銀腕を掲げし亜神トラムは、
戦場でローパーに敗北してしまいます。
魔物の巣に連れさられた彼女は、
触手の仔を孕ませ続けられる苗床と化して……。

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Skebにてご依頼を受け、執筆した作品です。
お楽しみいただければ幸いです!


亜神トラム、ローパーの苗床姫となる

 銀の腕が振りぬかれる。輝く剣閃を浴びた魔物どもは、ばたばたと倒れていった。

 

「うん。やっぱりこれくらいなら、楽勝よね」

 亜神トラムは戦場の真ん中にもかかわらず、その花貌に微笑みを浮かべた。

 きらきら光る金の瞳、亜麻色の長い髪、紺碧の衣装を突きあげる豊かな胸乳……。彼女はまごうことなき美少女だ。

 

「! えいっ!」

 しかしその戦いぶりは優雅にして鮮烈だった。背後の気配を察知し、振り向きざまに斬り倒す。迫った触手は右肩をかすめただけに留まった。

 トラムが戦う相手はローパーだ。軸柱のような胴体から幾本もの触手を生やす、醜怪な魔種である。

 

 最近この周辺では、彼奴らによる被害が相次いでいた。ひとつひとつは軽微だが見過ごすことはできない。多忙な王子に代わって討伐の名乗りをあげたのが、トラムだった。

 

「さぁ……このまま全滅させちゃいましょうか」

 煌めく美少女が魔物の群れを誅す。神話のごとき光景である。しかしその展開は続かなかった。

 

「え……?」

 銀腕から突然、力が抜けた。からんと音を立てて愛剣が地に落ちる。

 最も頼りにできる武器が急に使用不能となった。その事実に戦神も、少なくない隙を見せる。

 

 ずざざざざっ!

 ローパーの軸柱は鈍重なのに触手は素早い。捌ききることができなかった。手首を抑えられ、脚に絡みつき、花貌にも巻きつく。動きだけでなく息も封じられてしまった。

 

「王子……」

 トラムの意識は黒く塗りつぶされていく。酸欠の脳が最後に見せたのは、愛する男の顔だった。

 

 ◇

 

「う……」

 トラムの目はゆっくりと開きだした。しばし呆とするも、先ほど我が身に起こったことはすぐに思いだせた。

 

(まさか、ローパーなんかに負けちゃうなんて……)

 亜神にして戦神。そんなトラムにとっては信じがたい出来事だった。

 しかし、戦場ではなにが起こるかわからない。これも紛れもない真実である。

 

(ここ、ローパーの巣?)

 今いるのは、洞窟の中だった。触手魔物どもはまるで戦利品のごとく、トラムを住処に連れさったらしい。

 岩壁には光るコケのようなものが生えている。視界は悪くない。自分の状況もよくわかった。幸い、ケガはしていない。しかし楽観できる状況でもなかった。

 

「あっ……!」

 ローパーどもは少女の目覚めを待っていたようだ。金瞳の輝きを認めた彼奴らは、ゆっくりと迫ってくる。

 銀腕はまだ動かなかった。しかしそれだけで抵抗を諦めるはずもない。

 

「こ、このぉっ……!」

 トラムは素手で、ローパーを遠ざけようとする。触手魔物はぶんよりとしていた。押すと液汁が染みだしている。背筋に怖気が駆けぬけた。

 それでも亜神の膂力は、抵抗を成功させようとしていた。魔物の包囲が少しずつ緩みだす。

 

(よしっ、このまま……!)

 脱出の目途が立ったのに。左腕からも力が抜けだした。わけもわからぬまま、トラムはまた触手魔物に押しかえされる。

 驚愕の隙はいとも簡単に突かれた。

 

 ぬるるんっ!

「ひゃあっ!」

 左腕に長肉が巻きつく。そのまま剥きだしの腋にまで這いのぼられた。くすぐったさがじわりと、抵抗の気概を削ぐ。

 トラムはとあることに気がつく。再び、腕そのものが持ちあがらなくなっている。

 

(まさか……毒!?)

 トラムの推察は正しい。ローパーの表皮から分泌される粘液。それは獲物の動きを封じる、マヒ毒だった。

 さらに悪いことに……。その成分は触覚を阻害しない。少女の神経は掻痒感も悦感も拾いあげてしまう。

 

「や、やだっ! あぁっ!」

 苦し紛れにばたつかせた脚も絡めとられた。動けなくなったトラムの身体に、無数の長肉が這いまわりだす。

 ぬめる触手は髪も服も肌も区別をつけない。可憐な亜神は粘液まみれになっていく。

 

 びりっ、びりぃっ。

 マヒ毒だけでなく腐食の作用もあるのか。濡れた衣服は触手によって、ボロ布のように引き裂かれた。

 卑しいモンスターの前に、美少女の白肌が晒される。身体の中央にくちばしがあるものの、ローパーは表情さえないような魔物だ。しかし……嗤っているとわかった。

 

「下賤なっ……! もうやめなさい!」

 亜神は金の瞳を槍のごとく尖らせ、触手魔物どもを睨む。平時なら彼奴らも震えあがったことだろう。

 しかし今の彼女は裸に剥かれ、頼りの銀腕さえ封じられている。力を振るえぬ神など恐るるに足りない。

 

 ぬるっ! ぬるるるっ!

