一行 瑠璃(いちぎょう るり)(2027年)
勘解由小路 三鈴(かでのこうじ みすず)(2027年)
(2027年の京都。アルタラという巨大なデータ階層のなかで、歴史の「正史」が完全にバグを起こし、ひとつの歪んだ極致へと向かおうとしていました。
平日の放課後、夕暮れ時の四条通りの雑踏のなかを、堅書直実はどこか落ち着かない様子で歩いていました。第二話での瑠璃との純愛、そして第三話での三鈴との衝動的な背徳。二人の少女の間で引き裂かれそうな罪悪感に苛まれていた彼の前に、突如として、その「因果のすべて」が同時に現れたのです)
「あ、堅書くん! やっほー、奇遇だね!」
弾んだ声を上げたのは三鈴でした。そしてその隣には、顔を真っ赤にしてうつむく瑠璃の姿。
直実は目を見張りました。二人は第一話の時よりもさらに過激な、おへそどころか胸元の谷間や下腹部のラインまでが大胆に露出した、極めて淫らな「エッチな私服」を身にまとっていたのです。
「か、勘解由小路さん……!? それに、一行さん、その格好は……っ」
「あはは、ばれちゃったかー。実はね、また瑠璃ちゃんと二人でお買い物してたんだ」
三鈴はまったく悪びれる様子もなく、むしろ楽しそうに直実の腕へと絡みつきます。
「つ、堅書くん……見ないで……。三鈴が、どうしてもまたこれを着て街を歩きたいって言うから……っ」
瑠璃は露出した白いお腹をバッグで隠そうとしながら、恥ずかしさと、恋人である直実にこんな破廉恥な姿を見られた羞恥心で、今にも泣き出しそうな瞳で震えていました。
「もー、瑠璃ちゃん固いこと言わないの。せっかく堅書くんに会えたんだから……ねぇ、三人で『次のお買い物』に行こ?」
三鈴は直実のもう片方の腕を瑠璃に掴ませると、戸惑う直実を半ば強引に牽引し、あの路地裏の怪しいアダルトショップへと連れ込みました。
店内のネオン灯の下、三人の影が妖しく重なります。
「へぇー、男の人の道具って、こんなにあるんだ。ママから聞いたことあるけど、本物を見るのは初めて……」
三鈴が目を輝かせて棚から手に取ったのは、男のモノを根元から冷酷に締め付けるコックリングでした。
「な、何言ってるの、三鈴……。こんな、堅書くんに使うなんて……っ」
瑠璃は顔を真っ赤にしながらも、棚に並ぶ医療用シリコン製の尿道ブジーや、怪しく蠢く前立腺マッサージ機(エネマグラ)の数々に、じっと熱い視線を注いでいました。彼女の中の、三鈴によって開花させられた変態的な性癖のレイヤーが、直実という存在を前にして、急速にハッキングされていくようでした。
「堅書くん、瑠璃ちゃんを喜ばせるお勉強、今日は三人でしよ? これと、これも、ぜんぶ買って!」
三鈴の主導で、男を徹底的に苛め抜くための器具の数々とローションが購入され、三人はその足ですぐ近くのラブホテルへと滑り込みました。
ホテルの部屋のドアが閉まり、カチリと鍵がかかる音が密室に響きます。
「……堅書くん、ごめんね。でも、私……堅書くんのぜんぶが、知りたいの……っ」
瑠璃の瞳からは、もう恥ずかしさは消え去っていました。あるのは、愛しい恋人を三鈴と共に共有し、開発し尽くしたいという、底なしの情欲の輝き。
直実はベッドの上に仰向けに押し倒され、衣服をすべて剥ぎ取られました。
彼の根元には、早速三鈴の手によって冷たいコックリングが「ギチチッ」と嵌め込まれ、一瞬にしてカチカチに怒張したモノが白日の下に晒されます。
「じゃあ、この細いブジーを、堅書くんの前のお口に入れてあげる。瑠璃ちゃん、堅書くんが暴れないように、手を押さえてて!」
