相方が帰ってこねぇ…… 作:性癖を開示する者
たくさん産卵して、その度に絶頂してアヘった結果、子宮内の卵を全て産んだ頃には最終兵器聖女であるオルタチはすっかり動けなくなっていた。まぁ、この世界の絶頂は女性を完全に行動不能とする上に時間経過による自力回復でしか回復方法がない最強のデバフだからな。
どれくらい最強なのかというと、絶頂させた時点でほぼ勝ちが確定するくらい。そのため女性の捕獲が目的ならば戦闘中でも敵が女性に向けてエロ攻撃を頻繁に仕掛けにいくレベルだ。
そんなデバフを連続で取得してしまったオルタチが動けなくなるのは当たり前なので、仕方なく俺が彼女を背負って噴炎竜のもとまで戻ってきたのだが、そこからが大変だった。
産卵に時間をかけすぎたから早く帰らないとマズイのに噴炎竜は自分よりも上だと認めた者の指示じゃないと動いてくれないし、その噴炎竜を動かせるオルタチはずっとアヘって意識が戻ってこない。
最終手段である俺の色仕掛けによるお願いも、噴炎竜は人間種に性的興奮をしないので無理。ぶっちゃけ詰みだった。
俺に出来たのは噴炎竜の賢さを信じてホリフェンへ飛んでくれと素直に頼むことだけだった。正直言って無理だろうなとは思っていたが、頼む際にアヘって勝手にダブルピースをし始めたオルタチを噴炎竜に見せたのが功を奏したのか、行きに比べると速度は遅かったが噴炎竜は飛んでくれたのだ。
速度が遅いので間に合うかは不安だったけど、遅いのは噴炎竜のやる気がなかったわけではなくて単純にこれより速度を上げればオルタチの代わりに展開した俺の結界が速度に負けて割れるからだった。雲の上を飛んでいる時に結界にヒビが入った時は本当に生きた心地がしなかったぞ。
「大変素晴らしい経験でした……」
「……それは良かったですね。次からはもっと早めに復活してくれると私も嬉しいです」
「うっ、それについては本当にごめんなさい」
そんなこんなで無事にオルタチの自室に帰ってきたところでオルタチが復活した。
復活して早々に卵が入っていた下腹部を撫でて幸せそうな顔をするオルタチだが、俺のジト目とチクチク言葉を受けて今度はシュンと落ち込む姿を見せる。
「ふぅ、じゃあ目的も全て達成したことですし、他の人達がここに入ってくる前に私は帰りますね」
「あ、それでしたらレイホ、これを受け取ってください」
「……なんですかこれは?」
部屋に置いてある時計を見ると、あと10分ぐらいで出発前に教えられていたオルタチの起床時間だ。時間になればオルタチの護衛や世話係がオルタチを起こすために部屋へ入って来てしまう。
昨日帰ったはずの俺がここにいるのを護衛などに知られてしまうと少々面倒なことになってしまうため、早めに退散しようと帰還した際に開けてそのままにしておいた窓へ足をかけたのだが、そこでオルタチに呼び止められて小さな魔石がついたネックレスを手渡された。
「少し前に、そろそろ私は跡取りを作るために聖女を引退するかもしれないと言いましたね」
「確かに言ってましたね」
「あれなのですが、実はもう時間がありません。早くて1週間、遅くても1ヶ月で私は聖女の称号を次に……アマテに譲ることになるでしょう。そして私は何処かで男達と性行為を行い、子どもを産むことになるはずです。私としては大歓迎なのですが、気になる点が1つありまして……前々から調べていたのですが、歴代の聖女の皆様が引退してからの
「それは聖女の座を降りてただのシスターか一般人になったから……ではなさそうですね」
「はい、聖女ではなくなったからといって聖女だった人間が消える訳じゃありません。必ず何処かにその後彼女達が生きていた何かが残るはずなんです」
先程までアヘアヘしていた顔から一転して真面目な顔で語るオルタチ。真剣な話だというのは明らかなので、俺も窓にかけていた足を下ろして彼女に向き直る。
「彼女達がどのようにして消えたのか。それはまだわかりません。だからこのペンダントは何かあった時の備えとして用意しました。レイホにならこれを託すことが出来ます。どうか私を助けてください」
