パンプキンファームスローターを攻略して数日後、バーヴァン・シーとツタンカーメンはマスター藤丸立香に連れられ、特異点にてリソース回収を行おうとしていた。
 しかし、突如として視界がぶれ、気づいた時にはバーヴァン・シーとツタンカーメンは、見覚えのない部屋に閉じ込められる。
 背後にはいちゃらぶえっちで満足するまで出られないと言う馬鹿みたいな文言。
 果たして2人は無事にこの部屋から出てカルデアへ帰還出来るのか。

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【前編】

 

 解決して間もないハロウィン特異点、木々と南瓜畑に囲まれた丘にレイシフトの光が指す。

 光が収まった後には、三人の人影があった。

「よーし、着いたー! 周回周回!」

「おい、オマエ一人で行っても敵の一匹も倒せねえんだからはしゃぐなっての」

「ふふ……、マスターどのが元気であるのはよきことかと」

 世界を二度救ったマスター、藤丸立香は、特異点が崩壊する前に限りあるリソースを回収するべく、赤髪の妖精騎士バーヴァン・シーと幼きファラオツタンカーメンの二人を引き連れ訪れていた。

「それにしても、二人ともその服似合ってるね!」

 立香の視線が二人の間を往復する。

 バーヴァン・シーは赤い網タイツに黒いバニー衣装を着用し、その美しいスタイルを惜しげもなく晒していた。背中には赤を基調とし、黒いハートが散りばめられたコウモリのような羽の飾りが付いており、さしずめ悪魔バニーと言った様相。

 ツタンカーメンはその幼い身体に包帯を巻きつけており、その上からアヌビス神のような耳の付いたフード付きの上衣を羽織っている。褐色のお腹が包帯の隙間から覗いていて、つい目がそちらを向きそうになる。

「まあな。最初はあの鶴女のデザインが気に食わなかったけど、お母様も褒めてくれたし」

「はいい、現代のミイラのイメージは気にかかりまするが、馴染み深き霊衣にて」

 満更でもない顔をした二人の衣装をじっくり眺めた後、立香は目標地点を確認する。

「えーっと、確か北東の方向にまだリソースが残ってたんだっけ?」

「はいい、ダヴィンチどのはそう言っておられたかと」

「よーし、じゃあ出発!」

 行き先に向けて足を向けたその時、わずかに立香の視界がぶれる。

 次の瞬間には、バーヴァン・シーとツタンカーメンの二人の姿が見えなかった。

 周囲を見渡しても、木々と南瓜畑と、特異点攻略中に発見したダイダロスの遺跡だけが広がっていた。

「……えっ?」

 

☆

 

 バーヴァン・シーとツタンカーメンの二人もまた、視界がぶれたかと思えば、いつの間にか見覚えのない部屋の入口に立っていた。

「おい、ヒョロガキ、状況は?」

「只今確認中にて。……マスターどのとの契約は途切れておりませぬ。しかし、魔力がまだ流れて来ず。開錠文字列(コード)も試しておりますが、前回同様またしても効かず。いや、寧ろ此度の方が強固かと。……部屋の中の危険はない、と言った状況にて」

「こっちも大体そんな感じ。しかも今の感覚……」

「はいい、スローター中の処刑時より更に強い権能のようにありまする」

 得意の魔術がまたしても役に立たない状況に、バーヴァン・シーは苛立ちを浮かべる。

「チッ、クソが。舐めた真似しやがって。犯人見つけ出したらぶっ殺してやる。……前は物理スイッチを見落として無様なトコ見せたからな。部屋を調べるぞ。手伝えヒョロガキ」

「はいい、同じ轍は踏みませぬ」

 二人は即座に部屋を調べ始めた。

 部屋は簡素だった。自分たちの後ろにはドアが一つ、前方左右に一つずつの計三つ。向かって左手側のドアの向こうはトイレがあり、右手側にはシャワー室。しかしどちらもガラス張り。 

 二歩ほど向こうの目の前には、その面積のほぼ全てが特大ベッドに占領された空間があり、ベッドの周囲と壁の間は人一人が通れる程度しかない。ベッドの横には少ないスぺースを使って冷蔵庫が設置されていたが、中身は空。

 拉致された時後ろにあった扉は開く様子がなく、閉じられた扉の上には『いちゃらぶえっちで満足するまで開きません』というバカみたいな文言。よく観察すると、開かない扉だけには、備え付けられた丸いドアノブの淵に沿うように黒いゲージのようなものがあり、ドアノブの中央にはいちゃらぶゲージと書かれてあった。

「スイッチの類は見当たらないか……。ヒョロガキ。これどう見る?」

「……調べた手応えとしても、噓は書かれておりませぬ。文言通り、睦言を交わせばいちゃらぶゲージが貯まり扉が開くという仕組みかと。寧ろ……条件を限定することにより高度な護りが施されておりまする」

