サロン・セルパンタンの五百日の調教記録──亡国の花と蛇の館 作:ドン・ドナシアン
「ふ、ふざけないで──」
クラウディアは叫んだ。
ぎりぎりと歯を食いしばる。尿意は、すでに限界を超えていた。全身を焼くような掻痒感も、逆海老吊りの激痛も、もはや理性だけでは支え切れない。
それでも、屈するものかと全身へ力を込めた。
「なんだ、まだ余裕なんじゃないの。じゃあ、聖女様用の厠は下げるわよ」
アルジェが笑った。
「……そんなもの、厠でもなんでもないでしょう」
クラウディアは吐き捨てた。
しかし、その言葉とは裏腹に、身体は震え続けている。
尿道へ意識を集中させ、必死に耐えようとするが、限界が近いことだけは嫌というほどわかっていた。
「だったら、聖女の矜恃にかけて耐えるといい。アルジェ、桶をさげていいよ」
カイネウスが指示する。
逆海老吊りの身体の真下に置いてある金桶が外される。
クラウディアの胸へ絶望が広がった。
そのとき、がくんと馬車が大きく揺れた。
車輪の音が止む。
馬車が停車したようだ。
外から兵士たちの怒鳴り声と馬のいななきが聞こえてくる。
「休憩のようだね。じゃあ、軽く食事にしようか」
しばらく、慌ただしいのは外だけだった。
人の行き交う足音や、荷を運ぶ物音が聞こえてくる。休息の準備をしているらしい。
やがて、箱馬車の後部扉が大きく開かれた。
「ああっ……」
クラウディアの口から思わず声が漏れる。
馬車の中央で逆海老吊りにされた全裸の身体が、そのまま開いた扉越しに外へ晒されたのだ。
外気が一気に流れ込み、大量の汗にまみれている肌を撫でた。
視線を向けると、護衛のために馬車を囲んでいた共和国の騎士たちが、すでに馬を下りていた。
彼らは露骨に見つめることこそしなかったが、目に入る騎士たちは、驚きを隠せない様子でこちらへ視線を向けている。
「閉めて──。閉めてください──」
さすがに、羞恥に苛まれてクラウディアは叫んだ。
扉一枚を隔てた馬車の中とは違う。
いまは開け放たれた後部扉の向こうに、遮るものはなにもなかった。
全裸のまま逆海老に吊られ、剥き出しの乳房や股のあいだまでが、昼の明るい陽射しの下へそのまま晒されている。
腕で胸元を隠すことも、脚を閉じることもできない。顔を背けたところで、身体そのものを隠せるわけではなかった。
しかも、そこにいるのはアルジェたちだけではない。
名も知らぬ共和国の騎士たちだ。王国の聖女として、多くの者から敬意を向けられてきた自分が、いまは敵兵たちの前で、敗者の姿を余すところなく晒されているのだ。
その事実が胸へ落ちた瞬間、血の気が引いた。
身体の苦痛も、耐え難い尿意も、一瞬だけ遠のいたように感じるほどの羞恥だった。
「あら、これくらいで恥ずかしがったら、心がもたないわよ。これから食事よ……。外でね」
アルジェが揶揄うように笑う。
「ど、どういう意味よ」
「ふふ、さっき馬車の中で用足しを終わらせなかったことを後悔するのね。準備ができたようよ」
それだけを言って、アルジェが馬車の外に顔を向けた。
つられるように、クラウディアも外を見た。
馬車のすぐ脇には大きな樹が一本立っていた。
枝葉の作る木陰には、小さな卓と数脚の椅子が並べられ、その上には焼きたての黒パン、干し肉、白いチーズ、干し葡萄、それに果実水の入った水差しが用意されている。
野営の途中で取る簡素な昼食のようだ。
「先に行く」
まず、カイネウスが降りていく。すると、アルジェたち四人も立ち上がり、クラウディアを取り囲むように位置についた。
なにをするつもりなのかわからず、嫌な予感が胸をよぎる。
次の瞬間、逆海老吊りにしていた鎖が静かに下り始めた。
「な、なにをするの?」
