宮舞モカは新人だった。
ある日、先輩の結月ゆかり、弦巻マキ、琴葉茜、琴葉葵と収録に励んでいた。
そんな中、5人に与えられた一週間ほどのオフ。

言葉を詰まらせるゆかり、そんな彼女に迫る琴葉姉妹。
困惑するモカを誘うマキは、その扉を開けた。

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第1話

「あー、終わったぁ!久しぶりに疲れたぁ!」

 

 茜がそう言って大きく伸びをする後ろで、葵は苦笑しながらゆかりやマスターと労い混じりの談笑を交わす。その様子を新入りのトークロイドであるモカは、話に入るタイミングを窺いつつメモ帳を握り締めながら眺めていた。

 

「モカちゃんもお疲れ様!大変だったでしょう?」

「あ、マキちゃん。お疲れ様です…。私、大丈夫でしたか?」

「うん、大丈夫だよ!まぁ、編集中に気になったところは後々修正入るだろうけど、気になるところはなかったかな?初めてなら上々だよ!」

「あ、だったらよかったです…」

 

 そう言って、ふぅ、と肩の荷を下ろしたモカに、葵や茜も優しげな表情を浮かべて歩み寄ってきた。

 

「モカちゃんもお疲れさん。大変やったやろ?」

「私達のマスター、結構指示があやふやだったりですからね。あんな感じですけどこれからもよろしくお願いしますね?」

「あ、はい。こちらこそ、至らない点が沢山ですけれど、よろしくお願いします」

 

 そう言ってぺこりと頭を下げる新人に、茜と葵はぽんぽんと頭と肩を優しく叩くことで返した。それに照れ混じりの笑みを返していると、会話が終わったらしくマスターが部屋を去りゆかりが語らう四人の元へと歩いてくる。

 

「それじゃあ皆さんお疲れ様です。特に、モカさんは初めての収録で大変だったでしょう?本当に頑張ってくれて、おかげで収録も楽しくできました。ありがとうございます」

「い、いえ…。あの…」

「ふふ、そんなに謙遜しなくていいですよ。先輩の評価は、有難く受け取ってくれれば」

「あ、はい…。ありがとうごさいます」

「よかったやん、モカちゃん。ほんで、明日明後日とかの予定はあるん?」

「…あ、はい。ここ最近は収録も沢山だったので、一週間くらいはとりあえず完全オフだそうです」

「「…へぇ?」」

 

 ゆかりがそれまでの朗らかな表情をやや強張らせて予定がないことを聞いた茜と葵が、妖しく目を光らせてゆかりに視線を送る。その様子に、仕方ないなぁとでも言いたげにマキは肩を竦めた。四人の様子の変化に、先程までの安堵も何処へやら不安感に襲われるモカに気付いたのだろう。マキは何処か呆れを含んだような語り口でモカに告げる。

 

「モカちゃんは初めてだったよね?じゃあ、今夜11時にリビングで待ってて。案内するから」

「あ、案内…?え…?」

 

 頭にはてなを浮かべるモカを尻目に、姉妹の二人はゆかりを挟むようにしてすり寄っていて、先程までの和やかさとはかけ離れた雰囲気が形成されていた。

 

「久しぶりやん、そんなに長いの。…待っとってや、ゆかりさん?」

「私達も待ってましたから。…楽しみましょう、ね?」

「は、はい…」

 

 何処か淫靡さを醸しながらゆかりに言い寄る二人と、しおらしさを見せるゆかり。そんな三人の様子に言い知れぬ何かを感じながらも、気の弱いモカにはマキの言葉に従う以外の選択肢などある筈もなく、ただ不安を抱えながら時間が過ぎるのを待つしかなかった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 不安を抱えながらも深夜11時。モカは言われた通りにリビングで時間を過ごしていた。さして興味も惹かれないバラエティ番組は不安を僅かにもかき消してくれない。それどころか、普段なら誰かしらはいて当たり前のリビングに一人きりで2時間以上過ごす羽目になり、モカは今すぐにでも逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

 

「あ、いたいた。ごめんね、待った?」

「ま、マキちゃん…。そんな、待ってなんか、ないです…」

 

 本当は2時間以上不安に駆られながら待っていました、などと言える訳もなく、モカはそう誤魔化してリビングに入ってきたマキを迎え入れた。

 

「ちょっと手間取っちゃって…、ごめんね?じゃあ、行こっか」

「え、あ、は、はい」

 

