渋谷凛さんが尻穴激弱なのに尻で枕営業してさんざんイカされてしまうお話 作:ふりーじ屋/家庭内禁書
原作:アイドルマスター
タグ:R-18 渋谷凛 連続絶頂 強制絶頂 温泉浣腸
ご依頼は http://skeb.jp/@freege_affected か、 http://twpf.jp/freege_affected からどうぞ。pixivリクエスト https://www.pixiv.net/request/plans/7443 も受け付けています。 ※pixiv、ハーメルンとくるっぷに転載しています。
依頼内容から思いついてこの竿役→ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22018426 (※ハーメルンではこちら https://h.syosetu.org/novel/342561/1.html )を再登板させましたが、話のつながりはありません。
「これ腸粘膜に使って大丈夫な代物なのかな」
「……皮膚には、みんな使ってますよ」
「もともとはスポーツとかで肌がこすれちゃう対策に塗っておく品物だったね」
「……お詳しいんですね」
「僕だって若かりしころプロデューサーとして鳴らしたもんで、こういうのを見るとつい考えが……例えば、凛ちゃんをこれのイメージキャラに売りこんだらとか」
「冗談でしょ――あっ」
アイドル・渋谷凛は、“僕”と名乗る年上の男の言い草がおかしくて、つい敬語が抜けた。
「前にスポーツサイクルの仕事もしてたし、あるいは……凛ちゃんのファン層にこれがどれぐらい刺さりそうか、調べさせるぐらいしておこう」
「……ありがたく存じます」
「普段みたいにしてよ、凛ちゃんにそうバカ丁寧に言われるとそれこそ冗談みたいだ」
「あとで戻せとか言わないでよ」
つい顔を引き攣らせてしまった。男にニコリと柔らかく微笑まれ、ますます引き攣りそうになるのをどうにか堪えた。
「緊張してる? こういうの初めて?」
「……あなたは、初めてではないようで――」
「――冗談だよね?」
「……アンタは、いつもこういう感じなの」
男は、凛が持参していた皮膚保護クリームをしげしげと眺めて、凛に許可も取らず手にとって塗り伸ばしたり匂いを嗅いだりしていた。マラソンや自転車競技、タイトな衣装を身につけるダンサーなど、反復練習で同じ動きを繰り返すため乳首、腋、股などと衣服との摩擦も繰り返されトラブルが起きがちな人が、それを緩和するためあらかじめ塗っておくクリームであった。
「いつもってことはないよ。お尻限定の枕営業だからって、ちゃんと自分で解してくる子は初めてだ」
男がテーブルにクリームの容器を置いてなぜか部屋をあとにしたので、凛は部屋を見回す余裕ができた。
都心部の一人暮らしにしては広々したマンションのリビングとキッチンが一体化した部屋だったが、リビング、キッチンと呼び難いほど生活臭が希薄である。クッキングヒーターが備えつけられているのに鍋釜どころかスプーンの一つもない。電化製品は、飲み物を収めるのがせいぜいの小型冷蔵庫と、何の変哲もないエアコンが一つきり。
つまり男が、内密の用事――例えば、枕営業に来た女を抱く――を済ませるためだけに借りるか買ったかした部屋なのだろう、と凛には想像できてしまった。
「寒いなら、そっちのエアコンもつけていいよ」
「何、いきなり……別に、私は」
「さっき、ちょっとだけど凛ちゃんがぶるぶるってしてた。寒いのかと」
「ってか、そっちのも、って」
「浴室暖房をつけてきた。春って言うにはまだ少し寒いし」
いつの間にか戻っていた男に対し、この寒気は気温よりアンタのせい、と叫びたくなるのを凛はどうにか抑えた。
「……私みたいな生意気なアイドルに、ずいぶん気遣ってくださるんですね」
「クールで不敵なほうが凛ちゃんらしいよ。プロデューサーくんから聞いたけど、素もそんな感じなんでしょう」
「プロデューサーには――」
「――内緒だ、約束だからね」
「……本当でしょうね」
自分の手のひらに爪をぎゅっと立てながら、男をじろりと睨む。凛の父親と同年代ぐらいの中肉中背だった。ワイシャツにスラックスのオフィスカジュアルで、芸能界ではざらに歩いていそうな風采の中年男性が、目を細めて見返してくる。
「あとね、凛ちゃん。お仕事のために尻穴を売ってくれて、しかも自分で準備までしてくれるなんて子を生意気と思うほうが難しいよ」
凛はその男に枕営業をすることになっていた。
「服を脱いで、壁際に立って。背筋を伸ばして」
男の指図通り、凛は下着姿で浴室の壁際に無言で立つ。浴室暖房らしき空気を生ぬるく感じたが、男がもたらしたと思うと素肌がざわついてしまう。
「凛ちゃん、脚が長くて腰が高いなぁ。背も高めだけど、それにしたって」
「……そこまで珍しい?」
凛は彼について、〝若かりしころプロデューサーとして鳴らした〟ことをよく知らないが、現在の彼が業界の陰の実力者となっていることは嫌というほど知っていた。自分以外のアイドルだって手籠めにしてきて、業界女のヌードなど見慣れているはずだった。
その彼から枕営業を持ちかけられて一度は拒絶したが、二度目は受け入れてしまって、こうして彼の隠れ家の浴室で下着姿を晒している。受け入れてしまった理由は、凛が後進アイドルの追い上げに抱いていた危機感と、〝処女と唇は奪わない〟〝尻穴開発のみ〟という彼の譲歩だった。
「せっかくだしこのクリームを使わせてもらうよ。もちろん新品をあとで届けさせる。事務所でいいかな」
「……結構よ」
「これ保護膜を作るのか、なら塗って弄る前にちょっと置いたほうがいいか」
「いらない……もう、準備してる、から」
「お尻の穴の中に?」
「他に、どこが」
「僕の手際が悪い気がしてきた」
彼から尻穴開発をすると知らされていたため、凛はあらかじめそれなりの期間をかけて指や道具を使って尻穴を自ら解していた。皮膚保護クリームも、もともとダンス練習のために使っていた品をしぶしぶ流用した。
その日もあらかじめ自ら塗りこんできていた。
「凛ちゃんの準備を信頼して、下準備をいくらか飛ばさせてもらうよ」
「お好きにどうぞ、約束さえ守ってくれるなら」
「これを見てくれ」
「……知らないわ」
「アナルビーズだね。知ってるでしょ」
そのアナルビーズは小さな豆菓子程度のサイズの粒から、ピンポン玉に近いサイズまでが小から大の順番に数珠つなぎに連なり、最大の球の後ろは指を引っ掛けて抜きやすいリング状になっている。そこまでは凛も理解してしまっている。
そのリングに金具で吸盤が外づけされている理由が不明で、凛の警戒心を煽る。凛の実家のキッチンで外づけラックを固定している吸盤を思い出してしまう。ただの雑貨屋で売っていそうな品物で、アナルビーズ本体の印象から明らかに浮いている。どうせろくな用途じゃない、と思って捨て置けばいいのだが、今からそれが自分に使われるとなると無関心を装うのも難しい。
「凛ちゃんの尻穴の高さに合わせて、これを壁に貼りつける」
「……さっき、私の腰が高いって言ってたのって」
「高さはあとで調整できるから、とりあえずこの辺りにして……このアナルビーズ、自分で入れてくれる?」
「私にこれを入れさせてから、立たせて、吸盤だけ貼りつければ?」
「四つん這いや寝ながらで入れると、立ってるときよりビーズが入っちゃうから、入れすぎになりがちだよ」
