小気味よい銃声が響く中、エレナ・フィッシャーは用心深く周囲にカメラを向ける。
彼女のそばにいるのはネイサン・ドレイク。小銃を構え、襲い来る犯罪組織の者どもを蹴散らす彼のそばで、エレナはカメラを自分の方に向ける。
「今、銃撃戦が――」
カメラに向かって淀みなく言葉を継ぎながら、片方の手でブロンドヘアの分け目を直す。
ハンディカメラが捉えるエレナの姿は、アドベンチャー番組で司会を努めている時よりは薄汚れていても美貌は損なわれていない。髪をかきあげる姿も様になっていて、常に見られる仕事をしている者特有の美しさがカメラに記録されてゆく。
エレナがカメラに向かってここまでの事情を話しているうちに、銃声は止んでいた。
カメラから周囲に視線を向ければ、二人を襲った脅威はひとまず去った模様。いつの間にか力が入っていた肩を軽く回して、エレナはネイサンに微笑みかける。
「ありがとう、助かったわ」
エレナに対し、ネイサンは厳しい表情で銃をリロード。
「傭兵はまだ来る。油断は出来ないぞ」
ネイサンの頬を汗が伝う。警戒し続けるネイサンの表情に焦りの色を見て取ると、エレナは静かな微笑を浮かべてネイサンに呼びかける。
「大丈夫。二人なら何とかなるわ」
整った顔に浮かぶ微笑みは確信に満ちていた。そんなエレナの姿を見たネイサンの肩からもほっと力が抜け、目元が和らぐ。
「――ああ、そうだな」
こうして二人の道行は続く。
この時は、この先に何が待ち受けているかなどまったく想像もできなかった。
●
それから数時間後。
エレナは、たった一人で暗がりに佇んでいた。
「ここは……」
地下施設だろう、古ぼけた室内は薄暗く、カメラ越しにも肉眼にも中の様子はよく見えない。
天井に入ったヒビからは外の音と光が漏れ出る。間欠的に聞こえる銃声はネイサンのものに思えて、エレナは眉を寄せる。
(早く合流しないと)
壁に手を当てると、コンクリートの冷ややかさが手のひらから全身に広がるよう。
解決の糸口も見つからないまま気は急くばかり。カメラを携えたエレナはきょろきょろと周囲を見回しながら、とにかく足を進める。
(階段はどこ? 出口は……)
頭の中で地図を作りつつ先を急ぐと、不意に前方で気配が膨らむ。
「ッ!!」
思わず身構えるエレナの目の前に、何とも言いがたい異形の者どもが現れた。
「――これは……!」
ひと目で、それがもう人間ではないことは明らかだ。
ヒトの形に似た、しかしヒトであることをやめてしまった禍々しい存在。彼らはぞろぞろとエレナの前に現れると、あっという間に彼女を取り囲んでしまう。
「何なの……!?」
隙間なく包囲され、エレナは警戒心から怪物たちを睨みつける。
エレナの手にあるカメラもまた、怪物たちの姿を捉えていた。
緊張状態にあるエレナは気付かないことだが、怪物たちの視線はエレナの全身に注がれていた。
彼らがヒトの女を見るのはいつぶりのことか。彼らの目には、エレナの姿は実に好ましく映っていた。
「――」
整った顔に流れるようなブロンドヘアはもちろん、彼らの目を惹くのはエレナのプロポーションだ。
タンクトップの襟ぐりは大きく開き、胸の谷間が覗いている。華奢な、それでいて健康的な素肌には土埃がついているが、それがかえって肌の白さを引き立てる。
バストの膨らみは若々しく、ウエストのくびれは女性的だ。ジーンズを穿いていてもヒップの引き締まった質感は見て取れて、怪物たちはジロジロとエレナの姿を眺め回す。
「……?」
怪物どもの舐めるような視線を受けて、エレナは訝るように彼らを見回す。
ヒトとは違うものに成り果ててなお人間と同じ審美眼を持つ怪物たちにとって、エレナは殺すべき相手ではないらしい。
いつまで経っても襲いかからない彼らの後ろから一体の怪物が現れたかと思えば、怪物はそのモノのために道を空ける。
「――これは……」
現れた一体が、怪物たちの輪を抜けてエレナの前に立つ。
エレナが見上げるほどの巨体や鋭い眼光からして、ソレが彼らのボスであることは疑いようもない。
「あなたは、」
「王だ」
たった一言、その怪物は――王は告げた。
それ以上の名乗りはなかった。王は上から下へ、下から上へと何度もエレナを眺めてから、エレナの双眸に視線を合わせ、こう告げた。
「お前が、妃となれ」
「――何を言っているの」
唐突な発言にエレナの反応は冷ややかだ。
緊張はピークに達しているが、それ以上に怪物と言葉を交わす高揚感も強い。レポーターとしてこの上ない映像を撮っている事実に心臓を跳ねさせながら、エレナはさらに問いを重ねる。
「あなた達は何? ここで何をしているの?」
王は答えない。
代わりに彼は天井を指した。頭上――地上からは依然として銃声が響き、ネイサンが戦い続けているのが分かる。
「我々なら、あの男をすぐに殺せる」
「!」
発言に、自分でもあからさまなほど息を呑んでしまう。
「我に従うなら、あの男の命は助けよう」
「……それで、私に妃になれと?」
なおも問いを重ねるエレナに、王は重々しく頷いた。
「難しいことはない。夜伽をし、我を受け入れるだけのこと」
「それって――」
エレナの全身に緊張が漲る。
