先日一つの集落に住んでいた人々が全員失踪した。
それだけではなく調査のため派遣された陰陽師達までもが行方不明となった。
しかも彼らは陰陽道の中でも優秀な者達なのにだ。
仕方なくクオンは例の集落へ単身向かった。
「ったく、何でザコ共の尻ぬぐいなんぞしなくてはならなんのだか……」
夜、月明かりが照らすなか廃村に着いたクオンは一人愚痴る。
嫌なくらい静かだな……
そう感じながら偵察用の式神を展開する。
「あの神社か……」
集落の外れに位置する神社。寂れておりいずれ朽ち果てるだろう。
目的の妖魔は其処にいる。
神社の中へと足を踏み入れた瞬間、景色が一変した。
ひんやりとした夜気はむせ返るような甘ったるい匂いに変わり、視界を埋め尽くすのは悍ましい桃色の肉壁。床も壁も天井も、全てが脈打つ触手で覆われている。
「チッ……もう既に妖魔の腹の中ってわけか」
クオンは即座に札を構え、周囲を睨みつける。しかし、その冷笑の裏で、動悸は確かに早まっていた。
この霊圧……只者じゃねぇな。面倒だが、さっさと核を潰して脱出するか。
「我こそ五行。ザコは消えろ」
式神・天后が顕現し、真空波で眼前の触手を薙ぎ払う。だが、千切れた先から新たな触手が何本も生え、獲物を狙うように鎌首をもたげた。
「しつけえな!」
舌打ちと共に、クオンは懐から新たな札の束を取り出す。
まさにその時だった。
「なっ……!?」
天井からゆっくりと垂れ下がってきた触手が、クオンの掲げた両腕に絡みついたのだ。
いつの間に、こんなに近くまで!
触手はぬらりと光り、粘ついた感触が狩衣の上からでもはっきりと伝わってくる。
「この、ザコ触手がっ……!」
クオンはすぐさま振り払おうとするが、別の触手が足首を這い、彼女の細い体躯をぐらりと揺らがせる。
マズい、早く式神を……
「天后、こっちだ!」
クオンの鋭い号令に応じ、式神・天后が触手の塊から標的を拘束する触手へと変える。その力が振り下ろされようとした、まさにその刹那。
「ぐぅっ……!?」
触手から電撃が迸り、クオンの全身を貫いた。筋肉が意思に反して痙攣し、指先から力が抜ける。狩衣の下で肢体が跳ね、烏帽子が床に落ちて銀髪が乱れ広がった。
こんな時に……制御が……
動きが止まる天后。
「こ、の……ザコが……!」
震える唇で悪態をつくも、狩衣の中で乳首が布擦れに疼く異変に気付く。電撃そのものが微弱な催淫作用を帯びていたのだ。クオンは歯を食いしばり、更に絡みつこうとする触手を睨みつけるが、手足の痺れは増すばかりだ。
「んぐっ……!?」
触手は口腔内にまで侵入していく。クオンの舌を這い、上顎をなぞる。吐き気と不快感に咽せ返ろうとするが、それさえも許さず触手は喉奥へと進み、呼吸を圧迫する。
同時に全身に巻き付いた無数の触手から、再び強烈な電撃が浴びせられた。
「う"ぐぅ……ッッ!!」
びくん、びくんっと彼女の肢体が痙攣し、狩衣の下で乳房が弾む。電撃は麻痺させるだけでなく、先程よりも明確な催淫効果を伴って彼女の神経を焼き焦がす。
何だこれは……!身体が、熱く……
乳首が痛いほどに硬く尖り、下腹部の奥が切なく疼き始めるのを、クオンは混乱しながら自覚する。懸命に式神を制御しようと意識を集中させるが、電撃が走るたびに思考はかき乱され、霊力が霧散していく。
ついに天后の制御が完全に崩れ消滅する。
「ふぐ……っ、ぅ、ぅぅ……!」
口を塞がれ、声にならないうめき声が漏れる。このままではまずいと本能が叫ぶが、抵抗しようにも全身の力が抜け、膝が笑い始めていた。
そして、落ちた烏帽子の横から這い出た新たな触手が彼女の腰紐へと絡みつこうとしていた。
腰紐が解け、白い狩衣が音もなく肌蹴る。露わになった白い肌の上を、無数の細い触手が這いずり回りながら、確実にその先端を下腹部へと向かわせていた。
「く、くるな……ッ!」
口の中の触手がずるりと抜けた隙に、クオンは息も絶え絶えに怒鳴る。
だが、彼女の意思とは裏腹に、電撃で過敏になった肌は触手の一撫でごとに小さく跳ね上がる。生まれてこの方感じたことのない、腹の奥から込み上げるような疼きが、彼女の理性をじわりじわりと蝕んでいた。
何だこれは……何ぜこんな。触手ごときに、我の身体が……!