「……。バッカじゃねえの、マジで。つってもこっちの手応え的にも似た結果が出てんだよな……。いっちょ宝具ぶっ放してみっか。ワンチャン壊れて出られるかもだし」

「ほ、名案かと」

 ツタンカーメンはそう答えたが、声色はバーヴァン・シーを非難していた。

「冗談だっつうの。まだアイツから魔力が届かないし、無駄遣いして出られなくなったら困る」

 バーヴァン・シーはそう釈明するが、目は諦めの色を帯びてはいなかった。

「幸いどっちもアーチャー。しばらく魔力が来なくても単独行動スキルで生き延びれんだろ。オマエ、スキルのランクは?」

「C+にて。先輩は?」

「先輩って呼ぶな。……私はB。今のところ調査もオマエの方が多く魔術使ってるし、やっぱ温存するべきね」

 そう言ってバーヴァン・シーはシャワー室へと向かった。

「シャワー室とトイレがあるってことは水道が続いてるかもしれない。上下水道の奥は私が調べるから、雑魚チビはベッドルームの換気口を調べろ。魔力はあんま使うなよ」

「承りまする」

 バーヴァン・シーは水道管の奥を調べるが、途中で結界によって外界と分断されており、満足のいく結果とはならなかった。

「チッ、ダメね。奥が結界で分断されてる。でも、シャワーもトイレも水が流れんだよな……」

「ベッドルームを調べれど、それらしきスイッチなどはなく。壁の換気口も結界に塞がれ外へは繋がっておりませぬ。しかし、空気は通っており、呼吸も問題なく」

 二人は調査結果を共有したが、分かったのは外部に連絡が取れず、出られないという結果のみであった。

「クソッ、お母様ならこんな結界すぐに論理破錠(クラッキング)して犯人も捕まえられるはずなのに……」

 妖精國の女王にして偉大なる魔女モルガン、その娘にして弟子であるというのに、二度も似た手口に引っかかり、剰(あまつさ)え脱出出来ない己の力量に嫌気が差す。

 そんなバーヴァン・シーの様子を見て、ツタンカーメンは冷静に次点の策を話し始めた。

「粗方調べ終えたと思いまするが、やはり魔力を使い過ぎたかと。このような緊急事態なれば、カルデアから救助が来るやもしれませぬ。一度ゆっくり休むのはいかがなりや?」

「……。それしかない、か。ヒョロガキ、私ベッドで休むから、見張りしとけ。起きたら交替してやる」

「承りまする。状況に変化があれば声を掛けまする故、安心して休まれよ」

「オマエなんかに言われなくても変化があれば分かるっつうの。あと、あのバカみたいな文言真に受けて襲ったら呪い殺してやるから、変な気起こすなよ」

「当然にて」

 そう言うとバーヴァン・シーはベッドに横たわった。サーヴァントの身に睡眠は必要ないとはいえ、調査で疲れたのか、少し目を瞑ると眠りへと誘われていった。 

 ツタンカーメンがベッドの淵にて見張りを行い始めると、すぐにベッドから寝息が聞こえてくる。

(バーヴァン・シーどのは眠られたか……。この部屋に拉致されてからこの方、ずっと気を張っておられた故、無理もなし)

 バーヴァン・シーをちらっと確認した後、ツタンカーメンは現状唯一の手掛かりとなる扉の方へ目を向けた。

(あの扉の文言……。それに、未だ外部から届かぬ魔力。張り巡らされた結界。いずれにしても、敵は強大なり。状況が悪化すれば敵の思惑に乗る必要も……)

 そこまで思考を回したツタンカーメンは無意識のうちにバーヴァン・シーの方へ目を向けた。己よりずっと頭身の高く、美しい女性がベッドに身を投げ出している。白いベッドに赤いタイツが映えるその姿がやけになまめかしく映った。

(……。バーヴァン・シーどのは妖精國の王女にて。成り行きで睦言を交わすなどありえますまい。寧ろ手を出すなどファラオとしてモルガンどのに面目が経たぬというもの。未熟の身なれど、己(うぬ)が必ずや彼女を無事にカルデアへ返さねば……)

 決意を新たに、ツタンカーメンは見張りを続けた。

 

☆

 

(ん、あれ……? 私、寝てた?)

 休んでから数時間が経ち、バーヴァン・シーは目を覚ました。

 周囲を確認するが、そこは拉致された部屋から変わっておらず、少しの落胆を持ってツタンカーメンへと声を掛ける。

「ヒョロガキ、一応聞くけど、状況は?」

「依然変わりなし。カルデアからの連絡もなく、魔力も温存しておりまするが、目減りしていく一方にて」

 そこまで聞いて、バーヴァン・シーは目の前の相手が自分より魔力の残量が少ないことを思い出した。

「次、私が見張りするから、オマエは休んどけ」

「よろしいのでありまするか?」

「バーカ。さっき交替するって言ったろ。オマエがくたばったら脱出の手段が減るんだからさっさと休めっつうの」

 その言葉を聞いたツタンカーメンは、バーヴァン・シーと場所を変わり、身を投げ出した。

「では、暫く休息を頂きまする」

 目を瞑ると、ツタンカーメンはすぐに規則正しい寝息を立て始めた。

 寝息を聞いたバーヴァン・シーは見張りへと意識を切り替える。

(やっと頭がスッキリして来た。意図してなかったけど、結果的に寝て良かったかも)

 しかし、冷静な頭で考えても状況は悪化の一途を辿っていることは明白だった。

(ヒョロガキの魔力もあとどれくらい持つかわかんないし、魔力もやっぱり来てない。クソッ、やっぱ敵の言葉に少し乗ってみた方が脱出の糸口が掴めるか……?)