妃となるよう求められた時点で、その可能性は頭にあった。エレナの予想した通りに口に出されたその求めにはっきりと侮蔑の表情を浮かべるが、それでもエレナは深く溜息をつく。
「……約束よ」
王が嘘をついていないことは直感していた。
この怪物は約束を違えない――エレナが従う限りネイサンの身の安全は保たれ、エレナが抗うならすぐにでもネイサンの命は奪われるだろう。
不承不承といった様子で頷くエレナを前に、王は満足そうに溜息を漏らす。取り囲む怪物たちの放つプレッシャーがわずかに和らぐ中、王はエレナにこう告げる。
「我が妃よ。服を脱ぐのだ」
「……ッ」
強い抵抗が湧くも、逆らえるわけもない。
躊躇う指先は遅々としてジーンズを脱ぎ始める。長い脚にフィットする硬い布地を足首まで下ろせば、地下には眩しいほどの美脚とともにショーツがあらわになる。
「……」
「……」
「……」
美しい肢体を前にしても、誰も何も言わなかった。
王は静かにエレナの美体に見入る。冷ややかな地下の温度が増したように感じられるのは、怪物たちの欲情のためとも、エレナの羞恥心のためとも思えた。
「……」
続いてタンクトップに手をかける。
エレナの温もりを残した衣服は、傍らに置かれたカメラの横に。カメラは王の方に向けられ、下着姿に追い込まれたエレナの姿を映してはいないが、衣擦れの音を聞けば何が起きたかは明らかだろう。
(こんな場所で裸になんて――)
ブラジャーのホックに手をかけて、エレナは王を睨みつける。
王は依然としてエレナを見つめたまま。しかし視線はエレナの肢体に注がれて、異形の身にふさわしい卑しい欲望を抱えていることは明らかだ。
「……ッ……」
歯噛みしながらブラジャーを、続けてショーツを脱ぐ。
――布が落ちる軽い音がして、エレナは怪物たちの前に完全な裸を晒すこととなった。
「……ほう」
全裸で向き直るエレナを前に、王は軽く息を漏らす。
服の上からも分かっていた通り、エレナの裸身は完璧な美しさだった。ハリのある乳房はブラジャーの支えがなくともツンと前向きで、美臀の膨らみもあいまって腰の華奢さが強調される。手足もスラリと長く、レポーターではなくモデルでも通用するだろう。
王の視線は、エレナの恥部に注がれる。
髪の毛と同じ淡色の陰毛はハイジニーナ処理が済み、一本も残っていない。つるんと清潔そうな恥丘に走る陰唇のスジすら整っていて、その場所を見た者は怪物であってもエレナの膣に思いを馳せてしまうだろう。
「次だ」
告げる王の声は心なしか上ずっていた。
「お前から夜伽を強請るのだ。四つん這いになり、我にその場所を開いてみせよ」
「な――何を言っているの……!」
王の要求に、思わず鼻白むエレナ。
裸を晒すのだって嫌でたまらないのに、王はエレナにおねだりまで求めるのだ。
(人を何だと思って――!)
屈辱感に顔を染めるエレナを見ても、王は態度を変えない。
なおも躊躇うエレナだが、不意に王が目を細める――それから天井を指差し、問いかけるような視線を投げかけるのだ。
(……私がやらないと……)
言葉こそないが、その仕草は脅しだった。
早く従わなければネイサンに危険が迫る。彼をそんな目に遭わせるわけにはいかないエレナは強く唇を噛み、仕方なしに床に膝をつく。
(今は耐えるのよ)
自分に言い聞かせながら、王に言われた通りの四つん這いに。
王の目の前にはエレナの美しい尻の割れ目がある。鍛えられて美しい円みを帯びたヒップが屈辱に震えるたび、震肩甲骨が浮き出た背中に垂れる金髪はきらめく。
王の視線は、エレナの秘部に向けられた。
女のスリットは綻び、目を凝らせばサーモンピンクの粘膜が見える。極度の緊張に晒され、不本意な性交に挑まされるエレナの恥部はまったく濡れていなかったが、それも今だけのことと王には分かっていた。
「――わ……私、と――」
そんな格好のまま、エレナは口を開く。
「私と……し、シて……」
いつもの歯切れ良い言葉とは違う、どもりながらのおねだりだった。
「――挿れて……ください……」
「良かろう」
拙いおねだりに頷く王は、エレナのその場所に切っ先を合わせる。
「!」
すでに王の肉刀はこれ以上ないほど勃起していた。巨躯にふさわしいマグナムはヒトの陰茎とほぼ同じ形だが、長さも太さも段違い。カウパー汁らしきものでぬめる雄頭が淫唇に触れると、ぐちゅりと音を立ててラビアが割り開かれる。
「……っう……?」
その瞬間、何か奇妙な感覚がエレナの全身を駆け抜ける。
(今のは――)
恐ろしさや嫌悪感とは程遠い。
今までに味わった感覚の中で喩えるなら――と頭が回転しかけるが、エレナは必死にそれをせき止める。
(ダメよ、考えたら……!)
何か恐ろしい結論に行き着いてしまいそうで必死にかぶりを振るエレナの秘所に。
ズブリと、肉棒が押し込まれる。
「ッうぅう……!!」
膣穴がこれ以上ないほど広げられ、鋼鉄が奥深くへ突き立てられる。
エレナの身体には大きすぎる巨根を、濡れてもいない膣に押し込まれたというのに痛みはない。押し込まれた肉棒に膣壁は一斉にさざめき、王のモノに粘膜が絡みだすのが自分でも分かる。
「っは……ぁあッ、あ……!!」
声は止まらなかった。
(太い……熱い……大きい……!!)