「……まぁ、助けますけど。このペンダントで何をすれば良いんですか?」
「ありがとうございます。そのペンダントは私が助けを必要とした時にペンダントの魔石部分が光るようになっています。もし魔石が光っていることに気付いたら、レイホは魔石に魔力を込めてください。込められた魔力は私に届くので、あとは私がなんとかします。……何が待ち構えているかもわからないので、こんな対応して出来ませんが……なんとかなる筈です」
「えぇ、大丈夫でしょう。オルタチの力をしっかりと見た私が保証します」
ペンダントを持つ俺の手を両手で包み込んでお願いしてくるオルタチ。手を包まれたことで不安を吐露する彼女の両手が少し震えていることに気付けたので、安心させるために包まれている方とは別の手で彼女の手を包み、視線を合わせてしっかりとあなたなら大丈夫だと頷けば、オルタチは安堵が混ざった笑顔を浮かべた。
まぁ、歴代聖女がみんないなくなったところに行くのは確実にエッチがあるとしても流石に怖いよな。死ぬかもしれないのにエッチがあるってだけで愛液垂らして喜びながら行くのは我が姉だけで十分だよマジで。いや、一応俺が助けてくれるって信頼してるから行けるとは過去に姉本人の口から聞いてはいるんだけどな。
どうかオルタチはそこまでは淫乱に堕ちないでくれと願いながらオルタチから渡されたペンダントを無くさないように首にかけ、先端に取り付けられた魔石は胸の谷間にしまっておく。これで紐が切れて首から離れても落とすようなことはないだろう。
そうしている間に護衛達が入ってくる時間が後少しといったところまで迫っていたので、今度こそ俺はオルタチと別れて魔法で自分の姿を隠しながらコッソリとギデブの屋敷まで帰るのだった。
◆
オルタチと別れ、屋敷に帰るなり俺はギデブの部屋へと向かっていた。俺が帰ったことをギデブに知らせることと、彼の部屋にいるであろう俺の分身を解除するためだ。
部屋の前に到着すると軽く自身の身嗜みを確かめ、問題ないことを確認してから部屋のドアをノックするが、返事は返ってこない。確かめてみたところドアに鍵はかかっていないようなので部屋には入れるようだが、このパターンで確認もせずに室内へ入るのはやめておいた方が良いと過去のあれこれで俺はしっかりと学んでいるので、入る前に念のため透視で室内を確認しておく。
「おおう、お楽しみの最中でしたか」
透視で見えたのは、俺が置いておいた分身と後背位で激しい性行為をするギデブの姿。分身には色々な道具が装着されており、頭部には目隠しと猿轡、首にはギデブの手に絡んでいる鎖がついた首輪、両胸には勃った乳首を2つで挟むようにして付けられた計4つのローターが激しく振動しており、クリトリスにも同じくローターが。最後に両腕は腰の後ろ辺りで縛られているという大盤振る舞いだ。
だというのにギデブが肉棒を挿入しているのもアナルで、膣にはノータッチのようだ。ディルドなども挿入されていない。
別に分身だから膣を使っても構わないのだが、本体としっかりヤるまではしないというギデブなりの拘りかもしれない。とはいえ分身にあんな暴力的なアナルセックスが出来るのなら少し前にヤったときに俺にもしてほしかったところ。特に腕が縛られていて本来なら上半身がベッドに倒れるのに、鎖がついた首輪に引っ張られてそれが出来ない状態とか体験してみたい。
……こほん、まぁギデブがキチンと性行為をしていたのは安心したな。ギデブって俺とヤりたがる癖に変なところで遠慮したりするし。
そんなギデブがせっかく楽しんでアナルセックスをしているのだから、ここで分身を残した本人登場はやめておいたほうが良さそうだ。そう判断した俺はそっとドアの前から離れ、昨日から徹夜だったおかげで眠いので少し寝るために自室へ向かうのだった。
そしてそこそこ時間が過ぎて、現在は夜。俺が起きた頃にはギデブも部屋から出てお風呂に入っていたので、タイミングを見てギデブに改めて戻ったことを伝え、彼のベッドで強姦された後みたいな体勢になっていた分身を消す。