「うん……っ。堅書くん、力を抜いて……私のこと、ちゃんと見てて……っ」
大好きな二人の美少女に囲まれ、未知の快感の扉を開かれ、玩具のように責め立てられるという、極限の幸福と恐怖。尿道口にローションが垂らされ、シリコンの管が じわじわ と 挿入されようとしたその瞬間、直実の理性のヒューズは完全に消し飛び、三位一体の狂乱のセックスへと引きずり込まれていきました。
――尿道に挿入されたブジーが、ミリ単位で直実の最深部を抉るように進んでいく。
「ひうっ……! あ、あ、ぁ……っ!」
異物の圧迫感に直実が涙を浮かべて悶えるなか、さらに背後からは瑠璃の細い指によってローションを塗られた前立腺マッサージ機が、じわじわと後孔へと押し込まれていった。前後から同時に責め立てられる未体験の快楽と刺激に、直実の腰がガクガクと痙攣を始める。
コックリングで根元を締め上げられ、限界を超えて怒張したペニスは、もう一触即発の状態だった。三鈴が尿道のブジーを優しく前後に動かし、瑠璃が後ろの機械のスイッチを入れ、前立腺を直撃する激しい振動が走る。
「あ、ダメ……ッ! 出る、出ちゃう……っ!」
「ふふ、いいよ。堅書くんのぜんぶ、吐き出して」
三鈴がリングを緩め、同時にブジーと前立腺マッサージ機がずるりと一気に引き抜かれた瞬間、直実の身体が大きく跳ねた。全身が激しく痙攣する。
「ひっ……ああっ……!」
尿道口からどろりとした白濁が勢いよく溢れ出た。これまでせき止められ、前後から限界まで高められ続けた欲望が爆発したのだ。三鈴と瑠璃は満足そうに笑い、シーツの上に飛び散る直実の股間に顔を埋める。
「わぁ……すごい量。瑠璃ちゃんも一緒に味見しよ?」
「え?……う、うん」
瑠璃がおそるおそる舌を伸ばす。直実の精液が彼女の舌に触れた瞬間、彼女の目が妖しく輝いた。三鈴と二人で、直実の欲望を余すところなく舐め啜る。
「はぁ……っ。堅書くんの味、覚えたよ」
「ふふ。瑠璃ちゃんも覚えた? 私たちだけの、秘密の味だね」
二人の舌先が絡み合い、直実の精液を共有する。コックリングが外されても、彼のモノは硬さを保っていた。
「まだ元気だね。次はどうしよっか?」
「……じゃあ、私から……」
瑠璃が自ら直実のモノを跨ぎ、ゆっくりと騎乗位で迎え入れた。熱い粘膜が吸い付く感覚に、腰をくねらせながら喘ぐ。
「んあっ……三鈴、見てて……私、すごく幸せ……」
「いいなぁ。じゃあ私は、堅書くんのお口をいただきながら……後ろも攻めちゃうね」
三鈴が直実の顔の横に膝立ちになり、自分の濡れた秘部を彼の唇に押し当てながら、直実の背後へと回り込む。そして、直実の開いた後孔へ再び指を滑り込ませた。瑠璃の膣内で暴れる直実に、さらなる追い打ちをかける。
「ひぃっ! だめぇ……っ! 二人同時は……っ!」
「我慢しないで。私たちにぜんぶ頂戴」
瑠璃が夢中で腰を激しく振り下ろし、三鈴の指が容赦なく前立腺を圧迫する。上下と背後から挟み込まれる限界を超えた快感が直実を貫き、再び絶頂の波が押し寄せる。
「あああっ!! 出る……っ! 全部……っ!」
直実が瑠璃の奥深くへと二度目の精液を激しくブチ撒けると同時に、三鈴がその上に跨った。
「はい、次は私の番ね」
三鈴は瑠璃と入れ替わるようにして、直実のペニスをご自身の濡れそぼった蜜壺へと一気に沈み込ませた。
「んあぁっ……! 堅書くんの、すっごく熱い……っ!」
