アナザールート集 作:通りすがりのモブ
天才子役有馬かな。
その名が世間に轟いていたのは今は昔の話。
旬を過ぎた天才子役は只人となり、世間から忘れ去られる。
女優として返り咲こうと、歌手活動をしたり、ネットドラマに出演したり、色々と活動したが有馬かなが女優として返り咲く事は出来なかった。
出会うべきして出会う筈の人物と再会出来なかった。そんな小さなスレ違いから、有馬かなの人生は輝かしい道から逸れていった。
「卒業、か……」
高校の卒業式を終え、有馬かなは桜舞う道を一人で歩いていた。卒業証書が入った筒を右手で弄びながら、行き慣れた道を俯き気味に進む。周囲からは同級生たちの賑やかな声が聞こえるが、彼女に声をかける者は一人もいなかった。
親しい同級生や後輩なんていないし、仕事を通じて仲良くなった同業者もいない。
「私も潮時かな……」
自嘲気味に呟いた言葉が風に溶ける。かつては業界関係者からちやほやされた天才子役の面影は、今や見る影もない。
引退の二文字が脳裏に過ぎる。
芸能界への未練はあるが、再び輝ける自信は失っていた。
(演技の努力は欠かさなかったし、オーディションには何度も挑んだ。いくつか仕事もした……)
けれど、返り咲く事は出来なかった。
芸能界でのし上がるための才能も、それに必要な努力も備わっていると自負している。それはかつての傲慢さを反省し、客観的に自己分析した上での結論だ。
足りなかったのはコネと運。
何か切っ掛けがあれば、何か再び有馬かなを世に出す為の巡り合わせがあれば、何かが変わっていたかもしれない。
しかし、そんな星の巡りは訪れなかった。
(もう、疲れたわね……)
引退しよう。そう決断しようとしたタイミングでスマホが鳴り、習慣のように画面を覗き込む。そこには見覚えのない宛先からのDMが届いていた。
【有馬かな様。株式会社フォーレンエンジェルの馬場と申します】
その名前にかなは眉を顰めた。
フォーレンエンジェル──元アイドルや女優を専門に起用するとして有名なアダルトビデオ制作会社だった。
【お察しの通り、有馬かな様のご経歴を存じております。過去に大変ご活躍された方々に新たなステージをご提供するのが弊社の理念です。この度は是非、我が社で新たなステージをご提供できればと思いご連絡させて頂いた次第で御座います。もしご興味が御座いましたらご返信頂けますと幸いです】
ふざけるな。
私はそこまで落ちてない!
少し前のかなならそう激怒していたかもしれない。けれど……
(AV女優、か……)
不思議と微塵の怒りも沸かなかった。
寧ろ、引退を決意しようとしたタイミングでのこの連絡──ちょっとした運命すら感じていた。
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
必要な契約を済ませて、AV撮影当日。
かなは今まで感じてきた緊張とは別種の緊張をしながら、撮影現場となるラブホテルに訪れた。
「有馬かな入りまーす!」
「「「お疲れ様でーす」」」
現場には筋肉質なAV男優、監督、それに数人の撮影スタッフが集まっていた。
スタッフが着々と撮影準備を始める傍ら、かなは最終的なエチケットとしてシャワーで身を清め、歯を磨き、カジュアルな服装に着替えてベットに腰掛けた。
撮影準備が整った──もう後戻りは出来ない。
「よーいアクション!」
照明に照らされ、カメラが回る。
「まずは自己紹介して貰える?」
まずは基本的なインタビュー。
「あ、有馬かな19歳です。昔は10秒で泣ける天才子役として活躍してました」
「なんでAVに?」
「えっと、その……売れなくなって仕方なく……」
今回の撮影には台本はない。
ありのままの有馬かな。それが今回の撮影のテーマだった。
性に関する体験も知識も乏しいかなにとっては、有り難い事だった。
「初体験はいつ?」
「ま、まだです」
「処女って事?」
「は、はい……」
「初体験をAVで捧げちゃって大丈夫?」
「問題ないです……どうせ好きな人も居ないですし」