その後はギデブからのお誘いを泣く泣く躱して俺は聖女祭の最終日ということで姉と共に外へと出た。共に出た理由はセンゼンへ帰るために明日の早朝にはホリフェンを出る必要があるのに姉がハメを外してどこかの男と朝までセックスしないかを監視するためである。
監視は過剰だとは俺でも思うが、過去に最終日だからと男に誘われるままお酒を飲み、見事に酔っ払って朝遅くまで男とセックス。その後に爆睡し、帰ってきたのはその日の夜ってことを姉は一度やっているので必要なのだ。
一応屋敷を一緒に出る時に俺が同行する理由を姉にはしっかり説明してあるので、今日の姉はいつもなら食いつくような体格の良い男を発見しても獣のような視線で舐め回すように見るだけで誘いに行く様子はない。しかし向こうから誘われたらホイホイとついていこうとするので油断は出来ない。
誘われちゃったから仕方ない。ちょっとだけだから。なんて言いながら男に言われるがまま宿屋へ直行しようとする姉のお尻をこの時点で俺は何度も叩いたり抓ったりしているし。
「うぅ、お尻がジンジンします……」
「男にホイホイ釣られるからだろうが。さっきみたいに俺を巻き込んだら強制的に屋敷へ帰るからな」
「それは困ります! まだ美味しいもの巡りが出来てません‼︎」
先程俺達を狙って誘ってきた男にそれなら姉妹丼にしましょうなんて言って俺の肩を掴んで宿屋に行こうとした我が姉。俺からの次やったら帰る宣言に彼女が慌てる姿を流し見て、それから俺は周囲を警戒するように視線を巡らせる。傍からみればポヤっとしていて簡単にヤれそうな姉の代わりに周りの男を警戒している妹みたいに見られるだろう。実際にその通りだから何とも言えないが。
だって姉の警戒度なんて0どころかマイナスだぞ? 今時のぽややんとした女キャラでもここまで無防備すぎる奴なんていないだろ。なんなら話しかけなくても勃起した肉棒を見せて路地裏を指差せば釣れるレベルだぞ。
そんな姉のために周囲を警戒しつつ聖女祭を楽しむこと数時間。聖女祭の閉幕を教会から通達され、住民や観光客が感想を言いながらゾロゾロと帰り始めたことで、あんなに騒がしかった場所が徐々に静かになっていく。
「じゃあ、俺達も帰るか」
「はい、帰りましょう!」
お祭り終わりの何とも言えない寂しい空気というものを感じながら、俺は姉と共に屋敷を目指す。しかし俺達の対向から歩いてきた男を見て、俺は思わず足を止めた。
「……レイホ?」
数歩先まで歩いてから振り返り、立ち止まった俺を不思議そうに見る姉。そんな姉を視界に収めつつも、近付いてくる男を俺は注意深く観察する。
大きめなコートを着用し、寒そうに自分を抱きしめるような姿勢で歩くその姿。顔は俯いているが、視線だけはしっかりと俺達を捉えている。
間違いない。この男は……‼︎
「ハァハァ、お嬢さん達、おじさんのコレ見てよ…‼︎」
俺が相手の正体を見破った時には既に向こうの射程範囲だったのか、男は両腕を大きく広げてコートの前を開放する。当然内側には何も着ておらず、裸体だ。
少女2人に見られている興奮で男の頬は赤らみ、ギデブには劣るものの平均よりは大きい肉棒が男の腰振りに合わせてぷらぷらしている。
露出で1人勝手に興奮している男から俺は視線を逸らし、代わりに姉の方を見ればそこには信じられないものを見たと言いたげな様子で男を凝視する姉がいた。握りしめられた彼女の両手はプルプルと震えており、何かを堪えているようだ。
やがて姉は男をキッと睨み、怒りすら感じられる様子で口を開いた。
「なんて……なんて中途半端な格好をしているんですか‼︎」
「……えっ?」
男としては俺達の「キャー」とか「イヤー」的な恥ずかしがる声を聞きたかったのだと思うが、マジですまない。ここには男の肉棒なんてものを恥ずかしがる乙女はいないんだ。姉は肉棒をほぼ毎日身体のどこかで咥えているし、俺なんて前世で自分の股にぶら下がっていたんだから。むしろどうやって恥ずかしがればいいんだよ。
「そんな立派なモノをお持ちなのに、何故恥ずかしそうに身体を隠しているんですか‼︎」
「えっ、ちょっ、えぇ?」
姉は素早く男に詰め寄り、男のコートを掴んでよくわからないことを言い始めた。男もまさかそんなことを言われるとは思っていなかったのか目を白黒とさせている。