 現状唯一調べていないのは扉の文言のみ。目に見える唯一の手掛かりだが、その文言をまともに考えるのも馬鹿らしかった。

(そもそもいちゃらぶえっちってなんなんだよ、馬鹿が。満足が何を指してるかもわかんねえし……、外から観察でもしてんのか? クソッ、考えるだけ腹が立ってくる)

 とはいえ、現状の手掛かりはそれしかない。バーヴァン・シーは思考を深めていく。

(実行するにしてもこのヒョロガキが相手ってことだろ? 考えたくもないんだけど)

 寝息を立てるツタンカーメンに視線を移す。ぐっすりと眠っているらしく、起きる気配はなかった。

(……寝てる間にコトを済ませたら私しか真実を知らない。それでゲージが動けばそこを糸口に脱出へと近づける。…………。やるか)

 ツタンカーメンは自身が眠っている間に変なことはしなかったという事実からは目を背け、脱出を決意したバーヴァン・シーはベッドの中央へと少しづつ近づいていく。

(万が一にも盗撮なんかされてたらサイアクだし、一応目隠しの結界を張っておくか。……。よし、準備は完了。魔術薬を作る時みたいなもの、手早くやるわよ、私!)

 ツタンカーメンの下腹部の包帯を少しずらしてやれば、陰毛も生えていない年相応の小さな陰茎が出てきた。

(まあ、こんなもんだよな……)

 想定通りのサイズに一人安堵しながら、バーヴァン・シーは目の前の陰茎を摘まむ。

(確か搾精する時はチンコを扱いたら良いんだったよな? こんな感じか?)

 親指と人差し指をツタンカーメンの陰茎に巻きつけるように輪を作り、しゅっ……しゅっ……と扱きはじめた。

 最初は柔らかかった陰茎も扱かれ始めたことで身体が反応し、血液をどんどんと下腹部へと送っていく。

 次第に大きくなっていく陰茎が自身の予想の範疇を超えて大きくなるのを目の当たりにし、バーヴァン・シーは驚愕のあまり息を吞んだ。

(は……? こいつあんなに小さかったはずなのに、なんでこんなデカくなんの!?)

 ツタンカーメンの陰茎はやがて18センチにも届こうかという長さになった。最初は小さく窄めていた指の輪も爪の先がギリギリくっつくほどに太くなり、雁首(かりくび)も立派に張り出している。

 小指のようだった陰茎が大人にも引けを取らない肉棒へと変貌し少し呆けるが、バーヴァン・シーは気を取り直して扱き続けた。

(まだ出ないの!? クソッ、もうなりふり構ってらんねえ!)

 少しずつ焦り始めたバーヴァン・シーは右手で竿を掴んで扱きながら、左手は亀頭の先を包んで擦り、さらに強い刺激を与える。

 早く射精してと願うように、その動きは速さを増していった。

 ツタンカーメンの肉棒がびくりと脈動したその時、バーヴァン・シーの前方からうぅん、とうめくような声が聞こえた。

「うっ……何事なりや? ……。えっ? ええっ!? ええええええええ!!!???」

 下腹部の違和感に目を向けたツタンカーメンは、勃起した自身の陰茎を両手で扱くバーヴァン・シーを見て驚愕に叫ぶ。

「うっさい! デカい声で叫ぶんじゃねえ!」

 勢いのままぎゅっと陰茎を握りしめると、あぁっ、と力が抜けたようにツタンカーメンが声を上げる。そして次の瞬間、びゅっびゅるるっ! と勢い良く射精した。

 吐き出された精液が正面に座っていたバーヴァン・シーの顔を白く汚していく。状況に理解が追いついたバーヴァン・シーは、顔を怒りに染め上げた。

「なにぶっかけてやがんだ、テメエ!」

「さ、左様に言われまするは、少々理不尽なりや!? そも、バーヴァン・シーどのはなぜ己(うぬ)の陰茎を触っておられませるか!?」

 寝起きざまの混乱で半泣きになりながらツタンカーメンはバーヴァン・シーへと抗議した。分が悪くなったバーヴァン・シーは顔にかかった精液を拭い、ベッドから降りる。

「チッ、もういい。私はシャワー浴びるから、テメエはベッド綺麗にしとけ」

「何もよくありませぬが!?」

 

☆

 