細い触手の一本が、彼女の秘部へヌルリと侵入する。熱く湿った異物感に、クオンはビクンと全身を震わせた。その刹那、更なる電撃が彼女を貫き、悲鳴は嬌声に変わりかける。
「く、ぁ……っ、この……調子に、のるなァ……ッ!」
悪態をつく彼女の声は既に震えていた。
そして甘ったるい異臭が、湿った空気に溶けて鼻腔を刺す。
「ふ、ぅ……これは……!」
それが強力な媚薬だとは、もはや疑いようもなかった。
身体が、熱い……頭が、ぼうっとする……
下腹部をまさぐる触手の動きに合わせ、ぬち、ぬち、という水音がクオン自身の耳にまで届く。自身の秘所から止めどなく溢れ出す愛液が、細い触手を濡らし、白い太腿を伝い落ちていく。
「調子に……乗る、な……ッ……!」
言葉とは裏腹に、雌としての準備を強要されているという屈辱が、彼女の視界を滲ませた。
溢れる愛液は触手の動きをますます滑らかにし、未だ誰も触れたことのない処女地の入り口を、ぬめる感触で何度も何度もなぞり上げていく。絶え間ない電撃の残滓と媚薬が、彼女の理性という名の最後の砦を、静かに、しかし確実に焼き崩していた。
するり、と細い触手が抜けた感触に、クオンは一瞬だけ自由を得たかと錯覚した。
だが、それは束の間の出来事だった。次の瞬間、ぬめる感触と共に、新たな触手が濡れそぼった秘部に押し当てられる。
「ひっ……!」
思わず漏れた声は、恐怖に震えていた。
それは男性器を模しているが、長く、太く、表面には無数の凶悪な突起がびっしりと生えている。今にも、その巨塊が処女地を貫こうとしていた。
まさか……あんなモノで……!
彼女の顔色が、かつてないほどに青ざめる。抵抗しようとも、まだ全身に残る電撃の痺れと、媚薬で蕩けた身体は思うように動かない。
「ま、待て……! そんなの、入るわけが……!」
悲鳴のような抗議も虚しく、異形の触手はぐ、ぐ、と膣口を押し開き始める。その瞬間、彼女の意思とは無関係に、閉ざされた割れ目からは、期待に濡れた愛液が、とめどなく溢れ出し続けていた。
そして肉壁を掻き分け、無数の突起が処女膜を容赦なく破った。
その瞬間、クオンの肢体が弓なりに反り返った。
「んお"ッ!お゛っ、お゛っ、お゛ぉぉおお"ッ!!」
悪態の形すら成さない濁声が、洞穴の天井に響き渡る。
破瓜の痛みは一瞬で、それを凌駕する生まれて初めての絶頂が全身を焼き尽くした。膣壁は異形の触手をぎゅうぎゅうと締め付け、子宮口がきゅぽきゅぽと切なく蠢く。愛液と血の混じったそれが太腿を伝い落ちる。
「う、あ……んぉっ……お"っ……」
何だ、これは……我が……淫魔なんぞに……
口元からだらしなく涎を垂らし、銀髪を床に散らして小さく痙攣する。
それでも触手は止まらず、絶頂で敏感になった内壁を、凶悪な突起で容赦なく擦り上げ続ける。
「ま、待て……イッてる……イッてるからぁ!」
泣き声のような懇願も虚しく、触手は彼女を蹂躙する。
連続絶頂の淵で、理性を手放し、涙と涎にまみれながら、ただ快楽に支配された嬌声を上げるクオン。
「んお"っ!お゛っ、お゛っ、お゛ぉぉおお"ッ!!」
もはや言葉の体すら成さない濁声が、洞穴の天井に木霊する。
理性はとうに焼き切れ、彼女はただ、全身を貫く快楽の濁流に、ただ身を任せるしかなかった。
い、イグっ……また、イカされるッ……!
