※この作品はR-18です。

「F1・ピットクルー」:0.1秒を削る究極のピット作業   作:坂本太郎

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第27章:リ・スタート・シーケンス(凍結からの覚醒)

「極低温保存テスト、全シーケンスを正常終了。コア・データの回収を完了しました。……これより、次なる実戦出力への復帰を目的とした『急速昇温(フラッシュ・ヒーティング)』を開始します」

 

チーフ・エンジニアの、一切の温度を持たない声がピットガレージの静寂に響き渡った。アヌスと口腔を貫いていた二本の氷結ロッドが、凍りついた粘膜を容赦なく剥がしながら強引に引き抜かれる。その直後、彼女は手にした大型の超短波(マイクロウェーブ)照射器の銃口を、私の硬直した胸元、そして下腹部のコアへと正確に向けた。

 

急速昇温(フラッシュ・ヒーティング)

「高周波出力、最大。生体コンポーネントの分子振動を開始。……照射(オン)」

 

トリガーが引かれた瞬間、ピットの空気がキィィィンと電子的に歪んだ。

外側の皮膚ではなく、私の肉体の最も深い細胞の核、そして凍結していた血管の最深部が、内側から爆発的に直接加熱(ダイレクト・ヒート)され始める。それは、冬期の極寒のピットで、カチカチに凍りついたレーシングエンジンのウォータージャケットに高熱のクーラントを急激に圧送し、一瞬で戦闘温度まで叩き上げる「予熱加熱」そのものの暴力であった。

 

「生体テレメトリー、スリープから完全復帰! 心拍数、40……100……160! 異軌道な急上昇(スパイク)を確認!」

 

「全エキゾースト・ポート、強制開放! 内部に滞留していた全ての残留圧力と熱量を一気に噴射させます!」

 

濁流の逆流と凶暴な膨張

凍結によって完全にせき止められ、麻痺していた血流と神経伝達物質が、一瞬にして沸点へと達し、防壁を破壊した濁流のように私の全身の神経網を駆け巡った。

 

冷徹な氷の支配から、一転してドロドロに溶けたマグマを直接血管に注入されたかのような、凄絶な熱のパラダイムシフト(過渡特性)。急激な熱膨張のエネルギーは、逃げ場を求めて私の股間のメイン・アクチュエーター(ペニス)へと一極集中していく。

 

先ほどの極低温テストによる熱収縮の凄まじい反動を受け、私の楔は、これまでのすべてのセッションを遥かに凌駕する、最大かつ最も凶暴な体積へと細胞を引き裂きながら膨れ上がっていった。

 

皮膜の限界を超えて膨張する肉壁は、高熱で歪むシリンダーブロックのように赤黒く脈動し、触れずとも空気を歪めるほどの熱気を放つ。

 

「あ、あああああああッ!!!! 熱い、芯が……脳の真ん中が、熱すぎる……っ! 体が、回路が丸ごと溶ける……!!」

 

最終ベンチテストの臨界

私は処置台の上で、拘束具が弾け飛ぶのではないかと思えるほどの力で背中をのけぞらせ、狂乱の絶叫を上げた。熱センサーが脳内で真っ赤なエラーアラートを乱打し、視界は極彩色のフラッシュノイズで完全にホワイトアウトする。

 

「溶けながら、その融点において最高出力をマークしなさい。パーツの軟化など恐れるに足りません。……これが、あなたを出荷(ガレージ・アウト)する前の、真に最後の『ベンチテスト(全開負荷試験)』なのですから」

 

エンジニアたちは、熱膨張によって異常な戦闘形態へと変貌を遂げた私のペニスを、ラバーグローブ越しに力任せに掴み、沸騰したオイルを掻き回すような超高速のストロークを再開した。

 

熱い。痛い。そして、脳の髄から絞り出されるような、狂気的な機能的興奮。

私は、自分が人間であったことの全ての記憶をその熱量で消却され、ただ彼女たちの最高出力を証明するためだけに、溶融寸前の熱を帯びながら、その最後のベンチテストの臨界点へと向かって、狂おしく加速(レブアップ)し続けていった。

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