 シャワー室へと入ったバーヴァン・シーは、ガラス張りの浴室に目隠しの結界を掛ける。

「ホンット、サイアク。ふざけやがって。てか、ガラス張りとか悪趣味すぎんだろ」

 自身の目論見が失敗に終わった苛立ちをぼやきながら、バーヴァン・シーは自身の服を脱ぎ始めた。

「うわ、ここにも掛かってんじゃん。ムカツク! 脱出出来るまでは脱いでおくか。なんか着れる物は……これか?」

 寝室側の壁の上部に備え付けられたラックに白い布が積み上げてあるのを見つける。手を伸ばすと簡単に取ること出来た。

「ご丁寧にタオルもバスローブもあるなんて、どうなってんだよホント……。まあこの際いっか。さっさと流さなきゃ」

 シャワーの栓を捻り、バーヴァン・シーは自らの失敗の記憶をシャワーとともに流し始めた。 

 

☆

 

 落ち着いたツタンカーメンは、バーヴァン・シーの意図を正確に測り始めていた。

(バーヴァン・シーどのは敵の策に乗じる心算(つもり)にて。手っ取り早くいちゃらぶゲージの詳細を理解すべく己(うぬ)の寝込みを襲ったというところでありませるか。納得はできませぬが)

 そこまで思い至ったツタンカーメンは、いちゃらぶゲージの進捗を確認すべく、ベッドから離れ、ドアへと近づいた。しかし……。

(いちゃらぶゲージに変化がありませぬ。一体なぜ……)

 扉の上の文言や、いちゃらぶゲージに本当に変化したところがないことを確認したツタンカーメンはベッドに戻り思考を深めた。

 

☆

 

 5分ほどしてシャワー室からバスローブ姿で出てきたバーヴァン・シーに、ツタンカーメンは扉に何も変化がありませぬと事実を伝えた。

「はあ? そんなわけないだろ、ヤることヤったんだぞ」

 憤るバーヴァン・シーが自身の目でも確認すると、ゲージからは見間違いかと思うほど僅かにピンク色の光が飛び出ていた。

「変化してんじゃねえか」

「ほ……? 先ほどまでは確かに何も起きてはおりませなんだが……?」

 時間経過によるゲージの変化を糸口に本格的な調査を再開し、二人は部屋の仕様を理解した。

 犯人が直接遠見の魔術を使用して判定しているのではなく、部屋自体が感情や魔力の高まりを壁伝いに扉へと集積し、ゲージとして可視化している。

 しかし、情交を結ぶ間に目隠しの結界を張るなど、第三者が確認できないようにした場合、結界を解いたあと部屋に残存しているもののみを集積するため効率が極端に落ちるようであった。

 加えて、ゲージが多少増えたところで貯まりきらねば開かないというその悪辣な仕様に二人は頭を悩ませた。

 

☆

 

「して、バーヴァン・シーどのの悪事により仕様が判明いたしたところで、いかがいたしまするか?」

 恨み節を込めながら問われたバーヴァン・シーは、自棄になったように吐き捨てた。

「チッ、この部屋に拉致られてから半日は経過してんのに、魔力はまだ届かないしカルデアからの助けも来ない。これ以上魔力も無駄遣いできねえし、ジリ貧になる前にヤって出るしかないだろ」

 その返答にツタンカーメンは、少し間を置いて再度尋ねる。

「バーヴァン・シーどの……。妖精國の王女たる貴女が、敵の策に嵌まったとはいえ、成り行きで肉体関係を持つのは、やはり問題かと思いまするが、いかがなりや?」

「は? 私が納得してりゃいいんだよ別に。今の第一目標はここから脱出すること。そのためなら誰と関係持とうが問題ねえよ。まあ出た後生きてるよりひどい目に合わせてやるけど。ていうかさぁ、オマエこそどうなの? 見た目はチビガキだけど生前は妻も子もいたんでしょ? エジプトのファラオが行きずりの女と関係持っていいワケ?」

 バーヴァン・シーは、意趣返しのようにツタンカーメンをからかう。

「己も肉体こそ幼けれど、ファラオにて。側室にも理解がありまする」

 さらりと言ってのけたツタンカーメンに、バーヴァン・シーは鼻白んだ。

「チッ、ハイハイ。突っ込んで出すだけだもんな男は。一回関係持つだけで彼氏気取りかよチビ。そんだけ言うならさっさとここから出るぞ。あと、今から出るまでのことはノーカンな。さっきも言ったけど、誰かに言ったら呪い殺すから」

 そう言うと、バーヴァン・シーはバスローブを脱ぎ捨てツタンカーメンをベッドへ押し倒した。

「ほら、トクベツに胸触らせてやるから早くおっ勃てろよ」

 バーヴァン・シーは自身の右胸にツタンカーメンの左手を導く。

 ツタンカーメンは目の前に広がる肌色と柔らかい胸の感触に顔を赤らめながらも、本能は正直に陰茎へ血液を送っていた。

「オマエ、随分うぶな反応すんのな」

 先ほどから感じていたことを面白がってからかうバーヴァン・シーにツタンカーメンは恥じるように答えた。

「己の生前は病弱でありますれば、睦言も数えるほどしか交わしておりませぬ」

「ふーん、ま、どうでもいいけど」

 先ほどと同じくらいに硬くなったツタンカーメンの肉棒を確認すると、バーヴァン・シーはその上に跨り肉棒の先端を己の秘裂にあてがった。

 肉棒の先からの伝わる感覚からしてあまり濡れていないようだと心配していると、バーヴァン・シーが何度か狙いを定めたかと思えば、ぬるりと擦れては外れる。

 互いの陰部が擦れあう快感にツタンカーメンは戸惑った。

「チッ、上手く入んないんだけど」

 顔をしかめバーヴァン・シーが愚痴をこぼす。

 あんなに余裕そうにしていたバーヴァン・シーがなぜこんなに手間取っているのか不思議に思い見つめていると、視線に気づいたバーヴァン・シーはツタンカーメンの顔を睨みつけた。