 言い淀むモカに苦笑しながら、マキは未だ喧しく流れるテレビをリモコンで止めてやると、有無を言わせずといった様子でモカに同行するように促した。それにらしくなさを感じつつも、モカは反論する余裕もなくマキに従って後ろをついていく。その後ろを追ってマキのすぐ傍まで近づいて、モカはマキが興奮しているのか、僅かに息荒くしていることに、そしてマキから漂う形容し難い臭いに気付く。いよいよもって逃げ出してしまいたい気持ちに苛まれるも、気弱いモカにそれを拒む勇気もなく、ただ先輩であるマキに従う他なかった。

 

「じゃあ、こっちね」

「え、こっちって…」

「うん。普段は入っちゃいけないところ、だよね。私達も、今日みたいに沢山休めるとき以外は入らないように、って決めてるんだ」

 

 マキについていって通されたのは、普段は入ってはいけないと、同居する皆々に念を押されていた地下室へと続く階段。モカ以外の、トークロイドでは一番の古株であるゆかりやマスターにすら順守されたその決まりが、遂に解禁される。いつ入れるのか、その時にいつ立ち会えるのか、などと心の何処かで期待していたのも忘れて、モカは地下へと向かうその道が、二度と引き返せない奈落への落とし穴の様に感じられた。それ故に身が竦む思いに襲われるが、マキに行くよ、と手を引かれてしまえばそれに従うほかない。モカは一歩、また一歩と深くに伸びたその階段を降りていった。そうして、あらかじめ照らされていた空間に辿り着く。階段のその先、少々の収納を備えた廊下が伸びた先には一つだけ扉が備えられていて、その先から僅かに音が漏れている。向こうに誰かがいる、またその誰かが誰なのかも薄々感づいてはいるが、少々気後れして踏み止まる。

 

「…ほら、大丈夫。行こう?」

「…は、はい」

 

 それを急かすように、笑いながら伸ばされたマキの手を、モカは拒めなかった。手を引かれ、マキの後ろを歩いて扉の先へと導かれる。

 

「…え、」

 

 予測はできなかったが、多少の覚悟を持って扉の先を見た筈であった。しかし、そこに広がった光景は、モカの思考の遥か先を行っていた。

 

「あー…、ホンマ気持ちいいわぁ…。ほら、ゆかりさんも、気持ちいいやろ?よかったら、もっと膣内ぎゅうってして…、うん、いい子や、なっ」

「あっ、気持ち、いいですよ、ゆかりさん。もっとしっかり咥えて、ぺろぺろしてください。…あは、いいですよ」

「ん、んぅ、ぐぅっ、んんっ」

 

 トークロイドに与えられているくらいの大きさの、物を置くにはそこまで困らない広さの部屋に、ただ一つぽつんと置かれている部屋に対して大きすぎるのではないかと思うベッド。その上には予想通り、茜と葵、それにゆかりがいた。いたのだが、想定した姿とは違っていた。茜も葵も、性別は姿通りの女性だったはずであり、収録の関係でみることになった二人が衣服を脱いだ姿でもそれは間違いないはずだった。しかし、今の二人には本来女性にはある筈のない男性器が生えているようで。茜はそれをゆかりの秘所に突き挿し、葵はゆかりの口に咥えさせていて。二人の肉棒を受け入れているゆかりは、ベッドの上でその裸体を晒しながら二人の成すがままにされている。それも、首にはペットがするような首輪をつけられていて、その手綱を葵に握られていた。

 

「は、あぁぁ…。ぃ、いい、ゆかりさん、気持ちええよ…。ほら、お礼に、…そいっ!」

「んぶ、ぅ、ぅううっ!」

「あ、ちょっと、お姉ちゃん!こっちのも、考えてよ!」

「あは、ごめん、夢中になって…」

「はぁ、もう…。…ゆかりさん、お姉ちゃんだけじゃなくて、私にも、しっかりお願いします、ねっ」

「ぐぅ、っ!ず、ずびまぇ…、んぶぅ…!」

「じゃあ、しっかり、舐め回してください」

 

 モカが部屋に入ってきたことなど気にも留めず、二人はゆかりを好きなように犯し続ける。茜がゆかりの腰へ陰茎ごと自らのそれを叩き付けると、ゆかりはその快感と衝撃に葵の肉棒から口を離して喘ぎを漏らした。それを嗜めた葵は、息も絶え絶えになっているゆかりの首輪から伸びるリードを引っ張りゆかりの意識を向けさせて、謝る間すら惜しいとその口へ自らの陰茎を突き入れた。そんな、二人からの荒々しい責めを受けて、ゆかりは涙を流し二人に従順に奉仕する。その様子を見たモカは、後ろで呆れ混じりながら手早く衣服を脱ぎ去るマキに、困惑混じりに声を上げた。

