※同内容をpixivとノクターンノベルズに投稿しています
酩酊する思考回路
白痴気違い
滴る殺意
朦朧のまま欠けた狂人
◇◆◇◆◇◆
亀頭(かめず)郡先走(さきばしり)村。この村には男汁(だんじる)祭りと呼ばれる奇妙な祭りがあった。
この村でしか育たない、淫花(みだらばな)と呼ばれる赤い花の汁と、我慢汁を混ぜると、強力な催淫剤が出来上がる。その汁を飲んだり、あるいは風呂のように浸かったりして発情した巫女、孕巫女(はらみこ)と乱交し、股から精液を垂れ流す巫女を神輿に括り付け、村内を練り歩くというものだ。
僕の可愛い白痴の妹、倶理子(ぐりこ)が今年の孕巫女に選ばれてしまった。両親のいない僕たちに、守ってくれる大人はいない。
まだ十五の倶理子。
「お兄様お兄様、倶理子は悲しゅう御座います」
きょとんとした表情で、倶理子は僕の頬をぺちぺちと撫でるように叩いた。状況を把握しているわけではない。僕が塞いだ表情をしているから、彼女も悲しいという事なのだろう。
とろんと蕩けたような瞳。彼女はいつも夢幻の中を生きている。それは、もしかしたら幸せな事なのかもしれない。
見つめる僕に、こくりと首を傾げていた。
知恵遅れの彼女の内面は、幼い。その作り物めいた、人形のように美しい外見よりも。
だが、それ故の純粋さが僕の支えであり、妹の存在が僕の全てだった。
♢
月が蒼い夜、祭りの夜に、倶理子を連れて僕は逃げ出したのだけれど、村の入口であっさりと捕まってしまった。
「創一、手間を掛けさせるな」
近所に住んでる権蔵おじさん。いつも俱理子を舐めるような視線で見ている男が、暗闇から姿を現した。
「どうして?」
先程まで追手の気配すら無かったのに。
「村の地下には隠し通路があるんだよ。もっとも、ほとんどの村人は知らないが」
権蔵おじさんはそう言って、にたりと嗤った。
そうして、僕たちは神社の広間に連れて来られた。
広間には数人の男と――、
「霧子さん?」
「創一くん……」
隣に住んでる優しいお姉さん、霧子さんが居た。悲し気に目を伏せている。
「霧子は儂の性奴隷なんだよ。可哀想に、親の借金でなぁ」
村長が嫌らしい笑みを浮かべていた。
「そん……な……」
「お前は俱理子のおまけだが、邪魔をされては叶わぬ」
村長が壜(びん)に入った液体をバシャバシャと僕にかける。途端に僕はふわふわとした感覚に包まれ、立っていられなくなってしまった。
「淫花の原液だ。ほとんど麻薬のような物だよ」
くっくっと村長は笑った。
そして、ぬめりのある汁をなみなみと注がれた器が、俱理子の口に押し当てられる。村中の男から集めた先走り汁と、淫花の汁を混ぜて作った媚薬だ。
「やっ! いやっ!」
俱理子は頭をぶんぶんと振りながら拒絶する。
僕は全身から力が抜けて、止める事など出来やしなかった。
「おい! 逆らうとお前のお兄ちゃんがどうなっても知らないぞ」
「はううぅ……」
ごくりごくりと白い喉が動く。
「よーし、いい子だねぇ」
村長は目を細めながら気持ちの悪い猫撫で声を出していた。
夜闇のように真っ黒で艶やかな、倶理子の髪が床にばさりと広がる。上気した頬、浅く速い呼吸、明らかに媚薬の効果が出始めている。
俱理子の無毛の膣は、溢れ出した愛液により、ぬらぬらと艶を帯びて、ひくひくと物欲しげに収縮していた。
「いただきま~す」
大量の愛液をだらだらと垂れ流す俱理子の秘所に、押し当てられる亀頭。
「えっ? おちんちん? いやっ!」
ずぶりと、蛇の様な男根が、妹の膣を、純潔を、貫いた。
「んんっっ~~~!!」
俱理子の声が響く。苦悶か、快感か、僕には判別できなかった。
「うおっ! ぎゅうぎゅう締まって凄いぞ、お前の妹のまんこは。よくここまで育ててくれた。お前は極上のオナホ職人だな」
僕に向かって吐き出される侮蔑の言葉に、男たちから笑いが起きる。
悔しくてたまらなかったが、淫花の汁の影響で思うように体が動かせない。
「んおっ♡ な、なにこれ、へ、へんになっちゃう♡」
「ぐへへ、良いぞぉ、若い処女の膣内の感触!」
「あっ♡ あんっ♡ あっ♡ あっ♡ ああっ♡」
俱理子の声に艶が混ざり始めると、村長は興奮が高まったようで、徐々に腰の動きが速くなっていった。
「初めての記念に、大量に膣内射精してあげるね。オラッ! 妹が種付けされるところをしっかり見とけよ!」
