキと高鳴る胸。ニヤニヤと自然に上がってしまう口角。迸る衝動を限界ギリギリの理性で抑え込み、満面の笑みで玄関の扉を開ける。
「お待た──せ……」
「あぁ」
扉を開けるとそこにはよく見知った紫髪の麗人。想像よりも身長が頭二つ分は高い、その人物──
「出張が早く終わったから間に合った」
「ソ、ソッカー。ソレハウレシイナー」
──ギルスが居た。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「イヴには午前中に連絡したんだ。夕方には帰れそうだと」
「うんうん」
「だがイヴの方で問題があったようでな……ゼミ仲間の
「そうだったのかー」
ギルス来襲──来訪に少し固まったアウラムだったが、先ずは部屋に招き入れる。
出張帰りから直に来たためか、ギルスは恰好の決まったスーツ姿。ビジネスコートを椅子にかけ、ワイシャツのボタンを外し、ネクタイを緩めて楽な恰好に。
アウラムの前だからこそ砕けた姿を晒せるが、
「イヴから『アウラムが一人ぼっちのクリスマスは可哀想だからサプライズで行ってあげて』と言われたからな。お前には何も連絡せずにこうして来た訳だ」
「そこはサプライズ抜きでもよかったかな」
柔らかな微笑を浮かべるギルスに一種の安心感は覚えるものの、それとこれとは話は別。
何が悲しくてイヴ用に準備した全てを男二人だけでやらねばならないのか──アウラムは心の中で静かに涙を流す。
「でもギルスが来てくれて嬉しいよ。イヴが来れなかったのは残念だけど、クリスマス兼ギルスの出張早終わりのパーティーってことで」
「あぁ」
『そしてオレの一世一代の告白不発を慰めるために』と内心で付け加えつつ、アウラムは冷蔵庫から酒類を取り出す。
飲めるようになってからそこまでの年数ではないが、自ずと三人全員は各々の好みを把握している。
イヴはリキュール、
グラスも一緒に取り出し、手酌──というのも味気ないので互いに互いのグラスに注いで雰囲気から味わう。
お互いに軽くグラスを合わせガラス特有の甲高い音が鳴り、同時に口へ。
(あぁ……泣けるぐらい美味い……)
流す涙を酒で流し込み、アウラムは半ば自棄酒のように一気に飲み干す。こうなったら今日はとことん飲んでやる、と意気込もうとし──
「──ふぅっ!」
──ダン! とギルスが珍しくグラスを叩くように置いた。
しかもアウラムと同じように一気飲みしたばかりか、間髪入れずに手酌でブランデーをグラスいっぱいに注いでいく。
「えっ……ギルス?」
「……何でだ」
流石に普段と様子が違うことに気付いたアウラムが恐る恐る声をかけると、ギルスは据わった眼差しでアウラムを睨む。
「──何でイヴが居ない!!」
「えっ」
「いつもなら俺とお前とイヴでクリスマスを過ごすのに、何でフラれた女の面倒を見ているんだイヴ……!」
「えぇ……」
『オレもだ!』と同調したいアウラムではあったが、ここまで荒れるギルスを見るのも久しぶりのこと。出張でイヴと会えなかったことが辛かったか、折角のイベントをイヴと一緒に迎えられなかったことが辛かったか──多分両方かな? とアウラムが考える間もなくギルスは次から次へとグラスを空にしては瓶からブランデーを注いでのループを繰り返す。
「ぎ、ギルス。気持ちはわかるけど、少しは抑えた方が──」
「抑えられる訳ないだろう……! 十日かかる仕事を一週間で終わらせて、三人でクリスマスを過ごせると思っていたクリスマスプレゼントがこれだぞ? 飲まなければやってられん……!」
「あわわ……」
これは相当だ、とアウラムはこの勢いならおそらく潰れるであろうギルスのために飲むペースを落とす。『泣きたいし自棄酒したいのはオレもなんだけど!』という言葉は酒で流し込み、アウラムは眼前の頼れる兄貴分の暴走をただ静かに眺めるしかできなかった──