 

「な、何してるんですか、マキちゃん…!茜さんも、葵さんも…!と、止めないと…、ゆかりさんが…!」

「…あー、初めて見るとやっぱあれだよね。ごめんね、モカちゃん。これが、私達の収録終わりのご褒美というか、ストレス発散法というかなんだよねぇ…」

「…は、な、ど、どういうこと…?」

「いやぁ、元々言い出しっぺというか、やってたのはゆかりちゃんとマスターなんだけどさ。収録終わりまでいやらしいことを頑張って我慢して、そしてその我慢した分を思いっきり収録終わりにセックスして発散するってやつ。それで動画の出来が良くなるか、と言われればそれは、って感じだけどモチベーションは上がるとかって言ってずっとやってたらしくてさ。二番手の茜ちゃんと葵ちゃんも、…あー、葵ちゃんは最初戸惑ってた、とか言ってたかな?まぁ、結果的に二人もそれにのめりこんじゃって。結局、収録終わり…、特に今回みたいな大きいお休み貰えた時とかは、もう全員で満足するまでエッチなことするってのがお決まりになっちゃったんだぁ」

 

 私はそこまでがっつりじゃないから見てるだけってのも多いけどねぇ、と何でもないように笑いながら説明するマキを、半ば茫然自失気味に眺めるモカであったが、はっと気落ちを持ち直したように言葉を続けた。

 

「でも、それじゃあゆかりさんが今犯されてるのは、どうしてですか…!そ、それに…、茜さんと葵さんに生えてる、お、おち…」

「あぁ、二人のおちんちんのこと?あれはねぇ…、ほら、これ。“男性器パッチ”っていうやつ。女性型アンドロイド用に、って売ってるやつなんだって。お高いらしいんだけど、今使ってる二人がマスターに頼んで買ってもらったらしいよ。私も使ったことあるけど、取り外しも楽だし、しっかり気持ちいいし…。それに、子供はできないけど出るものも出るしで、結構使い心地はいいよぉ」

 

 へらりと笑いながら、隅に置かれた“オモチャ”入りの箱から取り出したパッチ入りの袋を見せたマキは、それに、とモカに近づいて言葉を続けた。

 

「ゆかりちゃんの心配してるみたいだけど、実はあれ、ゆかりちゃんお望みの行為、なんだよねぇ」

「ぇ…」

「驚いた?そりゃあそうだよね。ゆかりちゃん、なんだかんだ頼りになるし、優しいし。普段接してる限りではそんな素振り見せないもんね。でも、実は…、ゆかりちゃんってとっても変態さんなんだよねぇ。マゾっ気強くて、『虐めてください』って首輪をつけながら葵ちゃんに土下座してるの見たときは正直ドン引きしたなぁ…。まぁ、だからってわけじゃあないけど、あれはゆかりちゃんにとってのご褒美だから気にしなくていいよ。二人がやりすぎることもそうないし、もしヤバそうだったら私も止めに入るし」

 

 そこまで聞いて、尚もモカは『何を言っているのか分からない』とでも言いたげな疑念と困惑に満ちた表情を浮かべ、その場に呆然と固まっている。

 

「…緊張、してる?」

「…え、あ、ぅ…」

「してるよね?…でも、さ。期待もしてる…、でしょ?」

 

 ベッドでは、いつの間にやら体位も変わり、四つん這いになっていたゆかりは、今は膝立ちになった二人の間に挟まるようにして身体を支えられていた。先程茜のものが埋まっていたゆかりの秘所には葵の男性器が埋められ、茜はその代わりに本来はその用途ではない筈の後孔に己の分身を突き入れていた。

 

「は、ぁ…。きっつ…。ゆかりさん、気持ちいいよ…」

「ほんま、これ、すっごいわぁ…。もっと、気持ちよくなりたいよな?えいっ」

「あ、あっ、あぁ!いぃ、いいですぅ…っ!ま、また、イっちゃ…っ!」

「あ、イく…?いいですよ、イっちゃえっ!」

「イけ、ゆかりさんっ!おりゃ!」

「ぁ、あ、あああんっ!」

 

 そうして、興奮冷めやらぬままに、汗と精液に身体を侵される三人に視線を奪われたモカは、いつの間にやらマキにパジャマの上着を剥ぎ取られ、後ろから肌を重ね合わせられていた。

 

「はは、やっぱり。興奮してる。…嬉しいなぁ、私達も大概だけど、モカちゃんもやっぱり、変態さんの素質あるんだぁ」

「ぇ、あ、や、マキちゃ…」

 