「なに見てんだよ、ヒョロガキ」

「ほ、いや、随分手間取っておられるようにて」

「あ? 初めてなんだから当たり前だろ。悪いかよ」

 予想外の言葉にツタンカーメンは目を見開いた。

「ほ……?」

「妖精国にいた時もカルデアに来てからも経験なんてねーよ。誰が男に好き好んで股開くかっつーの。お母様の役に立つ為にもそんなことに現を抜かしてる暇ねーんだよ」

「では、バーヴァン・シーどのは己(うぬ)が初めてと……?」

 そのような事情であれば尚更話は変わってくる。

 ツタンカーメンは一度仕切りなおすために腰を動かして抵抗を始めた。

「だから何遍も言わせてんじゃねーよ。てか動くなオマエ、狙いが定まんねえだっ、あんっ♡」

 バーヴァン・シーの甘い声が部屋に響いた時には、もう遅かった。

 ツタンカーメンの抵抗も妖精のフィジカルの前には虚しく、むしろ肉棒を蜜壺に入れるためのアシストになってしまっていた。

 結合部を見れば、浅く入った己の肉棒に一条の鮮血が伝っている。

「バーヴァン・シーどのは、これで良かったのでありまするか?」

「は? 初めてがトクベツって言いたいわけ? 私、さっきノーカンだって言ったよな? この部屋出たら全部なかったことにするから調子乗んなよ? ていうか、始めといて今更そんな畏まんなよ、キモイし」

 股の違和感に顔を歪ませながら答えたバーヴァン・シーのその言葉は明らかに強がりだった。

 しかし、自らの処女を散らしてまで脱出しようとするその覚悟を今更己が台無しにするわけにもいかない。

 ツタンカーメンは一呼吸置いたのち、言葉を紡いだ。

「であれば、己(うぬ)が言う事もなし。先輩、疾くいちゃらぶゲージを貯め、ここから脱出いたしまするが吉にて」

「先輩って呼……まあ、いいか。それよりその頭の悪い言葉を口に出すんじゃねえ。分かったら私が動くから、絶対に動くんじゃねえぞ。てか、また勝手に動いたら殺す」

 そう言うとバーヴァン・シーはぎこちない動きで上下に動き始める。

 先ほどの心配は噓のようにバーヴァン・シーの蜜壺は濡れそぼっていた。

「……っ、……ふっ、……んっ♡」

 最初はぎこちなかった動きも数回も抽送を繰り返すと慣れてきたようで、次第にパンッパンッとリズミカルに肉を叩きつける音が部屋に響く。

 動きがスムーズになるにつれて、バーヴァン・シーはその快感に甘い声を漏らし始める。

(んっ♡……こいつのチンコっ♡イイとこに当たって生意気なんだけど♡)

 時を同じくして、バーヴァン・シーの熱く蠢動する蜜肉を己の剛直が搔き分ける感覚に、ツタンカーメンからも快楽の声が漏れ出始めていた。

「……あっ♡、あぁ♡、ぐうっ♡……」

「……っ、どう? 妖精國の王女のっ♡、初めての相手を出来るっ♡、なんてっ♡、……っ光栄に思えよ?」

「ほっ♡、左様に強がる割にはあぁっ♡、随分余裕のなさそうな様子にて♡、……っ♡、ファラオの肉棒はいかがなりや♡?」

「うっさい♡、っ♡、ちょっとチンコがデカいからってっ♡、調子乗んな! てか、オマエっ、体に対してっ♡、チンコがっ♡、あぁっ♡、……っデカすぎるだろっ♡、どうなってんだよ!」

 バーヴァン・シーは先ほど寝込みを襲った時から気にかかっていたことを改めて口にした。

「ファラオはっ♡、エジプトの地にっ♡、豊穣をもたらす現人神にてっ♡、……ナイルの儀式をっ♡完遂すべくっ♡、その逸物は即位と同時にっ♡、成人と変わらぬほどにっ♡、なりまするっっ♡、あぁっ♡」

 ツタンカーメンは答えると同時に、無意識のうちにバーヴァン・シーの大きな尻たぶを掴んで、自らの腰に打ち付けた。

 快感に耐えきれなくなった肉棒は、バーヴァン・シーの蜜壺の奥へ精を吐き出す。

 虚をつかれた鋭い一突きにより膣内(なか)を抉られ、甘い痺れが襲ってきたかと思えば、息もつかぬ間に身体の奥に吐き出された精液の熱さに釣られるように、バーヴァン・シーも絶頂へと導かれ、数度にわたって痙攣した。