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「イヴぅ……」
一時間後。案の定、ギルスは首から上を真っ赤にして机に突っ伏していた。出張で長期間会えなかったことと、クリスマスを一緒に迎えることができなかったダブルパンチが相当堪えたのか、こんな姿を晒すギルスは珍しい。
「はぁ……ちょっとトイレついでに水持ってくるから待ってて」
そんなギルスにため息を吐きつつアウラムは一旦トイレへ。酒とその倍の水を飲み、腹の中で薄まったアルコールを出して悪酔いを回避。あとはギルスをどうやって介抱しようかと考えながらトイレから出て、キッチンへ。適当なグラスに水を注ぎ、リビングへの扉を開ける──
「アウラムぅ」
「……は?」
──すると、そこには机に突っ伏していたハズのギルスが扉を開けてすぐのところで待ち構えていた。
ヘソ出しマイクロミニスカサンタ服姿で。
「アウラムぅ、お前これは何だぁ?」
「オレが聞きたいよ! 何でイヴのために用意したサンタ服をギルスが──あっ」
「何ぃ?」
あまりの衝撃でつい正直に口を滑らせてしまったが、時既に遅し。慌てて口を塞ぐもギルスの焦点の合っていない双眸がアウラムを捉える。
「お前ぇこんなスケベな服をイヴに着せるつもりだったのかぁ?」
「あ、いや、その……い、イヴはいつもへそを出した服を着てるから、良いかなぁ……って」
「こぉんなエグイ角度のティーバックもか?」
「何でそれまで着てるんだよ!?」
酔った勢いと言えど衣装を完全に着用するとか馬鹿じゃないのかこの兄は、と声を荒げるアウラム。
「あるから着たんだぁ。それよりもぉ──」
しかしギルスは変わらずにグルグルになった目をアウラムに向け、ヨタヨタと歩み寄り──アウラムの股間を鷲掴みにする。
「おっ──!?」
「アウラムぅ、お前ぇ……イヴを抱くつもりだったなぁ?」
そのままアウラムに倒れるように寄りかかり、壁へと抑えつける。突然の衝撃に持っていたグラスは放物線を描いて飛んでいき、ギルスの遥か後方でガチャン、と音を立てて砕け散った。
「いきなり掴むな……! そ、それに抱くとか……!」
「お前、今まで女とセックスしたことがあるのか?」
「何でそんなこと聞くんだよ!?」
「当たり前だぁ! 経験があるなら汚れた手とチンコでイヴが汚れるだろぅ!?」
「馬鹿ぁ!? ってか経験なんてないよ! オレだって初めてはイヴが良い!!」
「お前、経験がない童貞の癖にイヴを抱くのかぁ!?」
「面倒くさいなぁこのシスコン!!」
酔っ払いには何を言っても無駄、と体現するようにギルスの発言は支離滅裂。さらには体格差から押し返すことも難しく、仮に押し返せたとしても酔っ払ったギルス相手に無事で済むとも思えない──アウラムは覚醒した頭でそう考えつつ、どうこの状況を脱するか必死に考える。
「アウラムぅ、俺はなぁ……お前だったらイヴを任せらりゅと思っている」
「えっ……」
「小さい頃から一緒らったからよくわかってりゅし、お前が一筋ってこともわある」
「ギルス……」
「らけどイヴを抱くのに童貞じゃあダサい」
「ギルスッ!」
「らからぁ──」
ギルスの言葉が胸に響く。イヴを思い、イヴ一筋で生きてきたギルスから『任せる』と言われて自信がつく。
しかし直後の童貞発言で声を荒げると、ギルスの両手がアウラムの首へ。そのまま抱えるように腕を回すと、ギルスは背中から床へと倒れ込み、アウラムも同様に倒れる。
「あ、ぶな──んむぅ!?」
「──アウラムぅ、俺で慣れておけぇ」
直後、アウラムの唇が強引にギルスの唇と重なった。