このまま大事に取っておいても、処女を拗らせる未来しか見えない。なら価値のある時に最大限有効活用する方が合理的だろう。それもAVデビューを決断した理由の一つだった。
「週にどのくらいオナニーする?」
「しないです。そんな事してる時間があれば演技の練習してました」
「過去にオナニーした事は?」
「中学生の頃に何回か……」
「気持ち良かった?」
「いえ、別に……」
「じゃあ、ほぼ性経験ないんだ」
「そうなりますね」
基本的なインタビューが粛々と続いた。
「じゃあ、まずはかなちゃんが処女である事を照明してもらおうか」
「…………はい」
遂に来たと、かなは羞恥心で顔を赤らめながらズボンの紐に指を掛け、紐を解いてズボンを脱いだ。赤い下着が顕になって、パンツに指を掛けてゆっくりと脱ぐ。
フラッシュが焚かれる。内股になってベットに座り直すと、男優がかなの足を広げて、カメラにかなの秘所を晒した。
更にフラッシュが焚かれる。かなは羞恥心に顔を覆った。
その間にもかなの秘所はカメラに晒される。
「へぇ、本当だ。処女膜がある。おまんこも綺麗なピンク色だ」
男優の吐息が秘所に吹き掛けられると、かなは思わず身を捩らせた。指とは違う温かいものが割れ目をなぞる。ぺちゃっ……という音が静かなスタジオに響き渡り、羞恥心と快感が背筋を駆け上がった。舌先がクリトリスを探り当てると、体全体が跳ねる。
「んぁっ……!?」
ほぼ性体験のないかなにとって、それは未知の体験といって良い感覚だった。
声を押し殺そうと噛みしめた拳からはみ出た嬌声がスタジオに微かに響いた。男優の舌先は執拗に秘裂を上下になぞり、ぷくりと膨らみ始めたクリトリスを包み込むように愛撫する。思わず腰を浮かして逃げようとすると──
「まだ動かないでね」
──という無感情な声と共に押さえ込まれる。
「んぅっ……! ひぁっ……!」
制御できない身体が男優の唇を押し付けた形となり、更なる密着へと導く。舌が膣口を探るように浅く入り込み、内部の柔らかな部分を擦られるたびに内股が痙攣した。
「あ……もう……だめ……これ以上は……っ!」
切羽詰まった訴えが虚空へ消える。男優の吸い付きが加速する中、下腹部で沸騰するような熱さが頂点へと向かって膨れ上がり──
「あっ──ッッ!」
喉から搾り出されるような短い叫びと共に、かなの全身が硬直した。腰がガクガクと宙に浮いたまま震え、押さえ込まれていた足先がピンと伸びる。溢れ出す体液がシーツに染みを広げていく。
フラッシュが激しく焚かれ、かなの絶頂シーンを記録する。
絶頂の波が引いていくと同時に、かなの体が糸の切れた操り人形のように崩れ落ちた。荒い呼吸が乱れたリズムを刻む。胸が激しく上下し、汗で濡れた前髪が額に張り付いている。焦点の定まらない瞳は涙で潤み、どこか遠くを見つめているようだった。
「ハデにイッたね」
男優の淡々とした声がかなの耳朶を打つ。カメラマンがすぐさまレンズを寄せ、紅潮した顔全体を捉えた。放心した表情の中にわずかな戸惑いが浮かび上がっている。快楽に支配された自我が徐々に戻りつつあるかのようだ。
男優の手がかなの白いシャツのボタンにかかった。彼女はまだ虚脱感から完全に抜け出せず、抵抗の意思を示すこともなくされるがままになっている。ひとつひとつボタンが外されるごとに、汗ばんだ肌があらわになっていく。全てのボタンが外れるとシャツが両側へ広げられ、赤いブラジャーが顕になった。
そのままブラジャーのホックに手が伸びる。赤い布が取り去られた瞬間、小振りだが形のよい乳房が照明の中で露わになった。乳首は緊張と興奮で僅かに硬くなっている。
フラッシュが焚かれ、かなの恥部を余すことなく記録していく。
「きれいだ」
短い称賛の言葉と共に、男優の唇がかなの左乳首に吸い付いた。同時に右手にはローションボトルから滴る液体が光っている。冷たい感触がかなの内股に塗り付けられ、
「ひゃっ……!」
か細い悲鳴が漏れた。粘り気のある液体が割れ目の周囲に広がる。男優の指が慎重に秘裂を押し開き、中指を滑り込ませた。
