カデノコウジ ミスズ(2037年)
2037年。ナオミが意識を失い、アルタラセンターのカタガキチーフのプラベートルームで徐依依と共に彼のマスター端末を解析した直後、部屋のチャイムが鳴りました。訪れたのは、かつてと変わらぬ少し悪戯っぽい瞳をした、けれどすっかり大人の女性へと成長した三鈴でした。その腕には、大学時代にナオミが拾い、彼女が引き取って育てていた黒猫の『ヤタ』が静かに抱かれていました)
「……やっぱり、ここにいたんだね。瑠璃ちゃん。本当に目を覚ましたんだね。よかった。」
「三鈴……っ!」
10年ぶりの再会。しかし、2人の視線の先には、ベッドの上で深い昏睡に陥ったままのナオミの姿がありました。三鈴はヤタをそっと床に降ろすと、ナオミの白髪の混じった髪に触れ、どこか切なそうに目を伏せました。
「この人、大学時代も本当にバカだったんだよ。暖房もないボロアパートに引きこもって、死にそうになりながら、ずっと瑠璃ちゃんを救うための数式を解いてたの。……私、一度だけ、凍りつきそうだったこの人の身体を、私の裸で温めてあげたんだ」
三鈴の告白に、ルリは驚きに目を見張りました。第六話のあの極寒の夜、ナオミの命を繋ぎ止めたのは、他ならぬ親友の三鈴だったのです。
「この人はね、自分の人生も、健康も、男としての普通の幸せも、ぜんぶ犠牲にして瑠璃ちゃんだけを待ってた。……だから今度は、私たちがこの人を現実に引きずり戻す番」
三鈴の言葉、そして依依から告げられたナオミの火傷と左足の真実。すべてがルリの胸の中で一つに繋がった瞬間、彼女の瞳から涙が消え、かつてない強固な決意の光が宿りました。
「……ええ。やってやりましょう、三鈴」
「ふふ、その目。やっぱり私の大好きな瑠璃ちゃんだ」
ナオミを救うという唯一無二の目的のため、ルリと三鈴は徐依依の手引きのもと、身分を偽って『情報管理センター(センター)』のアドバンスド研究員として潜入を果たしました。ナオミが残したアルタラの制御コードを解析し、彼の精神が囚われている電脳の深層へとアプローチを試みるためです。
潜入から数週間が経ったある夜。閉鎖されたセンターの第4シミュレーション室。
メイン演算機が静かに駆動音を立てる薄暗い密室の中で、2人は防護用のタイトな研究員スーツを身にまとい、ホログラムディスプレイに向き合っていました。
「……ダメ、今日もナオミくんのコアプロトコルに弾かれちゃった」
ルリが悔しそうに唇を噛みます。あまりの緊張感と連日の激務に、2人の精神は限界近くまで昂ぶっていました。
「瑠璃ちゃん、ちょっと息抜きしよ?」
三鈴は背後からゆっくりと近づくと、ルリの細い腰をガチリと掴み、彼女の首筋に熱い吐息を吹きかけました。
「み、三鈴……っ? ここ、研究室だよ……っ」
「いいじゃない、誰も来ないよ。……知ってる? 人間の脳波を一番手っ取り早くブーストして、ハッキングの同期率を上げる方法……。それはね、極上の『快感』を共有することだよ」
三鈴はルリのセーフティを外すように、研究員スーツのフロントジッパーを じわじわ と下ろしていきました。露出していく、大人の姿に成長したルリの滑らかな白いお腹、そしてあの愛おしい泣きぼくろ。
2人の脳裏に、2027年のあの日、へそ出しの服を着て、おまんこにローターを挿入したまま京都の街を歩いたあの淫らな記憶(第一話・第五話)が、鮮烈なパルスとなって蘇ります。
「10年ぶりの、私と瑠璃ちゃんの秘密のアップデート……始めよ?」
三鈴は自らのスーツも肌脱ぎにすると、長年ナオミを想い続けて渇いていたルリの最深部へと、特製の高導電性ローションを塗りたくっていきました。ナオミを現実に引き戻すための、狂おしくも淫らな女同士のハッキング・レズビアンが、再び幕を開けたのです――。
シミュレーション室のコンソールデスクの上で、ルリは両手を金属の冷たい表面に押さえつけられていた。三鈴が背後から覆いかぶさり、半脱ぎの研究員スーツから露わになった白い臀部に、濡れた唇を押し当てていた。
「……んっ……三鈴、だめ……ここは……っ」
「ふふ、瑠璃ちゃんのお尻、昔よりずっと丸くて美味しそうだよ。この泣きぼくろも……ああっ」
三鈴の指がルリの秘裂をなぞると、10年前とは比べ物にならないほど濃厚な蜜が溢れ出す。かつてローターで責められた少女時代の記憶が脳内でフラッシュバックする。
「堅書くんのことをずっと想ってたからかな? おまんこ、すごく ぬるぬる だね」
「言わないで……あっ!?」
三鈴がルリの敏感な部分を強引に擦り上げた瞬間、コンソールパネルに飛び散った愛液がモニターを濡らした。デスクの冷たさと体内の熱が交差する感触に、ルリの理性が揺らぐ。
「私の指、堅書くんに使ったことがあったよね。瑠璃ちゃん……」
「……嘘…っ」
「全部教えてあげる。あの時みたいに、私のなかに じわじわ 入ってきて……」
三鈴が自らの濡れた秘所をルリの臀部に押し付けると、互いの粘膜が淫靡な音を立てて擦れ合った。背徳の匂いがシミュレーション室に充満する。