三鈴の端正な顔が快感で歪み、激しく腰を突き上げ始める。直実は、瑠璃の愛液と自分の精液でドロドロになった三鈴のナカの圧倒的な締め付けに翻弄され、ただただ突き上げられるままに翻弄されるしかなかった。瑠璃もまた、直実の顔の前に四つん這いになり、ローションとおへそから流れる愛液で濡れたお腹を直実の唇に擦り付けながら、三鈴との激しい抽送を見つめて声を上げる。
行き場のない快楽が体内で渦巻き、直実の意識が白く染まった。そのまま三鈴の奥深くへと何度も突き上げ、三人の熱が完全に臨界点を突破して、本日何度目かも分からない絶頂が部屋の中に響き渡った。
「ねえ、私たちずっと一緒だよね?」
「うん。三人でこの世界を楽しもう」
三鈴がキスを求め、瑠璃も応じる。直実を中心に三人の輪ができあがる。アルタラという名の監視網から逃れ、歪んだ自由を謳歌する彼らの宴は、長い夜のなかでようやく静まり返っていった。
「……はぁ、はぁ、っ……。堅書くん、すっごくたくさん、出ちゃったね……っ」
「ん……っ、なお、みくん……最高の、3人での初めて、だったよ……っ」
ベッドの上は、3人の流した汗と愛液、そして直実が二人のなかに幾度もブチ撒けた中出し精液が混ざり合い、真っ白でドロドロの快楽の沼と化していました。
何度も限界を超えて欲望を絞り出された直実の身体は、ビクンビクンと名残惜しそうに時折激しく痙攣し、涙を流して脱力していました。
彼の両脇には、へそ出しのエッチな服を肌蹴させた瑠璃と三鈴がぴったりと寄り添い、彼の胸元に頭を預けて穏やかな寝息を立て始めています。
純愛の恋人である瑠璃と、その親友である小悪魔的な三鈴。
二人の女の子を完全に「共有」し、また自身も二人の玩具として完璧に開発された直実の心には、もう罪悪感はありませんでした。あるのは、この完璧な密室のなかで、3人で溶け合っていくという、歪んだ、けれど圧倒的な幸福感だけ。
「……ねぇ、二人とも。また、みんなで出かけようね。……そして、またここで、いっぱいエッチなこと、しよ?」
三鈴がとろんとした瞳で直実と瑠璃を見上げ、悪戯っぽく微笑みました。
「うん、約束……。私、もうこの快感から、逃げられない……っ」
瑠璃もまた、直実のペニスを優しく愛撫しながら、愛おしそうに微笑みます。
アルタラの2027年という世界のなかで、3人の崩れた境界線を祝うように、夜の静寂がゆっくりと満ちていくのでした――。
(瑠璃、三鈴、そして直実の3人によるあまりにも淫らで幸福だった秘密の交わり。高校時代の終わりとともに、その楽園のような日々は、それぞれの未来へと進むはずでした。しかし、運命のシステムは、彼らに最も残酷なエラーを用意していたのです)
2027年、夏。宇治川の花火大会。
夜空を美しく彩る大輪の花火の下、直実と瑠璃は、人混みの中で固く手を繋いで歩いていました。少し離れた場所には、いつもと変わらない悪戯っぽい笑みを浮かべた三鈴の姿もあり、3人で過ごす賑やかな夜になるはずでした。
しかし、その瞬間、世界が真っ白な閃光に包まれます。
ゴォォォォンッ!!! と鼓膜を破るような轟音とともに、予測不能の「青い雷」が、直実の目の前で瑠璃の身体を真っ直ぐに貫いたのです。
「瑠璃ィィーーーーッッ!!!」
直実の叫びは花火の爆音にかき消され、彼の手の手前で、瑠璃の身体は嘘のように力なく崩れ落ちていきました。
病院の冷徹な廊下。医師から告げられたのは「脳死状態」という、あまりにも冷酷な現実でした。心臓は動いているのに、魂だけがどこか遠いレイヤーへハッキングし去られてしまったかのような、生ける屍。
あの幸福だった図書室の熱は一瞬にして凍りつき、直実の時計は、この日から完全にストップしてしまったのです。
(第五話・完)