凶悪な突起の一つ一つが、敏感に腫れ上がった内壁の襞を引っ掻き、掻き回す。その動きに合わせて、彼女の肢体は小刻みに跳ね、だらしなく開かれた口元からは悲鳴とも嬌声ともつかぬ声と、とめどない涎が溢れ出る。
銀色の髪は涙と汗で額に張り付き、白濁した愛液が太腿を伝い、破瓜の赤と混じり合って床に染みを作った。
「お"っ、お"っ、お"おッ!乳が、まんこが、バカになっちまってぇ……イクッッ!!」
絶叫とともに、彼女の膣穴が異形をぎゅうぎゅうと締め付ける。
その瞬間、膣口から潮が迸り、触手の出し入れに合わせて卑猥な水音を立てて飛び散る。
何度目かの深い絶頂が、彼女の意識を真っ白に染め上げ、その華奢な身体を震わせながら、ただ無様に床に沈ませた。
そして異形の触手が、彼女の最奥で不気味に脈打ち始める。
絶頂の余韻で痙攣する肉壁を押し広げるように、それは膨張し何かを吐き出さんと蠢いていた。
「や、め……何を……!」
クオンは恐怖に震える声で叫ぶ。涙と涎に濡れた顔を振り乱し、必死に腰を引こうとするが、全身の痺れと触手の拘束は彼女に逃げ道を与えない。
マズい……マズい!マズい!マズい!!
彼女は残る力を振り絞り藻掻くが、蠢く触手が子宮口をぐりゅ、と何度もノックする。
「ひ、ぅ……! 子宮、出すなッ!!」
絶望に彩られた絶叫が、洞穴の闇に吸い込まれていく。
その必死の拒絶を嘲笑うかのように、触手の動きは激化し、彼女の最も深い場所への侵入を開始した。
異形の触手が、子宮口をぐぷりとこじ開ける。
その瞬間、膨張しきった先端から灼熱の奔流が、彼女の最も深い場所めがけて一気に注ぎ込まれた。
「んお"ッ!お゛っ、お゛っ、お゛ぉぉおお"ッ!!」
クオンの肢体が再び弓なりに反り返る。どぷっ、どぷどぷっ、と脈打つたびに注がれる異形の精に、子宮が満たされていく感覚。その未知の感覚が、彼女をもう一度深い絶頂へと叩き落とした。
「お"お"おっ!イグっ、イグッ!イグウウウウゥ!!」
絶叫とともに膣口から潮が迸り、太腿を伝って床に飛び散る。
同時に、膀胱の感覚までもが痙攣によって掻き消され、失禁の生暖かい液体が足元に水溜まりを作った。
孕む……
ぼんやりとする意識の片隅で、彼女は確かにそう感じた。異形の精が子宮を満たし、卵子が侵される悪寒。彼女はもはや、床に沈んだまま小刻みに震えることしかできない。
「く、くそぉ……」
それは消え入りそうな、最後の悪態。
クオンの子宮を灼熱で満たした触手がなおも脈打つ最中、ぬめりを帯びた新たな一本が彼女もう一つの穴へと狙いを定める。
「ひ……ぅ……?」
混濁する意識の片隅で、クオンは背後の不穏な気配に気づいた。銀色の睫毛を震わせ、だらしなく開いた口からは言葉にもならぬ吐息が漏れる。彼女が何かに気づくより早く、ぬらつく触手の先端が尻穴に押し当てられ、そのままぐぷり、と容赦なく侵入した。
「う”、おおお”っ……!?」
未知の圧迫感に内臓が押し上げられ、彼女の身体が不随意に跳ねる。その瞬間、膣と腸を同時に犯す二本の触手から、強烈な電撃が奔り抜けた。
「お゛っ♡ お゛っ♡ まんこ、ケツ……いっ、イグゥゥゥッ!!」
どちらの穴からも逃れられぬ電撃責めに、クオンは白目を剥き出しにして無様に絶頂する。腰が大きく跳ね上がり、ぷしゃあ、と潮が噴き出す。
失神は許さないとばかりに、触手は執拗に電撃を送り込み、彼女を何度も何度も絶頂の淵へと叩き落とし続けるのだった。
そして二本の触手が同時に脈打ち、灼熱の奔流を彼女の最も深い二つの穴へと注ぎ込んだ。