戸惑いを隠せず、クラウディアは声を上げた。
「休憩だと言ったでしょう。サロンまではまだ長いもの。少しくらい外の風に当たらないとね」
アルジェが笑う。
天井へ繋がっていた鎖だけが外される。
逆海老吊りの拘束はそのままに、四人の女兵が身体を支えるように手を添えた。
「せーの」
わざとらしい掛け声とともに、四人が一斉にクラウディアの身体を持ち上げる。
「あっ、いやあっ──」
逆海老に拘束されたままの身体が、ゆっくりと馬車の外へ運び出されていく。
陽光の下へ晒されたクラウディアは、思わず悲鳴を上げた。
それまでは、開いた扉の奥にいるだけだった。
扉さえ閉じられれば、少なくとも兵たちの視線からは逃れられる。心のどこかで、まだそう思っていた。
だが、いまは違う。
身体ごと馬車の外へ運び出され、最後に残っていた遮蔽物さえ失われてしまった。どこへ顔を背けても、身を隠せる場所はない。
視界の端へ、休憩に入った共和国軍の兵たちの姿が次々と入り込んでくる。
騎士たちは思い思いに馬の手綱を緩め、水を飲み、談笑を交わしていた。しかし、クラウディアが運び出されたことに気づくと、誰もが一度は動きを止め、こちらへ視線を向けた。
馬車へ戻されれば、まだ兵たちの目から逃れられる。
そんな僅かな望みさえ、すでに失われていた。
しかも、これはサロンへ着くまでの余興にすぎない。
この先に待つものを思った瞬間、耐え続ける意味さえ見失った。
──もう、死んでしまおう。
ふいに、そんな考えが浮かんだ。
せめて、最後くらいは自分の意志で終わらせたかった。
クラウディアは口の中で舌へ力を込めた。
だが、顎は動かなかった。
噛み締めようとした瞬間、首の後ろが熱を帯び、顎に込めた力が抜けた。自分の意志とは無関係に、口が僅かに開いてしまう。
「無駄だよ。その魔核は、所有者の許可なく自分の身体を傷つけることを認めない。まして、勝手に死ぬことなど許されるはずがないだろう」
すでに馬車脇の卓へ着いていたカイネウスが、穏やかな口調で告げた。
クラウディアは愕然と目を見開く。
死ぬことさえ、許されない──?
この身体をどう扱うかだけではない。
生きるか、死ぬかという最後の選択まで、すでに自分の手から奪われているのだ。
この身体も、この命さえも、もはや自分のものではない。
その理解は、これまで受けたどんな辱めよりも深く、クラウディアの心を打ちのめした。
「カ、カイネウス──。あ、あなたを軽蔑する──。恥知らず──。それでも武人なの──」
クラウディアは震える声で吐き捨てた。
だが、カイネウスは怒りもしなかった。
卓の上の黒パンを手に取り、ゆっくりと二つに割る。
「武人か。ずいぶん都合のいい言葉だね」
興味を失ったような口調だった。
「都合がいい?」
「自分たちが勝者のときは、敵国民を家畜のように殺し、領地を奪い、従わせる。それを武人の務めと呼ぶ。ところが、自分が敗者になった途端、相手へ矜恃や慈悲を求めるのか」
「わ、わたしは、そんなことを──」
「君たち王国がこれまでにしたことだ。ならば、敗者になったいまは、その報復を受けるのは仕方あるまい。王国の貴族として、この恥辱にも、甘んじてもらおう」
カイネウスが無表情で言う。
クラウディアは息を詰まらせた。
「違う──。人として、当然の──」
「その当然を決める権利を、君たちは、これまでの侵略戦争で失ったんだ」
カイネウスは干し肉を口へ運び、静かに噛んだ。
まるで、いま交わしている言葉など、食事の合間の雑談にすぎないかのようだった。
そのあいだにも、樹木の太い枝から吊られたクラウディアの身体は、女兵たちの手によってゆっくりと下ろされていった。
真下にあるのは、カイネウスたちが食事をしている卓だった。
