気持ち良くなりたいだけのTS転生合法ロリVS拗らせたヤリチン御曹子 作:つる植物
秀一が霞にアプローチを仕掛けたのは菫の攻略の糸口を見つけるためであった。
菫を調べるついでに家族構成などは全て調べていた。
接触するのに芸能活動をしている霞が一番怪しまれなさそうだと判断したのだ。
ただ霞を学校で見た時から接触したとして徒労に終わる可能性が高いと思っていた。
しかし物は試しとアプローチしてみればあっさりと会食がセッティング出来たのであった。
レストランの個室で霞と相対して確信する。
自信に満ち溢れ、自然と他人を見下した表情と態度をしている。
普通の人が見ても分からないだろうが秀一には一目見て分かった。
この女は自分の同類ではなく同質の女である事を。
内包する自身を無理矢理女の形に押し込めた様な醜悪さをしていた。
秀一が菫を無理矢理自分の物にしないのは菫の意思で選んで欲しい、つまりは菫の意思を尊いものだと思っているからだ。
秀一は目の前の女が菫との関係に気付いていないはずがないと思った。
それで妨害がないのはそういうことなのだとも思った。
自分と同質であるならば妥協点を見出す事は可能であると確信した。
「どうぞ、座って」
「失礼します」
先に座っていた秀一が座る様に促すと霞が椅子に座る。
椅子に座っただけなのに流麗さを感じる。
菫もそうだが両親の教育の賜物だろう。
忌々しい事に所作もどことなく似ていた。
霞を見る。
流石にまだ中学生であるのであどけなさは抜けていないがかなりの美人である。
薄いピンク色のブラウスがとても良く似合っていた。
菫と違い胸もしっかりある。
突然だが秀一は女好きであるしセックスが好きである。
当然女体も好きである。
守備範囲はかなり広い方である。
童貞を卒業して以来、色々な年齢や体型の女性と関係を持って来た。
好みとしては女性らしい身体であったが菫のような幼児体型でもちゃんと興奮している。
セックスに入るまでに女性の裸体を想像するのも楽しいし、脱がせた時のギャップも楽しい。
(全く性欲が刺激されない……)
顔もスタイルも好みド真ん中であるはずであった。
それなのに全く性欲が刺激されないのであった。
(同類の女は抱いた事はある、普通に興奮出来た。同質はここまでそそられないのか……)
秀一を持ってして初めての経験であった。
(まぁ、抱く理由はない)
どんな理由があろうと手を出した時点で菫との関係が詰む。
本能でも理性でも同じ結論であった。
お互いに席が着くとコース料理が順々に運ばれてくる。
「姉さんがお世話になっているみたいですね」
「そうだね、中々手強くて手を焼いているよ」
表情を崩さずにこやかに話掛けてくる霞であったが目が笑っていない。
「四菱さんは色々な女性と噂が多いので少し心配ですね」
「噂があるのは否定しないよ。でも君のお姉さん以外の女性と噂が立つ事はないから安心して欲しい」
事実、秀一は菫以外の女性との関係は全て清算している。
恐らく霞も把握しているだろう。
実際問題、この会食の決着は付いているようなものだ。
そもそも秀一と菫の仲を認めないのであればもっと早い時期に介入しているだろう。
秀一の事が気に食わないとしても霞は菫の意思を尊重している。
秀一が害を為す存在であれば別だろうが……。
すなわちこの会食においては秀一はただ誠実であれば良い。
そうするだけで霞は何も出来ない。
(会食が1週間早かったら面倒だったかもな……)
菫以外の女性との関係の清算が終わったのはほんの1週間前である。
過去はどうあれ現在は菫一筋、現在の状況が大事なのだ。
(味方にする必要はない。敵であっても静観して貰えれば万々歳だ)
読モしての口利きを条件に菫の情報を仕入れる算段もしていたが無意味だろう。
菫を売ることはないと確信出来る。
その後も簡単な会話を続けて会食自体はあっさり終わった。
デザートも食べ終わった秀一はホットコーヒーを優雅に飲む。
アイスコーヒーを頼んだ霞は手を付けない。
「どうしたんだい?」
ポーカーフェイスの笑顔を貼り付けた霞がニィッと笑う。
「四菱さん、取り引きしませんか?」
「……内容は?」
霞はブラウスのボタンをプチッ、プチッと外して胸の谷間を出す。
「私とセックスしたら姉さんの攻略を手伝って上げますよ?」
「なぜ俺とセックスしたいんだ?」
「姉さんの処女を奪ったんでしょ?」
「まぁ、そうなるな」
「姉さんと同じ事をしたいんですよ」
秀一は何気に誘われれば断らない男である。
攻略以外のセックスをした数もそれなりである。
誘われた女性に恥をかかせたくないというのもある。
毒まんじゅうと分かっていても据え膳を食うのが秀一であった。
(普通なら魅力的な提案であるが……)
これは恐らく本気であろう。
身内の援護を得られる。
中々に魅力的な提案であった。
そういえば姉妹と関係を持った試しはないと思った。
(ただの毒なら食っても良いが、致死毒を食うほど馬鹿じゃない)
「遠慮しておくよ」
秀一はわざとらしくヤレヤレという態度を取る。
霞の顔がつまらなさそうな顔になる。
年相応の顔であり、今日初めて霞の事を可愛いと思った。
「私に欲情しないんですか?」
「否定はしないが抱くだけなら可能だ」
「だったら……」
「君と関係を持てば、君はお姉さんに関係を暴露するつもりだろう?」
菫に嫌われたり好感度が下がるだけなら問題ない。
感情が振れたのであればそれを振り戻しさせる方法はいくらでもある。
「彼女に軽蔑されたくないんだ」
菫は絶対に許してくれないだろう。
「……黙っていますよ?」
「いいや、絶対に言うね」
「なぜそこまで断言出来るの?」
簡単な事である。
「俺が君の立場なら絶対に言うからだ」
同質故に行動が読みやすい。
そもそも操を立てると誓ったばっかりなのに菫の妹に手を出すのは普通に考えてヤバいだろう。
そんな奴を認めてくれるはずがない。
霞はアイスコーヒーが入ったグラスを持つとストローも使わずにグイッと一気飲みした。
「おいおい、ブラックだぞ……」
グラスを置いてハンカチで唇を拭く。
「苦い……」
カバンからリップを取り出すとサッと塗り直す。
「帰ります」
「中々有意義だったよ」
席を立ってドアを開ける。
会食前の流麗さは微塵もない。
「あ、そうだ」
「どうしたんだい?」
霞は振り向くとイタズラっこのような笑みを浮かべる。
「良いことを教えてあげる。姉さん、可愛いピンクの下着を買ってたわよ」
「……へぇ」
それだけ言うと霞はドアを閉めて出ていった。
「どういう風の吹き回しだ……俺を認めてくれたのか?」
だが、中々良い情報だ。
秀一を男として意識しだしているのかもしれない。
「ふふ、次がたのし……」
秀一の顔が苦虫を噛んだような顔になる。
次に逢瀬の一番の目玉である部分のネタバレを食らった事に気付く。
霞は同質であるが故に秀一が何をすれば一番嫌がらせになるのかを良く分かっていた。
「あの糞袋め……」
秀一は力なく背もたれに沈んだのであった。