いつものようにWGをプレイしにいくエン研一同。しかし不測の事態が起こりプレイを控えるようにJDに言われてしまう。怒る璃々子と杏音。その理由を聞くとどうも謎の人物がWGを勝手にプレイしているというものだった。
そのプレイヤーネームは≪KEI≫
もしもう会えないはずの人間に会えた時あなたはどうしますか?
オマケとして桜花ちゃんのお家でレオタードデートも収録しています。
?どこだ・・・ここ
気づけば知らない所にいた。見渡す限りの平原。こんなところ俺は見た事が無い。もしかしたらここが・・・そう思うと悲しくなる。俺一人だけで来てしまった事に。大切な・・・大切な・・・
「あれ?」
大切な・・・・なんだっけ?・・決して忘れてはいけないはずなのに・・・
必死に思い出そうとしても思い出せないそうしたら不意に声が聞こえた。
(名前を教えてください)
「名前・・・」
はて?なんでだろう。自分の名前すら分からない。俺は一体誰なんだ?
(名前を教えてください)
考え込んでいると再び声が聞いてくる。名前を言わなくてはこれから先進まない。そう長年の勘で分かる。だが全く思い出せないんだよな・・・
(でも・・・)
でもなぜだろう。その言葉を聞くと胸が弾む。それはまるで何か新しい事が始める。そんな予感がする。
「そうだ。じゃあ・・・」
ふと閃いた名前を書く。その名は俺の名前で無いのは分かる。でもこれがこの世界ではしっくりくる。そんな気がした。
「・・・・」
名前を口にすると俺の目の前に散らばったカードが現れる。
(これを混ぜてください)
また声が聞こえる。俺は言われた通りにカードをいじくって。その後ステータスを振り分け・・・なぜかここらへんは手慣れた手つきで動く。
そして全てが終わると
「これで準備は終わりです。さあ・・・楽しんでいってください」
さっきまでの無機質な声とは違った温かみのある声が聞こえた。それにしても・・・
(楽しむ・・・)
何度も経験したような感覚。多くの事を忘れてしまったのにも関わらずその感覚だけは忘れなかった・・・
《YES?READY》
(YES)
俺はそう高らかと宣言した。
「「WGが遊べない!?」」
杏音と璃々子の大声が部室に木霊する。10月のはじめ。授業も終わりWGをプレイしようと放課後エン研のみんなで部室に行った時の事だ。珍しくJDが部室前にいて何事かと思っていたらWGができないことを告げられたのだ。
「なんで?どうして」
「そうだよ。メンテナンスするって言って2週間もできなかったんだよ。ひどいよ。楽しみにしてたのに職務怠慢だよ」
「でもWGができないその間他のゲームで遊んでいたわよね・・・」
杏音の抗議に桜花が少し呆れた顔でいう。
「違うよ。桜花。ゴッハンとWGは別腹なんだよ。桜花だって秀穂と遊ぶのとデートは違うでしょ?」
「そ、それは・・・・まあ確かに・・・・そう・・・かも」
そして杏音の反論に桜花は困惑しながら速攻で言いくるめられていた。
「それで。できない理由は一体なんなんだ。何か不具合が見つかったのか?」
話が脱線しているので俺がJDに状況を聞く。
「いや不具合じゃないんだ」
そう言いながらJD自身もかなり困惑している様子で何か腑に落ちない。
「え?じゃあ一体なんでプレイできないんだ?」
「それがよー知らない奴がプレイしてるんだWGを」
「は?」
まさかの事態のみんな驚く。WGを知らない誰かがプレイしている?