「やだ……あぁぁっ!」

 よってローパーの触手は、下卑た接触をやめなかった。スレンダーな肢体に次から次へと長肉が殺到する。

 

「んんっ……」

 腋窩や内腿を擦られると、くすぐったさが身体を這いのぼった。ぞわぞわとした感覚は悦の種に他ならない。尿意さえ催した。身体が勝手にぶるっと震える。

 

「! あ、あぁ……っ」

 微妙な部位への接触は続く。首筋もいやらしく撫でられた。縮めて隠したいのに、マヒ毒はそれを許さない。温められた血は頸動脈を通り、全身に運ばれる。淫気が脳にも流れこんだ気がした。

 

「や、やめて……」

 内腿に擦りつけられていた触手が下降する。桜貝のような爪が生えた足の、その裏に行きついた。敏感な部位だ。撫擦されたら笑いが止まらなくなるだろう。

 しかしトラムが感じるのは、じわりとした悦だった。それは淫血が隅々まで巡った証左に他ならない。

 

(こ、こんなのも気持ちいいなんて……)

 賤劣な魔物が寄ってたかって、白肌を粘撫する。しかしそんな行いにより、我が身が変えられてしまっている……。

 屈辱以外のなにものでもない。トラムはきゅぅっと、桃唇を噛みしめた。

 

 ぷちゅっ!

「ひゃあ!? あ、あ、やだぁッ!」

 しかし次の瞬間、そこは無理やり開かされる。悲鳴が迸った。ローパーの中でも、特に細い触手。それが耳孔を穿ったのだ。

 

 ぷちゅっ、じゅちゅっ、じゅぽっ!

「やっ、あぁっ! やめてぇっ! いやーーーッ!」

 耳道には神経が敷きつめられている。粘液をまとう肉蛇に擦過されると、凄まじい掻痒感が全身に広がった。ぷつぷつと鳥肌が立っていく。

 液鳴りの音は鼓膜のすぐ近くで響く。聴覚が捉えるのは恐ろしいまでの轟音だった。ゆえにトラムはそれをかき消すよう、喉が裂けんばかりに叫ぶ。

 

 ぢゅっ……ぽんっ!

「あッ……! あぁぁっ……!」

 亜神の悲鳴に満足したのか。散々に撫でまわした後、ローパーは触手を退いた。粘着質な水音が聴覚を弾く。

 頬も、耳も、デコルテまで。トラムは肌は朱に覆われた。

 

「はぁっ、はぁっ……はぁぁ……っ」

 決して比喩などではない。頭頂から爪先まで、ノエルは魔手に撫でられ、擦られ、悦を引きだされた。

 二腕しか持たぬ人間には決して出来ぬペッティングだ。少女は心身ともに、だんだんと蕩かされていく。

 

 しゅる……。

 触手はもちろん飽くことなく、少女の肌をなおも貪る。

 

「おっぱい……いじるなぁっ……!」

 あからさまな部位にも肉蛇が及んだ。トラムの瞳に再び、強い光が宿る。

 魔物なんかに貞操を穢されたくない。そんな気概が亜神にはまだ存在した。

 

「はぁっ、はぁっ……、あぁっ……!」

 しかし身体が付いてくるかは別だ。マヒ毒はたっぷり塗りこめられ、全身愛撫により悦焔を埋められ……。トラムは指一本すら動かせない。

 触手はさらにいやらしく、亜神の胸乳を玩弄する。

 

 むにゅっ、むに、むにゅぅっ。

「はっ、あぁ……はぁっ……!」

 かわいらしい顔貌とは裏腹に、トラムの胸房は豊かに実っている。

 愛撫を加えられると淫血が巡る。膨らみはさらに柔らかさと大きさを増していく。

 

 しゅるるるっ!

「ひゃっ! あぁ……っ!」

 腋を通りながら、胸房の横部を擦られる。ぞわりとした悦が駆けぬけた。粘液の跡に沿って、快感がちろちろと灯る。

 五指で掴まれるのとはまた違う。擦過による乳悦は、内部に熱を浸透させていく。

 

 ピンッ! ピンッ!

「あひ……っ、ひぁぁあっ!」

 性感の証は当然、先端にも現れている。乳首は勃起しだしていた。可憐な薄桃色がふるふると震える。まるで存在を主張するかのようだ。

 ゆえにローパーは容赦ない先端責めを課す。

 

「う、うぅぅ……! くぅっ……」

 毒と悦。ふたつの戒めが亜神を完全に封じこめていた。

 よってローパーは悠々と、美乳を玩弄しつづける。触手に押されて形よい膨らみがぐにぐにと形を変えた。

 

「えっ!? な……!」

 双房の間に、一本の触手が潜りこんだ。さらに両側から圧迫が加えられる。左右の胸乳をもって、長肉を挟みこむような形になった。

 それがどんな言葉で表されるのか。トラムも知っている。

 

「や、やめなさい! こんなこと、許さないわよッ!」

 パイズリである。

 かつて自分も王子に見舞ったこともある。甘美な思い出を穢され、声を荒げた。

 トラムがこの性技を捧げたのは、相手が愛する男だったからだ。どこのウマの骨とも知れぬ下賤な魔物に、己の女のシンボルを使われるなど……。亜神は決して許さない。

 

 ぬるっ、ぬるるっ、ぬるんっ!

「くぅぅうっ……! やめて……あぁっ!」

 同時に、魔物も少女の心を慮ることはない。粘液の補助もあり、触手は実にスムーズに房間を往復する。

 決して望まぬ状況なのに。摩擦により発生する淫熱は、トラムを確実に炙っていく。頬も息もだんだんと火照りだした。

 

「はぁ、はぁっ……」

 胸脇も、先端も、豊膨が形作る谷間も。トラムの胸乳全体が触手に撫でられ、弾かれ、擦りたてられる。

 悦を覚えるのはもちろん、少女ばかりではない。パイズリを味わう触手がびく、びくりと微震しだす。トラムはいやな予感に襲われた。危惧は正しかった。

 

 びゅるっ! びゅるるるっ!