経験したこともない圧迫感が陶酔をもたらす。
王のペニスを受け入れただけで、エレナは全身が重くなったような気すらしていた。ハッ、ハッと荒い息を吐くたびに魔羅は膣内で存在感を増し、エレナは周囲の怪物たちの視線すら気にならない。
「は――ぁあッ、あ……うう……ッ!」
それほどの圧迫感を抱くのも当然のことだった。
王のイチモツは異様なほど大きく、エレナの下腹部にくっきりと浮き出るほどだ。周囲の怪物たちからはエレナがどこまで王を受け入れているかが明らかで、彼らは王と新たな王妃のまぐわいをじっと見つめている。
「ッくう……!」
声を漏らすエレナの腰は、王によってがっちりと掴まれていた。
余計な肉のないウエストに王の手が食い込む。怪物とヒトの力の差を理解していても、王は快楽のあまり手に力が入るのが止められない。
「おお……妃にふさわしい……」
歓喜の声が漏れる。
無理やり妃に仕立て上げた女の膣内は、見た目から想像した通りの素晴らしさだ。膣は王のモノを受け入れるために拡がりながらも締め付けを残し、ヒダは絶えずうねっては王の弱点を探っているようだ。
昂奮に腰の往復を始めてしまえば止まらない。すでに汁まみれだった男根はゆるやかな前後運動のたびに透明な汁を吐き、エレナの膣内を汚してゆく。
「んう……っ、く……うう……!」
まだ少しは手加減された行為だが、エレナは全身を振り回されるようだった。
深く繋がるたび、子宮の奥まで衝撃が響く。反射的にヴァギナを締めれば王はますます気持ち良さそうに声を漏らし、腰のピッチを上げてゆく。
「ぉうッ――!」
子宮口を叩きのめす亀頭の力強さに太い声まで出てしまう。
汗に濡れたヒップが勝手に動きだす。雄を誘うように揺れる尻にペニスを突き立てるたび王の陽物は力を増し、サオの脈動は一拍ごとにエレナの女の部分を目覚めさせる。
「っふ……ぐ、うぅうう……!!」
堪えがたい感覚を流し込まれながら、エレナは必死に唇を噛む。
(助けが来るまで――それまでの我慢よ……!!)
激しい交合の音にかき消されつつあるが、地上からはいまだ銃声が聞こえている。
ネイサンは今も戦っているのだ。彼ならきっと助けに来てくれるはずだと信じて、エレナはこの恥辱に耐えるほかない。
(早く終わって……こんなこと、もう真っ平よ!)
自分を犯す王が憎くてたまらないのに、口から飛び出るのは低い喘ぎ声ばかり。
「んぅお……ッ、おお、お……ッ!!」
異形の者どもに聞かせたくもない声を上げるほどに、王の腰振りは激しくなる。
「射精するぞ」
「――!!」
重々しい一言に、エレナはハッと目を見開く。
「何を言って……やめてッ、やめなさい!!」
首をねじり、後ろにいる王に向かって喚き立てる。
しかし王は止まらない。すでにトップスピードになったピストンはひっきりなしにエレナを揺さぶり、射精に向けたスパートをかけている。
「嫌よッ! 中には出さないで、早く抜いてッ!!」
ヒステリックに叫び、サオを抜こうと必死のエレナ。
あらゆる抵抗は怪物の膂力に叶わない。グリッと膣奥を抉られて動きを止めた瞬間、エレナの膣内で怪物のスペルマが迸った。
「あああ……!!」
無念の声を上げるエレナは首を反らし、天井を仰ぐようにしていた。
下腹部に浮き上がる剛直の震えに合わせて腰が跳ねる。望まぬ形で吐き出された精子はエレナの子宮に注がれ、あっという間に彼女の胎を満たしてしまう。
「いやッ……いや、やめて――やめなさい――!」
中出しを受ける間ももがくエレナだが、王は悠然と腰を突き出し、白濁を注ぎ続ける。
射精量は人外のそれだ。ドクドクと流し込まれる精子は終わる気配もなく、エレナの子宮も膣もあっという間にいっぱいになって、エレナの下腹部はペニスだけでなく注がれた精液によっても膨らんでしまう。
「う……あ――ああ……っ……」
ペニスと中出し精液の入った子宮を浮き上がらせたエレナは、呆然と声を上げる。
「嘘よ……こんな――」
何もかも、現実のこととは思えない。
怪物の妃として行為をさせられ、忌々しい種汁まで注がれたのだ。いつの間にかカメラが自分の方を向いていることにも気付けず目を見開くエレナだが、不意に周囲の怪物たちが声を上げる。
「!!」
「――!!」
「――!!」
エレナには理解できない声で彼らは騒ぎ立てる。
「な……何なの……!?」
不気味なほど押し黙って交尾を見つめていた彼らの声はひどく耳障りだ。
エレナが王と繋がったまま周囲を見れば、怪物たちの異形の顔面には見るに堪えない笑みが浮かんでいる――思わず息を呑むエレナだが、なぜだか彼らの顔から目が離せない。
(何……これは、何が言いたいの……?)