「ま、待って──。そこは──」
訴える声には誰も耳を貸さない。
クラウディアの身体は、卓上へ触れる寸前の高さまで下ろされた。
黒パンや干し肉、チーズを載せた皿は、その身体を取り囲むように並べられている。水差しや杯も、すぐそばに置かれていた。
少しでも身じろぎすれば、乳首が卓へ触れてしまいそうだった。
けれど、身体を預けることはできない。ぎりぎりの高さを保たれたまま、宙に吊られている。
カイネウスたちにとっては、視線をわずかに下げるだけで、無防備なクラウディアの姿が自然と目に入る位置だった。
反対に、クラウディアから見えるのは、卓の縁と、その向こうで食事をする者たちの手元だけだ。カイネウスの顔を確かめようとすれば、苦痛に耐えながら首を持ち上げ、見上げなければならない。
身体を隠すこともできず、自分を見下ろしている者たちの表情さえ自由には確かめられない。
食卓を囲む一人として扱われているのではない。
卓上へ置かれた見世物として、彼らの視界の中へ据えられているのだ。
その一方的な位置関係が、クラウディアの屈辱をいっそう深くした。
「さあ、では、あたしたちもご相伴させていただきます」
アルジェが愉快そうに告げた。
残る三人の女兵たちも、次々と卓を囲む椅子へ腰を下ろしていく。
クラウディアを卓上すれすれに吊るしたまま、まるでそこに何事もないかのように食事を始めるつもりらしい。
そのうちの一人だけは席へ着かず、別に用意していた丸皿を持ってきた。
皿の中には、細かく崩した腸詰めと、柔らかく潰した穀物が混ぜられていた。さらにその上から水が注がれ、形の崩れた粥のようになっている。
女兵はそれを、クラウディアの顔の真下へ置いた。
顔をできる限り下へ向け、舌を伸ばせば、どうにか届くかもしれない。
そう思わせる、ぎりぎりの位置だった。
クラウディアは目を見開いた。
卓を囲む者たちには、焼きたての黒パンや干し肉、チーズが並べられている。
それに対して、自分に与えられたのは、器へ顔を近づけなければ口にすることさえできない食事だった。しかも、こんなものは食事ではない。
餌だ──。
「聖女様も、どうぞ」
皿を置いた女兵が、くすくすと笑いながら告げた。
「……誰が、そんなものを……。しかも、どうやって食べろと……」
クラウディアは顔を背けようとした。
だが、逃れたところで皿が消えるわけではない。視界のすぐ下には、崩された食事が置かれたままだった。
食べるためには、自分から顔を寄せなければならない。
舌を伸ばし、彼女たちの見ている前で、皿の中身を口へ運ばなければならないのだ。
それが食事を与えるためではなく、クラウディア自身に選ばせるための配置であることは明らかだった。
「遠慮なく、犬のようにお食べください。それとも、もう少し身体をおろしますか?」
アルジェがわざとらしく言った。
「ふ、不要だ──」
クラウディアは吐き捨てた。
拒み続けるのか。
それとも、空腹に耐えられず、自ら屈辱を受け入れるのか。
女兵たちは急かすこともなく、ただクラウディアの反応を楽しむように笑っていた。
クラウディアの周りで、カイネウスたちの食事が続く。
しばらくは、羞恥と緊張だけで頭の中が埋め尽くされていた。
周囲の視線を意識するあまり、ほかの感覚すべてが遠のいたようにさえ感じていた。
だが、人の心はどれほど耐え難い状況にも、僅かずつ慣れてしまう。
張り詰めていた緊張がほんの少し緩んだ瞬間、それまで押し退けられていた苦痛が一斉に戻ってきた。
「ああっ……」
クラウディアの口から、か細い声が漏れた。
限界まで耐え続けていた尿意が、先ほどまでよりも激しく下腹部を締めつける。
同時に、全身を這い回る痒みまで再び鮮明になった。