「あ……! んん……っ」

 触手の先端から白濁液が発射された。迸りが少女の花貌に直撃する。かろうじて目を閉じることはできた。

 

 びゅっ、びゅるっ、びゅっ!

「や、やぁ……! ん゛っ……!」

 汚液はなおも美少女の顔を侵す。反射的に開いた唇の内にも浸入りだした。トラムは慌てて口を閉じる。

 

 己の内に取りこみ、はっきりとわかった。表皮から分泌される液汁とは明らかに違う。粘りも、臭いも、そして熱さも。そこに秘められたエネルギーがありありと伝わる。

 淫熱が巡っているのに。いやな予感を覚えて少女は、ぶるりと背を震わせた。

 

「…………」

 ローパーの無言のまま、さらに陵辱の魔手を伸ばしてくる。畏れ多くも亜神の顔貌に触れようとした。

 

「んっ! んんぅっ……!」

 トラムは桃唇を真一文字に引きむすぶ。強固に閉ざしたそこを、触手はなおもしつこく這う。粘液を塗りこめられて、てらてらと光りだした。

 

「んふっ、むふぅ……あ、あうッ!?」

 濁汁はぬめり、臭気が鼻を突く。トラムは必死に我慢していたが……ついに口を開けてしまった。

 そこを狙いすまし、ローパーの触手が突きこまれる。

 

「ぅおっ、んむぅう゛!」

 咄嗟に噛みつこうとした。しかし太肉により顎を開かされ、しかも表面はぬるぬるとしている。歯を立てることすらできなかった。

 

 じゅちゅっ、じゅぽっ、じゅぷっ、ぢゅぢゅっ。

「ふう゛っ、うあ……うぐっ!」

 ローパーはますます嵩にかかる。可憐な桃唇を女性器に見立てたように、触手の抽送を開始した。 

 喉奥を小突かれると金瞳に涙が滲む。押しだそうと抵抗する舌の動きが、かえって魔物を昂らせた。触手の震えが顎に伝わった、次の瞬間。

 

 どくっ、どくっ、どくんっ……!

「むおっ、お……! おぉ……っ!」

 ローパーの体液が口腔にぶち撒けられた。唇は触手で塞がれている。吐きだすことなどできない。窒息を免れるためには、穢汁を飲むしかなかった。

 

「んっ、んぐっ、ぐぅっ……!」

 胃の腑に落ちた後でも、液汁は存在を主張し続ける。ふつふつと湧くそれは身体を温め、頬が火照っていく。

 

「んぅっ!? ぅお……っ!」

 多大な努力のおかげで、トラムは白濁液に溺れることを免れた。しかしまだ試練は控えている。

 口内の触手はその先端を、トラムの内頬に擦りつけだした。柔らかで清らかな粘膜で汚穢を落とすかのようだ。

  

(こんな……こんなの……)

 屈辱的な扱いである。

 しかしマヒ毒に冒されたトラムに出来ることはない。睨みつける気力もなかった。ただ無力な少女のごとく、静かに涙を流す。

 

「はぁ、はぁ……」

 穢液を飲みこんで間もなく。トラムは我が身に、変化が訪れたことを自覚した。

 

(からだ、熱い……?)

 ローパーの触手先から分泌される粘液。白く濁るそれは女を邪悦に陥れるための媚毒である。経口での摂取は効果バツグンだった。腹奥がじゅんと滲みだす。それがわかった。

 少女の頬にはみるみる赤みが差していく。それなのにローパーは更なる恥辱を課す。

 

 ぐいいっ!

「きゃ……あぁぁぁあっ!」

 絹を裂くような悲鳴があがった。左右から伸びた触手がトラムの足首を掴む。そして開脚させたのだ。

 ショーツも穢液に蝕まれ、すでに破かれていた。トラムの淫裂が露わとなる。

 

「や、やめて! 見ないで! う、うぅっ……!

 ローパーの軸柱にはくちばしがあるばかりだ。瞳も鼻もない。それなのに彼奴らは開帳されたトラムの秘洞に群がりだす。

 そして無言のまま、じっくりと鑑賞しはじめる。

 

(やだっ……こんなの……)

 全身を撫擦され、媚毒をたっぷりと飲みこまされ。トラムの性感はどうしようもなく昂らされた。その証ははっきりと形を成している。ひくひくと蠢く陰唇は、愛蜜でしとどに濡れていた。

 亜神とはいえ少女である。膣口を露わにされた羞恥は、骨をも融かさんばかりだった。

 

「はぁ、は……?」

 ローパーは新たな触手をトラムに突きつけた。身体を撫でさすったものとも、口唇に突きこまれたものとも、明らかに違う。

 ぞろりと伸びる触手は、半透明の肉でできていた。先端には十字の孔が開いている。

 トラムはその用途がわかった。叫びだそうとするがその前に、肉蛇は素早く動く。

 

 ぐちっ!

「あっ……あぁぁっ!」

 触手魔物の生殖器。取りわけ醜怪な異肉が女陰に突きこまれた。

 準備は万端だったとはいえ、己の淫唇はあまりにあっさり飲みこんでしまった。その事実にトラムは愕然とする。

 少女のショックになどもちろん構わず、ローパーは交尾を進めていく。

 

 ごちゅんっ!