狂ったように騒ぎ立てる怪物たちがどんな気持ちでいるのかはまったく分からない。
それでも必死に状況を理解しようとするエレナだが、すぐに思考は中断された。
「ッう……!?」
不意に、子宮の重みが増したのだ。
「な……に、……ッ何が――!!」
叫ぶ間も胎の重みは増してゆく。
騒ぎ立てる怪物の視線はエレナの下腹部に集まっている。何かがおかしい、と思い至ったエレナが自分の腹に手を伸ばすと、そこには有り得ない感触があった。
「――……」
思わず絶句する。
エレナの腹は、大きく膨れ上がっていたのだ。
「……ど……どうして――」
青ざめながら、エレナは何度も腹をさする。
触れる腹は間違いなく自分のもの。四つん這い姿勢のまま身体に目を向ければ、下向きになりながらも形を保ったバストの向こう側に見える腹は驚くほど大きく膨らんでいた。
「――どうして!」
叫ぶと、膨れ上がった胎がドクンと脈打つ。
おぞましい脈動は、いまだ突っ込まれたままの王の陽物からではない。まさかと思って腹に手を添えると、エレナのものでも王のものでもない鼓動が、確かに手のひらに伝わってくる。
「――……!」
目を瞠るエレナの身体が、不意にひっくり返される。
「っ!?」
気付けば、エレナは仰向けにさせられていた。
強く摩擦されたヴァギナがジンジンする。エレナの目の前には自分を組み敷く王の姿があり、王は異形の顔いっぱいに笑みを浮かべて口を開く。
「お前は感染した」
「……感……染……?」
理解できない事態の連続に、エレナは恐ろしい言葉をオウム返しに繰り返すばかり。
王は大仰に頷く。周囲で騒ぎ続ける怪物たちの声は遠のくのに、王の低い声だけはいやにハッキリと聞き取れた。
「ヒトのオスが感染すると、我らになる」
「!」
ハッとして、エレナは周囲の怪物たちに視線を送る。
唐突に突きつけられた彼らの正体に、エレナはまたしても絶句。元は人間の男だったらしい彼らは個体の識別も難しい姿に成り果てて、今は人語ですらない声を上げるばかりだ。
「わ……私も、あんな風に――?」
震える声で尋ねながらも、エレナはそうでないことをうすうすと理解していた。
(ヒトの『オス』はと言ったということは――メスは……私は……?)
不安を膨らませるエレナに、王が告げる。
「ヒトのメスは変異せぬまま、母体となる」
「母体――」
呟くエレナの手は、自分の腹を撫でていた。
中出し直後に膨れ上がった腹は、いまや臨月同然の大きさだ。意識せずとも胎動は伝わり、中にいる王の仔は子宮の中で成長を続けているらしい。
「――っ……!!」
その時、エレナの身体が熱を持つ。
望まぬ性行為に中出し、そして急速に膨れ上がった腹に気を取られていたが、女体は堪えがたい快感を覚えている――あまりに激しい快感に床の上で背を反らすエレナに、王は説明を続ける。
「女性ホルモンへの作用だ。母体となったメスは、自分から我を求めるようになる」
「ふ……ざ、け……ないで……!」
やっとの思いでそう絞り出すエレナだが、王の言葉が正しいことを実感してしまっていた。
(身体が熱い……ナカが、疼いて……!!)
強烈な淫情がこみ上げて、今にも理性が吹き飛びそうだ。
王の異形を見上げるたびにおぞましいのに、この怪物に犯される悦びが全身を巡る。割り開かれた膣穴が気持ちとは無関係に疼いて、王を引き止めるように締め付けてしまっている。
「我の仔を孕むモノに変異すれば、もう戻らない」
「――」
「我が妃よ。孕み、我らの礎となれ」
命じる王の言葉を前に、エレナの顔から血の気が引く。
ただでさえ白い顔は白を通り越して真っ青だ。整った顔を絶望の一色に染めるエレナは、抵抗もできず王を見つめるしかない。
(私は……もう……)
ヒト同士の交わりでは有り得ない速度で孕んでしまったのだ。
王が言う通り、エレナの身体が感染し――怪物どもの母体に成り果ててしまったのは間違いない。
「あ――ああ……」
仮にネイサンがここに来て、エレナを助けようとしても。
すでに感染してしまったエレナが助かることは――、
「っぁあ……!!」
ぐいっと腰を押し付けられて、エレナの思考は中断する。
「発情しているはずだ。悦いだろう」
確信を持った言葉の通り、たった一度のピストンでエレナは快楽に突き落とされる。
「ぁあ……ッ、は……!!」
膣のうねりも締まりも先ほどの比ではない。
膣内は王の精子だけでなく、エレナの愛液でも濡れていた。自覚してしまえば快楽は積み増されるばかりで、エレナはたまらない感覚に腰をくねらせてしまう。
「い、いや……ッああ、あああ……!!」
口先だけでは抗うが、すでに声は何の意味も持たない。
つい先ほどまで青かったはずのエレナの顔は、たったひと突きで薔薇色に染まる。正常位で組み敷かれたエレナの両腕は力なく床の上に置かれ、王を突っぱねようとすらしないのだ。
「発情した穴は格別だ」
無感動に呟く王の代わりに、剛直棒だけは昂奮を示して大暴れ。
ヒトのモノよりはるかに太い幹に栓をされ、一発目のザーメンは一滴たりとも外に溢れない。王が長いストロークでエレナを追い込むたび、ナカの汁がかき混ぜられ、容積を増してゆくようだった。
「はあぁあッ!!」
力強い腰の突き上げに、あられもない声が止まらない。
電流でも流されたかのように身体を震わせるたび、形良いバストと臨月腹が大きく揺れる。
引き締まった美しい身体に腹だけが突き出た形はともすれば不格好だが、孕んだエレナの姿は同時にエロティックでもある。
「何をされても悦いだろう。メスのカラダはそうなるものだ」
「あぁああ……ッ!!」
王はなおもエレナを苛烈に責めながら、手を彼女の腹に伸ばす。
荒々しいほどの腰使いを見せる王だが、胎に――わが子に触れる手だけは優しかった。
「育っているな」
ヒトとは違うものに成り果てた彼らからすれば、この速度で胎児が育ったことは自然なのだろう。
満足そうに頷く王は、何度も何度も胎を撫でてはわが子を慈しむ。
「はぁああッ……っああ……ッ!!」
その間も、エレナは耐えがたい快楽に苛まれていた。
(何なの……どうしてこんなに――!!)