「んほぉっ♡」
ズンッと根元まで突き入れ、村長の尻がビクビクと震える。恐ろしく長い射精だ。長大な男根がずるりと引き抜かれると、ぽっかりと広がってしまった俱理子の膣穴から、信じられないほど大量の精液が、どぷりどぷりと溢れ出てきた。
「次は俺達の番だ」
男たちが俱理子の裸体に群がる。僕はぎりぎりと歯噛みをし、睨み付ける事しか出来なかった。
「霧子、扱いてやれ」
「御免なさいね、創一くん」
霧子さんが僕の陰茎を取り出し、優しく撫でるように刺激する。
「ぐへへ、森長の娘か。キチガイの癖に可愛い顔しやがって」
男は俱理子の美しい顔をベロベロと舐め、有り得ないほど巨大な男根を、めりめりと膣穴に突き立てた。
「お゙ほお゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙っ♡」
獣の咆哮のような声が俱理子の口から発せられる。
「おらっ! どうだ俺のちんぽは!?」
「おごぉっ! おちんちん、しゅごい~~♡」
「こっちも咥えろ」
「ふぐっ、んぐぐっ、じゅるっ、ちゅぱっ♡」
パンパンと腰を叩き付ける音を聴きながら、僕は霧子さんに陰茎を扱かれていた。滑らかな手指が亀頭を刺激する。大切な妹が蹂躙されているというのに、僕の一物は熱く滾っていた。
「あっ! ぐっ!」
絶頂に達する寸前で止められる。どろりと溢れる我慢汁が、霧子さんの手にした壜の中に垂れ落ちた。
「どうした、まだまだ1リットルは出してもらうぞ」
村長の言葉に僕は慄き、這うように藻掻く。
「んんっっ~~~♡ ふぐっ♡ じゅるじゅる~~♡」
口に男根を咥えさせられ、背後から激しく突き上げられている俱理子と目が合った。
ぶるぶると震える俱理子の腰。もう幾度も絶頂しているのだろう。
霧子さんが大きく口を開ける。ねばあと唾液が糸を引き、そのまま僕の陰茎をぱくりと咥え込む。
「ぢゅるるぶぢゅじゅる、べろべろんぶちゅぢゅぞぞっ」
妹が犯される光景を見ながら、霧子さんに陰茎を舐めしゃぶられて、強く吸われたその瞬間、僕は射精した。
「んぐっ! ごく、ごく、ごくんっ」
脳が痺れる様な快感の中、霧子さんの細い喉が動くのを見た。
男たちは入れ替わり立ち代わり、俱理子の膣内に無遠慮に欲望を吐き出していった。
「おにい、さま――」
俱理子が僕に手を伸ばしている。それならば、助けなくてはならない。いつもそうして来た。僕はいつもそうして来た。
無様に床を這いずり、伸ばされた手を掴む。
「こいつまだ抵抗するみたいですよ。この原液、直接飲ませた方が良いんじゃないですか?」
一升瓶にたっぷりと入った淫花の汁。
「や、やめっ、ごぼっ! んぐっ!」
僕の口に大量に注がれる朱い花の汁。
ぐらりと、意識がゆらいだ。
脈拍が、鼓動が、異様なほどはっきりと全身を巡るのを感じる。
刹那の時間が無間に引き伸ばされていく感覚。
目蓋の中で明滅する朱光
鼓膜を貫く狂音
ぬるりと皮膚を這う快感
ぎちぎちと頭蓋を締め付ける不快感
天使のように微笑む俱理子
熱い
酷く熱い
広間には刀があった。神に奉納された刀が
僕はそれにゆらりと手を伸ばし、
掴んだ――
瞬間、焔のような衝動が僕を飲み込んで、
蝋燭の灯りを、きらきらと乱反射し、銀の光が軌跡を描く――
模造刀かと思ったが、存外に良く斬れる。
天使のような俱理子は微笑んでいた。
♢
気付くと僕は血みどろで、淫花が咲き乱れる花畑の真ん中に立っていた。
鼻を突く刺激臭。ガソリンの匂い。
松明を持った俱理子。
ああ、これは復讐だ。
ドーン、と音がして、花火が上がる。祭りの終焉を告げる花火が、夜空に大輪を咲かせていた。
俱理子を抱き寄せる。
強く、強く抱きしめ、か細いその手から、松明がぽろりと落ちて――。
「お兄様、大好き――」
そして炎が巻き上がった。
何もかも燃えてしまえば良い。
俱理子と僕を苦しめる、此の世の全て、何もかも――。
♢
霧子の追想――。
あの事件から数か月後、私は焼け跡となった花畑を訪れていた。
あの日見た光景を思い出す。夜空に花火、地上では焔に包まれる花畑。夢のように美しく、悪夢のように恐ろしい、あの光景を。
――焼け跡に、兄妹の亡骸は無かった。
張り巡らされた地下通路。その一つは花畑に直結していた。
だから、私は信じてる。あの可哀想な兄妹が、何処かで幸せに暮らしている事を――。