※この作品はR-18です。

サロン・セルパンタンの五百日の調教記録──亡国の花と蛇の館   作:ドン・ドナシアン

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013 勝ち目なき条件【第5日】

 開脚された逆さ吊りのまま、レイシアは噴水のように放尿を吹き上げた。その瞬間、ヴェルデンとヤンが大笑いし、周りの女兵たちも一斉に嘲笑の声をあげた。

 一度堰を切ったおしっこは、もはやレイシアの意思で止めることは不可能だった。

 我慢を重ねていたこともあり、放水は高くまであがり、弧を描いてレイシアの裸身に降り注いでくる。

 

 股から噴き上がったそれは、逆さの身体にそのまま降り返り、腹に──胸に──顔に叩きつけられる。

 あまりの恥辱に、レイシアの身体が震えた。

 顔まで濡らし尽くしたあとも、噴出はなお続き、さらに床に垂れる髪に当たって、床をぼたぼたと濡らしていく。

 

「呆れた女だねえ。それでも元の近衛隊の女騎士かよ。ちょっとくらい我慢できないのかい」

 

 横から眺めているアルジェがレイシアの醜態を眺めながら言う。

 

「女の小便というのは初めて見るが、噴水とは驚くぜ」

 

 ヤンが手を叩いて哄笑する。

 それに応じるように、周囲の女兵たちもはやしてたてる。

 

「それにしても、まさか逆立ちのまま放尿するとはねえ。必死に我慢すると思ってたけど」

 

「ざまあないねえ。それでも、お前は女騎士かよ」

 

「股を拡げて、みんなの前で逆さに小便するなんて、呆れ返るよ」

 

 女たちが好き勝手なことを口にする。

 そのあいだも、逆さの噴流は途切れない。

 

「なんとか言いな、レイシア──。カンパネルラの英雄も、いまじゃ、このざまだ」

 

 アルジェがレイシアに向かって怒鳴る。

 しかし、レイシアにはもう口を開く気力は喪失してしまっていた。

 

 やがて、余韻のような滴りも終わり、ようやく失禁も収まった。

 レイシアは、逆さ吊りの裸身を震わせたまま、逆さの視界の中で天井だけを見つめていた。

 

「なんとか、言わないかい──。誰が掃除すると思ってんだい──」

 

 そのとき、アルジェが思い切り、レイシアの尻を平手で引っ叩いた。

 

「くっ」

 

 レイシアは痛みと恥辱に顔をしかめる。

 

「毛剃りも待ちきれずに、おっ始めるような恥知らずには、剃刀は贅沢だね。全部、手で引っこ抜いてやるよ──。やりな──」

 

 アルジェが声をかけると、水刷毛でレイシアに刺激を加えたふたりの女兵が今度は、左右から指でレイシアの陰毛をわしづかみにしてきた。

 手首を捻るように、ゆっくりと股間の毛を引き抜かれる。

 

「んぎいいいっ」

 

 レイシアはあまりの激痛に、逆さ吊りの身体を痙攣させて、喰いしばった口から苦悶の呻きを漏らした。

 

「はは、そんなに苦しいかい、騎士さん? あんたに殺されたあたいの恋人はもっと痛かったろうよ」

 

「敵討ち代わりに、全部手で抜いてやるから覚悟しな」

 

 上から抜かれたレイシアの陰毛がはらはらと顔の前を落ちていく。

 レイシアは噴き出す脂汗とともに、肩で息をした。

 

「待て、それ以上はなしだ……。粗相をした罰は、妹と並べて陰毛を剃りあげることで代わりにしよう。それで溜飲をさげろ」

 

 そのとき、ヴェルデンが声を掛けた。

 レイシアは愕然となった。

 

「ま、待ってくれ──。約束が違う──。リネアには手を出さないと言ったではないか──」

 

 レイシアは叫ぶ。

 

「なにを言う。それはお前が小便で床を汚す前ではないか。粗相をした罰は受けてもらわねば困るぞ。恨むなら堪え性のない自分を恨め」

 