男の言葉の真偽を凛は判断できなかった。確かに自分で解したとき、立ってそうしたことはなかった。自宅や仕事の宿泊先で、家族や仲間に隠れて、未来の自分の負担を軽くするためと言い聞かせて、少しずつ異物を出し入れして馴染ませていった。すでに男の言いなりにされているようで口惜しく、また恥ずかしくもあったが、性感はまったく覚えなかった。気持ち良いというなら、かつて頑固な宿便を追い出してスッキリした瞬間のほうがよほどそうだった。
「下着はそのままでいいよ」
「……こんなリボンつきの下着を穿くなんてね」
凛の下着のうち、ショーツだけ男が凛に身につけさせた品物だった。正面からの見た目は白いばかりで柄やレースもなく、小学生だったころの凛が穿いてもおかしくないほど野暮ったいばかりな一方、尻側にリボンで開閉できるスリットが仕こまれていた。つまり穿いたまま尻穴を弄れる下着で――『凛ちゃんもあそこを僕に見せたくないだろうし、僕もあそこが見えるとそっちにも手を出したくなっちゃうから、隠せたほうがいいよね』――凛は不本意ながらそれを穿いていた。
「それ、デザインの意図がわかるけど、男がトイレでチンポを出す穴を連想しちゃうんだよね、ちょっとだけ」
凛は壁に背を向けてから、蝶々結びにしていた下着のリボンを引いてスリットを開いた。ヒップを包んでいた柔らかい布の触り心地がいきなり消えて、浴室暖房で温められた空気がふわりと感じられた。もし今ここで壁に背中と尻を向けていなかったら、下着を穿きながら尻の谷間だけ丸出しにした自分を男に見せていたのだ、と認識してしまった。
「じゃあ、入れて。上塗りが必要になったら言ってね」
男がローアングルで凛を見たいのか、バスチェアを無視して、凛のすぐ前に胡座をかいて座る。男の顔を膝で蹴飛ばしたくなる衝動を抑えながら、凛は後ろ手にアナルビーズをつまむ。ラテックス製なのか、何も塗られていない割にはツルツル滑らかな肌触りを感じる。しなりや弾力もある。
「高い?」
「……いいえ」
凛はうなずきかけたが、嘘をついた。
先ほど凛が浴室の壁際に立たされ男がアナルビーズの根本を吸盤で壁に貼りつけていたとき、背筋を伸ばして両脚もかかとどうしを触れさせた気をつけの姿勢だった。そのときの尻に合わせて男が貼りつけた高さに対し、立ったまま尻穴に異物を入れる今は脚が開き気味になって尻穴の位置がわずかに下がり、本当はやや高く感じていた。
「おお、綺麗だ」
ただ足を開いているよりは、と凛は片足に重心を偏らせるモデル立ちの姿勢をとる。
重心が真ん中の立ち姿は緊張して見えがちなので、彫刻モデルなどの立ち姿はわざと片足に体重の大半を乗せている。凛はかつてビジュアルレッスンのポージングでそう教わった。
男の前でそうしたポーズのまま、後ろ手でアナルビーズの中程をつまみ直し、先端の一番小さな粒を尻穴に近づける。片手で一度、二度挑んで失敗し、両手を使って挑む。
「今回は御用じゃないけど、バストも結構なボリュームのようで……胸郭が大きめだし、背丈に相応の肩幅もある。これでトップ80だっけ?」
「……公式プロフィールをご参照ください」
「あるいはウエストがきゅって引き締まってるから、対比で大きく見えるのかも知れないね」
凛が一番小さな球をアヌスに押しこみ、括約筋がそれをゴクリと飲みこむ――ゴクリとなりかけたのは喉だった。
「入ったね、最初が」
自分の正面にいる男からでは、尻穴が球を飲みこむところが死角になっているはず。なのに、そう言われた。
「今、入った。そう凛ちゃんの体が言ったよ」
足元から見上げてくる彼から目を逸らすと、浴室備えつけの姿見に映る凛自身の姿が目に入ってしまう。
「スレンダーな子は、特にわかりやすいんだよ」
切れ長の瞳が目立つ涼やかな顔立ち、色白の肌、腰まで伸ばしたストレートの黒髪、アイドルにしてはやや長身で手足の長いスタイル。長丁場のライブにも堪えられる肉体に余分な脂肪など見当たらず、尻穴の違和感を抑えつけようとする凛の努力が、皮膚ごしに透けてしまっている。そう姿見ごしに理解させられてしまう。
「お気に召したら、何より、ですねっ」
声音のトゲは隠せなかった。アンタみたいなゲス男に弄ばれるために節制してたり汗を流してたんじゃない、と言葉の裏の憤慨を聞かれてしまった。
男が目を細めて凛の神経を逆撫でする。
「まずは、凛ちゃん自身で入れられるだけ入れてみて」
次に大きい粒を肛門で飲みこもうとして、圧迫感で奥歯が勝手に噛み締められる。表情や首筋がぴくりと緊張している様子が、姿見ごしの凛自身でさえ嫌でも目視できてしまう。男からならなおのこと丸わかりだろう。
「んっ……く、ぅ……」
まだ入れられるが、思っていた以上に圧迫感が強い。立った姿勢のせいで、自分で解しているときと尻穴への力の入り具合がまるで変わってしまっている。どうしてもビーズの粒を直腸が締めつけてしまい、クリームの保護膜を貫いて異物感が広がる。後ろ手で触りながら球を数え直すと都合八つあった。まだ一つなのに、と尻責めに堪え抜く自信が微かに揺らぐ。
「……ふ、ふぅ、は……すぅ……んっ……」
深呼吸を繰り返して息を整える。息を吐いているときに合わせて尻穴に粒を少しずつ飲みこませる。丸い粒が最も径の大きい点を超えるとぬるんと凛の奥に潜りこむ。
「いいよ、どうぞごゆっくり、焦りは禁物。凛ちゃんのペースでね」
「……退屈させてなければ、いいけど」
「今のところ見てるだけで楽しいよ、僕は」
男があまりに厭味ったらしい。気遣う素振りのままどれだけ凛を立腹させられるか試しているつもりかも、と凛は考えてしまう。鏡越しに自分の頬が赤くなっているのが見える。あれは怒りのせいだ、と心中で言い聞かせる。
「肋骨を見せるのは好みがわかれるけど、これだけしっかりした腹筋があれば、へそ出し衣装が絶対に映える。チアガールとか良さそう」
男にウエストを褒められると、癪に障るあまり、自分が窒息してもいいから肺や横隔膜が石のように冷たく固まってくれと思ってしまう。しかし実際に息を止めれば、男の視線や尻穴のビーズに神経をかき乱されているせいか、堪えて数十秒がせいぜい。上半身の反応を無理に抑えると、足の指がもぞもぞと浴室の床でもだえる。
「太腿もほっそりしてるけど、みっちり鍛えてるね? これを活かすならスカートよりショーパンだな。あとふくらはぎも……アイドルは、とりわけステージは体力勝負だもんね」
三つ目の球に悪戦苦闘していたところに脚を褒められ、反射的に力んでしまって、弾みでますます尻穴を引き締めてしまう。ハードなダンス練習の直後のように息を必死で整える。しっかり立たなければ、と意識するとアナルビーズをますます鮮明に感じてしまう。
「ぁ、ぅ、う……!」
顔、胸、ウエスト、足と、体の前面をじろじろ男に見られている。アナルビーズなんて何も感じていませんよ、と装うには背面に反応を逃がすしかない。
しかしその背面でアナルビーズが、だんだん広く深く凛の尻穴をえぐっている。三つ目、四つ目になって、肛門を広くさせられているだけでなく、最初の粒が直腸の奥深くに侵入していることも凛の理性を揺るがせてくる。
羞恥や圧迫感に逆らって球を飲みこむ。肌に脂汗がじっとり乗ってきていた。
「見えないけど、五つ目か六つ目か、ってところかな。がんばってるね」
「それは、どうも……っ」
「緊張すると敏感になるってのはみんな大なり小なりあるけど、凛ちゃんはそれが特に強い気がする」
男の言葉の通り、凛は軽いめまいとも戦いながらビーズの六つ目の球をねじ入れようとしていたところだった。反らしていた目線を男に戻すと、相変わらず床に座ったまま。やはり死角であるはずなのに、凛の肛門のようすを見抜いているのか。疑念を押し殺し、当てずっぽうだ、と彼女自身に言い聞かせる。
「ん、ふ……球の数が……当たりか、外れか……見てみたら、どうです……?」