「あんっ♡、んっ♡、ああっ♡…………。おい、テメエ何勝手に動いて射精(だ)してんだよ」

「はぁ♡、はぁ♡、……先輩の膣内(なか)があまりに良き具合なれば……、思わず身体が動いてしまった次第にて」

「……チッ、外出たら覚えとけよ。……それより、あのゲージがどうなってるか確認するぞ」

 バーヴァン・シーは果てて柔らかくなったツタンの肉棒を己の秘裂から抜くと、ベッドから降りてドアへと向かった。

 しかし、その足取りはどこかぎこちない。

 そこに至ってツタンカーメンは途中からすっかり忘れていたが、目の前の誇り高き妖精國の王女は今し方処女を散らしたばかりであることに思い当たる。

 すぐさまベッドから飛び降り、彼女の後を追う。とはいえ部屋は狭いため補助に入る前にバーヴァン・シーは扉の前に移動していた。

 扉の前でドアノブを確認するバーヴァン・シーの隣に立ち、ツタンカーメンは声を掛けた。

「先輩、体調が優れぬのであれば、己(うぬ)にお掴まりを」

「はん、すぐ彼氏面かよ、きっしょ。こんなのすぐ慣れるから。それより見ろよ、ゲージ」

 その言葉に従いツタンカーメンはドアノブへと視線を向ける。ピンク色のゲージが先ほどより大きく動いていた。しかし……。

「ほ……あれで4分の1しか貯まっておらぬとは……」

「やっぱ私の見間違いってワケじゃないか……。仕方ない、ヒョロガキ、さっさと続きすんぞ。少なくとも後3回やれば出れんだから」

 そう言って踵を返したバーヴァン・シーの背中にツタンカーメンは声を掛けた。

「待たれよ。先輩は先ほどの情事が初めてであられた。であれば、ひとたび心身の整理を着ける時間を取るべきかと存じまする」

「はぁ? 何オマエ、彼氏面すんなって言ったよな? 魔力に余裕もないんだし、時間無駄にしてる暇なんて無いだろ」

「彼氏面などしておりませぬ。がむしゃらに情事に耽ったとて、いちゃらぶゲージが動かぬ恐れもありますれば、心身も状況も整理すべき時にあるかと存じまするが、いかがなりや?」

 そうツタンカーメンが言うとバーヴァン・シーはムッとした顔をした後、ため息をついた。

「はぁ……、まあ確かに? オマエの言う通りゲージについて冷静に考えてみてもいいか。じゃあ私シャワー浴びてくるから」

 そう言うとバーヴァン・シーはベッドへ向かっていた体をこちらに反転させシャワー室へ足を進める。

 前を隠す様子もなくシャワー室へ向かうその歩みはまだぎこちないが、しかし堂々としたその一歩ごとに、バーヴァン・シーの豊満な胸がぷるんと揺れ、無毛の股からは精液と破瓜の血が混ざってピンク色の体液がポタポタと垂れ始めていた。

 己の精液が股から垂れているのだと理解した途端、先ほどこの麗しい女性と睦言を交わしたのだと思うと、ツタンカーメンはその体から目が離せなくなる。

「何見てんだよ、チビ。……まあこの際だし、見られてもいいか。魔力の無駄遣いもしたく無いし……せいぜいガラス越しに見惚れてな?」  

 シャワー室の扉を開けたバーヴァン・シーはニタリと嘲るように嗤ってそう言い捨てると中へ入っていった。

 宣言通り結界を張る様子もなくシャワーを捻ってお湯を浴びる姿に一瞬見惚れるが、すぐさまベッドへ戻りシャワー室に背を向け今後について考え始めた。

 

☆

 

 シャワーを浴びながら、バーヴァン・シーは先ほどの情事を振り返っていた。

(初めてだったけど、思ってたより拍子抜けだったな……。いや、何感慨に耽ってんだよ私! 今はこの部屋から出ることを考えろ! そうすればさっきのもチャラになるんだから)

 しかし、いくら暖かいお湯と共に思考を流そうとしても、先ほど初めて体を重ね、剰(あまつさ)え絶頂させられたという事実と、子宮(なか)に射精(だ)されたという事実は頭から離れなかった。

(チッ、サイアク。あんなチビのヒョロガキにイカされるとか。しかも初めてだったのに……。いや、初めては全然気にして無いけど! ……そもそもあのチビが悪いんだよ。身体は小さいくせにチンコだけは一丁前にデカくて硬いとか、想定外だっつうの)

 忘れようとするほど感覚は鋭くなり、記憶は鮮明になっていった。

 挿れる前に手間取って互いの陰部を擦り付けたこと、挿入った時その感覚に驚き情けなく喘いでしまったこと、動くたびに痛みに慣れ、やがて快楽に変わり、己の一番感じる所があの雁首に抉られるたびに甘い痺れをもたらしたこと、突然身体の奥に現れた精液の熱に驚き、その暖かさに気持ちよくなって絶頂してしまったこと。