どぷっ、どぷどぷっ、と腔内に満ちていく異形の精。その圧倒的な質量が、彼女の下腹部を内側から僅かに押し上げ、白い肌の上に不気味な膨らみを浮かび上がらせる。
「んお"ッ!……お"っ、お"っ……」
自分の身に起きている変容。わずかに膨らんだ下腹。そこに満ちる異形の熱。それが意味する避けられぬ未来。
「ま、またっ……孕むッッ!!」
彼女は咽び泣いた。銀色の睫毛から大粒の涙が零れ落ち、頬を伝って床に吸い込まれる。もはや陰陽道の開祖たる威厳も、式神を操る力も、ここには存在しない。
この我が……触手ごときに……苗床に……
「う、ぅぅ……あ"……お"っ……」
喉の奥から漏れるのは、嗚咽とも喘ぎともつかぬ声だけだった。
腹部の膨らみが異形のそれの脈動に合わせて蠢き、その感触が更なる絶望を彼女に刻み込まれるクオンの意識が再び遠のく。
だが失神することすら許さない、と触手は二本同時に最大出力の電撃を放つ。
電撃が、クオンの痙攣する肢体を貫いた。白目を剥き、舌を突き出し、だらしなく開いた口からは言葉にならぬ叫びが漏れる。
「お"……お"……」
既に思考は焼き切れていた。陰陽道の開祖としての矜持も、敵への憎悪も、脱出への意志も、全てが電撃に溶かされて消え去る。
なにも……かんがえられ……
ただ残されたのは、絶頂という反射だけだった。触手が脈打つたびに、彼女の膣と腸が不随意に締まり、それが更なる電撃を誘発し快楽が迸る。
絶頂の連鎖はもはや終わりを知らない。
「お"っ……あ"……」
絶頂地獄がようやく終わりを迎え、銀色の髪が汗と潮に塗れて床に広がる。
だらりと投げ出された四肢は時折びくん、びくん、と跳ねるだけだ。彼女の瞳からは涙が溢れ続けていたが、それが悲しみなのか、快楽なのか、もはや本人にも区別はつかなかった。
「……ぅ、……あ……」
触手の巣窟となった洞窟に、元・陰陽道の開祖の、か細い喘ぎだけが木霊する。
クオンは意識をゆっくりと手放した。
銀色の睫毛が微かに震え、クオンは重い瞼をゆっくりと持ち上げた。
視界はまだぼやけ、ぬめる肉壁の天井が歪んで見える。全身を拘束する触手の感触は変わらず、彼女の細い四肢は未だ無数の触肢で縫い止められたままだった。
「う……あ……」
声にならない掠れた吐息が唇から漏れる。ぼんやりとした意識の中で、まず感じたのは下腹部の異様な重みだった。彼女はゆっくりと首を傾げ、自分の身体を見下ろす。
「な……に、これ……」
銀色の瞳が見開かれた。かつて引き締まっていた腹部は、妊婦のように大きく膨らみ、白い肌の上には不気味な蠢きが波打っている。子宮の奥で、何かが動いている。複数の小さな生命が、胎内で身じろぎしているのだ。
「うそ……だろ……」
声が震える。これは悪夢だと、彼女は幾度も目を瞬かせた。しかし現実は変わらない。体内で蠢く異物の感触が、否応なくこの地獄が現実だと告げていた。
「淫魔の……子だと……?」
霊力は一滴も残っておらず、式神を呼ぶ札すら起動できない。ただ膨らんだ腹を抱え、触手に拘束されたまま、彼女は戦慄く唇を噛み締めた。
膨らんだ腹の内側で、何かが動いた。それは小さく、しかし確かな生命の蠢きだった。
クオンは拘束された四肢を無意識に捩り、冷たい汗がこめかみを伝い落ちる。体内で動く異物の感覚に、彼女の喉からは抑えきれぬ呻きが漏れた。
「ひっ……ぅ、うご……動くな……!」
銀色の瞳が戦慄く。白く膨らんだ腹部の表面が内側から小刻みに押し上げられるたび、彼女の唇からは歯を食いしばる音が漏れた。
やめろ、やめろ、やめろ……!