男が無言でうなずき、胡座からのっそり腰を上げる。凛のすぐ前に立つ。腰がかがみ気味になっている凛より彼の視線が頭一つ高く、彼に上から目線を浴びせられる。奥歯を噛み締めて彼を睨み返す。ついに男に尻穴を直視されてしまう、と覚悟していたつもりでも羞恥が痛いほど膨らむ。
「では失礼するよ、凛ちゃん」
凛はここでアナルビーズから両手を離した。彼に従う動きをするなど業腹だ。しかしそれ以上に〝尻を弱みだと思っている〟と彼に取られうる仕草を忌避した。見たければどうぞ、とばかりに背筋を伸ばし、両手を後頭部で組んでやった。
「いい姿勢だね、背中も綺麗で、ヴィーナスのえくぼもくっきりしてる」
彼の顔や胸板が間近になって、微かな加齢臭を嗅いでしまい、凛はまた奥歯を噛み締める。
「それと、凛ちゃん」
「……何です?」
「ここからは、その手を僕の肩に引っ掛けたほうがいい」
凛がその言葉を理解する時間は与えられなかった。
「な、何が――あ゙っ……っあお゙おっおっ……!?」
言葉と同時に、男が凛の尻肉を両手で掴みつつ残りのアナルビーズをぐいと押し入れ、凛の尻奥から脳天へ暴力的な快感が突き抜けた。
「お尻で感じちゃったか、もしかしてイッちゃったかな」
「そんな、わ、け……っ」
凛は軸足の膝ががくんと曲がりかけ、とっさに男の肩に手を乗せて体を支えた。突然の快感で驚かされたあまり、嫌悪を忘れ男に触れていた。
「ならもう少し続けよう」
男に触れてしまっている手を離したいと思いつつ、離せない。それならいっそ、と逆にシャツごしにきつく爪を立てる。
「見るだけより、触っているほうがわかりやすいんだ」
「触った、ぐらいで、何が……んんっ……!」
男の両手が指をいっぱいに広げ、凛のヒップを柔らかく包みこんでいる。手をほとんど動かさないでいるので、揉むとも撫でるとも言えない。そのくせ凛はゾクゾクとさせられる。
凛自身が尻肉をもぞもぞ動かしてしまっているせいだった。
「素人さんはごっちゃにしがちだけど、凛ちゃんもご存じの通り、女性のバストと違ってヒップの膨らみはかなりの部分が筋肉なんだ」
「……知ったこっちゃ、ない、わ……ッ……」
「足を後ろ側に蹴り出す動作、つまり歩いたり走ったりするときお尻の筋肉を使う。ダンスでもよく使うね」
「んっ、んぶっ! んむゔっ、ゔっ……っ!」
素の自分を保とうとして、素よりつっけんどんになっていた。そこに尻肉を軽く揉まれ、腰が引けてビーズが一つ二つ抜けてしまう。
「声、がまんしてる?」
「……別、に」
「持ち前の声量を間近で味わいたいもんだね。ボイトレ真面目にやってる子って、そんな声がそんな大きさで出る? ってよく驚かせてくれるから」
男の言葉が凛に見えない縛りを加える。男が望む反応をこれ以上するまい、と腐心するあまり腹にさらなる緊張感がみなぎる。
「ふ、ぁ……は、ぁはっっ……っうぅー……きゃうぅ!?」
「お尻もお腹もカチカチになってるけど、そーっと触ると感じてくれて、かわいいね」
「かわいい、なんて、私が……」
「肩と背中……は、髪で見えにくいけど、これもこれで乙だね。お手入れたいへんでしょう」
男が凛の感じるパターンを読んでいるだけでなく、凛も男の振る舞うパターンにだんだん予想がついてくる。
「ん、ぅ、あっ……う、くっ……ひふっ、きゅ、ぅ……っ!」
「凛ちゃん、自分一人でよくここまでお尻の穴を解してくれたと思うよ。でも、力を抜きながら自分のペースでするのと、力が入っちゃう状態でさせられるのは、全然違うでしょう」
彼が凛を褒めたりねぎらったりするのは、凛を辱める予備動作らしい。
弱みを見せまい、と胸を張りポーズで抗うが、ウエストまで反り気味になって骨盤の角度が変わり、自分の動きで直腸内をアナルビーズにぐりゅぐりゅ蹂躙されてしまう。
もし自己開発前の凛であれば痛みで顔をしかめていた刺激だったが、入念な解しや保護クリームの塗りこみで、それが快楽へ変換されてしまう。
「こ……ぉっ、これくらい、大したこと……ない……っ」
「もっと強く爪を立てていいよ」
言いつつ、男の指が凛の肛門に迫る。アナルビーズを半分飲みこんでぷっくり膨れ上がった凛の菊輪を、彼が指先でちょんちょんとつつく。
微かな刺激であるが、凛は腰をゆらゆら、太腿やふくらはぎやウエストをぶるぶると反応させてしまう。
「ん、ダメ、んっ、はぅ、んっ……んぅうっ……!」
「肛門で感じるなんて、おかしくないよ。やり方を勉強している人が少ないだけ」
「違うっ、そんなの、おかし、ぃ……」
「クールでストイックな態度、凛ちゃんらしいね。だから君に興味が湧いちゃうんだ」
男を喜ばせるとわかっていても、気丈な態度を懸命に保つ。尻穴快楽に打ちのめされて大げさにぴぃぴぃ喚いてみせるか、心を殺してアイドルとしてもやったことのない露骨な媚びをしてみせれば、おそらく男から凛への関心を逸らせる。責めがぬるくなる。
「ハッ、はァッ……んくっ……!?」
「寄りかかってもいいよ。凛ちゃんの体重なんて軽い軽い」
そして、枕営業の見返りも相応に減ってしまうだろう。
そう考えてしまう程度に凛は真面目だった。
「はぐっ! う、うぐっ……!!」
「人に抜き差しされるのは、まだきつい?」
「こんな、の……大したことないって、言って、る……!」
尻穴の緊張と快楽で腰砕けになりかけ、男に腕を絡めすがっている体勢も、凛の精神をじわじわとすり減らしている。今この瞬間に男が一歩後退りしたら、凛はバランスを崩して浴室に転び、アナルビーズが勢いよく引き抜かれてしまいかねない。
そういう体勢でいると、凛のアイドル生命が――正確に言えば、ここからゆるやかに忘れ去られてそれなりのアイドルで終わるか、凛がプロデューサーと見ていた夢に挑める立場に踏みとどまれるかどうか、が――男の胸先三寸にかかっている、という今の凛自身の立場を嫌でも再認識させられる。
「凛ちゃんに咥えこまれてるビーズが羨ましくなってきた」
「アンタ、何考えて……」
「ビーズにきゅっきゅって纏わりつく具合が、外から触ってるだけでもわかる。チンポ入れたら……いや指だけでも絶対に気持ち良い」
「……アンタの勝手な妄想、だよ……無駄に期待して、がっかりしても知らないから……」
どれだけの時間、男が凛の尻肉と心をなぶっていただろう。
男の手のひらがゆっくりと凛の尻肉をこねる。指先が肋骨の間やヘソ、腋窩や背骨のくぼみをなぞる。
「くっ、ふぅぅう……くすぐったいったらっ!」
息が乱れるのを怒りのせいにする。しかし腰が震える。長い脚の内側が、勝手に内股に寄る。
「緊張が取れないみたいだね。滑りは良くなってきたようだけど」
男の声が耳元で低く響く。屈辱で凛の肩も足も尻もびくんと強張る。押し殺そうとしている呼吸音の合間に、にちゃ、くちゃ、と微かな水音が交じる。
指が再び尻の谷間へ降りる。軽く、爪の先で菊輪の周囲をくすぐる。ぴりぴりと電流のような刺激が、直腸の奥から駆け上がった。凛のウエストが弓なりに反って、腹筋が薄い皮膚の下でうっすら浮かび上がる。
「保護クリームのイメージキャラにぴったりだよ、本当に」
男が少し体を引いて、凛の腹部の緊張を確認していた。恥ずかしい。どこに見せても恥ずかしくないよう磨き上げていた体が、こんなやり方で見世物にされるなんて。
凛は爪を男の肩に立て、息を整えようとした。深く吸いこむたび、直腸周りの筋肉がビーズの粒を締めつけ、奥から手前まで敏感になった粘膜を刺激した。甘い痺れが、背骨を伝って脳天へ届く。膝がガクガク揺らぐ。
「濡れちゃってるね」
「……汗よ、こんなの……!」
「暖房止めようか……冗談だよ、こんな凛ちゃん、一瞬も目が離せない」