「あぐぅっ! うぁあっ!」

 前進するとすぐに膣底を叩かれた。鋭敏な子宮口を強突され、トラムの金瞳から火花が散る。

 我が子を支え、守り、育てる子宮。女の聖殿ともいえる場所まで、ローパーに踏みこまれてしまった。そして他の触手も少女を弄びだす。

 

 しゅる、しゅるる……。

「や、やめてっ……! おっぱい、もう触るなぁ……っ」

 細めの触手が差しのばされた。美しい乳山の裾野からぐるりぐるりと巻きつく。頂上に達した先端が、乳首を弾くように動きだした。

 

「ふぅっ! はぁっ、あぁっ!」

 強めたり弱めたり。緩急をつけて締めつけられる。先端への責めも多彩だった。乳輪を撫でまわしていたかと思うと、きゅうっと器用に抓まれる。

 

「え……? な、あぁぁんっ!」

 柔房が燃えるように熱くなった。続いて噴出の感覚に襲われる。なんとトラムの乳首から、母乳が滲みだしていた。

 ローパーの媚毒には、このような作用もあるのだ。

 

「あぅぅうんっ! いぃぃい゛ッ!」

 胸房を搾られた。乳首から放たれたミルクはぴゅーっと弧を描き、巣穴に白跡を残した。

 甘い匂いは魔物を引きよせる。トラムの豊膨には触手ではなく、ローパーの本体がにじり寄った。

 

「ひっ!」

 長肉を頼りにする種族である。軸柱にあるのは、鈍いくちばしだけだった。それが少女の乳首を食む。そして強く、啜りたてた。

 

 ぢゅっ、ぢゅるっ、ぢゅずずずっ!

「はっ、あぁっ、いやぁ……っ!」

 揉まれるのとも、抓まれるのとも異なる。吸われるという、新たな乳悦をトラムは覚える。

 そしてそれは快だけではなかった。ミルクとともにエネルギーも奪われている。白滋養に亜神の力が溶けこんでいるとわかった。

 

「あ、あぁ……! はぁっ、あぁぁッ!」

 ローパーの触手と媚毒。それらはトラムを逆転不可能な地点にまで追いやった。

 全身への愛撫と性器への挿入で骨身を蕩かされ、母乳から力を吸いとられる。抵抗の手段は丁寧に潰されていた。

 そしてなにより、少女を追いつめるのは……。己が感じる邪悦だった。

 

 ぐちゅっ! ぐちゅんっ! ずちゅっ!

(やだっ! こんなのぉ……!)

 花貌に浮かぶ朱や、桃唇から発される嬌声。トラムの昂奮はそれだけで表せられない。抽送音には水気がたっぷりと含まれだした。

 それを捉えたトラムの耳はすっかり赤くなっている。当然、魔物は手心など加えない。トドメと言わんばかりの突き入れが子宮口を襲った。

 

「いっ……い、イク……ッ」

 宣言に偽りはなかった。トラムは絶頂に達する。視界が白く狭まり、屈辱の状況さえ忘れてしまう。

 オルガスムスの反応は胎内でも起こっていた。法悦を与えてくれた牡を慰撫するため、瑞々しい膣腔がきゅぅっと締まる。ポルチオは胤を求めてだらしなく口を開いた。

 

 ごりっ!

「!!? ぐぁっ……!?」

 絶頂の浮遊感にあってもなお、覆いきれない痛苦が割りこんだ。

 種汁を受けいれるため、大きく広がった子宮。そこに異物が侵入りこもうとしていた。

 

「な、なに!? あぁぁっ!」

 トラムは咄嗟に身を起こそうとする。しかし叶わない。目だけがかろうじて動いた。

 己を犯す触手が見えた。半透明の長肉は、その内部を薄っすらと透かしている。そこには丸いものがあった。

 危機的な状況だからだろうか。何が起ころうとしているのか、トラムははっきりとわかった。

 

「い……いやぁッ! あぐぅッ!」

 鋭く叫ぶも、全く意味はない。さらに強くポルチオを押しこまれた。

 少女のナカを侵そうとするもの。その正体は卵だ。ローパーは不敬にも、亜神の子宮を孵化場としようとしている。

 

 しかし触手魔物の行動を止めることはできない。敗北した戦神にそんな権利が認められるはずはないのだ。

 

 ぐ、ぐぐぅっ……! ぼちゅンッ!

「あ……あぁっ……あぁッ!」

 ついに一個の卵が子宮口を突破した。いかに緩んだといえど、そこが固体を通すはずはない。しかし魔物との性交に道理が通用することも、またなかった。

 

「はぁっ、はぁ……! あぁぁ……っ」

 胎を丸ごと征する……そんな大きさではあるまい。しかしトラムの息は細くなり、吐き気にさえも襲われる。はらわたを圧されているのだ。不気味な蠕動すら感じられるほどだった。

 

 ぐぐっ!

