※この作品はR-18です。

ANOTHER WORLD『レイヤー・ゼロ』   作:坂本太郎

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 カタガキ ナオミ(2037年)
 徐 依依(シュー・イーイー)(2037年)


第七話:虚数領域の取引(2037年)

2037年、情報管理センター(センター)。

「アルタラ」に記録された一行瑠璃の精神データを現実にサルベージする――その狂気とも言える計画のために、カタガキ・ナオミは20代となった今も、すべての人生を研究に捧げていた。

 

深夜2時。静まり返ったチーフ室で、ナオミは複数のホログラムディスプレイを浮かべ、違法なシステム構築のためのハッキングコードを走らせていた。

 

「……カタガキチーフ。またメインフレームへの不正アクセスですか?」

 

突如、背後の自動ドアが開き、冷徹な声が響いた。

そこに立っていたのは、中国から派遣されている優秀な量子情報技術の研究者であり、ナオミの共同研究者でもある徐依依(シュー・イーイー)だった。タイトな黒のオフィススーツに身を包み、知的な眼鏡の奥の瞳で、ナオミの手元のディスプレイを鋭く見つめている。

 

「徐か。……お前には関係ない。報告したければすればいい」

ナオミはキーボードを叩く手を止めず、冷たく突き放した。告発されれば、チーフの座も、瑠璃を救う計画もすべて灰になる。だが、ナオミの瞳には一点の揺らぎもなかった。

 

依依はゆっくりとナオミのデスクへと近づき、コンソールに細い指先を滑らせた。

 

「報告? いいえ、そんな損な取引はしません。……私は、あなたのその『あいつ(一行瑠璃)にしか向いていない狂気』が、ずっと羨ましかった」

 

依依の吐息が、ナオミの耳元をかすめる。彼女はナオミの前に回り込むと、自ら眼鏡を外し、デスクの上に腰掛けた。タイトスカートの裾が割れ、黒いストッキングに包まれた艶やかな太ももがナオミの眼前に晒される。

 

「データの中の死人を愛するように、私のことも愛してみて。……私があなたの『共犯者』になってあげる代わりに、カタガキチーフ」

 

依依は自らオフィススーツのジャケットを脱ぎ捨て、白いブラウスのボタンを上から3つ、躊躇いなく外した。露出した豊満な胸元、そして引き締まったお腹が、秘密基地のようなチーフ室の怪しい光に照らされる。

 

ナオミの喉が、ゴクリと鳴った。

瑠璃への絶対的な愛の裏側で、長年凍結させていた男としての本能が、依依の圧倒的なメスのフェロモンによって強制的にハッキングされていく。ナオミは依依の細い腰をガチリと掴むと、彼女をデスクの上の書類ごと乱暴に押し倒した。

 

「……後悔するなよ、徐」

「ふふ……後悔なんて、データの無駄遣いよ……っ」

 

ナオミは大人の大きな手で、依依のストッキングの股の部分を容赦なく引き裂き、すでに溢れ出していた彼女の最深部へと、特製のローションを注ぎ込むようにして指を突き入れた。深夜のチーフ室、巨大な演算機が駆動音を立てる密室の中で、大人二人の背徳的なハック(行為)が幕を開ける――。

 

ナオミはデスクに押し倒した依依を見下ろした。乱れたブラウスから覗く白い肌、引き裂かれた黒いストッキングからわずかに見える艶かしい太腿。冷徹な研究者が纏う知性の鎧が、今はただ官能を彩るスパイスに過ぎなかった。

 

「後悔しても知らないぞ」

低い声で警告すると、ナオミは依依の顎に指を添え、唇を塞いだ。それは獲物を味見するような、丁寧で容赦のない口付けだった。舌をねじ込み、歯列をなぞり、唾液を交換する。依依は最初こそ抵抗を見せたが、ナオミの巧みな舌使いに次第に力が抜け、甘い吐息を漏らし始めた。

 

「ん……っ…ふぅ……」

知的で冷静なはずの依依が、ナオミのキスだけで顔を紅潮させ、潤んだ瞳で見上げてくる。そのギャップにナオミの嗜虐心が刺激された。

 

キスを解くと、ナオミは依依のブラウスを更にはだけさせた。豊かな胸が露わになり、桜色の頂きが硬く尖っている。そこに顔を寄せ、舌でねっとりと舐め上げる。

「あっ……! や……そこは……っ」

依依は短く喘ぎ、体を捩る。ナオミはそれを許さず、片方の胸を手のひらで包み込み、円を描くように揉みしだきながら、もう一方の乳首を執拗に吸い上げた。

「ひっ……あ…チーフ……っ…そんなに……しないで……データの整合性が……っ」

 

普段なら計算結果の整合性を気にする彼女が、今は自分の体の変化に翻弄されている。その様が愉快で、ナオミは指先を下腹部へと滑らせた。引き裂かれたストッキングの隙間から指を忍ばせると、そこは既に熱く潤んでいた。

「お前も準備ができてるじゃないか。クールぶってても体は正直だな」

「そん……な…っ」

羞恥で顔を背ける依依の耳元に唇を寄せて囁くと、ナオミは持参していた特製のローションチューブを取り出した。通常の潤滑剤より粘度が高く、持続時間が長い、まさにこの状況を想定して用意したものだ。

「これは特別製だ。効き目は保証する」

言いながら、チューブの先端を依依の秘裂にあてがい、ゆっくりと注入していく。ひやりとした液体が体内に侵入する感覚に、依依の腰がピクピクと震えた。

「ひゃう……っ…冷た……あっ……」

 