男の指が再び動く。太腿の裏側をくすぐる。例の下着の平凡なクロッチが蜜を吸い肌に張りつく。それどころか、快楽を堪えようと内腿を何度もこすり合わせたせいで、クロッチと粘膜の間で愛液もこすれて細かく泡立って、幾筋かの白い筋となって垂れ落ちている。
敏感になりすぎている。
「……見た分のことは、してもらうからね」
凛は唇を噛み、切れ長の瞳に力を入れ直す。いつものクールさを取り戻したと信じて、男をじろりと見つめる。
「凛ちゃんに推し甲斐を感じちゃってさ、思ったよりも」
「褒めてるつもり?」
男の指が、尻肉を軽くはたく。パチン、という小さな音が浴室に響く。凛はそれを聞きとるどころではない。尻穴が、軽い打擲の何倍もの勢いでぎゅうっと締まり、ビーズを強く締めつける。自滅的な快楽の波が、凛の神経を足先から脳天までかき乱す。足の指先が床を掻くように丸まり、頭髪や額にじわりと汗が滲む。
危機感が胸を締めつけた。これ以上感じてはならない。
「僕にお尻を触られながらだと、きつい?」
凛は背筋を伸ばし、男の肩から手を離した。指先が、わずかに震えていた。ぎゅうっと握りしめ、また後頭部に両手を合わせる。
よく海外の映画やドラマで、取り押さえられる犯人が命じられるポーズ。無抵抗だが、あえて自分からそうしてやる。アナルビーズをうかがいつつ、精一杯に胸を張る。アンタの前で無抵抗にされても私はぜんぜん余裕だよ、という表情を作って無言で投げつける。
「あそこと、あと唇にキスもしちゃダメなんだっけ」
あわよくば、バストに注意を逸らせればという挑発だった。それが、ヒップばかりに刺激が集中して辛いのを反らしたい、という男の言葉を裏付けてしまった。それに凛は気づかなかった。気づく余裕が失われていた。
「あ゙っ、あはっあお゙おおっ!?」
唐突に、男が凛の腰を掴み残りのアナルビーズをぐいと、前よりも深く押し入れさせた。凛の尻奥から快楽が爆発し、ついに凛のポーカーフェイスへはっきり亀裂が入った。
「ここは刺激を逸らしたらダメ。今の凛ちゃんが何往復堪えられるか見たい」
引き抜かれる。直腸の粘膜がビーズを追って外に引っ張られ、肛門の周りが盛り上がってしまう。
「んぐうっ、あお゙……ぉお゙イ゙……ぅ……っ!」
それを恥ずかしがる余裕も、凛は奪われてしまっている。
「手が……髪、ぐしゃぐしゃになっちゃうよ」
凛の両手が後頭部を頭髪ごとかきむしる。まるで、そうすれば尻穴の浅ましい快楽を脳から追い出せる、と信じているふうにも見える。
「っく、ぅく……くううう、うゔぅっ……!」
「あんまり食いしめたり、腰をガクガクさせたら、吸盤が外れちゃうよ」
「く、ひゅっ……はぁ、はぁあっ……」
「まだイケる?」
男が凛の腰をがっしり押さえたまま動きを止める――いつでも再開できる、抵抗はさせない――男の意図を感じ取り、凛の尻穴が勝手に引き締まる。止まっているつもりでもビーズとこすれて快楽が高まる。
「……んぐぅうっ、ううゔっ!! はぁっ、はぁっ…ぃ、いぐっ……むっ、もおおお゙っ!」
凛が後頭部から手を下げ、自分の口を覆う。紅潮しきっていない白い手と真っ赤な額や頬とのコントラストを、男がまぶしげに見つめる。
至近距離で視線がぶつかり合う。
「体はちょっとびっくりするぐらい仕上がってる。あとは……凛ちゃんの心一つか」
凛の中で、当然あったはずの怒りが、異様な恍惚で霞む。凛を自在に弄べると信じきっている男と、男を甘く見ていた過去の自分と、それでも従わざるを得ない凛自身の今の状況と、それに流されてぐらつく自分の下半身への憤りが、どんどん真っ白に薄れていく。
「か、はぁ、はぁっ……ッ!! ひっ、ひっ……」
呼吸が荒くなり、顔だけでなく全身にひどい汗を垂らしている。
「んお゙っ、おっぐ……ぐ、ッ……!?」
また男の手でアナルビーズを押しこまれる。どこまで飲みこまされたのかわからないほど激しく感じる。快楽を逃がそうとかかとで何度も地団駄を踏むが、その音も凛が垂らした体液が溜まってどこか水っぽい。
「腰がヘコヘコしちゃってるね。抜くよ」
ビーズを排泄する快楽が凛を直撃する。下腹部を内部から圧迫していたアナルビーズの容積、質量を奪われる。生理的な苦しみを失い、緩まされた精神に快楽が襲ってくる。
「はっ、はぁっあああ、ああっあっあっ……」
ぶび、ぶりっと放屁のように鳴る。アナルビーズを咥えたまま激しく動いて直腸に空気が入りこみ、それをビーズごと無理やり抜かれれば鳴るのは当然だが、凛の羞恥心はさらに深くえぐられる。
「そんな泣きそうな顔しなくていいよ」
「し、してな……ぃ……」
「大声出すとお腹の奥まで響くでしょ。それじゃできる回数が減っちゃう」
「減った、から、何なの……!」
「回数が多いほど、凛ちゃんが僕のためにたくさんがんばってくれたって証拠になる。僕もがんばりたくなるよね。ちなみに今は3往復目だよ」
凛は自身で気づかぬうちに、手を伸ばして男の肘を掴んで、再び彼にすがる体勢になっていた。すらりと伸びていた両脚がぷるぷる細かく震えながら膝から折れかけ、腰が落ちた。そのせいでアナルビーズが一つ二つの粒を残して抜けかけている。
「……く、ほぁっ、はぁぁあ……お゙……ッ!!」
「凛ちゃん、今は歳いくつだっけ」
男の手に腰を掬いあげられる形で、アナルビーズを押しこまれる。凛が彼の腕にすがりながら力いっぱい爪を立てているが、物ともしない。
「ぁ、う、く……あ、アンタ……こんなこと、やって、楽しい、の……!?」
凛は、自分を襲う理不尽への非難か、強がりか、わからないまま問いかける。
「きつそうだね。勉強して、15往復でいいよ」
凛を襲う快楽と絶望は、3の5倍どころではなかった。
「んお゙っ…………お…………ぉっあぉおおおお゙っ!」
「この下着、今夜はもう使い物にならないね……」
凛がアナルビーズを往復させられ、腸内で球を締めつけながら激しく腰をくねらせた結果、ビーズを咥えこみながら腰砕けになった。べちん、と音がしてついに吸盤が剥がれた。
「んぐうッ、あお゙……ぉお゙イ゙……ぅ……ッ!」
「おっ、こんなヘトヘトなのにケツ穴の締まりは、なかなか……本当に鍛えてるんだね」
アナルビーズを彼の手で引き抜かれたあとの凛の尻肉はしばらく開きっぱなしで、口の呼吸に合わせるようにパクパクと喘いでいた。
※
「アンタ、さ。頭おかしいんじゃないの」
「いたって僕は真剣ですが?」
「確かにね、私は疑った……こっそりクスリでも盛ったんじゃないの? 私のお尻がこんなになるのおかしい、って」
「ちなみに、そういうクスリはビーズやバイブやゴムに塗っておく、って手口がありがちだ。飲み物より警戒されにくいし、直腸からだと微量でも効きやすい」
「アンタに、その疑いを晴らしてみろ、とも言った」
「これから晴らしてあげようってつもりだよ」
凛が意識を取り戻したとき、見知らぬ部屋のダブルベッドに寝かされていた。そこが浴室と同じマンションの寝室なのか別の場所に運ばれたのか、凛は確かめる気が起きなかった。
男が差し出した飲み物を断り、嫌味半分にキッチンに行って水道水で渇きを癒して――キッチンを探すうちにここが先ほどと同じマンションと気づき、あの浴室の扉を蹴破らずにおくことに凛はとても苦労した――寝室に戻り、恥辱と違和感を堪えつつアヌスの状態を触って確認する。指を突っこんでも痛くも苦しくもない。
それをニヤニヤしながら見ている彼に対し、どうにか反撃をぶつけてやりたくて、彼に薬物使用の疑いをかけたのだった。
「……温泉、浣腸って言ったね」
「知ってた?」
「アンタの、それで……私の、お尻の穴の中に……おしっこ、するって」