「あっ……! あぐぅウッ!」

 卵の産みつけはひとつで終わらない。ふたつ目が送りこまれる様子が、半透明の長肉から窺えた。

 

「いや! やめて! ゆるしてぇっ!」

 暴悦を散々に浴びたポルチオはすでに降伏している。素直に口を開いていた。

 しかしいつやめるかは、勝者たるローパーが決めることだ。トラムは桃唇も開き、許しを乞うしかなかった。

 

 ◇

 

 トラムがローパーの巣に連れさられ、数日が経った。可憐な亜神は魔物の陵辱に、必死の思いで耐えている。

 

 ぬる、ぬる……ぬる……。

「あぁぁっ……! はぁっ、はぁっ!」

 緩やかに、しかし無遠慮に。触手はトラムの身体を這いまわる。

 あますところなく粘液を広げられていく。ぬらぬらといやらしい光が、スレンダーな肢体の輪郭を浮かびあがらせた。

 

「はぁ……はぁぁ……あぁ……」

 マヒ毒が塗りこめられた四肢はだらりと垂れさがる。銀腕も器物のようだ。少女は立位はおろか、座ることさえままならない。その身をローパーの軸柱に預けるしかなかった。

 

(やだ……こんな格好……)

 後ろから膝裏を掬われ、左右に広げられる。真っ白な内腿と桃色の淫裂がつまびらかとなっていた。

 たっぷりと嬲られた胸房は、少しサイズを上げたように見えた。淫血が巡った証拠だ。先端の乳首は当然、ぷっくりと勃起している。

 

 恥辱を煽るのは、取らされている体勢だけではない。

 

「はぁ、はぁ……」

 ほっそりとしていた、トラムの腹部。そこは内側から膨らまされていた。子宮内に産みつけられたローパーの卵が成長したのだ。

 

(負けない……私は、まだ……)

 自由を奪われ、触手に弄ばれ、魔卵さえ植えつけられた。

 それでも彼女は正気を保っている。信じているからだ。王子と仲間たちは必ず、自分を助けだしてくれる。その希望だけがトラムの拠り所だった。

 彼女の金瞳にも銀腕にも、まだ輝きが宿っている。

 

 どくっ……どくんっ!

「!!?」

 強い震えが突然、体奥から生じた。マヒした身体もびくりっ! と跳ねる。

 少女はその理由がわかってしまう。子宮に産みつけられた卵。それが孵化したのだ。

 

「な、なんで……あぁっ!」

 魔物は成長が早い。それはトラムも知っている。とはいえ、破殻までの期間があまりに短すぎる。

 その理由はトラム自身にあった。亜神である彼女は強大な力を帯びている。それが魔卵にとって最上の滋養となったのだ。

 

 ぐぐぐっ!

「あぅっ! あ、あぁぁ……!」

 なにかが無理やり、己のナカを貫こうとしている。ローパーの幼体が子宮口を潜りぬけようとする……。トラムにはその様が、はっきりと目に浮かぶ。

 

「いや……いやぁッ!」

 決定的な時は迫っている。それを遠ざけようと必死になった。

 可憐な姿の少女である。しかしトラムはれっきとした亜神だ。意思も力も強い。腹筋を強く絞ると、子袋の口も強く窄まった。

 

「はぁっ、はぁ……はぁっ!」

 普通ならもうとっくに、ローパーの仔は産みおとされているだろう。しかしトラムは脂汗を流し全身を震わせ、魔仔の誕生を阻もうとする。

 

「…………」

 ローパーどもはその様子をじっと見ていた。そしてまだ見ぬ同胞に加勢する。

 

 ぬるっ! ぬるるっ!

「!! あ……あぁぁっ!」

 ぬるぬると、トラムの全身をのたくっていた触手。その動きが激しさを増した。粘液も多量に分泌される。さらになめらかに白肌を這う。

 

「はぁっ……! は、あぁぁぁっ……!」

 鼠経の筋をなぞられると、背筋に微悦が這った。脳天まで行きついたそれは姿を変える。全身が淫火が周りだした。

 ちろちろと炙られるような快感だ。切ない喘ぎが思わず漏れてしまう。

 

「や、やめて……! はぁうっ!」

 円を描くような愛撫が両房に課された。長肉の動きに合わせ、胸乳はぐに、むにと形を変える。媚毒に冒された乳腺が身悶えた。

 先端の桃飾もピンと勃つ。そこには触手ではなく、くちばしが向けられた。

 

 ちゅっ、ちゅぅうっ!

「は……! あ、あぁぁ……!」

 きゅうと啄まれると即、吸引が課せられる。少女の母乳があふれ出た。

 ローパーの媚毒液により、トラムの胸房はミルクサーバーと化している。亜神の力が溶けこんだそれは、上位者からもたらされる滋養に他ならない。

 

 ぢゅ、ぢゅる……ぢゅうっ!

「う、うぅっ……! う゛ーーーっ!」

 さらに強く激しく啜りたてられる。

 トラムは力を奪われるのに、ローパーは力を増していく。胸房に触手が巻きついた。まるでウシの乳を搾るように、ぎゅうぎゅうと圧迫される。

 下腹の堅忍が解けそうになった。少女は歯を食いしばる。

 

(だめ……ちから……ぬけちゃう……)

 トラムを脱力させ、分娩に抗えなくさせる。それこそがローパーの狙いなのだろう。そして魔物の企みは成功しつつあった。

 触手の魔物はさらにダメ押しを課す。

 

 ぐっ! ぐぐっ!

「!?」

 淫裂の真下にある、菊門。ローパーはそこに肉蛇を差しむけた。思いもよらぬ出来事にトラムの身が硬くなる。拒絶の表れだった。

 それでも長肉の先はしつこく、窄口の周辺をのたくる。

 

「なっ、そ、そこはぁ……ッ!」

 不浄の穴をまさぐられる。その汚辱感は格別だった。反射的に力が入る。下腹が引き攣るほどだった。しかしそれはだんだんと四散していった。

 

 ぬるっ、ぬるる……、ぬるんっ。

「ひあっ、あぁ……はぁんっ!」

 ローパーの触手が分泌する、マヒ毒。それは菊皺にも有効だった。強張りがだんだんと解けて、終端の穴が柔らかく開きだす。肉蛇はなおもアヌスをつつき続けた。

 トラムの脳裏にいやな予感が閃く。

 

(まさか……そんな……っ!)