ローションで更に潤ったそこへ、ナオミは指を二本滑り込ませた。内部を掻き回すように指を動かし、依依が一番反応する箇所を探り当てる。

「ここか? やっぱりお前のデータは正確だな。予測通りだ」

「あああっ! そこ……ダメ……っ! やっ……計算……が…できない……っ!」

 

依依はシーツ代わりの書類を握りしめ、背中を弓なりに反らして喘いだ。指で与えられる快感に、彼女の知性的な思考回路がショートしていく。ナオミは満足げに笑みを浮かべると、指を引き抜いた。銀色の糸を引くそれを依依に見せつけるようにすると、自らのベルトを外し始めた。

 

「さて、そろそろお前の望み通りにしてやる。俺の『ハック』、存分に味わえ」

隆起したモノを露わにすると、ナオミは依依の脚を開かせ、引き裂かれたストッキングの隙間から、猛る先端をゆっくりと押し当てた。十分に慣らされたそこは、侵入者を抵抗なく迎え入れようとする。

 

「あ……ああ……っ…大きい……っ」

依依は怯えと期待が入り混じった表情でナオミを見上げた。その瞳に宿る狂おしいまでの情熱。ナオミは一気に腰を進めた。

「んあああぁっ!!!」

依依の喉から悲鳴にも似た嬌声が迸る。根元まで深々と貫かれた衝撃に、彼女の瞳から涙が溢れ出た。

 

ナオミは依依の細い腰を両手でしっかりと掴むと、激しい抽送を開始した。デスクがガタガタと激しく揺れ、キーボードが床に落ちる音が響く。ナオミの獣じみた腰使いは、もはや理性的な男のそれではなく、ただ己の欲望と、届かない誰かへの執念を吐き出すだけの行為だった。

 

「あっ! あガぁっ! やっ……チーフっ……すご……っ! 脳の……回路が……焼けちゃう……っ!」

依依は言語中枢がショートしたかのように意味不明な言葉を叫びながら、ナオミの背中に爪を立てた。ストッキングに包まれた脚を彼の腰に絡みつかせ、自らも迎え腰を使い始める。

「もっと……ください……っ! カタガキチーフの……全部……っ!」

 

依依の理性は完全に崩壊し、ただ本能のままに男を求め狂っていた。ナオミはその変貌ぶりに昏い愉悦を覚えながらも、心の奥底では瑠璃の面影がちらつく。その矛盾が、彼の動きを更に苛烈なものにした。

「お前は……ただの代用品だ……っ! あいつ(瑠璃)の……っ!」

「それでも……いいっ! チーフの熱が……感じられるなら……ああんっ!」

 

二人の肉がぶつかり合う乾いた音と、依依の狂乱した喘ぎ声が深夜のチーフ室に響き渡る。ローションと愛液が混ざり合い、結合部からぬるぬるとした粘液が溢れ出てデスクを汚した。ナオミは依依の最奥を突き上げながら、彼女の耳元で囁く。

「ほら……俺の熱を感じるか? お前のデータはこれをどう記録する?」

「ふぁあっ! 記録……できない……っ! 数値化……不能……っ! 快感……しゅごい……っ!」

 

ついに限界が近づき、ナオミの動きが最高潮に達する。依依もまた、迫り来る絶頂の波に飲み込まれようとしていた。

「出すぞ……お前の奥に……っ!」

「きて……っ! ください……っ! たくさん……っ! ああぁーーーーっっ!!」

二人の体が激しく痙攣し、同時に果てた。ナオミは依依の子宮口を抉るように突き上げ、濃厚な白濁を大量に注ぎ込む。依依は絶叫し、背中を大きく仰け反らせながら絶頂に達した。ビクビクと何度も体を震わせ、ナオミが放った熱い奔流を受け止める。依依の秘部からは、耐えきれずに注ぎ込まれた精液が逆流し、引き裂かれたストッキングの隙間から溢れ出ていた。

 

荒い息遣いだけが室内に満ちる中、ナオミはゆっくりと自身を引き抜いた。依依は放心したように天井を見上げたまま、焦点の合わない瞳で虚空を見つめている。

 

「……はぁ、はぁ、っ……。カタガキ、チーフ……っ。すご、すぎ……頭の、コードが、全部狂っちゃう……っ」

「……フゥ、徐……お前、本当に、とんでもない女だな」

 

ホログラムの光だけが明滅するデスクの上で、二人は激しい結合の余韻に溺れていた。

散乱したキーボードや資料の上で、依依はブラウスをはだけさせ、引き裂かれたストッキングの隙間から、ナオミが何度も大人の力で激しく突き入れた痕跡を溢れさせていた。

 

ナオミはデスクに背中を預け、タバコに火をつけながら、未だに自分の胸元でビクンビクンと絶頂の余韻に震えている依依の頭を優しく撫でた。

一行瑠璃を救うためのシステムの中に、徐依依という「最強のバックドア(共犯者)」が作られた瞬間だった。

 

依依はナオミのなすりつけた熱い汁を、自分の指先で確かめながら、妖しくクスクスと微笑んだ。

 

「これで、私はあなたの『秘密のレイヤー』に入り込めた……。明日からの監査、期待していてね、カタガキチーフ」

「ああ。……頼むぞ、徐」

 

依依は乱れた衣服を直し、眼鏡をかけ直すと、いつもの冷徹な研究者の顔に戻ってチーフ室を後にした。

一人残されたナオミは、デスクに残る彼女の甘い匂いと愛液の残滓を見つめながら、一行瑠璃の眠るアルタラの画面へと、再びその執念の視線を戻すのだった。

 

(第七話・完)

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