すると、彼から疑惑を晴らす手段として、温泉浣腸について提案・説明された。
「させてくれるなら早くしてよ。尿意は勃起ほど自由にならんし、勃起させながらおしっこって加減が微妙に難しくて」
「どう考えてもおかしくないかなぁ!?」
凛が思わず今日一番の大声をあげると、全裸でペニスをぶらつかせている彼が微笑んできた。
怒りが今日一番を超えたが、声はそれ以上大きくならずむせてしまった。
「落ちついて、凛ちゃん」
「やめっ……背中、さわ、るな……ッ!」
「温泉浣腸という行動について、もう説明は不要だね?」
「……どこが、温泉なのよ……あぁ、そこは説明しなくていいよ、聞きたくない」
「もし凛ちゃんのお尻の穴に、いかがわしいクスリを塗っていたとしよう。だとしたら、そんな穴に僕がナマの無防備なチンポを突っこめると思う?」
「突っこめるでしょ、アンタ頭おかしいから」
「クスリを塗っていたとしても、そこでおしっこしたら希釈されて効き目がなくなってしまう」
「……さっきあんだけゴシゴシやられたら、もう無関係でしょ」
「あと、おしっこが汚いのが気になるってところかな」
「今さら常人ぶるの?」
「口やあそこに放尿するなってのはわかる。でも、ウンコひり出す穴に小便を注がれて汚いってのはおかしくない? どっちも同じぐらい汚いでしょう」
凛はとっさに自分の女性器を手で覆った。愛液で生乾きの下着と粘膜が不愉快で仕方なかった。もしここで尻穴放尿を拒絶すれば、と考えてしまう。反論しても、ここで力を持っているのは彼であって、凛ではない。
「……泌尿器科送りになっても知らないよ」
「凛ちゃん、本当によく勉強してたんだね。そのリスクも承知だよ」
自分の腸内細菌が彼を苦しめてくれれば良い気味だ、と言い聞かせながら、凛は四つん這いになって尻穴を捧げるポーズを我慢することにした。
「ん、ぐっ……凛ちゃん、ちょっと尻穴緩めてっ」
「アンタがフニャフニャなんでしょ!」
「ちょっとでも勃起してると出しにくいんだって……こら、じっとしてて、ズレるし滑る!」
「さっきは私が動いてても気にしなかったくせに……」
彼の温泉浣腸についての提案も勢いで口に出したらしい。凛が無抵抗で――凛自身はじっとしているつもりだった――いるのに、彼が手間取っている。それでわずかに凛が溜飲を下げるのもつかの間。
「ああくそ、狙いが……」
「……私の背中とか髪とか引っ掛けないでよね!? 殺すよ!」
凛が口走った最も強い罵倒は、最も避けたい弱みの現れだった。尻穴を好き放題にされて気絶させられるほど堪えているのは、事前交渉で枕営業の対象を尻穴だけに留めたからだ。にもかかわらず、背中や髪など他を汚されては本末顛倒である。
「くっ、ふふっ……本当に、凛ちゃんみたいな子は、初めてだよ……」
「ぇ、あっ、んくっ……!」
凛の細い腰を彼の手が両側からがっしりとらえ、尻肉の溝に柔らかい何かがぴたりと押しつけられ、浅く挿入される。凛は処女だが、他のアイドルから勃起した男性器について聞いたことがあり、それと比べると大きさはともかく固さは拍子抜けだった。
「よし、出すぞ」
排尿タイミングをそんなにコントロールできるのか、と突っこみかけ、シーツに顔を突っ伏させて押し殺す。
「あ、ぁあ……凛ちゃんの尻穴に……うわ、うわわ」
「何、さ」
「気持ちいいなぁ。びっくりするぐらい」
直腸の粘膜が生暖かい液体の流入を恐ろしいほど繊細に感知する。お腹の奥がじわりと温かい水分で満たされていく。拒絶も排出もできない温もりが体内に溜まっていく。
今すぐ男を振り払って掻き出したい。
「……こ、これでご満足いただいても、結構ですが、ね」
「あの凛ちゃんの尻穴が僕の小便を注がれてちゃってるよ」
それを、気絶の間に復活した凛の理性が阻む。ここで男を振り払ったら、尻穴で留めている男の尿が溢れて他にかかってしまうかも知れない。むしろ気力を振り絞って、腰を後ろに突き出し、肛門をぎりぎりと意識して引き締め。男のペニスをみっちり捉える。
男のペニスがドクドクと微かに波打つのを感じとる。
「く、ぅ……ぴゃうっ!? 背中、やらっ!」
「お尻の見た目は、足と背中と合わせて完成するものなんだね……綺麗だ」
背中を急に撫でられ、驚いて尻穴から尿がぴゅっと少量漏れてしまう。男が気にするかどうかをうかがうが、凛の背中に本気で見惚れているらしく、しばらく待っても動きがない。
「感じ入ってるところ、悪いんだけどさ……これから、どうするの」
「……抜くけど」
「おしっこ垂れちゃうよね、ここで」
「あ」
「あ、じゃないよ」
凛が素で突っこみを入れた勢いで尻穴まで引き締めてしまい、一瞬だけ二人の悶絶が重なる。
「小便臭いベッドで、なんて嫌だなぁ。凛ちゃんのならいいけど、僕自身のだし」
「アンタの自業自得でしょ……!」
凛は密かにほくそ笑む。凛が温泉浣腸を受け入れた一因に、自分の小水のアンモニア臭を嗅ぎながらではセックスする気が削がれて枕営業がぬるくなるだろう、という極めて常識的な判断があった。
「まぁ、抜くよ」
「……いつでも、どうぞ」
「いや……いいこと思いついた」
「絶対よくない考えでしょ」
「チャンスをあげる。もし凛ちゃんが、尻穴から僕のおしっこを漏らさずにトイレまで歩けたら、こういうことはこれっきりにしてあげ……うおおっ!?」
凛が言葉に反応して、またも尻穴を引き締めてしまう。
「く、ぅ、う……私、アンタの正気を何度疑えばいいのかな……」
「本気ではあるよ」
「……約束、破ったら、殺す、から……!」
「僕が抜いてから一滴ぽたりと垂れてもダメ。これ僕にメリットない賭けだし、それぐらい厳しくするよ」
凛の尻穴とその周りに張り巡らされた神経、筋肉が、これまでで最も深く強い緊張を迎える。さっきキッチンの水道水を飲んだとき見た気がするトイレの場所を必死で思い出す。そこまで男の尿を溜めながらひたひた歩く自分を想像する。
「あ、あ……くッ……」
「準備ができたら言ってね」
「ちょっとアンタ、それ……おっきく……まさか、興奮して……!?」
「凛ちゃんがケツ穴できゅっきゅって締めてくれるし、あまりに一生懸命だし、興奮して」
男のペニスが固く大きくなりつつあるのを、尿に汚された腸壁が察知する。中身が溢れ出る恐怖が、緊張をエスカレートさせる。
「おうぅっ……く……ぅ、ぅう……!」
「わかった凛ちゃん、僕が三、二、一、ゼロって数えたらズボって抜く」
「……どうせ、フェイントとかするんでしょ……ぉ……ッ……」
「何も言わずケツ穴ぐにゅぐにゅさせてくる凛ちゃんが言うか?」
凛は四つん這いのまま背中を丸める。息が整いきらず、長い黒髪が乱れて肩甲骨を中心に絡みついて、呼吸に合わせて浮き沈みする。
「三……っく、締めすぎだって、凛ちゃん」
男のカウントが始まった瞬間、尻肉全体が最大限に緊張する。細いウエストも限界まで引き締まり、男が褒め称えた美しい背中も反らされる。背筋が盛り上がって背骨にくぼみができ、そこに汗が滴って溜まっては震えの拍子に脇腹を伝って落ちる。
尻が緊張のあまり膨らみの真ん中をぺこんと凹ませ、腰との境目あたりにヴィーナスのえくぼがくっきりと見て取れる。
長い脚が、膝を曲げたまま骨じみてカチカチに硬直する。ふくらはぎの膝に近いほうがこんもりと盛り上がり、力むあまり土踏まずにくしゃくしゃの皺が深く刻まれる。足の指先が猫の手のように丸まる。
「……二っ」
凛の括約筋が、尿を溜めたままペニスをさらに圧迫する。甘く熱い痺れが、腸壁の奥までまた広がる。凛の意識のすべてが肛門快楽に引き寄せられる。
たまらず息を止める。ベッドに爪を深く立てる。肩甲骨が翼のように浮き、首筋の汗が滴り落ちる。内腿が小刻みに震え、泡立った愛液がクロッチから滴って、失禁のようにシーツに落ちる。