 彼女が抱いた危惧は正しかった。しかし出来ることはなかった。窄口を突く圧力が高まっていくのを、感じるしかない。

 その時は間もなく訪れる。

 

 ずぶっ! ずるるるるっ!

「あッ……、が、はぁっ……」

 長肉が肛門を押しひろげ、腸内に潜りこんだ。

 下腹に叩きこまれた圧迫感と膨満感。それは膣腔を埋められた比ではない。桃唇はぱくぱくと開閉するばかりで、喘ぎすらあげられない。

 

「はぁっ、はっ……あ……」

 菊孔を用いた交合。その初めてすら、トラムは触手に奪われた。

 しかしそれほどの陵辱に対しても、ショックを受ける暇も与えられなかった。

 

 ぐ……ぐぐぅっ!

「あぁッ……あぁぁあっ!」

 亜神の意思力で持ちこたえていた、最後の防衛線。それがついに破られた。ローパーの幼体が子宮口を突破したのだ。

 トラムの膣腔は今、愛蜜で湧きだしている。魔仔はそのまま滑りおちてくると思われたが……。

 

「はぁっ、あぁっ、ああ゛!」

 分娩は遅々として進まない。その原因は、アヌスを貫いた触手にあった。

 直腸は今、長肉に占領されている。それが膣道をも狭めているのだ。幼体の進行は妨げられている。

 

 ずっ、ずる……ずりりっ!

「ひ、ひぐぅっ! あぁっ、はぁぁぁあッ……!」

 しかしもちろん、そんなことで誕生を諦めるはずもない。胎児は無理やり進みだす。膣ヒダを逆撫でされる快感は強烈だった。桃唇から艶叫が搾りだされる。

 トラムは産みの悦と苦を、たっぷりと味わうこととなる。

 

「ひぅっ、うぅっ、うぅぅう~~~ッ!」

 その終わりがやっと見えてきた。ぱくぱくと開閉する淫口。そこから幼体の頭部が、微かに顔を出した。

 しかし胎児の進みはそこで止まってしまう。

 

「ふぅっ、ふぅぅっ……! うぅぅっ!」

 その理由もすでに明白だ。菊門に突きこまれたローパーの触手は、膣穴を最もきつく封鎖していた。

 括約筋は強い締まりをもたらす。極上の挿入感を味わう彼奴は、赤仔にも道を譲らなかった。そして赤仔も、母の身体にかかる負担など考えない。

 

 ごりっ、ごりりっ、ごりっ!

「はぁあッ! あ、がぁッ!」

 ローパーの証たる触手。それが膣内で蠢いた。

 まだ未熟な触手だ。しかしクリトリスの裏側を的確に掻いてくる。トラムは激しい尿意と、目も眩むような邪悦に襲われる。

 

「い、いやぁ……、あっ……あぁぁぁあッ!」

 敏感な菊縁を捲りあげられ、胎内の弱所を引っかかれる。二本の触手により、トラムは極悦に追いやられた。

 陥落した女体は抵抗を諦めてしまう。下腹と膣口が柔らかく緩んだ。次の瞬間のことだった。

 

 ぶぢゅンッ!

「がはっ……は、あ、あぁぁぁぁあ゛!」

 高い水音を響かせ、ローパーの幼体が陰唇を潜った。

 勢いよく飛びでた彼奴は、トラムの股間からごろごろと転がった。しかしすぐに母の元へ這いよりだす。

 

(これ……わたしの……あかちゃん……?)

 亜神にして戦神。トラムはそんな存在である。しかし少女であることに変わりはない。愛する男と結ばれて、彼との間に子を儲ける。かわいらしい願望を抱いていた。

 

「い、いや……いやぁ……っ」

 そんな甘い夢は無残に打ち砕かれる。どこに目もあるのかもわからぬ、幾本もの長肉を蠢かせるもの。

 この醜怪な触手魔物を産んだのは……他ならぬ己なのだ。

 

「こないで……う、あぁぁッ!」

 拒絶の言葉を吐く母に対して、仔は健気に身を寄せる。マヒ毒に冒されたトラムは腕を動かせない。嬰児は振りはらわれることはなかった。

 白肌を這いのぼり、柔房に行きつく。そしてくちばしで乳首に吸いついた。

 

 ちゅうっ! ちゅっ、ぢゅるっ、ぢゅうぅっ!

「ふぅっ、やぁぁ……! あ! あぁっ!」

 縮まった膣腔を潜行し、赤仔は体力を消費していた。それを埋めあわせるかのように、強くミルクを啜りたてる。

 トラムはそれに悦楽を感じてしまった。我が身は媚毒に冒されている。しかし……本当にそれだけが原因なのだろうか?

 

 どくんっ! びくっ!

「あぁ……っ!? あうぅっ!」

 考える暇すらトラムには与えられない。体奥から再び、脅迫的な震えが生じた。

 子宮内に産みつけられた卵はひとつではない。少女もそれは覚えていた。

 

「やだっ……あ、あぁぁっ!」

 すでに子宮口は開ききり、膣道は耕されている。二度目の分娩はスムーズだった。ローパーの胎児はひくつく陰唇を割りひらく。

 膣からも乳からも幼体が悦を与えてくる。そしてトラムを囲む成体どもは、次の植卵の時を今か今かと待ちわびているのだ。

 

「い……っ、いやぁぁぁあッ!」

 そんな現実は少女に重すぎた。ただただ、絶叫を響かせるしかなかった。

 

 ◇

 