年齢相応の経験くらいはあるエレナだが、これほど強烈な快美は初めてのこと。
Oの字に開いた口からは絶えず嬌声が飛び出し、自分では止めることも出来ない。なおも騒ぎ続ける怪物たちの声や視線すら心地よく、エレナは自分でも気付かないうちに腰を動かし始めてしまう。
「あぁうッ、はぁッ! あはぁああ……ッ!!」
王に肉の掘削を受けながら、自分でも腰を上下させる。
ヘコヘコとみっともない媚態を晒すたび、乳房が縦横無尽に揺れ動く。ゆさゆさと重たげに揺れる臨月腹の中では胎児の鼓動が強まって、何もかもがエレナの情感を溶かしてゆく。
「あぁあッ!! はぁッ、あぁああッ!!」
見せつけるような腰振りを繰り返すうち、エレナの頭まで淫悦に染まってゆく。
王の肉棒を付け根まで受け止めているのに、もっと深い繋がりが欲しくてたまらない。強い快楽と同時に強烈な飢餓感すら覚えて、エレナは切ないよがり声を上げては自分から腰を押し付ける。
「もうここまで来たか」
「はあッ……! あぁッ、はぁあッ……!!」
愉悦の色を乗せて独りごちる王に、熱い吐息で応えるエレナ。
怪物の妃となり孕まされた絶望は、強烈な快感によって上書きされていた。頭の中も身体も王からもたらされる美悦の虜になってしまって、エレナは無我夢中で腰を振り続ける。
「はあッ、あッ、あ――イく、イくうッ!!」
腰を振りながら、そんなことまで口走る始末。
カクカクと腰を振るエレナの顔は浅ましく蕩けていた。絶頂の時が迫った腰はビクン、ビクンと何度も跳ね上がったかと思うと、王の逞しい一撃を受けて動きを止めて。
「ッイくうううう……!!」
歓喜の声を上げながら、オーガズムによる激しい痙攣を見せた。
組み敷く王の下で女体が妖しくくねる。淫香を振りまきながらエクスタシーを迎えたエレナの膣肉は今までにないほど強い締まりを見せ、王は腰を引き込まれながらもピストンを続ける。
「良い穴だ。さぞや強い仔が産まれるだろう」
「あはあぁッ、はぁあッ!!」
女としてではなく仔を作る母体としてしか見ない発言にすら、エレナは昂奮が止まらない。
絶頂すればするほど身体は敏感になると見えて、いまや胎の中にいる仔の動きすら感じ取れた。
父母の烈しい結合は胎のなかにいても伝わるものか、胎児はゆるやかに動き続けている。胎児の動きを感じるたびにエレナは甘ったるいような愛しさでいっぱいになって、ますます強く腰を振り立ててしまうのだ。
「んぉおッ……おうッ、おううッ……!!」
ガクガクと全身を痙攣させながら、なおも腰振りを止めようとはしない。
「あはぁああッ!!」
そんなエレナに向かって王が腰を振れば、エレナは王の魔羅に圧されて動きを止めてしまう。また軽く達したのか股間からしとどに愛液を漏らしながらも、エレナは腰をヘコヘコと動かし続ける。
「あぁうッ!! はぁッ、はああッ……!!」
「そんなに腰を振りたいなら、好きにすると良い」
言って、王はエレナの腰を掴んで抱き起こす。
「ああッ……!!」
繋がったまま体位を変える快楽がエレナを襲う。
たったそれだけのことでオーガズムに至り、エレナの意識は白む。ほんの数秒の空白の間に王は体位を変え終えて、二人は対面座位でまぐわうことになった。
「あぁん……っ」
後背位、正常位と来ての対面座位姿勢に、エレナは甘い声を漏らす。
王に促されるまでもなく、エレナは王の首に両腕を回す。膨れ上がった臨月腹が王の腹に当たるから密着こそ出来ないものの、深い挿入感はそれだけで二人を滾らせる。
「我が妃よ、動いてみよ」
告げる王は腰を止めていた。
王の上にエレナが跨る体勢だ。彼ほどの力があればエレナを下から突き上げることは可能なはずだが、王はエレナの腰を撫でさするばかりで、決して自分からは動こうとはしない。
「ぁああっ……」
そして、エレナだけが腰を揺すり始める。
たぷんっと乳房を揺らし、遅れてブロンドヘアがさざめく。ひと擦りで強い快楽に襲われたエレナは背中を弓なりに反らすが、それでも腰の上下運動を止めようとはしなかった。
「っはあ……! ぁ、っはあ、あはぁあっ……!!」
甘く悶えながら、エレナはピストンを続ける。
ゆさゆさと身体を動かすたび、勃起した乳首が王の身体を掠める。ほとんど触れられてもいないのに勃起した乳頭はそのたびに強烈な法悦をもたらし、エレナはものの数ピストンで絶頂に至る。
「っんはあ……!! はぁあッ!! イくう……ッ!!」
白い首筋を晒すようにして逐情に至りながらも、腰の動きは止めない。
目を閉じ、口から嬌声を迸らせるエレナの顔は歓びに満ちていた。エクスタシーの痙攣に合わせて王の首に抱きつく姿は快楽に浸りきったメスそのもので、嫌がりながら服を脱いだあの時の面影はまったくない。
「は――ぁあ……ッ、あは、あ……ッ!!」
絶頂の波が去っても、エレナの身体は止まらない。
上下に動くピストン運動の合間に、腰を旋回させるグラインドも織り交ぜる。
「おおうッ……おぅッ、おおうッ……!!」
ゴリゴリと膣奥を削り取るような髄喜に声を漏らすエレナ。
オーガズムの余韻が残るヴァギナはヒクヒクと蠢き、剛直に絡みつく。
王のペニスはエレナ自身の蜜液でドロドロに濡れていた。最初の時とは比べ物にならないほど滑りが良くなった膣内にはくまなく精子が行き届き、いつだってエレナを孕ませる気が満々だ。