脳内で反響する拒絶の言葉とは逆に、子宮の中のソレらはむしろ彼女の動揺に応えるかのように一層活発に蠢く。
「こんな……こんなの、嘘だ……」
掠れた声で呟くが、腹の内側から響く微かな波動が、これが現実だと容赦なく突きつける。かつての誇り高き陰陽師の顔は、今や青ざめ、恐怖と嫌悪に歪んでいた。
肉壁が激しい痙攣を繰り返し、クオンの身体を内側から揺さぶる。
出産が始まる合図だ。
子宮口が無理やり押し開かれる感覚に、彼女の背中が弓なりに反り返った。苦痛と、それとは別の何かが混ざり合い、喉の奥からは獣じみた呻きが迸る。
「ん"お"……お"っ、お"……!」
銀色の瞳が白く裏返り、だらりと開かれた口から涎が一筋こぼれ落ちた。膨らんだ腹の表面が不気味に波打ち、内側から押し出される異物の輪郭が肌の上に浮かび上がる。
出る……ナニカが、出てくる……!
「い、嫌だ……ヤメロッ……!」
掠れた拒絶も虚しく、ぬめる触手に固定された下肢が震えた。
太腿の内側を温かい羊水が伝い、肉壁の床に小さな水溜まりを作る。子宮口が押し広げられ、最初の一匹がゆっくりと産道を下り始めた。
「こんなの……我じゃ、ねぇ……!」
彼女は歯を食いしばり、残ったすべての力で首を振った。しかし身体は既に淫魔の苗床として従順に応じ、異形の子を外へと押し出そうと蠕動している。
ぬるり、という悍ましい感触と共に、異形のそれがクオンの産道を押し広げながら外の世界へとその身を晒した。粘液にまみれたそれが床に落ちた瞬間、彼女の全身を貫くような絶頂が、まるで落雷の如く襲い掛かる。
「お゛っ、お゛っ、お゛ぉぉぉぉぉっ!!」
彼女の口から迸ったのは、最早言葉の体を成していない絶叫だった。締め付けられたはずの子宮が、放出の快感に震えながら痙攣し、空っぽの膣が何かを求めるように収縮を繰り返す。その衝撃で、銀色の長い髪が乱れ狂う。
産んだ……だけで……っ!