 トラムがローパーの仔を産み、数日が経った。

 助けはまだ来ない。彼女はなおも、触手魔物の巣に囚われつづけている。

 王子がトラムを見捨てるなど決してあり得ない。救助に人員が割けないほどの、なにか重大な問題が起きているのかもしれない。

 

 しかしトラムはもう、そんなことはどうでもよかった。

 

「うふふ……ふふ……」

 輝いていた金瞳は、拭いがたい濁りに覆われていた。頬にも唇にも淫熱が灼きつき、うっとりとした表情を浮かべ続けている。

 そして、彼女の象徴ともいえる銀腕は……。すっぽりと落ちていた。細く、なめらかで、少女らしい。亜神はそんな右腕を露わにしている。

 

 魔物によると愛撫と種付け。そして孵化と出産。これらの性活は彼女の心を蝕んで……ついに、異種姦の快楽に堕ちてしまった。

 ローパーどももトラムの変心を歓迎していた。触手で拘束するどころか、手厚くもてなしている。

 

「はぁ……はぁぁ……」

 一糸もまとわぬ肢体は今、湯殿に浸かっていた。天然石から削りだされた、肌ざわりの良い浴槽である。その内側は白濁液で満たされている。

 胎児が詰まって重い腹も浮力で支えてくれる。少女は優しい浮遊感を味わっていた。

 

 どくっ、どくっ、どくっ。

「あは……また、注いでくれるの? うれしい……」

 少女が浸かる浴槽に向けて、ローパーは触手を差しだした。先端から粘液が噴きだす。

 言うまでもなくそれは媚毒だ。トラムは触手魔物の媚毒風呂に浸かりきっていた。

 

「すぅ……、は、あ、ぁぁぁ……っ」

 どろりとした汁を手で掬う。うっとりと花貌を寄せると、深く息を吸った。濃い精臭が鼻腔に流れこみ、それだけでトラムは陶然とする。

 ねっとり重い液はいつまでも冷めることがない。ほの温かく、ぬるぬるとぬめる。そんな淫湯は揺蕩うような心地をトラムにもたらす。

 

「うふふ……」

 白濁液を追加してくれた返礼だろうか。トラムはローパーの触手をそっと掴む。そして自身が浸かる湯殿に招きいれた。

 

「んちゅっ、ちゅうっ……んむっ」

 己の桃唇を開いて、長肉を咥えこんだ。粘膜洞の中で積極的に舌を回す。射出口に舌先を差しこみ、優しく穿ってやる。

 その様はまるで、愛しい者と接吻を交わしているようだ。

 

 どくっ、どぷっ、どく……。

 ローパーはさらに白濁液を注ぐ。

 トラムが脚を伸ばせるほどの浴槽を設置し、体液で満たす。いかに魔物であっても負担が大きい行いだ。

 しかしローパーどもは積極的に媚毒粘汁を提供する。それにはもちろん理由がある。

 

 彼女の子宮を揺り籠に育ったローパーは、いずれも類を見ないほど強靭だった。

 トラムが優れた母胎だということは、触手魔物もすぐに理解した。ゆえに下にも置かぬ厚遇を与えているのだ。

 

(私……なにが嫌だったんだろう? こんなに大事にしてもらえるのに)

 姫のごとき扱いを受けながら、トラムは考える。

 ローパーの種付けに対して、どうしてあんなに必死に抗っていたのか。もはやそれすら思いだせない。

 そしてまた、新たな快楽が少女の身に起ころうとしていた。

 

「んっ……ふぅ……」

 体奥から甘い震えが生じた。分娩の準備が整ったサインだ。トラムは瞳を閉じると、素直に身を任せる。

 

 どくんっ! どくんっ!

「は、あぁぁ……っ」

 胎動はどんどん大きくなっていった。子宮を直に揺さぶられる。振動は背骨を伝い、脳にまで達する。

 寄せては返す、波のごとき悦を愉しんでいたが……トラムはふと、違和感を抱いた。

 

(……? なかなか、出てこない……?)

 新たな同胞は、まだ顔を見せないのだ。

 ローパーの卵を受けとり、養い、送りだす。トラムの子宮はすっかり、触手魔物の繁殖専用に仕上げられていた。

 居心地のよい環境で胎児はのびのびと育った。ゆえに大きくなり過ぎていた。

 

「あ……? あ、ぅぅぅう゛っ!?」

 トラムは突然、獣じみた嬌声をあげた。白濁の湯面がぐらりと揺れる。苗床姫の狂態に、ローパーどもも慌てだした。

 

「あ、あ゛っ! あがぁぁッ……!」

 ぼて腹を掻き抱くようにして前へ倒れる。このままでは媚毒液で溺れる。ローパーどもは触手を伸ばし、トラムの身体を抑えつけた。

 

「はぁっ、はっ、はあ゛っ!」

 媚毒風呂に膨腹と胸乳が浮かぶ。少女は荒い息を天井に吐いた。濃い精臭を吸いこむが、それを愉しむ余裕もない。

 なぜ急に、こんな極苦が訪れたのか? それは彼女のナカで兄弟喧嘩が起こっていたからだ。

 

(や、やめてぇ……!)

 子宮口をなかなか潜れぬ兄に対し、弟は業を煮やした。そして自分が先に産まれようと、窄輪を押しこみだした。

 魔物は譲り合うことなどしない。母の負担など気にもかけず、兄も弟も頭部を突っ込む。

 

「あ゛、がぁッ! あ゛ぁッ!」

 巨体の赤仔が争って、敏感な狭孔に激突する。トラムはこの胎動に悩乱させられていた。

 

 ぐっ、ぐぐぐっ!

