私はきっと欲張りなんだ。セックスだけじゃもう足りない。そこに家族が居て、皆が幸せでないと私はもう満足できない。
失われるとわかっているのなら、零れ落ちないようにすればいい。もし零れ落ちたのだとしても、また拾い直せばいい。壊れたのならまた繋ぎなおせばいい。
私の中の欲望が、童心が、奥底で叫ぶ。大切なものは失っちゃいけない、欲しいものは絶対に手に入れなきゃいけないって。
気が変わった。せっかく一緒にお風呂に入っているのだ。もう少し父と親睦を深めても罰は当たらないだろう。
「ならよかった。流すから目を瞑ってて」
レバーの捻る音が聞こえると暖かなシャワーの水が降り注いでくる。髪をすくように優しく泡を落していってくれる。
「っぷはぁ、ふぅー」
「こうして洗っているとまだまだインコも小さいなぁ……」
タイミング的にはここで仕掛けようかな。独り言をつぶやいたその言葉に私は反応する。
「むー、私ももうお姉さんって言われてるんだよ。登校班も副班長なんだから」
「パパからしたらインコはずっと可愛い子供だよ」
可愛い子供、パパの中ではまだまだ子供なのかもしれない。でもそれはパパが知らないからだ。今からその認識を少しだけ前に進めてあげる。
「私もね、大きくなってるんだよ」
私は振り向きざまに父の手を取って、自らの胸に当てた。膨らみかけの乳に父の手が触れて、その形を変える。私の突然の行動に驚いて、父はその手に力を込めてしまう。
「——ぁっは……♡」
誰にも聞こえない程度の喘ぎ声が、私の口から漏れ出る。
見つめる先の父の表情は、戸惑い、喜び、驚嘆、そして興奮と罪悪感。
父にそんな意図がないことは分かり切っている。力んだ拍子に図らずも揉んでしまった。ただそれだけの話。けれど父の指は、確かに私の乳を揉んでいる。
揉まれた乳は指に沿って沈み込むようにその形を窪ませる。膨らみかけの乳は指が沈みこめるほど大きくはない。指はほんの少し沈み、その形を変えるだけ。けれど、揉めるほどには成長している。
子供と思っていた存在に確かに感じ取った女としての感触。
掌から伝わる乳首の硬い感触、乳房のしっとりとした柔らかさ、幼き存在にはまだあるはずのない圧倒的な雌としての特徴。
その雌としての存在感を父は、掌から父は一身に感じ取っている。
「ね、ママみたいにおっぱいも大きくなってるでしょ?」
「ちょ、ちょっとインコそういうことはしちゃダメだよ」
咄嗟に手を引こうとする父だったが、それを阻むように私は父の手を抱き、その手を上から自分の手を添えて揉ませる。
まるで金縛りにあったかのように父は私にされるがまま、私の乳を揉む。
胸に触れている掌から父の感情が伝わってくるようだった。突然胸を触ってしまった戸惑いに始まり、父として純粋に成長を喜び関心する感情。そして、自分の雄としての部分が興奮してしまったことへの罪悪感。
自分の気持ちと反応に狼狽える父に対して、私は畳みかけるように言葉を紡ぐ。
「どうしてだめなの? それに触らなきゃ大きくなってるかわからないよ。ほらもっと揉んでみて、ママほどじゃないけど私もちゃんとお姉さんになってきてるんだよ?」
「インコ……」
戸惑いを隠せない父。けれど父は私の肩を掴んで自らの手を引き抜いていく。どこまでも優しく父は諭してくる。
「こういうのはね好きな人同士じゃないとやっちゃいけないことなんだよ」
「うん、私パパのこと好きだよ、ならしたっていいってことじゃないの?」
「あぁ、まぁ……たしかに今の言い方だとそうなっちゃうよな。どう言ったらいんだろう……ライクとラブは違うって言っても分からないだろうし……」
「んふふ、パーパ♡」
考え込む父の姿も素敵だけど今は私を見ていて欲しい。
無垢を装って、離れた距離を詰める。椅子へ座る父の太ももに跨り腰を下ろす形で正面から抱きついていく。