 ヴェルデンが笑う。

 レイシアは歯ぎしりした。

 あまりもの口惜しさで、視界が歪む。

 

「そ、そんな──それだけはやめて──。お願いだ──」

 

 レイシアは必死で哀願する。

 

「レイシア、このままじゃ、本当に大変なことになるぞ。お前自身のことはも諦めろ。しかし、妹のリネアまで巻き込まれたくねえはずだ。そうだろ?」

 

 ヤンがレイシアの前にしゃがみ込んできて、視界が反転しているレイシアの顔を覗き込むようにしてきた。

 この卑劣男──すべての元凶がこいつなのはわかっている。レイシアが捕らわれたのも、わざわざ、妹のリネアの情報をこのサロンの連中に教えたのも……。

 だが、いまや、そのヤンでさえも縋るしかない。

 

「そ、そうだ。もうあたしのことはどうにでもしていい。なんでもする。本当だ──。だから、リネアだけは許してくれ──」

 

 レイシアは声をあげた。

 すると、ヤンが満足したように頷く。

 

「……ねえ、閣下、ここまで言ってるんです。一度だけ機会を与えてやりませんか?」

 

 すると、ヤンが立ちあがって、ヴェルデンに振り返った。

 

「ほう、機会か?」

 

「ええ、ちょっとした勝負をさせましょうよ。こいつは女騎士だし、勝負で負ければ諦めもつくでしょう……。レイシア、妹を助けたけれ勝負を受けろ。そして、勝て。それしかねえ」

 

 ヤンが上からレイシアを見下ろす。

 

「勝負だと……?」

 

 なにを考えているのかわからない。

 どう考えても、まともな勝負をさせるとは考えられなかった。だが、その言葉に縋るしかないのか……。

 どうしたら……。

 

「まあ、どんな勝負をさせる気?」

 

 アルジェがヤンに声を掛ける。

 

「なあに、簡単な勝負だ。これから半時間、そのおふたりがレイシアを責める。レイシアはそれに耐え抜くという勝負だ。もしも、呆気なく気をやれば、残念ながら、妹は連れてくる」

 

 ヤンが言った。

 レイシアは鼻白んだ。

 ここに連れてこられる前に、レイシアは埋められた魔核で身体の感度を上昇され、なにもされていないいまでも、おかしな淫情で身体が熱くなっている。

 この追い詰められかけている身体を、拘束された状態で愛撫を一方的に受け、情欲で絶頂すれば、妹をここに連れてくるというのだ。

 その身体で勝てというのか──。

 なんという卑劣な……。

 

「そりゃあいいわ。じゃあ、あんたら頑張りな。どんな道具でも好きなように使いな」

 

 アルジェが手を叩いて、さっきのふたりの女兵に声を掛ける。

 

「おお、それは面白い。なるほど、それなら、レイシアも納得もいくだろう。レイシア、妹を巻き込みたくなければ、勝負を受けろ。そして、勝て」

 

 ヴェルデンが笑い出す。

 

「あ、あんまりだ──。そんなのない──」

 

 レイシアは悲鳴をあげた。

 

「なら、勝てばいいのよ──。せめて、頭は元に戻してあげるよ」

 

 アルジェが合図し、レイシアの身体はもう一度反転され、逆さ吊りからは解放された。

 四肢を拡げて繋ぎとめている枠が固定される。

 

「お、お前ら、卑怯だぞ──。妹は関係ないだろ──」

 

 レイシアは身体を揺さぶって叫んだ。

 

「たった、半時間、耐えたらいいだけだろ──。さあ、お前ら、水時計を準備しな。半時間の勝負だ」

 

 アルジェが笑う。

 

「じゃあ、あたいは媚薬の油剤を準備するわ」

 

「張形も持ってくるよ。尻用と、前用のそれぞれのね」

 

 女兵たちが慌ただしく動き出す。

 四肢を拘束されているレイシアは、逃げ場もないまま、それを待つしかなかった。

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