 子宮内の競い合いは外からも窺えた。大きく膨らんだ腹に、ぐねぐねと胎動が浮かびあがる。

 内臓が圧しつぶれてもおかしくはない。しかし媚毒液に浸かりきった身体は、理外の分娩にも適応しだした。

 

 ずず……ず……。

「おっ、おぉ……お゛ぉッ!」

 兄弟たちの突きこみに合わせて、身体が少しずつ緩んでいく。そればかりでなく……。この酷動に対し、トラムの脳は悦楽を覚えはじめていた。

 

「はぁっ、あ゛ぁっ! あぁぁぁーーーッ!」

 窄口の拡張はミリの単位だ。まだまだ、二体の胎児が通るにはほど遠い。ゆえにトラムの辛苦と、それ以上の悦楽はまだまだ続く。

 やがてふたつの頭がポルチオを潜った。

 

「お……!? お、おぉぉお゛ッ!」

 美少女の桃唇がOの字型に開いた。容姿に似つかわしくない濁声が響く。

 二体の厚みに押しひろげられたポルチオ。それは引き攣れるような悦痺をトラムの身体に叩きこんだ。亜神は雷に打たれたがごとく、脚をばたつかせる。

 

「ッ、ッ……!」

 白濁の水面が泡立った。せっかくの湯殿が壊れそうだ。ローパーどもは慌てて巻きつく。しかし加減なしの膂力には敵わない。

 よってすぐに方法を変える。円い乳房にも、細い首筋にも、形よい耳殻にも。丁寧に触手を這わす。丹念な愛撫が荒ぶる亜神をなだめていった。

 

「ひっ、ひぃっ……ひぅぅぅんっ!」

 ついに出産はクライマックスを迎えた。トラムはそれを艶声で報せる。酷悦でひび割れるそれは至高のソプラノとなって、洞窟を満たした。

 そこに新たな音が重なる。

 

 ご……ごぼっ! ぼごんっ!

 ずしりと重いそれは、白濁の粘液が満ちる湯殿から響いた。子宮内から争いあっていた兄弟が誕生したのだ。

 そしてトラムは、多大な悦感と解放感に襲われる。

 

「あ、あぁ……あぁぁぁあ゛……!」

 双仔を同時に誕生させる。そんなあり得ぬことが起こったのだ。この体験と快楽は脳髄に深く深く刻みこまれてしまう。

 トラムの身体はまたひとつ、変貌を受けいれることとなる。

 

「え……?」

 それは無意識の動きだった。白濁のプールで溺れぬよう、少女の手は嬰児たちを優しく掬いあげていた。

 双仔もまた、自分たちの触手をもって絡みつく。トラムはそのまま胸元まで引きよせた。

 

「あ……」

 自分にかつてない産苦を与えたローパーの幼体たち。それらを見た時、濁っていた金瞳が確かに輝いた。桃唇がわなわなと震えだす。そこから声が搾りだされた。

 

「なんて立派なの……。うれしい……!」

 そして左右の腕で兄弟を抱きしめる。いかに大きくてもまだ赤仔だ。母の抱擁に触手は湧いた。柔らかな女体に甘えるように絡みつきだす。

 トラムはその様に目を細めた。

 

「おなか空いてるでしょう? おっぱい、たくさん飲んで……」

 己の膨らみに仔魔を導く。兄弟たちは今度は仲良く、左右の胸房を分けあった。

 極悦を味わった身体はどこもかしこも湧いている。乳首も例外ではない。ピンと勃った薄桃色に、くちばしはすぐに吸いついた。

 

 ぢゅっ! ぢゅるるっ! じゅうっ! ぢゅる……!

「はぁぁ……はぁっ! あぁぁ……!」

 音高くミルクを啜りだした。もちろんそこにも悦楽がつきまとう。媚毒がまわりきった乳腺にも、高い圧力がかかる乳首にも、燃えるような快感が染みこむ。

 頬は赤らみ、息は細くなる。それでもトラムは我が仔たちを胸に抱きつづけた。母の愛を目の当たりにし、ローパーどもも感極まったようだ。

 

 ぶびゅっ! ぶぴゅっ! どぴゅっ!

 上を向いた触手の先端から、白濁の液汁が噴きあがる。宙空で弧を描くと、重力に引かれて落ちてくる。その先はもちろん、苗床姫が浸かる湯殿だ。

 

「あ……あ゛ぁ……!」

 亜麻色の髪に、美胸に、愛らしい花貌に。熱い粘汁が降りそそいでいく。トラムはさらに強く確信する。

 たっぷりと快楽を贈られ、可愛い仔を産み、盛大な祝福を受ける。これが幸せでなくてなんなのだろうか?

 

「あ……」

 勢いのまま、何匹かのローパーがトラムに接近した。姫の湯殿を侵すなど許しがたい行為だ。

 しかしトラムはうっとりと微笑む。空の胎に、また卵を詰めこんでもらいたい。そんな希望がありありと窺える。

 

 ごぽんっ!

「はぁっ……あぁぁっ!」

 湯殿の中、半透明の植卵触手が膣腔を潜った。白濁の媚毒もナカに浸入りこむ。性粘膜がさざめくのをトラムは感じた。

 ローパーどもの苗床姫は早くも、新たな産悦に焦がれだす。

 

 戦場から銀腕の亜神が姿を消した。それからしばらくして、この地には強力な触手魔物が多く蔓延りだした。

 彼奴らの侵攻により、人間は自らの領域を一部放棄せざるを得なくなってしまう。

 

 しかし白濁の幸福に浸り続けるトラムにとって、そんな話はどうでもよいことなのだった。


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