「いいですか? 露出とは…‼︎」
そんな男の反応に姉は自分の服も握りしめ──。
「己を解放し、自由となることです…‼︎」
「きゃぁぁぁぁ‼︎‼︎」
俺が止める間もなく男のコートと共に自分の服を脱ぎ捨てた。そして腰に手をつけて胸を張り、男に向けて自信満々に己の身体を見せつける我が姉。
狙ったターゲットの片方が痴女だったことと、コートを脱がされて全裸にされたことで静かな夜に男の絹を裂くような悲鳴が響く。いや、お前が叫ぶんかい。あと俺をチラチラ見るな。あなたも痴女なんですか? って視線で問いかけてくるんじゃねぇ。
「露出を恥じることはありません。新たな景色と風を感じましょう‼︎」
「……お、俺も出来るのかな?」
「出来ますよ‼︎ 露出の世界はいつでも門を開いて待っているのですから‼︎」
今からでも他人のフリって出来ないかな。とりあえず自分の姿は魔法で隠しておこう。なんて俺が考えているうちに2人の話は進んでおり、何がどうしてどうなったのかは不明だが、2人は全裸のまま大通りへ駆け出そうとしていた。
「俺は……風になる‼︎」
アホなことを叫んだ男が全裸のまま走り出し、当たり前のように姉もそれに続く。が、俺がそれを止めないわけがない。
「【イリュージョン】」
男は放置して彼の後に続く姉の動きを周囲の空間ごと停滞の魔眼で完全停止させ、さらに幻影魔法で姉を周囲から見えないように隠す。その一通りの行動が終わったタイミングで、少し離れたところから笛の音が鳴り響いた。
『コラァ‼︎‼︎ なんで全裸で走り回っているんだ‼︎‼︎』
『か、風になるために……』
『風ぇ? 一体何を言っているんだお前は。頬も赤いし酔っているのか? まぁ、とりあえず詰所には来てもらおうか』
『……はい』
どうやら先行していた全裸男が運悪く巡回していた兵士に見つかったようだ。縄で手首を縛られ、姿を隠した俺達の横を通って連行されていく男の後ろ姿は風を求めて駆け出した時よりも小さく見えた。
「お、おじさーーん‼︎⁉︎ レイホ! おじさんが連行されちゃいました‼︎」
「治安が良い証拠だな。安心したわ」
彼らの姿が見えなくなったところで俺は魔眼を解除し、自由となった姉に姉が脱いだ服を押し付ける。聖女祭最後の夜は、なんとも言えない騒ぎと共に終わるのだった。
◆
聖女祭も終わり、再び数日間の道のりを旅した俺達は無事にセンゼンの村へと帰ってきた。
帰りは行きと違ってこれといったトラブルもなかったが、やはり長旅なので疲れは出てしまうな。
「……おっ、2人ともおかえり!」
「バンさん‼︎ モヘさん‼︎ ただいま帰りました!」
「ただいまです。何もありませんでしたか?」
今日は早めに休もうなんて考えながら、出発した時と同じ門に到着すると、門を守る門兵2人が俺達の姿を見て笑顔を浮かべた。
「何もないよ。平和なもんだ。あまりにも平和だから俺達も暇でね。レイホちゃん、ボディチェックをしてもいい?」
「駄目です。バンさんの場合だと怪しい物を持っていないかっていうチェックじゃなくて、身体を触る方のチェックでしょうが。というか怪しい物チェックで楽が出来るようにお高い道具を買ってましたよね?」
バンと呼ばれた門兵の笑顔で飛び出す清々しいセクハラ発言に俺はジト目を向けながら門の近くで青色に光り輝いている球体を指差す。
前もって登録した物が門を通ろうとすれば、赤く光り輝いて周りに知らせ、自動で【パラライズ】を持ち主にぶち込む警報装置。名前はそのまま『警報装置』。
ゲームにも登場しており、拠点開拓で設置するかどうかを選べ、これを設置すれば悪人が村に入ってくる確率を下げる効果を持っていた。
それがあるためセンゼンの村はボディチェックをする必要が少なく、人の出入りをスムーズにしている。
「ちぇ、モヘの奴はインラちゃんをボディチェックしてるってのに、レイホちゃんは相変わらずガードが硬いなぁ」
バンの言葉に姉がいた場所を見れば、モヘは我が姉のお尻を揉みながら彼女とキスをしていた。そして長いキスを終えると2人は何も言わないまま示し合わせたかのように門兵の休憩所へ入っていく。