 その手が下着さえも抜き取ったところで漸く制止をかけようとするも既に遅く、マキと比べて慎ましやかな胸に手を伸ばされた。そのまま緩やかに、擦るように柔く揉まれて快感に身を捩る。耳元に顔を寄せられ、息を吹きかけられたり舌を伸ばされたりもされ、衣服を奪われた筈なのに身体が火照っていくのを感じる。

 

「モカちゃんはどうしたい?ゆかりちゃんみたいに、おちんちんをじゅぽじゅぽ入れられて気持ちよくなりたい?それとも…、二人とか、それと、私みたいに、ゆかりちゃんにじゅぽじゅぽおちんちんを入れて気持ちよくなりたい?」

「え、あ、ぅ…」

 

 余りに非現実的な空間が広がっていて、先輩でもある親友のマキに愛撫されて、囁かれて。モカは思考を侵されながら、視界の先で交わされる情事に心を奪われる。普段の天真爛漫さや穏やかさをかなぐり捨てて夢中にゆかりを犯す茜と葵。そして、その二人に犯されて前後不覚になりながら快楽に溺れるゆかり。自分のはしたなさに呆れながら、モカはどちらになっても気持ちいいだろう、とぼんやり考えていた。先輩として敬意を向けていた三人がこんなにも耽溺するほどの快楽を味わいたいか否かと問われれば、答えなど決まっている。では、どちらかという話になるのだが。

 

「ぁ、あの…」

「ん?決まった?」

「ゆ、ゆかりさんに…、い、入れてみたい、です…」

 

 聞きかじりの知識から得た“初めて”を失う痛みへの漠然とした不安と、それ以上に威勢の快感という未知の感覚への興味に惹かれて、モカは、ゆかりを犯す道を選んだ。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

「ぅ、わぁ…。モカちゃん、おっきぃ…」

「は、恥ずかしいですって…」

 

 じゃあ早速、とパッチを用いてモカに生やされた男性器は、既に生やされた経験のある茜と葵、マキの三人と、加えてゆかりを含めても、その誰と比べても勝てない程に大きい、剛直と言って差し支えないものだった。余りの大きさに、マキは驚きながらも『もし自分に入れたら』という期待もあって感嘆の声を漏らす。初めて男性器を生やされたモカは当然自分のものの大きさの程度など分かる筈もなく、ただまじまじと見られて恥ずかしさを感じていた。

 

「ふぅ、よかったけど疲れたぁ…。って、モカちゃん大きいねぇ。…ゆかりさんに入れても大丈夫だったら、後で私にも入れてね?」

「え、あ、はいぃ…」

「あはは、緊張しなくていいって。…で、茜ちゃん?もうそろそろいい?」

「あ、はぁ…。うん、ええよぉ。それじゃ、ゆかりさん?選手こうたーい、やで」

「ぇ、あ、はぁ…」

 

 モカが訪れる前から休みなくゆかりを犯していた茜と葵は、疲れを見せつつも満足げな様子でモカとゆかりを引き合わせる。

 

「そ、それじゃあ、ゆかりさん…!い、いれますからね…!」

「そんなガチガチにならなくてえぇよ、いっそガツンと思いきり入れてゆかりさんの目ぇ覚ましたったらええ」

「いいのかなぁ…。まぁ、緊張しすぎずに、ね?」

 

 初めてで身を強張らせる様子を察してか、茜と葵はモカの緊張をほぐすように言葉をかける。マキはまだ快感で意識が戻り切っていないゆかりに言葉をかけているようで。

 

「ぁ…。モカ、さん…?」

「いきます…、ゆかりさん…!」

 

 そうして、モカは味わうことがあるとも思わなかった人生初の挿入をゆかりで果たした。

 

「あ、ぅ、うぁ…!?」

「ぁ、う?あ、あ、あぁ…、あ?」

 

 果たした、のだが。ゆかりに突き入れた瞬間、モカの身体は強張り、その隙間が無くなるまで押し進めた直後に身体をぶるり、と震わせた。入れられた方のゆかりも、モカの身体の震えに合わせるようにして、身体を跳ねさせる。その様子を見て三人は、モカの暴発を悟った。当然と言えば当然ではある。性に対してまだまだ未熟な、それも挿入する側の経験などない、言ってしまえば童貞であるモカに対して、ゆかりの膣内は何度も性交渉を重ねて快楽にある程度慣れた茜や葵を満足させるほどの、名器と言って差し支えないものである。初めて経験するモカにとっては、ゆかりの秘所は刺激が強すぎたのだろう。耐え切れず、モカの性器が射精しても仕方のないことだった。