「っはあああ……!!」
腰を旋回させるたび、勃起した乳首とクリトリスがこすれてたまらない。
エレナが強い快楽を覚えるたびに膣は締まり、王の昂奮も強まる。狭くはない地下の室内には二人の淫香が立ち込めて、見守る怪物たちはギラギラとエレナの姿を目に焼き付ける。
「はうんッ……んふうッ、ふッ、ふううッ……!!」
鼻にかかった声を漏らしながら、エレナは何度も何度も腰を使う。
ぱちゅぱちゅと水音を立てて身体を上下させ、かと思えばグラインドで責め立てる。自分のナカで魔羅が反応するのを敏感に感じ取っては腰の動きを巧みに変えるエレナに、王もたまらない快楽を覚えてしまう。
「っく……たまらん……ッ!」
獣欲を漏らして呟く王は、両手でエレナの乳を鷲掴みに。
「あふうぅッ!!」
形が変わるほど強く乳を揉まれただけでビクビクと身体をのけぞらせるエレナ。
ぐにぐにと力強く乳を揉み込めば、エレナは悩ましげに腰をくねらせた。快楽に浸りきった女体は何をされても気持ち良いと見えて、背中に汗が伝うだけでエレナはピクピクと小刻みに震えるのだ。
「は、ああ――」
発情した膣内、王の肉槍は力強い反応を示す。
肉傘は大きく広がり、ただでさえ硬い幹は鋼鉄をも凌駕するほどになっている。ゾリゾリと膣内をこそげるようなピストンのたびに魔羅は幹を跳ねさせて、王もまた限界が近いことがエレナには分かる。
「あぁんッ、もっと……精液、もっとお……ッ!!」
ついに、エレナはそんなことまで口走ってしまう。
初めての膣内射精をあれほど拒んだというのに、今のエレナはその時のことをすっかり忘れ去っていた。
「ねえ、精液……ザーメン出してッ、もっと中出しッ……!!」
命じられたわけでもないのにおねだりしては、媚びるように腰を揺すり立てる。
言っているうちに精液欲しさが加速したのだろう、エレナは急き立てるようなピッチで腰を振り立て、王の身体に白魚のような指を這わせる。
「精子欲しいの、お願い……孕ませて……」
すでに孕んだ身で子種を懇願するエレナの官能美に、王の理性も焼き切れる。
王は乳を揉みしだく手を腰に移すと、最初にエレナにそうしたように腰をがっちり掴んで。
「ふンッ!!」
一切の遠慮なく、エレナの奥深くを貫いた。
「あぁあああ――ッ!!」
これまでの自分のピストンが児戯だったと思い知らせるような痛烈な一打に、エレナはなすすべもなく絶頂。
「ぁひいんッ!! ひぁああッ、あッ、あぁあああ――ッ!!」
それでも王は止まらず、エレナの最深部を何度も何度も責め立てる。
「ぁああうッ!! もうイッてるうッ、もっとぉお……ッ!!」
収まらない逐情の嵐に苛まれながらも、エレナも負けじと腰を使う。
バチンバチンと烈しい肉の打擲音が響いて、地上での銃撃戦の音がかき消される。王のペニスを貪るように烈しいピストンを続けるエレナは、全身をわななかせながらこう叫んだ。
「精子ぃいッ!! 精子くださいッ、もっと孕ませてぇええええッ!!」
淫らにねだりながら、エレナは何度目かのエクスタシーを迎える。
引き絞ったかのようにヴァギナが締まる。食い締める力強さを打ち破るように王は腰をドスンと突き立てて、もっとも深い場所に白濁汁を流し込んだ。
「あぁああッ、出てる……ッ!!」
吐精を知ったエレナは、感極まって声を漏らす。
汗に濡れた裸身がブルッと震え、全身から透明なしずくを垂らす。王の肌もまた濡れていて、エレナは恥部どころか全身で王と繋がったような錯覚に陥っていた。
「はぁあん……ッ、はあッ、あは――あああ……ッ……!!」
「まだ出るぞ……全て受け止めよ」
「あぅん……」
王の命令に頷いて、エレナはゆるやかに腰を動かす。
先ほどまでの激しさこそない上下運動によって、エレナの膣内にスペルマが塗り込まれてゆく。
「は……ぁあ……ぁああん……」
複雑な凹凸を描く膣粘膜の隅々に白濁が塗り込まれ、精子が膣と子宮を支配する。
すでに妊娠しているのに、また孕むのではないかと錯覚するほど精子は濃厚だ。ヴァギナは何度も収縮し、王が吐き出した欲望の滾りを残らず飲み干そうとしているようでもある。
「あぁ……ん、……ぁああ……っ……」
長い長い射精が終われば、エレナを襲う烈しいオーガズムの波も落ち着く。
それでも、エレナは王から離れようとはしなかった。繰り返された逐情の虚脱感ゆえに王の胸にもたれて荒い呼吸を繰り返しながら、まだ繋がったままの場所の心地よさを存分に堪能しているのだ。
「――さて……」
そんなエレナの腹を撫でながら、王は辺りの怪物たちに目配せを。
王と王妃の子作りセックスを見守っていた怪物たちも少なからず昂奮していたが、彼らは王妃に――エレナに手を触れようとはしない。
王の目配せを受けた怪物の一体は王の傍らに膝をつき、彼の指示を受ける。
「地上の男どもを始末せよ」
「――」
明瞭な声は、エレナの耳にも届いていた。
「……ねえ……」
その命令の直後、エレナはゆっくりと顔を上げ。
「――もっとハメて……」
王が下した非情な命令のことなど無視して、そんな風にねだるのだ。
