※この作品はR-18です。

Mondnacht   作:風木七星


原作:NeuN
タグ:R-18 高橋ツトム ナチス
高橋ツトム「NeuN」のテオ×ナオミです。
原作の最初の方。

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第1話

 カーテンの隙間から差す一条の月光が、女の裸の肩と異国風の横顔を照らす。

 

 青い光に濡れながら、テオは女の豊かな乳房を両手で揺らし、捏ね回し、その間に顔を埋める。ベッドに膝をつき、女の両脚を肩に担いで、既に充分に血の通った男根を、女の熱く蕩けた窄まりへと押しつけ、沈めていく。女が小さく喘ぎ、首を反らす。テオの長身が動き出し、ベッドが軋る。

 

 初めて抱いた時、ナオミ・ライジンガーはもちろん生娘ではなかったが、そんなことは問題ではなかった。

 

 お互い、スポーツを楽しむように。ナオミと行動を共にするようになり、その美貌と若々しい肢体に、テオの抑えきっていた欲望は搔き立てられた。総統の第九子、フランツ・ノイン護衛の任務に就いてからというもの、女をほとんど近づけないで生きてきた。

 

 それがいつの間にか、こうして夜陰に紛れて、子供たちの目を盗んで、互いの体を貪りあうようになった。

 

 恋愛感情(ロマンス)などではない。ナチにそんなものはない。

 

 ただ、たまたま男と女だったというだけだ。

 

 そう自分に言い聞かせつつも、テオはナオミの肉体に溺れていった。日本刀の名手で腕も立つ、このじゃじゃ馬をベッドで組み敷き、思うままにする征服感は彼に深い満足を与え、黄金をまぶした褐色の女体がシーツの上で悶える様は彼の目をこの上なく楽しませた。

 

 「日本では女のアソコのこと、『観音様』っていうのよ」

 

 テオの細身ではあるが筋肉質な腕を枕にしながら、ナオミがふと、祖先の言葉について語った。

 

 「何だそりゃ」

 

 「仏教の神様」

 

 テオは毛ほども興味なかったが、彼女の次の言葉には思わず耳を欹てた。

 

 「仏教のシンボルは鉤十字(スワスティカ)。あたしらのとは向きが逆だけどね」

 

 「へえ。何の関係もなさそうなのに不思議だな」

 

 だが、俺の中では確かにあの方が神様だ。その血筋は、いのちに代えてもお守りしようと思う。

 

 テオは体勢を変え、ナオミの上に覆い被さった。唇から喉へ、肩へと口づけを落とす。ナオミの乳房はテオの手にも余るほど大きく、乳輪も大きめで、淫靡な淡いピンク色をしている。一方の乳房を揉みしだき、長い指先で乳首を摘まみながら、もう一方の乳房を口に含んだ。舌を出して、乳房全体から乳首へと舐め回す。

 

 ナオミは身を捩って嬌声を上げ、テオの金髪に指を絡めて撫でた。テオは息を弾ませながら、自分の唾液に塗れた乳房を左右の乳首が近づくように寄せ、双の乳首を同時に舐(ねぶ)り、音を立てて吸った。

 

 

 深夜、手洗いに立ったフランツ・ノインは、物音に違和を感じて廊下に立ち止まった。

 

 小部屋の戸が少し開いていた。ノインはそっと近づき、中を覗き見た。

 

 月明かりに照らされる寝台の上で、金褐色の女の体と、アルプスの雪のように真白な男の体が絡みあい、捩れあい、激しく動いていた。ノインにとって聞き慣れた二人の男女の声が聞いたこともない獣じみた呻きとなって、荒い息遣いと共に彼の耳に届いた。

 

 すぐにその場を離れた。二人が何をしていたのかわからなかったが、見てはならないものを見てしまった気がした。頬が熱く、胸が早鐘のように打っていた。

 

 

 「ねえ、テオ」

 

 朝方、銃器の手入れをしていたテオ・ベッカーは、少年の方を振り向きもせずに答えた。

 

 「何だ」

 

 「これ、何してるの」

 

 鼻先に突き付けられたものを見て、さすがの彼も一瞬絶句した。

 

 どこから拾ってきたのだろう、それは古い雑誌の切り抜きだった。裸の男女がベッドで重なりあっている写真だ。

 

 テオは平静に答えた。

 

 「大人の男と女がお互い好きになると、こういうことをするんだ」

 

 ノインは誰かに似た、射抜くような厳粛な光を放つ青い目で、じっとテオを見た。

 

 「ナオミのこと、好きなの?」

 

 見られていたか。テオは苦笑して答えた。

 

 「ああ、好きだよ」

 

 

Ende


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