「あっ……んんっ……」
乳首を舌先で転がされる刺激と同時に膣内へ異物が侵入する感覚。かなの腰が自然に浮き上がりそうになる。男優の指は内壁を押し広げながらローションを塗り込んでいく。
膣内は十分潤ったと判断すると男優は指を抜き、手早く全裸になって勃起した肉棒をかなに突き出した。
初めて目にした勃起した肉棒にかなは息を呑んだ。血管が浮き出て脈動する生々しい器官を前にして、無意識に唾を飲み込む。
「じゃあ、これを」
男優が差し出したのは透明なローションボトル。
恐る恐るとボトルを受け取る。普段スキンケアに使うローションよりも明らかに粘度が高い液体を手のひらに垂らすと、照明を受けて妖しく光った。冷たい感触に指先がぴくりと反応する。
「うわ……」
思わず漏れた声。粘り気のある液体でぬるりと濡れた手で男優の怒張に触れる。想像以上の熱さと硬さに驚いた。指が沈み込むような弾力と同時に、芯にある確かな硬さを感じる。
(こ、これが男の人の……こんなの本当に挿るの?)
これが数分後には自分の体内に出し入れされることを想像すると、本当に入るのかという不安がこみ上げてくる。
しかし時間は残酷に過ぎていく。
「もう十分だよ。かなちゃん」
男優が告げた瞬間、かなはベットに押し倒された。
「あっ……」
か細い声が漏れる。仰向けに横たわった彼女の下半身に向かってカメラが一斉に焦点を移した。これから起こる行為を記録しようと複数のレンズが近づく。様々な感情が心の中で渦巻く──恐怖と好奇心、羞恥と期待。心臓の鼓動が耳元で爆発しそうなほど大きくなっていく。
「挿れるね」
男優の肉棒がゆっくりと秘部に押し付けられる。濡れた亀頭が柔らかな入り口を探るように動き、冷たくて熱い矛盾した感触に背筋が粟立った。
(これが私の初めてか……私らしいと言えば私らしいわね……)
売れない女優がAVや風俗に流れ着く話はこの業界では珍しくない。仕事を得る為に枕営業なんてのも日常茶飯事。
好きな人を見つけて結ばれる。そんな初めてを迎え方をする方が稀だろう。少なくともこの業界では……
そんな事を考えている隙に、肉棒が押し込まれた。
「いぎっ!?」
膣内に異物が入る不快感。
処女を奪われたのは一瞬だった。
(あーあ、初恋もまだなのに処女捨てちゃった……)
胸の中で空虚な溜息が漏れた。
「気分はどう?」
(正直痛いちゃ痛いけど、微妙な痛み……でも、下手に男遊びしてたとか思われたくないから痛がっとこ)
かなは持ち前の演技力で目尻に涙を浮かべて答えた。
「す、少し痛いです……」
「大丈夫?一旦抜こうか?」
「い、いえ。大丈夫です……」
少し過剰に痛がりすぎたかもしれない。
全く痛くない訳では無いが、撮影を止める訳にもいかないので、かなは「構わず動いて下さい」と続けた。
「そう?なら遠慮なく」
男はゆっくりと腰を動かし始めた。
「ん……っ」
肉棒が引かれるたびに膣壁が引きずられる感覚に声が漏れる。
再び押し込まれると内臓を押し上げられる鈍い圧迫感。ローションの冷たさが摩擦を減らし、同時に男優の肉棒から伝わる体温が下半身に広がっていく。相反する感覚が混じり合い、形容しがたい不思議な疼きとなって背筋を這い上がる。
「かなちゃんの膣内。ヌメヌメでキツキツで気持ちいよ」
「あ、ありがとう御座います……」
パンパンと腰がぶつかる音が次第に大きくなっていく。
男優が腰を振る度に痛みが薄れていき、肉棒が膣内を擦る感覚に、かなは性的快感を感じていく。
「あっ……あっ……っ」
抑えきれずに漏れる喘ぎ声が部屋に響く。カメラのレンズが彼女の表情を捉えているのも気に留めず、かなは唇を半開きにして息を弾ませた。
「どう?気持ちい?」
問いかけながら男優はさらに奥へ突き入れた。かなは言葉にならない声を上げて腰を浮かせかける。
「きも……ち…い……です……」
喘ぎ交じりの返答に男優は満足げな笑みを浮かべ、腰の動きを加速させた。
パンッパンッパンッ──!