休憩所のドアが閉まり、数秒も経たないうちに肉と肉を打ちつけ合う音と姉の喘ぎ声がドアの向こう側から聞こえてきたところで俺は片手で自分の顔半分を覆って大きなため息を吐き出した。
「……ふぅ、とりあえず私は通りますね? 今日は……えぇ、疲れているので早く休みたいんです」
「そうみたいだな。はぁ、俺はレイホちゃんをボディチェックしたかったんだけどなぁ。こんな感じでわしっと胸を揉んだりしてさぁ」
即行で性行為をすることに対して自分の住む場所に帰ってきたなぁと考えてしまった俺自身にため息を吐いた後、一刻も早く休みたいので俺は門を通ろうとする。
バンもそれを止めるつもりはないようだったが、まだ俺の胸を揉むのを諦めていないのか、彼の手が俺の胸まで伸びてくる。
その動きは遅く、力も入っていないので払い除けようと思えば簡単に払い除けることが出来る。しかし俺がそれをしなかったことで、彼の手は俺の胸を掴むことが出来た。
「……んっ」
「……あえ? レイホちゃん?」
「なんですか。もう揉まないなら行きますが?」
「いやいや! 揉む! 揉ませて‼︎ ちょっ、篭手外すから待って‼︎」
まさか揉めると思ってなかったのか、彼はポカンとした表情で手を胸から離して俺を見たので、もう揉まないならと俺が村に行こうとすれば篭手を脱ぎ捨てながら慌てて俺を追いかけてくる。
そして追い付いた彼は俺の脇下から両腕を差し込み、俺の背後から胸を両手でがっしりと掴んだ。
「うぉ、レイホちゃんのおっぱい柔らけぇ……」
「先に言っておきますが、10分だけですよ」
「へへっ、10分も揉んでいいのか。じゃあ立ちっぱなしもなんだし、向こうのベンチに行こうか」
後からゴネられても面倒なので、先に揉んでもいい時間を言っておけば、本当に分かっているのかわからないような返事が背後から返ってくる。
それからバンが言ったベンチに開脚した彼の脚の間に収まる形で座れば、本格的にバンは俺の胸を揉み始めた。彼の指が俺の胸を揉むたびに服ごと胸に指が沈み込むが、俺が痛いと感じるところまで指が沈む前に力を弱めて揉むのをやめる。実に手慣れている動きだ。
「レイホちゃん、生の胸が揉みたいんだけど、服の前を開けてもいい?」
「布1枚無くなった程度で何か変わるのですか? まぁいいですけど」
「そりゃ、変わるさ。とりあえず許可を貰えたのでレイホちゃんの前をご開帳〜っと」
この世界の女性はクーパー靭帯が強靭かつしなやかに発達しているからなのか、激しい動きでばるんばるん揺れても胸が全然垂れない。仮に垂れても回復魔法で治すことが出来るため、前世よりも胸を押さえる必要がなく、そのせいかブラジャーなどの胸を押さえる役割を持つ下着があまり発展していない。
そんな理由もあり、大半の女性はブラジャーを着けていない。俺や姉、オルタチにリリアもブラジャーを着けていないタイプだ。
つまりシスター服という布1枚で胸を押さえているだけであり、服越しでも十分に胸の感触を味わうことが出来るわけなのだが……何故か男達は何も纏っていない胸が良いみたいなのだ。まぁ、俺も着衣エッチよりかは全裸エッチの方が好きだったから気持ちはわかる。
現に俺の胸が前を開けた服から出てきた途端、バンの興奮は一段階上がったみたいだし。俺の胸を見て喉を鳴らしたバンはすっかり黙り込んでしまい、今は顔を俺の後頭部にくっ付けながら俺の胸を揉むことに集中している。
右胸は胸全体を掴んで揉み、左胸は指先で乳首を弾いたり摘んだりしてイジリ、時々胸に乳首を押し込むように指で押してクリクリしてくる。
もしこれをやられているのが姉であれば、胸だけで絶頂して彼を喜ばせていたかもしれないが、開発されきっていない俺は胸をイジられても擽ったいとしか思えない。
そのため彼の荒い鼻息が髪に当たったり、勃起した肉棒が彼のズボン越しから俺の腰に当たっている感触などを味わいながら自分の胸を揉まれる様子を見て時間を潰し、10分が経ったところで胸を揉む彼の腕を押し除けるように叩いた。
「はい、時間です。離してください」