 忘れようとしてもどうしても上手くいかないどころか、感じていた股の違和感は体の疼きへと変わっていった。

(チッ、こんなことなら処女なんてさっさと捨てとけば良かった……。ダメ、どうしたって今は忘れられない。……出た後、そう、出た後に忘れたらいいんだから、今は残りを冷静にやり過ごす)

 シャワーの栓を閉めると共に心に踏ん切りをつけ、バーヴァン・シーはいつもの癖で魔術で水気を飛ばそうとして思いとどまった。

(あのチビに私の身体を見せてまで魔力を節約してるのにこんなとこで魔術なんて使えないじゃん、もう)

 先ほどバスローブを取り出したラックを見ると、その上にまだ白い布が積んである。タオルの場所を確認したバーヴァン・シーは手を伸ばした。

(さっき全部降ろしときゃよかった)

 そう毒づきながらラックに手を伸ばすと同時、背中を向けていたはずのツタンカーメンがこちらを向くのが見えた。ラックはベッドの方の壁に付いているため、前が丸見えになってしまう。

 ツタンカーメンの顔を確認すると、こちらを認識した途端頬を赤らめてすぐにそっぽを向いた。

(こんなやつにもう手玉に取られる訳には行かねえ。すぐに片付けてこんなバカみたいな部屋から出て犯人を無茶苦茶にしてやらないと)

 素早く水気を拭き取った後、少し考えてからバスタオルを体に巻き付けバーヴァン・シーはシャワー室を後にした。

 

☆

 

 ベッドにて膝を突き合わせ、二人は議論を交わす。

「さっきも言ったけど、今ので大体25%ってことは後三回やれば出られるってコトでしょ? さっさと続きすんぞ」

「先輩、お待ちを。実を言うと一つ問題がありまする」

 ツタンカーメンに梯子を外され、バーヴァン・シーは憤った。

「……どう言うこと、なんの問題がある訳? 内容によっちゃぶっ飛ばすから」

「では、率直に。後三回も精力が持ちませぬ」

「……」

 切実な問題であった。

「そも、体液、特に男の精は魔力を含むもの。それこそ通常のサーヴァント契約における魔力供給の代名詞となるほどに。サーヴァントとて同様になりますれば、己(うぬ)の魔力は枯渇寸前にて」

「何、最初の無駄遣いを攻めたいワケ? ……じゃあ聞くけど、後何回?」

 ツタンカーメンは人差し指を立て、神妙な顔をした。

「単独行動スキルギリギリまで絞って後一回、と言った所にて」

「全然足りねえじゃねえか! どうすんだよ!」

 精力、ひいては魔力が足りないという変えようの無い事実に絶望を覚えながらバーヴァン・シーが叫んだ。

「しかるに、己(うぬ)から提案が」

「……何?」

「いちゃらぶの質を高めまする」

「はぁ? 何言って……ああ、そう言うこと」

「はいい、そも、脱出に必要なゲージはいちゃらぶゲージ。いちゃらぶと銘打たれている以上、情事の内容によってゲージの上昇量に幅があると考えるのが自然なりや?」

「てことは、セックスの内容も考える必要があるってことね……」

「はいい、そして一般的にいちゃらぶと呼ばれるもの、つまり恋人の睦言を真似すれば、ゲージの上昇量も跳ね上がる、と考えられまする」

 ツタンカーメンからの提案にバーヴァン・シーは眉をしかめた。

「オマエの言いたいことは分かったけど、本気で言ってる? 今この場限りでも私とオマエが恋人としてセックスするってコトだろ?」

「はいい、しかし先ほどの先輩の覚悟、己(うぬ)は確と受け取った次第にて。己(うぬ)も全霊を持ってご奉仕いたしまする」

「……。……分かった。私の負け。どうせこの場だけだしね。今この瞬間だけ恋人ってコトで」

 そういうと、バーヴァン・シーは魔術で指輪を2つ作り出した。

「口約束で部屋がちゃんとそう言うものとしてカウントするか分かんないし、儀式を挟んだ方が確実、だろ? 私があんたの薬指に嵌めるから、あんたも私の指に嵌めて。ただし、外で持ち出したりしたら百回殺すから。ぜっっったいに勘違いしないで」