父が身じろいで離れようとするけど、そうはいかない。腕を父の背中に回し、体重をかけてマンコの割れ目に太腿を食い込ませれば、もう私の身体はただの身じろぎくらいでは動かない。
「ちょ、ちょっとインコ……」
両手は私を触ろうと近づくが、直前で金縛りにあったかのように止まってしまう。そんな手付きから嫌という程に父の気持ちが推し量れてしまう。
自覚がないまま赤裸々に抱きつく私を無理やり引きはがすべきか、それとももっと別の言い方が無いかって考えている。
そうして悩んでいる間に私はもっと近づいていく。
全身で、触れていない所が無いくらいにまで。回した手に力を入れて、太腿の上を滑らせるようにして、密着していく。
水に濡れた仄かに上気する私の肌が、線が細いながらも逞しい胸板へと触れる。頭が、腕が、胸が、マンコが、全身が父を感じている。右の太ももに至っては勃起しつつある父のチンポに触れている。
まだ柔らかくて、半勃起といったところのチンポ。でも私が触れたことで急速に熱を上げていくのが分かる。父の性的興奮の高鳴りが、太腿を通じて伝わってくる。
「私パパのこと好きだよ」
父が私に興奮してくれている、それが嬉しくて思わず耳元で呟いてしまう。
流石に愛しているとはまだ言えない。でも、誤解でもいいから私の想いを知っていて欲しかった。
予想通り、父は一人の女からの告白とは捉えなかった。愛する娘からの好意、その言葉を受けて父は自らの中の邪な気を振り切ったようだった。
宙を彷徨っていた手はしっかりと私の肩を掴んで、優しく引き離していく。
「それは、僕もインコの事は好きだよ。でもねこういうのもあまりよくはないんだよ?」
「どうして、パパさっき好き同士ならしていいって言ってたよ?」
「そうだなぁ……今は分からないかもしれないけどきっと分かる時が来るよ。だからこれだけは覚えてほしんだインコ」
真面目な顔で言う父の表情は、完全に父親としてものに戻っていた。
愛しているではなく、好きと父に伝えれば親としての意識を取り戻すことなんて、分かり切っていた。父はそういう人だ、真面目で親愛に溢れた父。そんな父だからこそ娘の無垢な愛に応えようとするし、罪悪感を抱くことになってしまう。
自覚があるぶん、罪悪感を払拭しようとする心の動きは自然な動きだ。父の言葉にはそれが如実に表れていた。
「あまり男の人に裸を見せたり、身体を触らせるようなことはしちゃダメだからね。だからこういうこともとりあえずダメなことって、今はそれだけでも分かってくれればいいから」
父の言う事は理解できる。むやみやたらに裸を異性に見せてはいけない、触れ合うのも良くはない、至極もっともな言い分だと思う。そしてそれは私が父に対してもそうなのだと語る。
普段の父だったらとっくに自分が言っていることがおかしいと気づいたはず。それだけ今の欲求不満や仕事での心労が祟っているのだと推し量れてしまう。
「うん……わかった、けど……」
「けど?」
「じゃあ、パパは私の身体洗ってくれないってこと?」
「あっ……あぁ、でも……そうなっちゃうよな」
欲しい反応も見れたし、父も疲れている。なら今日の所はここで終らせるべきなのかもしれない。なんて、そんな甘い考えはもう無い。気が変わったのだ。
もうここで話を終わらせるくらいなら、私は最初から堕とすことなんて考えたりしない。それくらいの気概になっている。
洗ってはダメ? 見せてはいけない? なぜならそれはそういうものだから——。
そんなはずはない、親と子の間にそんなルールが介入する余地なんて本来はあるはずないのだ。親が子と一緒にお風呂に入ることになんの不都合があるというのか。身体を洗ってあげることにどんな邪な心を抱くというのか。普通の親子であるのなら何の問題も無いはず。