男優の腰使いは容赦なく、かなが快感に耐え切れず腰を浮かせてもすぐ押さえつけられ、逃げ場のない快楽が彼女の全身を絡め取っていく。
「はあっ……あんっ!やっ……!」
突き入れられる度にかなは爪先を伸ばし、腰が弓なりに反り返る。かつて経験したことのない強い快感の波が下半身から押し寄せていた。
溢れた体液が臀部を伝ってシーツに染みを作る。カメラがその結合部をクローズアップする度、かなは羞恥と興奮の狭間で身悶えた。
(これがセックス……!こんなの知ったらもう……)
「はあ……はあ……そろそろイきそうかも」
男優が荒い息遣いで宣言する。動きは一段と激しさを増し、かなを追い詰めるように抽挿のリズムを早める。
「わ……わたしも……イきそうです……」
男優の腰使いが最高速度を迎えた。
「あっ!もうダメ……イっちゃう!」
断末魔の叫びと共にかなは絶頂へと昇り詰めた。膣内が収縮し、男優の肉棒を強く締め付ける。同時に男優も限界を迎え、低く唸りながら最奥へと突き入れた。
「出すぞ……!」
次の瞬間、熱い精液が膣奥へと放たれた。ドクンドクンと脈動する射精を直接受け止めながら、かなは意識が白濁する感覚に陥った。熱い塊が体内で拡がっていくのを感じ、余韻の中で深い息を吐く。肉棒が引き抜かれると、ぽっかりと空いた膣口から白濁液がどろりと溢れ出しシーツを汚した。
「は……はあ……」
激しくフラッシュが焚かれる。
肉棒がかなに近づけられる。何を求められているのか理解するのに時間はかからなかった。
「……」
かなの唇がゆっくりと開かれる。男優が腰を落とし肉棒が口腔へと押し込まれる。
精液、愛液、そして破瓜の血の味が入り混じった不快な生臭さが口の中に広がる。
「良いよ。かなちゃん。そのまま舌を動かして先っぽを舐め回して」
低い声に促され、かなは抵抗感を押し殺しながら言われた通りに動いた。舌先で鈴口を円を描くように舐め、時折鈴口に浅く舌を差し入れる。唾液を絡ませるように丹念に舐め上げるうちに、萎れかけていた男優の肉棒が口内で少しずつ膨らみ始めた。
「十分だよ。四つん這いになって」
男優の簡潔な指示に従い、かなはゆっくりと体を起こした。腰が少し重く感じられたが、それを押し切るように四つん這いの姿勢をとる。カメラのレンズがすぐ目の前に迫り、撮影スタッフたちの複数の視線がかなの剥き出しの背中へ注がれているのが気配で分かった。
「挿れるよ」
男優が肉棒を膣口にあてがう。
「はい……っ」
短い承諾と共に熱い塊が再び押し入ってきた。一度開かれた道とはいえ、新たな体位での進入にかなの腰が微かに引ける。
「んっ……はうっ」
甘い吐息が漏れた。先ほどの正常位とは異なる角度からの摩擦が背筋を這い上がる。カメラレンズが結合部を至近距離から狙っているのが見え、羞恥心が一気に湧き上がる。
ピストンが始まり、肌がぶつかる乾いた音が響く。
「んっ……あっ……!」
最初はゆっくりとした抽送だったが、男優の腰遣いは次第に深く激しさを増していく。子宮口近くを押し上げられるたびに、かなは背筋を弓なりに反らせて喘いだ。
「やっ!そこ……すごっ……いっ!」
突かれる度に喉奥から甘い声が押し出される。男優の腰使いが徐々に鋭敏さを増し、敏感な一点を擦り上げるたびにかなは一際大きな声を迸らせた。
「んんっ!……ああっ!」
「ここが気持ちいんだね」