逃がさないようギルスの長い足がアウラムの腰をがっしりと固定。片手でアウラムの後頭部を抑えながら接吻を強制し、もう片方の手でアウラムの分身を服の上から擦る。
「んっ、うぅ……!」
「んぢゅるぅ」
ファーストキスがブランデー味となったアウラム。その独特な香りと槍のように口内を突いてくるギルスの舌から逃れようとするも、頭と身体が固定されているため脱することができない。
「むっ、ふぅ……!」
「んあぁん」
ギルスの厚い胸板を叩くも、その筋肉質な胸を叩いたところで焼け石に水。全く離れることができず、さらにギルスの舌がアウラムの口内を侵略していく。
「んぢゅ、むじゅ」
「んぅっ! んぅー! んっ、むぁ、ぅじゅ……」
絶対に離さないとばかりにギルスの力が強まる。逆に口内の唾液を全てしゃぶり尽くされるような錯覚と、あまりにも理解し難い状況から酸素が脳に行かないアウラム。
呼吸すら困難、と意識が朦朧とし始めたところで、ぢゅ、と唾液と空気混じりの音と共に唇が弾ける。
「はぁ……はぁ……」
「こっちはどうだぁ?」
ゴロリ、上下の体勢が入れ替わる。ギルスがアウラムへと覆い被さり、厚い胸板をアウラムへと押し付ける。体勢を変えた時に衣装がズレたのか、チューブトップブラは外れ、ギルスの生肌が露出。生胸をアウラムの口元へと押し付け、ギルスの手はアウラムの下半身へと伸びる。
「ま、待って……」
「おおきくなってる」
「まっ──んぅ……!」
ぜぇぜぇと肩で息をするアウラムのことはお構いなしに、ギルスの手がアウラムの分身に直接触れる。望んではいないが刺激に耐えられるハズもなく、アウラムの分身はギンギンに勃ち上がっていた。その剛直をギルスは指先で優しくなぞると、耳元に艶っぽい吐息が突き刺さる。
「はぁ、はぁ……」
「ぅあっ……!」
直接の刺激にアウラムは空気を求めて大きく口を開けるも、そこにあるのはギルスの生乳。密着していたためにギルスの胸をその蕾ごと口に含んだアウラムは、空気を求めようとガムシャラに舌先を動かす。
当然、敏感な蕾を刺激されたギルスは酔いよは別に身体に熱が入る。刺激を求めてか、もしくは刺激を抑えつけるためにか、ギルスは胸をより強くアウラムの顔へと押し付けていく。
「んぐっ!? ふぅっ……!?」
視界がギルスの胸でいっぱいになっているアウラムは何が起きているか理解できない。改めて呼吸を確保しようと口を大きく開けて舌先を動かす。
「んぅっ……!」
だが、その成果はギルスの身体を悦ばせるだけ。ビクビクと小刻みに見悶えるギルスの身体。その豊満な胸がアウラムの口元から付いては離れを繰り返す。
「はっ、はっ、も、やば──んぐっ!」
「ダメ。まぁだ」
ギルスの手淫と確かな張りのある胸の感触、そして仕事帰り故にムンムンと蒸れた雄の臭いで正常な思考を奪われたアウラムは限界だった。
しかし、放たれる寸前に根本をギルスにぎゅっと締められる。暴発こそしなかったが、それはそれで快楽の精を放つ機会を奪われたアウラムは、息を荒げながらギルスを睨む。
「これで出したらイヴとはでき──にゃあっ!?」
「ふぅー! ふぅー! 人を弄びやがって……!!」
先ほどまで余裕綽々だったギルスの表情が一瞬にして崩れた。
息をつく間もなくアウラムはマウントポジションを取り、ギルスを床へと抑えつける。そのまま身に着けていた紐パンティーバックを太ももまでずり下ろし、我慢汁でぐちょぐちょに濡れていた剛直をギルスの秘穴へと一気に突き挿した。
「これで、童貞じゃない、ぞ! ギル、ス!」
「あっ、ま、キツ──」
「オレの時は待ってないだろ!」
「んぅっ!?」
快楽で身体が痺れたギルスを抑えつけ、力任せにストロークを開始するアウラム。突然の異物挿入にギルスが涙目で懇願するも、酔いと快楽で頭の中がぐちゃぐちゃになったアウラムは、ある意味でギルスよりも正常ではない。