そうはならないのは、父が自らの罪悪感を払拭しようとしているからだ。
普通の父であろうとして、罪悪感の根源から目を逸らそうとすればするほど、許容できない事実が父へ突き付けられる。
愛する娘の身体で興奮したこと。それから目を逸らすためにただの家族としての営みをダメなことだと言って否定すれば、それはもう普通の事ではないと言っているようなもの。言外にいけない事をシテしまったと認めてしまっている。
分かっているが故に罪悪感は生まれる。心に巣くう後悔、後味の悪い感覚、それを抑えて余りある女の身体で興奮した感覚、混ざり混ざった罪悪感という感情は、父にとってみれば認めることは到底できない否定するべき感情だ。
なにせ父なのだ。父親という存在はそんな事をしないし、卑猥な感情を向けたりもしない。
だがそうして否定する心の動きそのものが、父の中で罪悪感を育てる肥沃な土壌と化していることに気が付かない。
否定する心の反応が、興奮したという事実をより明瞭にして、罪悪感を育てる。ストレスを受けた心はさらなる防衛反応を見せて、この罪悪感を払拭しようとする。
ストレスの解消法が極端に少ない父には、もうこの流れから逃れる術は無い。ストレスはさらなる欲求不満を招き、今も私のような未成熟な女に興奮してしまっている。そしてその興奮したという事実が罪悪感を生み、さらなるストレスを生む。
そうやって父の中でストレスと罪悪感が大きくなり、限界を迎えたその時こそが、私の望む父が堕落する日になる。
限界を迎えた心は何かしらの形で防衛反応を見せる。逃避、対峙、合理化、投影、反動、言い方はともかくとして。その時にそっと私は、私を差し出すのだ。
心に寄り添い、認めて、励まし、愛を囁く。私という逃げ道に導き、どこまでも深い快楽の渦へと一緒に投身する。
そしたらもう這い上がっては来れない。
いつまでも睦み合って、快楽を貪り喰らう。
「うそつき」
「うぐっ」
その最初の一歩を父は踏み出したのだ。
罪悪感が滲むその表情。心苦しいけれど、これも父の事を想えばこそ。今はその罪悪感に付け込ませてもらう。
「入る時パパ身体洗ってくれるって言ったのに」
「でもねインコ、さっきも言ったけど男の人が女の人の身体を触ることはあまりいいことじゃないんだよ」
「それなのにパパは私の身体を洗ってくれようとしたの? じゃあパパはいけないことをしようとしたってこと?」
「そうじゃないんだ……そういうことじゃないんだけど……」
そうとも、言えるはずがない。
ここでいけない事だと肯定するということは、父の中にある罪悪感を認めることになる。欲求不満で実の娘に欲情したことを認められない人が肯定することなんて、出来はしない。
否定した先には私の身体を洗うって事が待っている。わかるよ、もう限界だもんね。ザーメン袋パンパンにさせて、ちょっとでも女を感じることが、チンチンイライラさせて苦しいんだよねパパ。
だから否定もしたくない、って伝わってくる。
仕方がない、決断できないのならこっちから動いてあげる。
「ふーん、パパは私が好きじゃないんだ……」
「ちがう、絶対にインコのことを嫌いになったりしないよ。えーと、そうだ、パパだけ。パパだけが特別ってこと。だからインコはパパ以外にはこんなことしちゃだめってことで、ね?」
そう来るのなら話は早い。悲しみの演技を一転させて、私は身体全体に喜色を纏って、父へ抱きついた。
再び感じる父の熱。全身で父の温もりを感じながら、私はその耳元で愛を囁く。
「言われなくてもしないよパパ。パパ以外に触らせないし、見せたりしない。だって、——パパだけが特別なんだもんね」
「そうだね、でもちょっと近いかな……うん、分かってくれたなら嬉しいよ」