「ま、たっ……またイグぅっ……!」
悍ましいはずの出産が、耐えがたいはずの屈辱が、彼女の身体を二度目の絶頂へと無慈悲に突き落とす。触手に開かされた脚の奥で、だらしなく開いた膣口からは、潮とは違う、出産の濁った粘液が溢れ続けていた。
「ぎもぢいいっ……ちが、ちがぅ……!!」
快楽に震える喉で、それでもクオンは泣き声のように否定の言葉を吐き捨てる。
異形の肉塊が産み落とれた中、彼女の身体はまだ子宮に残る胎動に再び反応し、次なる絶頂と出産の予兆でびくびくと痙攣させていた。
異形の肉塊が体外へ押し出されるや否や、まだ収縮の終わらぬ子宮で次の生命が蠢き始めた。クオンの喉からは酸素を求めるような喘鳴が漏れ、依然と膨らんだ腹の表面が再び不気味に波打つ。
「ま、また……まだ、いんのかよ……っ!」
裂けるように広がった子宮口を、2匹目の異形が容赦なく押し広げていく。腸の奥でも同様に蠕動が再開し、彼女の背骨が軋むような圧力が下半身を貫いた。
汗と涙と涎でぐしゃぐしゃになった顔を振り乱し、彼女は触手の拘束のなかで身悶える。
クオンの身体は既に次の産卵へと強制されていた。
「ん"お"……お"っ、お"お"っ……!」
連続する娩出に呼吸は乱れ、意識が白く霞みかける。それでも彼女の下肢は無情に開かされたまま、次の異形を受け渡す産道として蠕動を止めない。
3匹目が産み落とされるのと同時に、4匹目が子宮口をこじ開けた。クオンの全身は電撃に打たれたように跳ね上がり、白く濁った瞳からぼろぼろと涙がこぼれ落ちる。
「お"お"おっ!もう、イッてる……イッてるからぁ!」
4匹目が産道を下り始めた時、彼女の絶頂はもはや切れ目のない連続した痙攣と化していた。胎内で蠕動するたび、過敏になりきった子宮壁が擦り上げられ、背筋を貫くような快楽が脳髄を焼く。
死ぬ……死んじまう……こんなので……
ぬめる触手の塊がまた一匹、彼女の下肢からどろりと産み落とされた。
床は羊水と精液でぐっしょりと濡れ、産み落とされた肉塊が散乱している。だらしなく開かれた唇からは意味を成さぬ喘鳴だけが漏れる。誇り高き陰陽師の面影は微塵もなかった。
「ぎもぢいいっ、ん"お"っ……!お"っ、お"っ、また出る……!」
彼女は触手にがっしりと拘束されたまま、次の異形を押し出すたびに絶頂し、絶頂するたびにまた出産を促される終わりのない地獄の中で、ただ雌として鳴き続けた。
産卵の間隔が加速度的に縮まり、異形の子らは数珠繋ぎのごとく押し寄せる。
クオンの腰骨が悲鳴を上げ、過敏になった産道は排出と同時に次の子を受け入れていた。絶頂の叫びと声にならぬ嗚咽が交錯し、彼女は白目をむいたまま喉をのけぞらせる。
「ん"お"お"おっ!もう、ムリ、ムリぃっ!」
頭が、おかしく……
5匹目、6匹目、7匹目と産まれる。
絶頂はもはや痙攣と区別がつかず、彼女の身体は産み、絶頂し、また産むという原始的なサイクルに完全に支配されていた。肉壁を伝う粘液と羊水の濁流が太腿を洗い、だらしなく開かれた唇からは泡立ったよだれが垂れ落ちる。
「ん"お"……お"ぉ……ま、まだ、孕むッッ‼」
我が……淫魔なんぞの、ただの苗床に……
しかしその思考すらも快楽の奔流に押し流される。誇り高き五行の陰陽師は、もはや妖魔の生殖器官の一部として、延々と続く産卵地獄の中でただひたすらに喘ぎ狂う雌と化していた。
10匹目。
最後の異形がぬめる音を立てて産み落とされ深い絶頂に達すると、クオンの子宮内はようやく静寂を取り戻した。
大きく息をすると心臓の脈動は緩やかになり、体はだらりと弛緩する。虚ろな銀色の瞳が天井の暗闇を映していた。
「はぁ……あ……あぅ……」
彼女の唇から漏れたのは、もはや言葉の体を成さぬ吐息だけだった。
下半身は羊水と粘液の海に浸かり、痙攣の余韻が太腿を時折震わせる。
膨らんでいたようやく腹はすっかり萎み、その代わりに全身の力が根こそぎ抜け落ちていた。
もう……何も考えられねぇ……
触手が一本、優しげに彼女の頬を撫でた。その感触に反応するように、クオンの口元がかすかに歪む。それが自嘲なのか、それとも快楽に慣らされた身体の名残なのか、もはや彼女自身にもわからなかった。
陰陽道の開祖の面影は完全に消え去り、そこに居るのは息をするだけの虚ろな雌だった。