かなの反応から弱点を探り当てた男優はニヤリと笑みを浮かべた。腰使いが変化し、的確に同じ箇所を押し上げるような抽送が始まる。
「ああん……ダメ……そんなにされたら……また……イッちゃう……!」
拒絶の言葉とは裏腹に膣内は喜びに打ち震え、肉壁が男優を求めるように絡みつく。パンッパンッという乾いた打音の間隔が次第に短くなり、絶頂への階段を急ピッチで登っていく。
「駄目っ……もう……あっ——!」
宣言と同時にかなは全身を硬直させた。ビクンビクンッと痙攣するような震えが腰から背中へと走り抜け、膣内が搾るように収縮した。
「次はかなちゃんが動いてよ」
男優はそう言うと、ベットに仰向けになった。股間では依然として勃起した肉棒が天を指していた。
「はい……」
覚束ない足取りで膝立ちになると、脚を開きながら男優の腰に跨り、震える手で肉棒を支えるとゆっくり腰を落とした。
「んっ……」
先端が陰唇に触れた瞬間、微かな抵抗を感じる。それでも体重をかけるとズプッと肉棒が沈み込んでいく。自分の中で異物が再び動き始めた感覚に背筋が粟立つ。
「はあっ……挿った……」
「いい子だね。動いてみて」
男優が促すように下から腰を軽く突き上げると、かなは覚悟を決めたように動き始めた。最初はぎこちなく前後に揺れただけだったが、徐々にコツを掴み始めると大胆に上下運動を加える。
「こう……ですか?」
「そうだよ……上手だね」
徐々に腰使いが大胆になり、男優の腹筋に手をついて支えながら前後にグラインドさせる。自らの意志で快楽を引き出せる騎乗位の魅力に気づき始めたかなの動きは艶めかしさを増していった。
「ん……んっ……!」
「上手いよ……そろそろ俺も限界かもしれないな」
「私も……また……イッちゃいそう……!」
互いに昂る情欲を隠すことなくぶつけ合う二人の動きが激しさを増していく。かなの腰が絶頂へと近づくにつれ騎乗位の上下運動は暴れ馬のように荒々しくなった。その荒々しさに合わせて肉棒も脈打ち、限界が迫っていることを知らせている。
「一緒にイクぞっ……!」
「はいっ……お願いします……!」
ラストスパートをかけた男優が腰を跳ね上げると同時にかなも大きく身を捩りながら絶頂を迎えた。膣内は痙攣し何度も収縮して肉棒を搾り上げると同時に熱い迸りが最奥で爆ぜた。
「ああぁっ……!!」
最後の一滴まで注ぎ込まれる感覚と共にかなは崩れ落ちるように男優の胸板へ倒れ込んだ。汗と体液で濡れた肌同士が密着する熱さを感じながら長い溜息を吐き出した。フラッシュライトの光だけが二人の余韻を記録し続けていた。
(最初はAV女優なんてと思ったけれど──)
汗で濡れた前髪を掻き上げながら、かなは虚ろな眼差しで天井を見つめていた。初めてのSEXを終えた疲労感と共に、確かな充足感が胸の奥に灯っている。カメラが近づき、彼女の表情を克明に映し出した。
(意外と天職だったのかも──)
世界観の解説
アクアとルビーが高校面接を終えた後に再開せず、すれ違った世界線の有馬かな。
学年が違う上、10年以上前に1回だけ会った仲なので校内で2人を見かけても、それがアクアとルビーだと気づけず卒業を迎えた。
アクアと再開しなかったから「今日あま」は大爆死で終わり、ルビーと再開しなかったのでアイドルになる事も、第二のブレイクを果たすこともなく元天才子役として埋もれ、引退を決意しようとしたタイミングでAVのオファーを受け、AVデビュー。