気付けば、エレナは再び腰を動かし始めていた。気をやりっぱなしで身体は疲れきっているが、王とのセックスの虜になってしまったエレナは腰を振る。ずちゅっと粘っこい音を立てて結合部から白い糸が引くが、その糸が精液なのか、撹拌されて泡立った愛液なのかはエレナにも分からなかった。
「無論だ」
エレナに頷いて、王はスローペースで腰を動かす。
「あぁッ……イイの……もっとよ……!!」
歓喜の声を上げるエレナに一瞥をくれてから、周囲の怪物たちは地下を後にする。
彼らは王の命令通り、地上にいる男たちの一掃に向かったのだ。
「んぁあッ、すごいわ……またイく……ッ!!」
エレナは自分の周囲にいた怪物たちが立ち去ったことを理解はしていたが、それに対して何も言わない。
地上の男の中には、エレナが信頼するネイサンもいる。エレナは彼が助けに来てくれると信じてこの仕打ちに耐えていたはずなのに、今は王との交合に溺れ、怪物たちを止めることすらしなかった。
「はあッ、ああぁああッ……!!」
二人きりになった地下に嬌声がこだまする。
怪物の王は、妃の身体を何度も何度も穿つのだった――。
[newpage]
そして。
南太平洋の孤島――エル・ドラドに、また一人の冒険家が足を踏み入れた。
彼女はこの島の危険は承知の上。
ほんの数年前に、男の冒険家と、女性リポーターが同時にここで消息を絶ったことも知っている。女一人で向かうにはきわめて危険な冒険だとは理解したうえで、彼女はロマンを追い求め、単身でこのエル・ドラドに降り立ったのだ。
●
「ここは……?」
そして彼女は、地下の建物に行き着いた。
室内は薄暗く、何の施設なのかはよく分からない。天井のヒビからわずかに陽光が差し込むばかりの室内は薄暗く、壁に手を当てるとヒヤリとした薄ら寒さが伝わってくる。
「でも妙ね。何か……」
呟いて、冒険家の彼女はクンクンと鼻を鳴らす。
地下室は冷ややかで無機質なはずなのに、どこからか生々しい臭気のようなものが漂ってくるのだ。
「もしかして、行方不明になった人たちも何か関係が……?」
訝りながら、彼女は進む。
警戒は強いものの、同時に高揚感も強い。彼女は勇ましく歩みを進め、ほどなくして床にカメラが落ちているのに気がついた。
「?」
拾い上げ、中身を確かめる。
「日付は――」
映像に残る日付は数年前のもの。
考えを巡らせれば、数年前に行方不明になったという男性冒険家や女性レポーターがここにいてもおかしくない時期のことだろう。
「彼らの手がかりがあるかもしれないわね」
呟き、女性はカメラを操る。
記録を見る限り、このカメラは女性レポーターの持ち物だったらしい。女性冒険家でも見たことのあるブロンドヘアの女性が記録したらしい映像は彼女が地下に降り立ったところから始まっている。
(綺麗な人ね)
彼女が司会を務めるアドベンチャー番組『アンチャーテッド』を観たことがあった。
番組に出演する時とは違うタンクトップにジーンズのラフな姿だが、それでも彼女の美しさは変わらない。
肢体はスレンダーで、タンクトップ越しでも形の良さが分かるバストは実に美しい。大きすぎず小さすぎない、平均的なバストサイズもあって引き締まった印象が強い彼女のレポートを飛ばし飛ばしに見ていると、不意に彼女たちの前に怪物が現れる。
「え……」
思わず声を漏らす女性は、映像の続きを再生。
途中からカメラは床に置かれたらしい。映像はしばらく要領を得ない状態だったが、不意に誰かがカメラの向きを変えたのか、突然その姿が飛び込んでくる。
「――!?」
次に現れた女性は、四つん這いで怪物に犯されていた。
思わず音量を上げると、女性の嬌声が響き渡る。
(嫌がってる……いいえ……)
嫌、やめて、と繰り返す女性だが、声は甘い響きを帯び、身体は快楽に火照っている。
彼女自身は自分がそうなっているとは気付いていないのだろう。必死に首を振っては怪物との結合を解こうとするも、怪物が強く腰を突き出せば、彼女はのけぞって快美の声を上げるのだ。
「――――」
とんでもない映像を前に、女性は呆然としてしまう。
映像の中の彼女の声は長く長く続いた。尾を引く声が終わったあとも、映像を見る女性冒険家の耳には、彼女の声が残っている。
「――……え……?」
しばし呆然としていた彼女は、しかしハッとして顔を上げる。
(声が……?)
先ほどの映像から聞こえた、女が達する時に特有の甲高い声が、地下の向こう側から聞こえてきたのだ。
(誰かいる!)
そうと分かっただけで心臓を跳ねさせる彼女は、その方向へと慎重に歩みを進める。
ほどなくして、彼女は声の元へ辿り着く。おそるおそる首を伸ばし、その部屋の様子を伺い見ると、そこでは一組の男女が交わっているところだった。
(あれは――)
男は怪物だった。
恐ろしいほどの巨躯を持つ禍々しい存在は、仰向けになって剛直を天井に向けていた。おぞましいほどの巨根は女のナカにやすやすと呑み込まれ、いかにも気持ちよさそうに膣穴を出入りしている。
(――嘘、)
そして女は、あの映像に映っていた女性だった。
あの映像の日付は数年前――女性レポーターが行方不明になった年のものだったはず。しかし目の前の女性は少しも歳を取った様子はなく、若々しい裸体を怪物の上で弾ませているのだ。
「ぁはあぁあんッ!!」
あられもない嬌声を上げる声も、あの映像に録音されていたものと同じ。
(どういうこと? あの体は――!)