忘れていたわけではない。
羞恥が強すぎて、意識の奥へ追いやられていただけなのだ。
逃げ場のない姿勢のまま、身体の内側と外側から別々の苦痛が押し寄せてくる。
それでも、目の前には食事を続けるカイネウスたちがいる。周囲には、大勢の共和国兵がいる。
ここで取り乱すわけにはいかない──。
そう自分へ言い聞かせるほど、身体は逆らうように震えを強めていった。
「くっ、くく……」
堪えようとしても、身体の震えは収まらなかった。
全身を苛む痒みから逃れようと、クラウディアの腰や肩が小刻みに揺れる。だが、拘束された身体は思うようには動かず、吊り下げられた鎖を僅かに軋ませるだけだった。
その音と動きに、周囲の騎士たちが次第にクラウディアに注目していくのがわかる。
遠巻きではあるが、それまで仲間と話していた者たちのほぼ全員が会話を止めている。
水を飲んでいた者が、杯を口元へ運んだままこちらを見ている。
馬の世話をしていた者まで、手を止めて視線を向けている。
この姿を見られている……。
痒みに耐えられず身体を震わせていることも、限界の尿意に追い詰められていることも、すべて見透かされているように思えた。
動けば注目を集める。
だが、動かずに耐えることもできない。
必死に身体を静めようとすればするほど、痒みは強く意識へ浮かび上がり、震えはかえって大きくなった。
興味本位の者。
憐れむような目を向ける者。
無表情のまま、ただ捕虜として眺める者。
向けられる視線の意味はそれぞれ違っていた。
それでも、クラウディアにとっては同じだった。
王国の聖女として人々の前に立っていた頃、浴びていたのは敬意と祈りの眼差しだった。
いま向けられているのは、苦痛に震える敗者を眺める目だ。
その落差が、針のように胸へ突き刺さる。
「わかっていると思うけど、聖女様の汚いものでテーブルを汚さないでね」
アルジェが声を掛けてきた。
「でも、汗がすごいわ。聖女様の身体の下にある料理は汗まみれよ」
「股の真下もね」
「そっちは汗じゃなさそうだけど。とろとろしている」
ほかの女兵たちも嵩にかかって揶揄ってくる。
クラウディアは、ただただ必死に歯を喰いしばった。
全身を這い回る痒みが耐え難い。
身動きを封じられているにもかかわらず、逃れようとするように身体が揺れる。だが、動けば動くほど拘束が食い込み、苦痛が増すだけだった。
しかし、それ以上に深刻なのは、限界まで膨れ上がった尿意だった。
もう、意地だけで耐えられる状態ではない。
このままでは、自分の意志とは関係なく身体が限界を迎える。
クラウディアは唇を噛んだ。
──望むものがあるなら、自分の口で言え。
馬車の中で、カイネウスから突きつけられた言葉が蘇る。
あの男の決めた規則に従うなど、腹立たしくて仕方がなかった。
助けを求めれば、それだけで屈したことになるような気がした。
それでも、いま頼れるものは、その規則しかない。
クラウディアは大きく息を吸った。
喉の奥から、声を絞り出す。
「……用足しを、させてください」
口にした瞬間、怒りと羞恥で胸が焼けた。
どうして自分が、こんな当然のことを許しとして願わなければならないのか。
しかも、敵兵たちの視線に晒されながら、カイネウスへ頭を下げるように頼まなければならない。
だが、カイネウスは驚きもしなかった。
手にしていた黒パンを一口かじり、ゆっくりと咀嚼する。
「誰のだ?」
「……ディア……。ディアのです。ディアに用足しをさせてください……」
恥辱に耐えながら哀願する。
一人称は使ってはならない。”ディア”という呼び掛けをした場合のみ、望みが検討されるというのもルールだった。
「食事のあとだね」
あまりにもあっさりとした返答だった。