「俺も最初知った時は驚いたぜ。昨日最終確認してた時にナビ子から知らない奴がWGをプレイしてるって言われて調べてみたら居たんだよ」
「あら?そもそもWGをプレイするのにゲームディスクを用いてましたよね?それをDS3にセットして・・・」
桜花がモニター画面を見ながら言う。エン研にあるゲーム機は動いていない。
「それもなんだ。どこからプレイしてるかも分からない。それにありえないことが発生してるんだ」
「あり得ない事?」
「そいつ・・・WGにログインしてから約10日間。今の今までログアウトした形跡が一切見られないんだ。ずっとそして今もなおゲームをプレイしている」
「は?つまりずっと今までWGに籠ってゲームしてるって事かよ。どこの廃人ゲーマーだよ・・・」
「ずるい私もずっとWGしていたい」
「いやリリス怒る所そこじゃないでしょ・・・というかアストラル体でそんな長時間居られることがあり得ないですよね?」
「そう・全くもってその通りだ。ずっとアストラル体でいるのは不可能だ。肉体に限界が来る」
「そうですね。食事をしたり眠ったりする必要もありますよね」
魔法使いである友梨亜が怪訝そうに言い。桜花も言葉を付け加える。プレイしている身だから分かるがWGをプレイしているから分かるが実際のゲーム同様プレイ中でも腹は減るし疲労もあり途中で集中力が持たなくなる。
「そう。本来あり得ない事がまた起こってるんだ。は~魔法の授業も本格的に始めて間もないのにどこのどいつだよ。こんな問題持ってくるやつは・・・ある程度のイレギュラーは想定していたがまさか知らないやつが好き勝手遊ぶなんて・・・・・・という訳だ。すまないがそいつの正体が分かるまで安全面を踏まえてWGをプレイするのを控えて欲しい」
頭をかきながらJDは俺たちに頭を下げる
「まあ確かに不審者がプレイしているなら仕方ないかー」
そんな風にお願いされてしまってはしかなたいと皆納得する。でも
「それは良いけど。何か手掛かりとかあるのか?そのプレイヤーに?俺たちも手伝うよ」
納得はしたがこのまま待っていられない。俺たちがプレイしているゲームだ。だからこそなにかJD達に協力したいと申し出る。その気持ちはエン研メンバー全員だ。
「それがさっぱり」
「そのプレイヤーの情報とかは分からないんですか?例えば顔とか性別とか」
「俺も確認しようとしてWGの記録を見たがそれがバグなのか意図的になのか顔なんか靄がかかってる状態で男か女も判別できない。そもそも最初に文句を言おうと接触を試みたがなぜか接触できないし」
「ん?それってつまりWGがそのプレイヤーをしっかりと認識してるって事?」
「そうなんだよ。だがらゲームのバグじゃないんだよ」
「じゃあもしかしてWGの開発関係者?」
「可能性はあるがWGの基礎はHALさんからもらって俺は誰か知らないんだよな~第一分からないような細工をする理由もないだろうし」
「じゃあまさかHALさん?」
「それは無いわ。お父さん今家にいるんだから。お母さんも一緒にいるし・・・あの・・・WGって魔法を使ったゲームなんだから魔法使いって可能性は?それなら正体が分からないように魔法を使ったり」
「それは無いと思います。言ってなかったんですけどWGってこっちで使える魔法が使えないんですよ。それに調査だからと言ってずっと遊んでるっていうはあり得ませんし」
「う~ん・・・そのまま遊び続けているってのがやっぱりしっくりこないところだよね」
「いっそのことやっぱり実はNPCとかそう言う可能性は?ふっふっふなるほどNPCがいつの間にか自我を持ちそしてプレイヤーを襲ってくる・・・痛」
「そんな事有ってたまるか 」
「・・・・・・・・・・・・」
「え?あるんですか」
黙り込むJDを見て友梨亜が心配そうな顔をする。
「無い。プレイヤーネームもしっかりとWGに登録されていた。後そもそもWGにPVPは組み込んでいないから襲ってくることは無い今のところ」
その後もみんなで色々と案を出してみたが結局どれも確信に付くものは出ず正解にたどり着くことはなかった。
「そういえばさっきプレイヤーネームが登録されてるって言ってたけど名前はなんなんだ」
俺はふと最初の事にJDが言っていた事を思い出し聞いてみる。
「ああ。プレイヤーネームは・・・《KEI》」