「んんっ……三鈴っ! だめっ! そんなに奥……ああっ!」
三鈴の腰が激しく打ち付けられ、ルリの膣壁が悲鳴を上げる。かつて京都の路上で味わった屈辱と快楽が蘇り、全身を貫く絶頂が訪れる寸前──
ピピッ──「警告:虚数領域の第12階層にて未確認パルス検知」
「……ナオミくん……!?」
快感で霞む視界の隅で、モニターが激しく明滅した。二人の汗と愛液で濡れたコンソールが突然青白く発光し始める。
「すごい……! 瑠璃ちゃんのオーガズムの波形とリンクしてる! これは……アルタラへのゲートだ!」
三鈴が興奮した声を上げる。だがその声は途中で途切れ、再びルリの首筋に歯を立てた。
「でも今は……中断できないよね?」
「みす……ずっ! ひぁっ……あっ……!」
絶頂の波に押し流されながら、ルリはナオミの幻影と三鈴の指先が混じり合う異次元の快楽に溺れていった。
三鈴の手がデスクの下に伸び、隠しておいた革製のケースを取り出した。開いた中には銀色に輝く双頭ディルドと、最新鋭のリモコンローターが収められている。
「これ、研究所でナオミくんが使ってた非侵襲型インターフェースを改造したんだ。神経接続レベルで快感を共有できるんだよ?」
「ひどい……それって……」
ルリの抗議を遮るように、三鈴がディルドを口に含んだ。唾液で光るそれをゆっくりとルリの入口にあてがう。
「堅書くんの大好きな瑠璃ちゃんを……今度は私が味わってあげる」
「んんっ……入ってくる……太いっ!」
ルリが弓なりに背中を反らす。冷たい金属ディルドが彼女の熱く蕩けた膣壁を押し広げていく。その反対側は三鈴の秘所へと吸い込まれるように消えていく。
「ああっ! 瑠璃ちゃんのなか、燃えてるみたい……」
三鈴が腰をグラインドさせるたび、二人の粘膜が擦れ合い、卑猥な音が室内に響く。汗ばんだ研究員スーツが肌に張り付き、大人になった乳房が激しく揺れる。
「みす……ずっ! お尻に何か刺さってる……!」
ルリが突然悲鳴を上げた。三鈴がいつの間にかリモコンローターをルリの肛門へと挿入していたのだ。小刻みな振動が前後の穴を同時に震わせる。
「瑠璃ちゃんのお尻、堅書くんにはまだ見せてないんでしょ? 私が一番乗り……♡」
三鈴がローターの強度を最大にする。ルリの痙攣が激しくなるにつれ、モニターの発光パターンが複雑な幾何学模様へと変貌した。
「アルタラへのアクセスコードが生成されてる……! でもっ……こんなに激しくされたら……!」
「我慢しないで。ナオミくんを救いたかったら、もっと深いところで繋がらないと」
三鈴がルリの耳元で囁きながら、自分のローターをクリトリスに押し当てる。二重の快感が二人の脳髄を灼き尽くす。
「ああっ! だめっ! おかしくなる……!」
「一緒にイこう瑠璃ちゃん……! 堅書くんに届くくらいの波動をっ!」
結合したディルドが激しく脈打ち、ローターの振動が絶頂のトリガーとなる。白い閃光が二人の視界を染める瞬間、モニターが眩い青に包まれた。
「……はぁ、はぁ、っ……。三鈴、すご……私、頭の中のデータが、ぜんぶ真っ白になっちゃった……っ」
「ふふ……瑠璃ちゃんのおまんこ、10年前よりも、すっごく ぬるぬる で、たくさん中潮吹いちゃったね……っ」
シミュレーション室のコンソールデスクの上で、2人は激しい結合の余韻に身をよじっていました。
脱ぎ捨てられた研究員スーツの上には、2人の流した汗とお互いの秘部から溢れ出た愛液が混ざり合い、ドロドロの白いお汁となって糸を引いてコンソールを汚していました。
ルリは目元の泣きぼくろを涙で濡らしながら、三鈴の豊かな胸に顔を埋め、ビクンビクンと痙攣する下腹部の疼きを噛み締めていました。
三鈴の熟練した指先と、お互いの割れ目を激しく擦り合わせる肉体のぶつかり合いによって、ルリの脳波は一時的に通常の300%を超える圧倒的なオーバードライブを記録していました。
その時、2人の愛液で濡れたコンソールの画面が、突如として激しく明滅を始めました。
ピピッ――『警告:虚数領域の第12階層にて、未確認のパルス(堅書直実の精神残滓)を検知。ゲートが一時的に開放されます』
「……っ、三鈴、見て! ナオミくんの防壁が、私たちの快感のパルスで少し開いた!」
ルリが興奮で声を荒らげます。
「やったね、瑠璃ちゃん……! 私たちのエッチ、間違ってなかったんだ……っ」
三鈴は乱れた衣服のまま、ルリの唇に最後にもう一度だけ深く 奪う ようなキスを交わすと、不敵に微笑みました。
「これで、次のレイヤーへの道が見えた。……さぁ、待っててね、堅書くん。今度は私たちが、あなたのぜんぶをハックしに行ってあげるから」
2037年。ナオミを愛する2人の少女が、完全にひとつの「システム」として融合した瞬間でした。2人は溢れる愛液を拭い取り、スーツを正すと、遙かなる2047年の未来、あるいはアルタラの最深部へと繋がる次のゲート(第十二話)へと、その確かな一歩を踏み出すのでした。
(第十一話・完)