ギルスの腰を両手でがっしりと掴み、ミニスカートを捲り上げて、ギルスの白磁のような美尻を露にした。一見すれば女性グラビアモデルの小ぶりな尻と言っても遜色ないギルスの尻を見て、アウラムの分身にさらに熱が入る。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「まっ、もむ、な……!」
片手を腰から腹全体へと回し、もう片方の手でギルスの尻を掌全体で撫で回す。女性のような柔らかみは薄いものの、典型的な筋肉質ではないギルスの尻は程よい弾力のそれ。力任せに揉みしだき、その握力だけでギルスの尻に真っ赤な痕をつけていくアウラム。
まるで雪原に咲く赤い花のようになったギルスの尻を見て、さらに昂ぶり──
「んぅっ!?」
──叩く。
バチィン! と渇いた音が響き、ギルスの尻には先ほどとは別に赤い紅葉が散り始める。
「いっ、まっ、いっ!?」
その光景に昂ぶりを抑えきれなくなったアウラムは何度も何度もギルスの尻を力いっぱい叩く。
バシン、バシン、と数回数十回では効かない回数を叩かれ、ギルスの尻の半分は猿のように真っ赤に。
「いいぞギルス、叩く度に締まりがよくなる」
「よくな、んぅっ!?」
「上の口は正直じゃないなぁ……!」
ギルスにとっては痛みでしかなく、叩いて締まるのもあくまで筋肉の収縮。それをまるでマゾっ気の人間だと言われたことに反論するも、獣欲に狂ったアウラムが許さない。
「はぁ、はぁ……こっちっ!」
「あ、なに──んぅっ!?」
さらに興奮を求めてアウラムは火事場のバカ性力とでも言おうか、体格の勝るギルスを強引に立たせて場所を移動。数歩壁際の方へと押しやられ──カーテンを開けられる。
「ひっ──まっ──んぅ!?」
「あぁ、やっぱり……! ギルスは足が長いからこれなら下から突き上げられる……!」
ベランダ窓へ押し付けられるギルス。胸はもちろん、腹まで冷たいガラスへと押し付けられ、逆に秘穴と尻は剛直と平手で熱く。
それどころか未だ夜の帰宅時間であるため、眼下には帰路につく人間も多数。
誰かに見られるかもしれない──そう考えるだけでギルスの顔の熱が高まり、無意識の内に下半身へと力が入る。
「くぅっ……! ギルス、見られる方が興奮するの?」
「ぁ、ちが、そんなんじゃあっ!?」
「違うんなら声抑えないと気付かれるよ。気付かれても良いなら声出していいけど」
ニヤリ、と意地の悪い笑みを浮かべるアウラム。振り回され、好き勝手された分の鬱憤を晴らさんばかりにアウラム自身も暴走。
ガンガンと腰と窓を揺らし、その度にへそ出しミニスカサンタ衣装のギルスが窓に叩きつけられる。
「まっ、む、ね……!」
「おっぱい触って欲しいんだ」
「ち、が──んぅ!?」
何度も胸とその先端が窓に叩きつけられる不愉快な感覚。それを口にした途端、アウラムの両手が腰からギルスの胸へ。手の平全体で豊満な胸筋を撫で回し、それぞれの人差し指と中指で蕾を抓む。
痛みしか感じないが、身体は防衛反応のようにビクビクと痙攣に近いものを起こし、その度に秘穴がキュっと締まる。
「うっ……! ギル、ス! そんなに締められたら、出る……!」
「はや、く、終わ、らせ、てぇ……!」
最早アウラムも限界に近い。ラストスパートをかけるべく、胸を悪戯していた両手は腰に添えられ、ズボズボとギルスの秘穴を突く。
体格差からやや下から突き上げる形になり、ギルスにとってはクッション性の悪い自動車座席で悪路を走られているかのよう。
だがそれでも泥酔状態で正常な感覚を理解できない身体にとっては快楽でしかなく、ミニスカートに隠れてイキり勃っていたギルスの分身も、精を放つ時をまだかまだかと待ち侘びている。
