彼女はベッドに固定されていた。
薄い白いシーツもかけられず、全裸のまま。
両手首はベッドの柵に柔らかい拘束具で繋がれ、足も同様に固定されている。
精神的に追い詰められた彼女は入院当初、
何度も自分の体を爪で掻きむしり体を傷つけたのだ。
下腹部からは透明なチューブが伸び、カテーテルが膀胱に挿入されている。
尿は自動的にバッグへ流れていく。
彼女は自分の意思でトイレに行くことさえ許されなかった。
体は動かず、視線だけが天井の白い蛍光灯を追う。
部屋には常に監視カメラが設置され、24時間体制で看護師や医師がモニターを通じて状態を確認していた。
彼女がこうなったのは、あの夜の出来事からだ。
見知らぬ男たちに無理やり犯され、処女を散らされた。
警察に保護された後、病院に運ばれて身体の治療と並行して精神科での保護入院が決まった。
トラウマが強く、自傷のリスクが高いと判断された結果がこの全裸での拘束だった。
病室の天井には小さな監視カメラが設置されていた。
自殺企図のリスクが高い患者として、24時間体制でモニタリングされていたのだ。
部屋の監視カメラ映像は、院内の限られた職員だけが見られるはずだった。
しかしある夜、職員の操作ミスでその監視映像がインターネットにライブ配信された。
誰も気づかないまま、数時間にわたり、彼女の全裸の拘束された姿が世界中に流れ続けた。
カテーテルから滴る尿の様子、わずかに震える指先、時折こぼれる小さな嗚咽まで。
コメント欄は、容赦なく溢れた。
「かわいそう」
「でも興奮する!」
「このこ中学生ぐらい?」
彼女の全裸の体、拘束された四肢、カテーテルが繋がれた下半身。
微かに動く胸の起伏、時折漏れる苦しげな吐息。
顔はぼかされていなかった。
誰でも彼女の表情をはっきり見ることができた。
視聴者は増え続け、コメント欄には好奇と欲望と嘲笑が溢れた。
配信はすぐに止めらたが、
責任の追及を恐れた担当者はこれを隠蔽した。
しかし・・・
誰かが録画し、誰かが拡散した。
やがてそれは、掲示板や動画サイトの片隅に、無数のコピーとして根を張った。
数週間後、彼女の状態は少しずつ安定した
投薬とカウンセリングを重ね、自傷のリスクが低下したと判断されて拘束は徐々に解除された。
カテーテルも外され、ようやく自分の足で歩けるようになった。
長いリハビリの末、彼女は退院した。
社会復帰を目指し、通院を続けながら過去を忘れようと努力した。
前を向こうとした。
学校にも通い始めた。
制服に袖を通し、通学路を歩く足取りは少しぎこちなかったが、彼女は普通の学生に戻ろうと努めた。
友達も出来た。すべてが日常に戻ったように見えた。
しかし、数週間が過ぎたある日の放課後、
クラスメートの男子が彼女の隣の席に寄ってきた。
スマホを片手に、にやけた表情を浮かべている。
「あのさ……これ、君じゃない?」
おしまい