混乱したまま、女は彼女の裸身に目を向ける。
顔こそ映像の時と一切変わらない彼女だが、その身体には変化がもたらされていた。
一番に目を引くのは、大きく膨らんだお腹だ。ひと目で臨月だと分かるほど大きなお腹は、彼女が怪物の上で腰を上下させるたびにゆさゆさと重たげに揺れ動く。
(妊娠? この状況で? 誰の子を?)
覗き見る女性冒険家の頭には次々と疑問が湧く。
この孤島にいるのはあの怪物だけ。そんな状況で妊娠しているとすれば、あの腹の子の父親は間違いなく、あの怪物なのだろう。
(それに――)
続いて、女性冒険家は彼女の胸元にも視線を送る。
あのカメラの映像が目に焼き付いた女性からすれば、彼女のバストサイズにも強い違和感がある。
適度なサイズ感で美しかったはずの乳房は、いまや巨乳と呼べる大きさまで膨れ上がっている。映像の中で犯されていた時よりずっと肉感的になった乳房の先はビンビンに勃起していて、怪物との交合に彼女も悦んでいるのは傍目に明らかだ。
「――……」
呆然と目を見開く女性冒険家の前で、彼女は腰を使い続ける。
「あぁあんッ!! イイッ、イイのぉおッ!!」
恥ずかしげもなく声を上げ、臨月腹と巨乳を乱しながら腰を振り立てる。
顔を真っ赤に火照らせた彼女の猛烈なピストン運動を見れば、この行為が彼女の望んだものなのは明らかだ。
出し入れを繰り返すたびに、怪物と彼女の繋がった場所からは怪物の肉サオが見え隠れする。
「はぁあんッ、またイくうッ、またイくううッ……!!」
あられもない嬌声を上げて、女性が大きくのけぞる。
その様子は、物陰から窃視する女には、胸と腹を見せつけるようにも映った――映像の中より豊かになった乳房と、子種を受けて膨れ上がった腹を誇るようでもある絶頂姿を前にして、女性冒険家は思わず生唾を飲み込む。
「――……」
彼女ほどの美女がオーガズムを堪能する姿は、思わず見入ってしまうほどの色気があった。
女性冒険家は、本来の目的も忘れてその場に佇む。絶頂した彼女は大股開きのまま再び烈しい腰振りを再開して、貪るように怪物の魔羅を出し入れしている。
「んぁあうッ!! はあッ、はぁああんッ!!」
目を閉じ、この世全ての歓びを味わっているかのようにウットリとした表情の彼女。
女性冒険家が思わず見惚れていると、不意に彼女は目を開けて。
「――ふふ、」
行為を覗き見る女性冒険家に、不敵な笑みを浮かべるのだ。
「……ッ!?」
その笑みを見た瞬間、女性冒険家は理由も分からない悪寒に苛まれる。
(あ……!!)
ここにいてはいけないと直感した。
数年前とまったく同じ美貌を誇り、怪物の仔を宿した彼女は、もはや同じ人間ではないのだ。
(逃げないと――!!)
そう理解して急転回した女性冒険家は。
背後にいる怪物に、身体を押さえ込まれてしまう。
「く……!?」
抵抗する暇もなく床に押し倒され、服を破り捨てられる。
「い、いや、やめ――」
言いかける彼女の脚が割り開かれると、その場所はすでに濡れていた。
怪物とまぐわう女性の官能美にあてられ、女性冒険家はすでに昂奮してしまっていたのだ。ぐっちょりと濡れた秘所を曝け出された彼女が顔を真っ赤にするなか、あらわなラビアに怪物のイチモツがあてがわれ。
「――あぁああああ……!!」
結合の悲鳴が上がる。
怪物の剛直棒が、女性冒険家の下腹部にくっきりと浮き上がる――最奥まで押し込まれた肉棒の美悦に抗う余裕もなく、女性冒険家はすぐにエクスタシーに至ってしまう。
「ッだ、だめ――イ……イくうう……ッ!!」
口惜しさを滲ませながら達してしまう女性冒険家のそばで、彼女は――エレナは嫣然と微笑んだまま。
「ああっ、私も、また――」
怪物の上で大きく背を反らし、再び深い逐情へ。
「ああああッ……!!」
「いやあっ、イきたくない、もう抜いてえッ……!!」
オーガズムに浸るエレナの声と、恐怖を滲ませて叫ぶ女性冒険家の声が重なる。
「っん……あぁッ、あは……っ!!」
気付かぬうちに、エレナは笑いだしていた。
「っはは……ぁあんっ、んん……ふふふっ……!!」
「あぁっ、いやあ……!! いやあぁっ、たすけ――ぁあんっ!!」
拒もうとしても、女性冒険家の声には嬌声が混ざる。
女性冒険家を組み敷く怪物のピストンは力強い。膣粘膜がめくれ上がるほどの烈しい交合は、女の本能に訴えかけていることだろう。
貫かれ、快楽を覚えながらも必死に抵抗する女性冒険家も、すでに怪物に感染してしまっているのだ。
彼女が抵抗できるのもあと僅かな時間だけ。どうせすぐに自分と同じモノになるのだと悟って、エレナは笑いながら怪物との情事に興じるのだった。
この作品は完結しました。ご覧いただきありがとうございました!
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