「一」
凛の視界が白く霞む。声を無理に殺すあまり、キュゥゥーッという奇妙な音が口から漏れる。
「ゼロ」
男のペニスがずるりと引き抜かれる時は、凛の尻穴がこれまでで最も強く引き締まっている時でもあった。敏感になった尻穴は、それを肉壁を削りとるほどの刺激と受け取った。
最強の尻穴絶頂が、弱った凛の内側で弾けた。
「ひ、ぅぐ、あ゙……ッ!」
腰がびくんと激しく跳ね上げられ、ぬるぬるとした尿とクリームの混合液が、ぴゅっ、ぴゅぴゅっと漏れ、男の太腿に引っかかって垂れ落ちた。
「一歩も動けなかったね」
凛は男の言葉に何も反応できない。肛門のひくつきが止まらず、甘い痙攣で下半身全体が侵食され波打っている。
「聞いてるの?」
「あ、ああ!? くぁああっお゙ッ!」
「だから言ったじゃん、厳しいって」
男の指を肛門にねじこまれ、凛は言葉にならない喘ぎを吐き出す。
「ひ、ひぃい゙っ……く、あ゙ぁあ゙あ゙ッッ!」
「敏感になったみたいだし、中くらいの力加減にしてあげる。そのぶん、何度でもイカせるよ」
「ぃ、や……ぐ、あッ、あ、だ、めぇっ、来るっ……んぐうッ、あお゙……ぉお゙イ゙……ぅ……っ!」
「防音の心配はしなくていいから、声、聞かせてね」
「んぐうっ、あお゙……ぉお゙イ゙……ぅ……っ!」
深い尻穴絶頂を何度も重ねられ、凛がうつ伏せのまま必死で男の指から逃れようともがく。
「ああもう。片足、ちょっともらうよ」
しかし男が凛の片足の膝をまたいで、体重をかけて押さえる。残り3本の手足が自由でも、これでは尻穴愛撫から逃れられず、いくらもがいてベッドシーツを叩いたりこすったりして音を立てるに留まる。
「うはぁ!? ぁ、あァ、ぉおおお゙っ……!」
「ここか、凛ちゃんの弱点……ううん、触り心地だけじゃ区別が……僕もまだまだ勉強しないと」
男の指先が、凛の直腸深くの背骨に近いところに触れて、反応の違いを察知する。そこを弱点と見た男にぐりぐりこすられ、凛はたまらずウエストをよじらせて逃れようとする。けれど片足を捉えられたままで、尻穴絶頂から波及する引き締められたウエストの痙攣を男の目に晒すばかり。
「お゙っ、ひ……う、お、お、く……ぁ、あ、い゙っ、イって、ぅ、ぁ、あ゙あ……!」
「わぁ、凛ちゃん……! これは……ケツイキ潮か、ケツイキしょんべんか……僕の匂いと混ざっちゃってわからないや」
さらに男が凛の弱点を責め続けるうち、凛のショーツからさらさらした体液が何度か漏れ出てシーツの染みを上塗りする。
「あ、あっ、あっ」
「馴染んできたかな……」
凛の手足のバタつきが一気に弱まる。散発的にパタンパタンとベッドを叩くか、身動ぎ程度にシーツをこするだけになる。
「ひふっ、きゅ、ぅ……っ! ぃ、い、く、イ……はひっ、ひゅーっ、はひゅ……」
「ここだ、ここ」
「い……っく、い、い、い……ッ!」
「イク、だよ」
「っく、ぅく……くううう、うゔぅっ……!」
「あんまり激しいケツイキで気絶しちゃうと、凛ちゃん忘れちゃうだろうから、手加減したほうがいいね」
「あ、あっ、あっ……ぃ、い、く、イ……」
「ケツアクメのことしか考えられないって顔、かわいい。こういうキツくない責めもいいね」
「ぃ、い、ゃ……あ、あっあっ……ぃ、い、く、イ……く……ッ……」
「……顔見てたらキスしたくなってきちゃうよ、いけない、いけない」
シーツの汚れが、彼の尿よりも凛の体液でひどくなるまで彼は愛撫を続けた。
凛の初めての枕営業は、数えるのも馬鹿らしくなるほどの尻穴絶頂を彼女の心身に刻みつけて終わった。
※
「凛ちゃんは最初から尻穴を犯されるために相当準備してきたんだ。そうじゃない島村さんは見学だけにしておきなよ」
「……信じられません」
凛が尻穴での枕営業を始めて、春が過ぎ、夏を迎えようというある日。
男は凛たちが所属する大手事務所を訪れて、その建物のあるフロアを凛の同僚アイドルかつ同じユニットとしての活動歴も長い島村卯月と歩いていた。
「そうだろうと思って、わざわざここで、凛ちゃん自身から島村さんに説明してもらう機会を設けたんだ」
男はそう言うが、その場に凛の姿はいない。
「……うちの事務所なのに、あなたは勝手知ったるって感じですね」
卯月が、事情を伏せられていた人間の中で初めて、その枕営業に勘付いた。
きっかけは例の保護クリームだった。同じユニットとして仕事をともにすることも多い卯月は、凛が持っているクリームの量が明らかに増えていると怪しんだ。卯月以外が『仕事が縁でいっぱいもらったし、使い心地もいいし、つい』という凛の言い分にごまかされたが、卯月は仕事の合間を縫って探りまわっていた。
「島村さんと僕の縁がたまたまなかっただけで、この事務所とはそれなりに長い――あ、ちょっとごめん」
卯月の動きに気づいた男が『凛ちゃんとつき合いの長い子に、モヤモヤさせっぱなしにさせたらかわいそうだ』と凛に言い出し、凛が渋るのを押し切って〝機会〟を設けた。
二人は関係者用エレベーターの前で足を止めた。
「……なんですか」
「麗さん、麗さん」
「……また、うちのが世話に?」
「今日は凛ちゃんの件ですよ、彼女については僕も世話になってるし」
卯月は、男を怪しみつつも言葉を挟めなくなった。乗ろうとしたエレベーターから、彼女も世話になっているマスタートレーナー・青木麗が一人で出てきて、男が唐突に声をかけ、麗が足を止めていた。
「渋谷の場合は――」
「――前の子より積極的なので、そのぶん僕が手控えたらちょうどよくなる……はずなんですが、飲みこみがいい子で、つい……」
「わかっているなら、気をつけてください」
「麗さんもそういうところありません?」
「だから、気をつけてくださいと言っています」
「まったくそうですね、すみません、呼び止めて。顔を見たからちょっと話しかけたくなっちゃっただけです」
「……島村は」
「彼女は僕のおせっかいに付き合ってくれるそうです、おそらく今回だけ」
マスタートレーナーは、教え子である卯月に対して軽く会釈だけして歩き去っていった。別件があるにしても慌ただしい所作で、面食らった卯月がかろうじて会釈を返した。
「ま……青木さんとは、お知り合いですか」
「そう呼んだら何番目の姉妹かわからないでしょ、で、麗さんとはそれなりに……島村さんが聞いてくれるならお茶でもしながらペラペラ話したいけど、そうすると」
「……なんですか」
男は時間切れで去ってしまったエレベーターを呼び直すため、もう一度ボタンを押した。
「凛ちゃんが待たされすぎて、焦れちゃう」
卯月はまた言葉を挟めなくなった。エレベーターで事務所の最上階から一つ下のフロアまで昇って、まるで彼女が客人であるかのように男に先導され、二人以外に誰もいない廊下を進んだ。
「部屋に入ったら、僕がいいって言うまで島村さんはいないふりをしていてほしい。具体的には、物音や声を出さないように」
卯月は顔をしかめつつ無言でうなずき、男がにこやかに笑って扉を開けた。
「お待たせ凛ちゃん。ごめんね、忙しいのに」
卯月は部屋に入ってすぐ凛の姿を見つけた。それが奇妙で、部屋の内装と相まって、シュールレアリスムの芸術作品じみた印象を受けた。
部屋の中央に一人で立っている凛の後ろ姿がある。なぜか後頭部に両手を当てているが、入り口から中央まで卯月の歩幅でたっぷり5歩はあって詳しいようすがわからない。服が腰近くまで伸びたストレートの黒髪に上半身がかなり隠れてしまっているが、トップスがどうやらノースリーブであるらしい。凛のそばに小さなテーブルがあり、それを囲むように革張りの二人がけソファが4脚置かれ、それらが遮るせいで卯月から凛の下半身側が見えにくい。
