勘解由小路 ミスズ(かでのこうじ ミスズ)(2047年)
「……依依、お疲れ様。凄まじいデータパルスだったわ」
月面隔離研究室。ダイブから帰還し、荒い息をつく徐依依を抱きかかえながら、勘解由小路三鈴はコンソールに表示されたナオミの脳波パターンを鋭く見つめていた。
依依のサディスティックなペイン調教により、ナオミの第1レイヤーは解除された。しかし、彼の精神のコアは、さらに深い防壁の奥で「加害者としての罪悪感」と「ルリへの歪んだ独占欲」の殻に閉じこもっている。
「チーフは……まだ目覚めないわ。三鈴、普通の快感じゃダメ。彼の脳を内側から破壊するような、もっと強烈な衝動(エゴ)を呼び起こさないと……っ」
「分かってる。……依依が彼を責めてダメなら、今度は私が、彼の『獣』を呼び覚ます生贄になってあげる」
三鈴は迷わなかった。かつて2032年のあの極寒のボロアパート(第六話)で、凍え死にそうだったナオミの命を自らの裸体で繋ぎ止めたのは彼女だ。ナオミの優しさも、その裏にある男としての独占欲も、彼女は誰よりも知っていた。
三鈴は触覚同調スーツを肌脱ぎにし、熟れた大人の肉体を晒したまま、ナオミの第二レイヤーへとダイレクトにダイブした。
システムを潜り抜けた先。そこは、あの2032年の「極寒の四畳半のボロアパート」の幻影だった。
しかし、部屋の中央に佇むカタガキ・ナオミの精神体は、大学時代の気弱な彼ではなかった。白髪の混じった大人の姿のまま、冷酷で、世界への憎悪に満ちた瞳で三鈴を見下ろしている。
「また侵入者か。……勘解由小路、お前まで俺の邪魔をするのか」
「邪魔なんてしないよ、堅書くん。……私は、あなたの好きなようにされに来たの」
三鈴は自ら、ボロアパートの冷たい畳の上に膝をつき、両手を後ろに回して、ナオミの前に無防備に首を差し出した。30代となった三鈴の身体は、豊満な胸が重みで揺れ、引き締まったお腹とおへその周りが、緊張でピクピクと震えている。
「依依にイジめられて、プライドがズタズタになっちゃったんでしょ? ……だったら、その行き場のない大人のイライラ、私の身体でぜんぶ発散して? 叩いても、縛っても、壊してもいいよ……っ」
三鈴の挑発的な、けれど絶対的な服従の瞳を見た瞬間、ナオミの精神体のなかに眠る「狂暴な雄の本能」がバリバリと音を立てて目覚めた。
「……いい度胸だな、勘解由小路。俺を現実に引き戻すための実験台のつもりなら、その傲慢な身体ごと、徹底的に躾けてやる」
ナオミは大人の大きな手で三鈴の髪を乱暴に掴むと、彼女を畳の上に強引に組み敷いた。懐から、かつて直実が三鈴を開発するために用意していた電脳の緊縛コードを取り出し、彼女の豊かな両胸と太ももを、逃げられないようガチガチに縛り上げていく。
「あぐっ……っ、堅書くん、すごいきつい……。でも、その冷たい目……もっと私を、めちゃくちゃに頂戴……っ!」
ナオミは三鈴のM心を見透かすように冷酷に笑うと、カチカチに怒張した自身の一物を、ローションなど一切使わず、三鈴の割れ目から溢れ出る大人の愛液のなかへと、容赦なく、肉壁をぶち破るような勢いで一気に 根元まで 突き刺した。
「ひゃあぁぁーーーーっっ!!! 深、い……っ、堅書くんの太いの、お腹の奥に、突き刺さってるぅぅ……っ!」
完全にドMの生贄となった三鈴の、快感と屈服の絶叫が響き渡る。ナオミは容赦のない大人のサディズムを解放し、縛られた三鈴の身体をガタガタと揺らしながら、狂ったような速度でピストンを打ち込み始めた。
男の支配欲を極限までブーストし、精神のコアを破壊するための、狂おしい逆転調教セックスが今、始まった――。