「ふっ、くっ……! 出す……ぞ!」
「出し、て……!!」
「んっ、くっ──くうぅっ!!」
「んうぅっ!!」
ピストンが最速、ストロークが最長になり、数度腰を振るったところでアウラムがギルスを力いっぱい抱き締める。
最奥へ剛直が突き挿された瞬間、熱い雪がギルスの中へドクドクと注ぎ込まれていく。心臓の鼓動に合わせてドクンドクンと脈打つ剛直から、その度にビュルビュルとこの日のために蓄えられた精が解き放たれる。
お腹の中にねっとりとした熱い粘液を解き放たれ、ギルスの身体が防衛反応の如くピクピクと震え始め、それに合わせてギルスの分身からも精が発射。眼前のベランダ窓にビュビュっとかけられ、温度差で窓ガラスに露を作りながら垂れていく。
「くぅ……ふぅ……」
「えへぁ……」
ひとしきり出して満足したアウラムはジュポン、と淫らな水音を立てながら剛直を抜く。
膝が立ったまま臀部を上げ、上半身が床へと倒れる滑稽な姿を晒しながらギルスは倒れ込む。
ヒキヒクと魚の口のように動く秘穴から、ドロリ、と白濁液が溢れ出てくる。ギルスの美尻を伝い、そのまま床へ──落ちる前に、脱ぎ掛けのティーバックへ。狭い布面積に白い斑点を作り、そこからも零れたアウラムの精が床に白い水たまりを作る。
ハァハァと二人は肩で息を整えようとするも、悪酔いと激しい運動からかその場で倒れ込んだ──
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「アウラム、座れ」
「ハイ」
翌日。二人はほぼ同時に目を覚ました後、お互いに顔を見合わせ──口を閉ざす。先ずは適当に着替えてからパーティー部屋の片づけ。それも一通り済ませ、普通の部屋に戻ったところでギルスがアウラムに促し、カタコトのアウラムがそのまま対面へ座る。
「昨日のことだが……俺が泥酔しなければあんなことにはならなかったと思う」
「いや、オレの方こそ最後は無茶苦茶し過ぎたよ」
「……ここはお互いに悪かった、ということで済ませよう」
「うん、それで良い──いや、それが良い」
お互いに思うことがあるからか、お互いの妥協点を知っているからか故の落としどころ。昨夜はどっちが悪いでもなく、どっちも悪かった。相手に思うところもあるが自分にも多少の非はあるため、そこはすんなりと解決。
「次にだが……アウラム、あの独り善がりなセックスではイヴを傷つけるだけだ」
「ハイ……」
「ましてや張り手など言語道断。イヴの珠のような肌を傷つけることは絶対に許さん」
「仰る通りデス……」
これは明らかに
「今のままではお前とイヴがセックスすることは許容できない」
「ハイ……」
「だからそれまでは俺が練習台になる」
「ハイ──はい?」
神妙な顔から一転。アウラムは聞き間違いかと、素っ頓狂な声を上げてギルスを見る。
「今のお前は素人童貞のようなものだ。かと言って他の女を抱いた汚い手でイヴを抱くことは許さん──だから俺で慣らしておけ」
「いやいやいや、流石にそれはちょっとない。大人しくオナホとかで練習するから──」
「お前がイヴにあのスケベなサンタ服を着せようとしたことを話すが構わないな?」
「──ごめんなさい。練習させてください」
ギルスは普段と同じ仏頂面のまま。本気で言っていることは理解できたが、流石に発想がアホのそれでは、とやんわりと拒否しようとしたところで先手を打たれてしまう。アウラムはテーブルに額をつけ、懇願するようにギルスへ乞う。
「それでいい」
それを見たギルスは満足そうに頷くと、立ちあがってアウラムの方へ歩み寄る。
「……ギルス?」
不思議──不審に思ったアウラムが声をあげると、ギルスは相も変わらない表情のまま、自分のシャツのボタンへ手をかけていく──
「ならば──今から練習だ」