クラウディアは耳を疑った。
「な……」
「いまは食事中だ。終わるまで待つといい」
カイネウスはそれだけ言うと、何事もなかったように皿へ視線を戻した。
「ま、待てるわけがないでしょう──」
思わず声を荒らげる。
けれど、カイネウスは答えなかった。
自分にとっては、もはや一刻を争うほど切迫した問題だ。
だが、この男にとっては、食事の手を止めるほどのことですらない。
頼めば与えられるわけではない。
望みを口にしても、それをいつ叶えるかを決めるのはカイネウスなのだ。
クラウディアは、改めてその事実を思い知らされた。
それから、どれほど時間が経ったのかわからない。
クラウディアには、ひどく長い時間に感じられた。
食器の触れ合う音や、黒パンをちぎる音が聞こえるたびに、まだ食事は終わらないのかと胸の中で繰り返した。
やがて、食器の音が止んだ。
クラウディアが首を持ち上げれば、正面のカイネウスだけは見えた。その手は止まり、また、背後から聞こえていた食器の音も途絶えている。
どうやら、全員が食べ終えたらしい。
「カ、カイネウス……。食事は終わったのでしょう。お願い、もう限界なの。ディ、ディアに用足しをさせて……」
声を絞り出す。
もう喋るだけで、おしっこが漏れそうだった。
「食事が終わってからだと言ったはずだよ」
「だ、だから……」
こつ、と皿を叩く音がした。
顔のすぐ下に置かれた、自分用の皿だった。
「……君の食事が、まだ終わっていない」
クラウディアは目を見開いた。
これを食べなければ、許されない?
とてもじゃないが、こんな餌のような食事をするつもりなどなかった。
だが、拒めば、この尿意を耐え続けるしかない。
不可能だ──。
「そ、そんな……」
縋っていた僅かな希望が、音を立てて崩れていく。
クラウディアは荒い息を吐き、必死に顔を皿へ近づけた。
首を伸ばし、舌先を出す。
だが、皿までは僅かに届かない。
「くっ……」
さらに身体を揺らし、ようやく舌先がどろりとした食事へ触れた。
少量を舐め取り、どうにか口へ運ぶ。
音を立てまいと思っても無理だった。
手を使えず、顔も自由には動かせない。何度も舌を伸ばし、僅かずつ皿の中身を掻き集めるしかない。
早く食べ終えなければならない。
その一心で、クラウディアは無我夢中になって口を動かした。
「ふふ。サロンではね、隷奴のあらゆる行動を性の快楽に結びつけるよう矯正するのさ」
背後からアルジェの声が聞こえた。
「……食事も例外じゃないよ。苦痛や刺激の中でも、命じられたことを続けられるようにする。これは、その最初の練習だね」
直後、細い棒状のものがクラウディアの股間の中心に軽く触れてきた。
くすぐるように、棒状のもので股間の付け根の小さな突起を弾くように愛撫してくる。
「ああっ──そ、それは、あ、あんまりよ──」
抑え込んでいた痒みが一気に強まり、クラウディアの身体が跳ねる。
痒みに苛まれている股間に、やっと加えられた刺激だ──。
アルジェに股間を刺激されたことで、甘く粘つくような感覚と、気が遠くなるほど強い疼きが、クラウディアに一気に襲いかかった。
そして、ついに耐えに耐えていた尿意が、クラウディアの意思とは無関係に、堰を切ってしまった。
「ああっ」
しゅっという刹那的な激しい音とともに股間から放水が始まり、テーブルに大きな水音を立てて、尿が迸った。
卓を囲んでいた女兵たちが、一斉に椅子を引く。
「あらあら。許可を受ける前にしてしまったの、聖女様」
アルジェが呆れたように言った。
だが、ひとたび堰を切ったものは、もう止められない。
クラウディアの股間から迸っている一条の放水は勢いよく飛び出し続け、激しい水音を立てながら卓上をみるみると濡らしていった。