凛の周り以外、部屋がほとんど何もない。部屋の4隅のうちドアに近いほうにポールハンガーが一脚立っていて、そこにやや季節外れの薄手のロングコートがかかったハンガーが一つ下がって、ブーツが一足揃えられている。残りの室内側の一隅に腰丈ほどの観葉植物があり、壁に絵画が一幅かかっている。それきりだった。壁のうち一面が天井高の窓ガラスで、黄昏に染まる都心のビル群と、そのあいだをうねる道路の高架が見えた。
「凛ちゃん、凛ちゃん? ……えいっ」
「んひぃっ、お゙っ、ほぉォおっ!?」
一瞬、卯月は驚くあまりそれが凛の声と認識できなかったし、男の言いつけを忘れて足音を立ててしまった。男が振り向いて視線で咎めてきたので、震える体に忍び足を、動揺する心に平静を命じつつ、やっとの思いで凛に近づいていった。
「凛ちゃんみたいに足が長いと、トップヘビーになっちゃって、不安定でたいへんだね」
卯月があと1歩まで近づいてみると、凛の姿は淫ら極まりなく、ますますシュールだった。
トップスはシンプルな白いタンクトップだった。タイトなシルエットなうえ、凛が顔を赤くして汗ばんでいて張り付き気味になって、なんと乳首の色や突起がうっすら透けている。そこから目を逸らせば、無防備に開かれた腋が汗でてらてら光って、窪みの影ときついコントラストを作っている。
そこから視線を落とすと、デニム生地のホットパンツと、そこからにゅっと床へ伸びる凛の引き締まった太腿の対比がまぶしい。凛は私服でも時々短い丈のパンツを穿くが、このように太腿の付け根まで肌を出す姿を卯月が見たのはこの場が初めてだった。男にむんずと尻を揉まれながら無抵抗でいるようすなど想像さえできなかった。その下が素足なのも奇妙だった。
しかし最もシュールなのは顔だった。
「ふ……ぅ……ふ……」
「今度はびっくりしないよう、触る前にカウントするからね。三、二、一」
「っふ、ぐぅうゔうっ!」
凛の顔は、黒革と銀の金具で造られたアイマスクと、口枷――卯月はボールギャグという単語を知らなかった――によって束縛されていた。黒革の隙間の紅潮した頬も、鼻や口の呼吸が苦しげなようすも、ボールギャグの端から幾筋も垂れるよだれも、卯月がこれまで見てきた凛の表情とかけ離れていた。
「辛かったら手は頭から下ろしていいよ。でも足はちゃんと立ったままで……まだ大丈夫? がんばるね」
それを男に観られていると認識しながら隠しもせず、むしろ立ったままでいようと一生懸命そうな凛の態度など、シュールを通り越していて、卯月は演劇でも観ているのか詐欺でも仕掛けられている気になった。
「がんばってくれる人ほど応援したくなる。それは僕だってそうさ」
男の指先が、凛のウエストにそっと触れ、凛の細い腰がびくりと力む。卯月の与り知らぬことだが、尻穴を愛撫される前から、凛の腸壁が熱く疼く。肉体に染みついた快楽が、勝手に蘇る。
そんな卯月も、凛の首筋や鎖骨周り、腋窩がより深く窪むようすを見て、ただならぬ雰囲気を感じとる。卯月に見られながら、凛のアイマスクやボールギャグの隙間から頬や首筋を何かの体液が垂れ落ち、白いタンクトップにはっきりシミを作る。
「っく、ぅく……ぁうう、うゔぅっ……!」
凛が後頭部に当てている手が、指を絡め直している。そのまま肘が震えて、卯月には蝶がぱたぱた羽ばたいているようにも見える。
「焦れったい?」
凛の息が荒くなる。かくかく震えながら背筋を伸ばす。卯月まで甘い体臭が漂ってくる。こめかみや頬の具合から、凛がアイマスクの下で目を固く閉じているとわかる。
「入れっぱなしで、それを焦れったい、と思えるのは相当がんばっちゃってるよね」
男が凛のウエストから手を離す。凛の早い呼吸に合わせて、肋骨や腹筋の凹凸が見え隠れする。
「んっ、んぶっ! んむゔっ、ゔっ……っ!」
卯月は凛がふらついたらすぐ助けられるよう、男と凛に注目し続ける。
男が、凛のタンクトップの裾を背中側からまくると、張り詰めていたはずの凛の脚のうち、いきなり膝がかくんと内側へ寄る。太腿どうしがこすれ合い、力の入れどころを探して定まらないらしい。素足の爪先が床でのたうち、かかとが浮いては下ろされ、ふくらはぎや土踏まずがひくつく。
「お尻、焦れったい?」
ボールギャグごしにくぐもった声が漏れた。男は尻に言及したが、まだ凛の尻へは触れていない。なのに凛の体が凛とは別の生き物のように震えている。
ホットパンツの裾から覗く内腿を、白く濁った液がひとすじ伝う。泡が肌にまとわりつきながら、ふるりと震わされるたびに垂れて膝に、ふくらはぎに、素足に、そして床に達する。凛の足先が忙しくうねり、指の股が開いては閉じている。
卯月が目線を上に戻す。凛の肌に垂れる筋がいくつか加わっていて、泡立った跡も肌にうっすら残り照明の光を鈍く弾いている。男がタンクトップの裾を持ち上げたままだ。お尻どころか、凛の肉体のどこにも触れていない。それでも凛の反応が続く。
「ビーズだけじゃ焦れったい?」
凛の腰ががくんと折れかけ、タンクトップが半ばずり上がった。卯月は当人が意識する前に喉からあっと声を漏らし、とっさに手で口を覆った。
「凛ちゃんが今日、僕の責めに腰砕けにならないまま堪えられたら……って約束だったね。でも、僕、絶対に無理だと思う」
「んぐぅうっ、ううゔっ!!」
タンクトップがずり上がった拍子に、ホットパンツと凛のヒップのわずかな隙間から、数珠つなぎの小さな玉らしき――卯月がビーズと聞いてイメージできる物より、直径が二回りは大きいが――物体が、尻尾のように飛び出ているのが見えるようになった。
「だから、凛ちゃんが約束を守れなくても、僕は何もペナルティを課さない」
「んぐっ、ふ、ふーッ……んッ……」
男が、その尻尾もどきの先端をつまむ。次の一瞬で、凛が背中を弓なりに反らせながら後ろにバランスを崩し、男の胸板に寄りかかる。
「んぐ……うっ、あお゙……ぉお゙ッ、い、いっ……っ……」
卯月からは、凛の背中が男の体に隠れて死角になっていた。見えるのは凛の胸側で、ボールギャグやホットパンツの隙間から白濁液がどぽどぽ肌に幾筋も伝わるようすや、もう男に寄りかからなければ立っていられないほど体が緊張・痙攣しているようすだけだった。
卯月は尻穴快楽について経験どころか興味もなかった。しかし凛が男による尻穴快楽のせいでそうなっている、と察してしまった。それほど凛のようすは雄弁だった。
「卯月……見たいもんじゃ、ないでしょ、こんなの」
床へぺたんと凛が腰を抜かしたところで、男が凛のアイマスクとボールギャグを外した。凛が卯月に気づくと、目隠しされていた時の乱れた呼吸や病的な痙攣が嘘だったように、平坦で乾いた言葉を漏らした。
凛に気づかれた時どうやって彼女を気遣うか考えて堂々巡りになっていた卯月は、肩透かしでつんのめさせられた気分になった。どう反応すべきかわからず黙ってただ凛に視線を注いでいると、その凛が彼に両腕を後ろから抱えられる姿勢になった。
「立てる、よ、まだ……なぁに、やるの?」
「島村さんが見学しているけど、いつも通りにね」
凛は男に促されるがまま、応接スペースの床に肘・膝をつけた四つん這いになって、ホットパンツと下着をずり下げられた。卯月が初めて見る凛の女性器や肛門は、実にあっさり露わにされた。
「これ……クスリとか使っていないって証明、なんだって。おかしくて、笑っちゃうよね」
凛は彼に後背位で温泉浣腸されながら、それがどんな行為かを淡々と卯月に説明した。尻穴に男のペニスを挿入され放尿される。卯月は説明を聞いて実演を目前にしても、無形の金槌で脳天を殴られたようにしびれすぎて現実味がない。言葉が完全に一つも出てこない。