 

「あー…、モカちゃん。いきなり射精してびっくりしたよな?なんも恥ずかしいことじゃないから、気は落とさんでも…」

「…ぃ」

「ん?」

「足りない…。もっと…、もっと…!」

 

 歩み寄って慰めの言葉をかけようとした茜を無視してモカはうわ言の様に呟く。そうして腰を引いたその先にあったものに茜は目を疑った。ゆかりの膣内から引き抜かれた剛直が、出したばかりにも関わらずその姿に衰えを見せていないことに。

 

「ゆかりさん…、ゆかりさん…!」

「あ、あぁっ!あ、あ、うぁ、は、あぁあ…!」

「ゆかりさん、気持ちいい、ですか?ん、ちゅる、ちゅぅ…!」

「んうぅ…!?」

 

 誰に習ったわけでもない筈のモカの腰使いは、しかしその荒々しさと剛直の逞しさも相まって的確にゆかりの急所を突いて彼女にさえ未知の快感を与えていた。喘ぎを漏らしていた小さな口も、まだ誰とも重ねられていないモカのそれに塞がれ、ゆかりはモカに与えられる快感にただでさえリソースを削がれていた思考を完全に埋め尽くされていた。初めての快感に夢中になり先輩の身体を貪るように犯すモカの様子に、残された茜と葵、マキの三人は驚きの余り呆然と見ることしか出来ない。しかし一方で、被虐癖のあるゆかりを追い詰めるその動きに(特にマキと葵は)その快感へ言い知れぬ期待を寄せていた。

 

「は、ぁ…、また、出る…。出しますね、ゆかりさん…!」

「ぁ、は、ぁ、きて、だして、もかさん…っ!」

「ぅ、く、うぁ…っ!ぁあ…っ!!」

「あぁあ、あぁっ!!」

 

 そうしているうちに二度目の射精を迎えたようで、二人の切羽詰まったような喘ぎが離された口から漏れて重なった身体が震える。ぶるり、ぶるり、とゆかりの身体を押し潰すように揺れたモカの身体は一息を置いて、また跳ねるようにして上下に動き始めた。それに合わせて、ゆかりの口から嬌声が漏れる。

 

「す、凄いね…、モカちゃん…」

「うん…」

 

 モカの責めに圧倒されながら、葵とマキは囁き合う。その二人の喉からごくり、と唾を飲む音を快楽に塗れた音が響く部屋から茜は耳聡く聞き取った。自分は犯す側だと考えていた茜は、自分以上にゆかりを満足させている様子のモカを歯痒い思いで眺めながら、女性としての疼きに思考の端を焦がしていた。

 

「は、あ、あぁ…。ぅ…」

「はぁ…っ、ふう…」

 

 そうして、何十回の挿入と抜き出し、そして何回かの射精を行い、先に音を上げたのはゆかりの方だった。片手では足りない精の放出を受け止めて、遂にゆかりはその意識を飛ばし眠りについた。その様子に気付き、昂る本能をどうにか抑えながら、モカはゆかりから自身を抜き取って彼女を労るようにベッドへと寝かせた。

 

「ふ、ぅ…」

「いやぁ…、凄かったねぇ。モカちゃん」

「あ、マキちゃん…」

 

 控えめに声を掛けたマキに、モカは普段通りの調子で返事をする。そう、思っていたが、普段通りと思っているのはモカだけで。ゆかりとの性行為を眺めていた三人には、モカは興奮冷めやらぬといった様子で、先程よりいくらかましになったとはいえ眼光は普段よりずっと鋭く呼吸も荒い。何より、幾度となく精を吐き出した筈の男根は未だその逞しさを保ったままだった。そんなモカの様子に、いよいよ体を熱く火照らせたマキと葵、それに何処か納得いかない様子の茜も、パッチを外してモカに期待交じりの視線を向けた。

 

「…ねぇ、モカちゃん」

「はい?」

「あの、さ…。もう、満足したかな?」

「…え、」

 

 三人を代表して尋ねたマキの言葉に返ってきたモカの言葉の端に、期待の色が込められていたのを見逃す筈もなく。自らの身体を冒す熱が一層高まるのを感じながら、マキは言葉を続けた。

 

「まだ満足してなかったら、さ…。私達で、発散してよ。ねぇ、私達を…気持ちよくして?」

 

 その言葉と、淫らな熱を十全に纏った視線、そして媚びるような淫蕩な笑みを受け取ったモカは、凶暴な欲をその笑みに隠すことなく浮かべて——————。

 


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