「……レイホちゃん、やっぱり休憩所に行こうよ。ベッドもあるからレイホちゃんも休めるし、大人のおもちゃもいっぱい──」
「【ミニ・ファイア】」
一回で素直に離してくれたら良かったのだが、彼は俺を離すまいと抱きしめて続きの提案をしてくる。ゲームだったら淫乱度次第で場面移行からの本番シーンになるところだろう。
まぁこうなることは勃起した肉棒を押し付けられた時点でわかっていたので、俺は彼からも見える高さまで腕を上げた後、手のひらに魔法で小さな火球を作り出す。そして彼の腕にゆっくりと火球を近付けていくと、慌てた様子で彼は俺を解放した。
「ではお仕事頑張ってくださいね」
「はーい。はぁ、インラちゃんに相手してもらうか……」
服を整えてから俺は教会を目指す。そんな俺を見送った後、バンは休憩所に入り、しばらくすると肉を打ちつける音がまた一つ増えたのだった。
◆
レイホ達がセンゼンの村に戻ってからさらに数日が経ち、オルタチの聖女引退と聖女アマテの誕生という2つの情報が教会から各所に送られている頃、それとは全く関係がないとある場所で問題が起きていた。
『ううむ、困った。一体どうしたら良いのだ……』
声の主であるボスゴブリンは頭を抱え、石で作られた己の玉座に座り込んでいた。その姿にゴブリン達のボスとしての威厳はない。
『今から救援……いや、間に合わん。……我が群れが馬鹿息子の群れとは無関係であることを伝えるしかない、か』
ボスゴブリンの悩みの種は、彼の息子のゴブリンにあった。さらに発生した問題は既に取り返しのつかないところまでいっているようで、ボスゴブリンは既に息子を切り捨てて自分の群れの存続に意識を向けていた。
今更だが、この世界のゴブリンは普通に人類の敵である。人間の雌は自分達の繁殖道具にしか考えておらず、人間の村を見て勝てると思えば襲撃することもある。とはいえキチンと教育すれば、ここのボスゴブリンが率いる群れのゴブリン達のように穏やかになることも出来る。
しかしその教育をボスゴブリンはやったことがないし、そもそもその教育とはエッチ目当てでインラが襲来して満足するまでゴブリン達を搾り取り、生き残ったゴブリン達が「あれ? これ、悪さしたらまた
そんな教育方法なので、必然的にその教育を受けていないゴブリン達が出てしまう。
インラが襲来時に産んだゴブリン達だ。
産まれたばかりで赤ん坊の彼らは襲来時のインラから襲われることはなく、無事に大人まで成長する。そのせいか再びインラが襲来するまでは己の性欲に従って動く本来のゴブリンとなってしまい、女は犯すが常に思考回路に組み込まれている。
だが性欲のままに勝手に外に出て女を襲おうとしたゴブリンはボスゴブリンが叩きのめすので、反抗心を抱きながらも叩きのめされたゴブリンは大人しくなる。そうやっている間にインラが襲来し、散々搾られ、生き残れば晴れて群れの真の一員になる。それがここ数年の流れだった。
だけど今回は違った。インラが最後に産んだボスゴブリンの子ども。コイツが問題だった。
子どもはボスゴブリンには及ばないものの、他のゴブリンよりは大きく、賢かった。そして性欲も強かった。
賢かったから他のゴブリン達みたいに性欲のままに動かず、ボスゴブリンからの制裁を逃れた。他のゴブリン達よりも大きかったから、不満を溜め込んだゴブリン達のリーダーになれた。
そこまでは良かった。不満を溜め込んだゴブリンを纏めてくれるし、反抗もしない。実に良い息子だとボスゴブリンも思っていた。
そんな大人しい息子だったから、巣穴が狭いから近くの場所に移住したいと言ったこともボスゴブリンは認めた。だがまさかその数日後にセンゼンの村を襲撃するなんてボスゴブリンは考えてもいなかった。慌てて走って来たゴブリンから報告を受けた時なんて思わず何度も聞き返したくらいだ。
すぐに息子を問い詰めたいとは思うが、そうすることは向こうも見抜いていたのかあちらの巣穴は厳重警備となっている。そのため向こう側の情報を手に入れることが難しく、唯一分かったのは襲撃班が帰ってきた時に向こう側で大きな歓声が上がったことだろう。