私が言っていることを分かってくれたのだと思って、少し安堵する父。けど直ぐに血の気が引いて、くっついていた私を引きはがしにかかる。
血の気が引いているのに顔には朱が差す様は、見ていて可愛く思えてしまう。隠していた艶本が親に見つかってしまった思春期の少年のようだ。
そのようになる理由は見なくても私には分かる。
私の言葉を受けて硬さを増していくチンポが、私の太ももに沿ってその亀頭を持ち上げ始めているのが、肌に触れる感覚で分かる。それが恥ずかしくて、私に露見するのが怖いのだ。そして同時に興奮もしている。
気持ちが揺れ動いていても、右股から伝わる熱量が私と父を同じ気持ちで結び付けていることを実感させる。たとえ今は無自覚だとしても、父と私は互いに興奮し合っている。父の全てが愛おしいと思えてしまう。
ならもっと興奮してもらおう。そして罪悪感に苛まれてもらおう。罪悪感に苛まれ欲求不満を溜め込んでいけば私の付け入る隙が出来る。
そうして出来た隙に付け込んで、父の中で眠る獣性を私に夢中にさせる。
父の中で母という存在が私に置換され。あらゆる睦事が私との情欲に塗れた思い出で塗り替えられる。いずれは夢に出てくる私で夢精してしまうくらい、父の中を私という存在で埋め尽くしてあげる。
そんなことを考えていたら腋に手を入れられて、鏡に向かって椅子に座らされてしまう。
「じゃあ身体を洗おうか。ええっと、パパ身体が冷えちゃったから湯船に浸かりながら洗ってあげようかな」
私が振り返ると既に父は半身を湯船に浸けていて、こっちを見ていた。
勃起しつつあるチンポを見られないようにするためには、そうするしかないのは分かる。
でもお風呂場へ入る時、父は身体を洗わないと入れないと言っていた父が、身体を洗う前に入っている。
ここでそれを指摘したら父はどんな反応をするだろうか。入りながら慌てふためく。それとも自分の言ったことだと改めて、脈打つ滾ったチンポを見せてくれるかもしれない。
私の中で悪戯心が首をもたげる。
そんな父の姿を見てみたいと思うけれど、せっかく出来た流れを途切れさせるというのも切りが悪い。なら、ここで指摘するのは野暮というものかと考え直す。
指摘はせず、今日のメインディッシュを頂くために私は、ラックから丸くもこもことした泡立て用のスポンジを手渡した。
「じゃあパパ、はいこれ」
「……………………」
「パーパ!」
「あっ、ああ、なにインコ」
「はいこれ」
「……これはスポンジかな。これで擦ればいいの?」
「違うよパパ、それは泡立てるだけ。そのスポンジで立てた泡で身体を洗うの。ママがね、確か……スポンジで擦ると肌が負けちゃうからとか、なんとかって言ってた!」
「この歳から美容に気を使うのか……女の子の成長って思ったより早いのかな……?」
空返事が痛々しい。私がやったこととはいえ、欲求不満で苦しんでいる姿を見ると心苦しい。
出来ることなら今すぐにでも父の前で跪いて、熱く反り返っているチンポを慰めてあげたい。下品な音を立ててしゃぶり尽くして、ぐつぐつに煮込まれた欲求不満ザーメンを一滴残らず飲み干すことで、その苦しみから解放してあげたい。
ぼーっとして、思考に耽る父の考えが手に取るようにわかる。セックスがしたい、愛する妻と身体を重ね合わせたい、それが出来ないのならオナニーがしたい、精子を出し切ってこの苦しみから一時の間でも解放されたい。そんな切羽詰まった考えが透けて見えてしまう。
そして目の前の私に向かって、欲情してしまったという罪悪感。首を振って邪念を振り払い、スポンジにボディーソープを二回ほど吹き付けて、よく空気を含むように泡立てていく。
みるみるうちに泡がその体積を増やし、身体を洗う準備が整う。
立てた泡を乗せた父の手が、立ち上がって背中を向けた私の身体を洗い始める。