凛が説明している途中、腰ががくんと下がりそうになって男に尻肉をパチンと軽く叩かれた。一瞬だけ悲鳴じみた息を漏らし、呼吸を整えようとしてか、しばらく説明が止まった。もう一度パチンと叩かれると、腰に代わるように肩ががくんと落ちた。尻だけ突き上げられたままで、背中がより急角度に反った。平坦さがあっという間に失われていた。
「島村さんの後学のため、どんな感じがするか教えてあげてよ」
「……っ……別に、気持ち……良くも、悪くも、ないよ、何だか、じわぁってするけど……お尻の穴だし、別に……私、大丈夫、だよ……っ」
「うんうん、凛ちゃんの尻穴がチョロくてイキまくりなんてありえないよね」
凛が〝いつも通りに〟男の放尿を受け入れていると卯月が認識させられるまで、しばらくかかった。
「何、アンタ……おしっこなのに、大きくして……へひゅっ!?」
「ごめん、ギャラリーのおかげか、興奮してきちゃった。このまま一発やろう」
凛が淡々とした態度を保てたのはここまでだった。男の腰が動き始めると、凛が口も目も大きく見開き、言葉を失った。
「あっ、だっ……お、お、く、や、め……ぁ、あ、い、イク、ゥ」
「凛ちゃんもおしっこを披露しておこうか」
男が後背位のまま凛の腰を両手でホールドし、ピストン運動を繰り返す。その動きがトントンと単調で細かくリズミカルだった。場違いにも、卯月は料理番組のみじん切りのお手本を連想する。
「おォおお゙……ッ!! ふかっ、あっく……あァ、あッ、あああ゙あオッ……!」
しかしみじんにされているのは凛の余裕だった。
男は卯月から見えない凛の奥深くの、特定のポイントをペニスで執拗に刺激している。本当に単調な動きなのだが、外へ波及してくる凛の変化が劇的だった。
「お゙っ、ひ……う、ッ……お、お、く……ぁ、あ、い゙っ、イッ、ぅ、ぁ、あ゙あ……!」
凛の長い脚がふらつきながら内側へ寄り、膝がガチガチと何度もぶつかる。あるいは素足の爪先がばたついて宙を掻き、土踏まずのアーチがひしゃげ皺くちゃになる。
タンクトップ越しに、肩甲骨が翼のように浮くのが何度も見える。ヒップが細かく前後左右に揺れるが、男から逃れようとしているのか、ただの反射的な痙攣か卯月にはわからない。
「ひふっ、きゅ、ぅ……っ! ぃ、い、く、イ……はひっ、ひゅーっ、はひゅ……」
「これじゃ島村さんから見えないじゃないか」
男がアナルセックスを続けたまま、力ずくで凛を自分の体に引き寄せ直し、床に胡座をかいた。背面座位、という体位の知識が卯月にもあったが、それを覆す異様な光景が続く。
凛が男に膝の上に乗せられ羽交い締めにされている。強すぎる快楽から身を守ろうとしてか、胎児のように背中を丸め手足を折りたたもうとする。
「ダメだよ、島村さんに見えやすくして」
「んあお゙……ぉお゙イ゙……ぅ……っ!?」
しかし体が弱りきっていた。男の腕が凛の胸の下に回り、力ずくで引き上げる。エビ反りにされ、凛の腹筋がガクガクと痙攣する。開かされた凛の腕がバタついたあと、男の太腿をぎゅっと掴む。指が白くなるほど力を込め、膝に爪を立てる。
尿道口から黄金色の液体がちょろちょろと溢れ始める瞬間を、はっきり見てしまう。
「凛ちゃんはこんなのいつものことだから、まだまだ平気だよね。ほら、島村さんが見てる」
「ゔぅー……く、ぁ……ぅ、卯月……ね、この人、ちょっと大げさで……おしり、なんかで、こんな……ッぉ!?」
凛の失禁を気にした様子もなく、男が抽送を深くする。凛の片足が、床から完全に浮き上がり、アヌスを犯されるピッチに一拍遅れてピクピクと痙攣する。爪先が何度も宙を虚しく掻く。もう片方は足裏で床のあちこちを叩き、そのうち何回かで凛が先ほど垂らした体液溜まりをびちゃりと踏み荒らしていた。
「そう、そう、凛ちゃんはケツアクメ中毒じゃないよね」
「アンタ、何を言って……んっ、んぶっ! んむゔっ、ゔっ……っ!」
続いて卯月の目が、凛のウエストに引き寄せられてしまう。ストイックに絞りこまれたウエストがガチガチに硬直しているところに、すっかりずぶ濡れのタンクトップが張りついて透けて見える。
「凛ちゃんはケツアクメ中毒じゃない。はい、復唱して」
「くひぅっ……!! ハッ、はァッ……ち、ちが……」
「違うって、ケツアクメ中毒じゃないんでしょう? それならそうと島村さんに教えてあげればいい。はい、渋谷凛はケツアクメ中毒じゃありません」
「く、んんっ、おほっおお゙ぉおおォっ……!」
男は背面座位で凛の肛門奥をまた細かくリズミカルに刺激する。ウエストの硬直が、程なく崩れる。まるで生き物が中にいるかのようにピクピクと、左右に不規則に波打つ。
「はい、渋谷凛はケツアクメ中毒じゃありません」
「ぁ、ああっ、う、く、ぐぐ、ふぅううっ……!」
「違うでしょ、渋谷凛はケツアクメ中毒じゃありません」
「ひっ……し、しぶや、りんは……ケツアクメ、ちゅうどく、じゃ……あッ、あああ゙あオッ……!」
その反応の根源である結合部も卯月の目に晒されている。凛の女陰が充血してぷっくりと盛り上がって、その鮮やかな赤紫に白濁した分泌液が絡みついている。その白濁液がペニスを咥えこむ肛門に垂れ落ちて、赤白まだらの模様を形作りながらぐちゅぐちゅ、にちゃにちゃ水音を立てる。卯月は自分の耳にまで何か粘液を注がれている錯覚に陥った。
「じゃあ、あそこからどろどろ垂れ落ちてるのもケツアクメと無関係だよね。これで処女だなんて、島村さんは信じられる?」
「んひぃっ!? ふひっ、あ゙ぁっ、あ゙っひっ……し、しんじて、よ……ある、あるでしょ、処女膜……おォおお゙……ッ!! ふかいっ、ふかい゙いィイっ!!」
凛が相変わらずガクガク震えながら、赤白まだらの膣口を自分の手で広げて見せようとする。
卯月はその光景から目を逸らさずにいるだけで精一杯だった。
「はい確認おしまい。じゃあ続きね」
「ぁ……だ、めぇ……も……っお、っ……! んひぃっ、お゙っ、おっぐ、んんっあ……あ、いぐっ!!」
「イク? 渋谷凛はケツアクメ中毒じゃない、のでしょう」
「んぐ……け、けっ……うっ、あお゙……ぉお゙ッ、い、いっ……ッ……」
「そっか、本当はケツアクメ中毒か」
あまりにも淫らで惨たらしくて、卯月の時間感覚が麻痺していた。
男が背面座位で凛のアヌスを責め続け、やがて凛が口をパクパクさせながらうめき声と喘鳴ばかり発するようになり、入れ替わるようにぐちゅぐちゅ、にちゃにちゃの水音がうるさくなった。男も言葉が少なくなって、ついに腸内射精を迎えた。
「島村さんが見てくれてるおかげで、いつもより熱心にやってしまった……尻穴から出るマン屁って、屁って言うべきなのかな。紛らわしいな」
男からペニスを抜かれ床に倒れこんだ凛は、汗だくの全身を痙攣させつつ、なお男から犯され続けているかのように尻穴を締めたり緩めたりを繰り返した。そのせいで白濁液とぶぴゅぶぴゅとした屁のような音を何度も漏らした。それから彼女自身はどうにか立ち上がろうとしたが、四つん這いまでが精一杯で、そこから四肢や腰をガクガク震わせている仕草など、アナルセックスの続きをねだっているふうにも見えてしまった。
「持つべきものはお友達ですね」
「気をつけてください、と私は言いましたよね?」
「お友達が近くで見守ってくれたおかげか、いつもより張り合いがありました。凛ちゃんも自分の成長を見せたかったのかな」
「満足げな顔をしないでください」
男は、卯月に支えられてようやく部屋を去っていく凛を見送ったあと、マスタートレーナーの小言を浴びた。
(おしまい)