その時点でセンゼンの村に何らかの被害が出たのは確実なため、こうしてボスゴブリンは悩んでいるのだ。
『村にあの姉妹が帰ってきたのは知っている。最悪はないだろうが……ううむ……』
既に見張りにはセンゼンの姉妹が来たらコチラの確認は取らなくていいから素早く通せとボスゴブリンは伝えているが、向こうがちゃんと案内されてくれるかが心配だ。ゴブリンが彼女達の村を襲撃してしまった時点でコチラも攻撃されてもおかしくはないのだから。
とにかくセンゼンの村の反応を見るしかないだろうとボスゴブリンは判断しつつも、今日でこの群れは終わりかもしれないと悲嘆に暮れていると、通路側からゴブリンのものとは別の足音が近付いてくる。
『来たか……』
その足音から逃げ出したい衝動を抑え込みつつ、ゴブリンは石の玉座から降り、部屋の中央に敷いている来客用の獣の皮に座る。
その数秒後にこの部屋へセンゼンの村を守る姉妹、その妹であるレイホが入ってきた。瞳を虹色に輝かせながら。
「お久しぶりですね、ボスゴブリンさん」
『あぁ、久しぶりだな』
「早速ですが今回の襲撃について聞かせてもらいましょうか」
背中に背負っていた大きなリュックを下ろしたレイホは、挨拶をするなり瞳の虹を強く輝かせてボスゴブリンへ今回の襲撃に対する説明を求めた。
『実はだな──』
ボスゴブリンは全てを語った。自分の息子が襲撃した群れのリーダーであることや、彼らの襲撃計画を見抜けなかった自分のことも全て。
「そちらの事情はわかりました。さて、今回の襲撃ですが、ボスゴブリンさんにとって悪いことと良いことがそれぞれ1つあります。どちらから聞きたいですか?」
『……悪いほうから頼む』
「村の女性が1人、ゴブリン達によって攫われました」
先に悪い方から聞きたいとボスゴブリンが言えば、返ってきたのは最悪とは言えないが、その一歩手前な被害報告だった。それが本当ならば、今頃はあちら側の巣穴で攫われた女はゴブリン達の子を孕むために犯されていることだろう。
『……良い、ほうは?』
「その攫われた女性は私のお姉ちゃんです」
『……ん?』
「お姉ちゃんです。あなた達が怖がる、エッチ大好きモンスターの」
見知らぬ女性がゴブリンに群がられ、泣きながら犯されている光景を思い浮かべ、思わず手を握りしめたボスゴブリン。しかし直後にレイホから攫われたのがインラであることを教えられると、女性が襲われている光景が一転してインラが逃げるゴブリンを押し倒して無理矢理犯している光景へと切り替わった。
『……つまり?』
「問題は既に解決しています。そもそも村に被害なんて出てませんからね。お姉ちゃんの血が入っているからか、村を守る結界をすり抜けて来たのは驚きましたがそれだけです。ここに来たのはお姉ちゃんが向こうのゴブリン達を搾っている間は邪魔しないようにと伝えにきたのと、ついでにここのゴブリンさんに頼まれていた触手の日干しが纏った数できたから届けに来ただけです」
リュックを漁り、触手の日干しを取り出して笑うレイホ。それを見たボスゴブリンは強張っていた身体の力を抜き、思いっきり地面へ仰向けに倒れた。
「あれ? どうしたんですか?」
『すまん、勝手にコチラの最悪を考えていた』
まさか倒れられるとは思っていなかったのか、レイホが日干しを持ったまま目をパチクリとさせる。ボスゴブリンが起き上がったのは、それからしばらく経った後のことだった。
レイホ
わざと捕まった姉が襲撃してきたゴブリンの巣へ入ったのを確認してから結界で巣を囲んだ。ゴブリンはもう逃げられない…‼︎
インラ
まだ縄に縛られてゴブリンに犯されている。多分2日ぐらいしたら自力で縄を解いてゴブリンを襲い始める。
えっ! 攫われたらここにいる元気いっぱいのゴブリン達といっぱいエッチしてもいいんですか⁉︎ 行きます‼︎ 私、苗床になります‼︎
ボスゴブリン
インラに散々搾られ、その度に賢者タイムを経験したことで人間の言葉を習得した人間サイズのゴブリン。
息子のやらかしに顔を真っ青にしていたが、攫ったのがよりにもよって性欲モンスターだったことで今は息子に同情している。
この後宴を開いて大いに騒いだ。