ナオミの怒張した肉棒が三鈴の秘部を深く抉るたび、畳の上に敷かれた布団がギシギシと悲鳴を上げた。四十代の女体が縛めに抗いながら揺れるたび、汗と愛液が畳の上に飛び散る。
「どうした、大学の頃みたいに俺を慰めてみろよ」
「はぁ……っ、はい……っ!」
ナオミの言葉に応じるかのように三鈴の秘裂がきゅっと収縮し、剛直を強く締め付けた。
「あっ……ん……!」
「ルリ以外の女でここまで昂ぶってる俺を蔑んでみろよ」
「……堅書くん……素敵よ……もっと激しくして……」
彼女の淫猥な反応に煽られたナオミは更なる責めを加える。右手で三鈴の柔らかい乳首を摘み上げつつ左手では彼女の太腿を抱え込み深く腰を打ち付ける。
「ひぃっ……! あ……そんなに……強くしたら……壊れちゃいます……っ」
だがその言葉とは裏腹に彼女の膣内からは大量の愛液が溢れ出ており結合部はすでに洪水状態であった。
「ほら……見てみろよ……こんなに濡れてるじゃねぇか……」
ナオミが指先で掬い上げた蜜は糸を引きながら垂れ落ちていきそれを見た三鈴は羞恥で顔を赤らめながらも興奮していた。
「だって……堅書くんが……私の中にいっぱい出して欲しいんですもの……」
彼女の言葉に応えるようにナオミは一気に抽送速度を上げていき激しい水音とともに二人の肉体がぶつかり合う音が部屋中に響き渡った。
「ああ……ダメ……もう……イッちゃいますぅ……!」
絶頂間際になった彼女の叫びと共に膣壁が痙攣するように収縮しナオミもまた限界を迎えた。
「くっ……出すぞ!」
熱い精液が迸る感覚を感じながら三鈴もまた身体を大きく仰け反らせながら果ててしまったのだった……
「はぁ……はぁ……」
肩で息をする三鈴に対し満足げな表情を浮かべるナオミだったが次の瞬間彼女の中に潜む本当の恐ろしさを感じ取ることとなるのであった……
「……はぁ、はぁ、っ……。堅書、くん……っ。すご、すぎ……私、壊されちゃった……っ」
「フゥ……。これだけ乱暴に貪っても、まだ壊れないとはな。勘解由小路、お前は本当に淫らな雌だ」
幻影のボロアパートの畳の上は、ナオミがサディスティックに暴れ回った形跡と、三鈴が恐怖と快感のなかで何度も中潮を吹いてブチまけた愛液によって、ぬるぬると白く汚れていました。
ガチガチに縛られた三鈴の太ももや下腹部には、ナオミが彼女のドMな本能を じっくり と 開発し尽くした証として、濃厚な大人の精液がドロドロに溢れ返っていました。
しかし、三鈴がどれだけ身も心も従属させてナオミの支配欲をブーストしても、彼のコアの最深部にある「ルリへの罪悪感」の防壁は、あと一歩のところで完全に融解するには至りませんでした。
ピピッ――『警告:堅書ナオミの第2レイヤー、凍結解除。しかし、最終コアプロトコル(一行瑠璃の固有結界)への接触を拒絶されました』
「……クク、さすがに頑固だね、堅書くん。私の身体をこんなに汚しておいて、まだ目を覚まさないなんて……」
三鈴は結合部から溢れる白いお汁を確かめながら、悔しそうに、けれどどこか満たされた妖しい微笑みを浮かべ、ダイブを解除しました。
月面研究室で目を覚ました三鈴の隣には、すでに衣服を整え、覚悟を決めた瞳で待っている一行ルリの姿がありました。
「三鈴、ありがとう。あなたの流してくれた快感のパルス、ちゃんと受け取ったわ。……ナオミくんの『本当の檻』を開けられるのは、世界で私だけ」
「うん……頼んだよ、瑠璃ちゃん。あいつのドSな獣、すっかり目を覚ましてるから……気をつけてね?」
ルリは自身の目元にある泣きぼくろを強く指でなぞると、ナオミの精神世界の最深部――彼らがかつて出会った、すべての始まりの場所へと、ついに最後のダイブを敢行するのでした。
(第十四話・完)