「承りまする」

 その言葉を合図に、互いに指輪をつける。左手の、薬指。

「はあ……こんなチビのヒョロガキ相手に……」

「己が病弱なばかりに、申し訳ありませぬ。せめて理想の己であればこのような時は格好もついたと思うと」

 暗い顔でそう口にするツタンカーメンにバーヴァン・シーは顔を歪める。

「絶対いや。デカい方のあんたってなんか、こんな時でもつらっとしてそうだし、うぶで情けないあんたの方がまだマシね」

 バーヴァン・シーの返答が部屋に響き、2人の間に沈黙が降りる。

「じゃ、始めるか」

「はいい、然るに、まずは何を?」

「こう言う時はキスからって相場が決まってんだよ」

 そういうと、バーヴァン・シーはツタンカーメンに顔を近づけた。

「ほら、オマエも」

 ツタンカーメンは瞼を閉じながらバーヴァン・シーの唇に自身の唇を重ねていく。

「ちゅ……はむ……んっ……」

 初めは啄むようだったキスは、やがて舌を絡め合い、唾液を絡ませていくキスへと変わっていく。

「じゅる……んっ♡……じゅっ♡、じゅ♡……ぷはっ」

「はぁ♡……はぁ♡……先輩♡……これがキスにありまするか」

「なんだよ、オマエさっきから。経験あんだろうが」

「いえ、己(うぬ)は生前は病弱にて体力もなく、先ほどような体位以外の睦言を交したことはありませぬ」

 その返答ににやりと笑ったバーヴァン・シーは舌を伸ばしながら2度目のキスを迫る。

「オマエも実質初めてってワケ? じゃあ私の方が上ってところ見せてやるよ。んー♡……じゅっ♡……ちゅっ♡……ん」

 一息ついたところでバーヴァン・シーはツタンカーメンの手を取り、己の体に巻き付けていたバスタオルに運ぶ。

 タオルに手を誘われたツタンカーメンはバーヴァン・シーの身体を隠す邪魔な布を丁重に取り去り、その身体に見惚れた。

「ほ……まこと美しき身体にて」

「当たり前だろ? 私を誰だと思ってんだよ」

 身体を眺める内に、ツタンカーメンはとあることに気づいた。

「先輩の乳首は隠れておられまするか?」

 その言葉にバーヴァン・シーは少し顔を赤らめながら言い返す。

「別に良いだろうが。そのうち出てくるっつうの」

「では、己(うぬ)が今、出してあげまする」

 そう言うや、ツタンカーメンはバーヴァン・シーの豊満な胸に顔を近づけ、右胸の乳首を食み、左胸の乳首を手で絞るように掴み上げた。

「あんっ♡……てめ、調子に乗るなよ!」

「はうっ♡……そ、そこはぁ♡……」

 乳首をいじられたバーヴァン・シーは仕返しにツタンカーメンの肉棒を握る。キスの興奮により、ツタンカーメンの肉棒は二回射精したにも関わらずガチガチに硬くなっていた。

「あんだけ出したのに、キスの一つや二つでこぉんなに硬くなるなんてな♡妻帯者の癖してなっさけな」

 嗜虐的な笑みを浮かべたバーヴァン・シーはツタンカーメンの肉棒を強く握りこみ扱き始めた。

「覚悟しとけよ、あんたの全部を奪ってめちゃくちゃにしてア・ゲ・ル♡」

「うっ♡……うぐぅ♡……なれば!」

 ツタンカーメンは己の肉棒を扱かれるその快感に負けじと、バーヴァン・シーの乳首を弄り始めた。片方は吸われ、片方は細い指でほじられ、弄ばれる。背筋(せすじ)がゾクゾクするような快感がバーヴァン・シーを襲った。

「んっ♡……ちょっと、それやめろ、あんっ♡このっ!」

 バーヴァン・シーは対抗するように扱きを強め、さらにツタンカーメンは弄ぶ。

 十秒と経たない攻防の果てに、バーヴァン・シーの乳首は外気へと晒された。敏感な先端をクリクリと弄りながらも、ツタンカーメンはバーヴァン・シーに抗議する。

「うっ♡……先輩ぃ……これ以上は射精(で)そうにてぇ♡」

「はぁ♡……あんっ♡……テメエ、私の乳首を散々弄っておいてそれかよ」

 ツタンカーメンによる愛撫に悪態を吐きつつ、バーヴァン・シーは枕にもたれかかるようにベッドに寝転んだ。両手で足を抱えるようにしてツタンカーメンに己の秘裂を見せつけながら命令する。

「おい、いちゃらぶっていうことはオマエからの奉仕も必要だよな? さっきもご奉仕するって言ってたし。ほら、私のココ舐めろ」

 ツタンカーメンは露わになったバーヴァン・シーの秘裂に目を開き、食い入るように見張った。

 その小陰唇は先ほど開通したばかりのためか、ぴっちりと閉じられていた。バーヴァン・シーの手によって照明に照らされた陰核や蜜壺は美しいサーモンピンクが白い肌に映え、グロテスクなようで、生命の神秘を感じさせた。しかし……。

「先輩は陰毛を生やさぬのでありまするか?」

「は? ああ、今回の衣装じゃ邪魔だったから綺麗にしたんだよ。……何? オマエ、毛が好きなわけ?」

「ほ……いえ、己の時代では生えているのが当然にて、少し違和感があった次第にて」

「ふーん、じゃ、トクベツに生やしてやるよ、そんくらいの魔力はあるだろ」

 バーヴァン・シーは魔術を起動した。

「あんまり濃すぎると後で面倒だしな、少しだけ」

 見る見るうちにバーヴァン・シーの丘には赤い茂みが生えた一方で、秘裂の周りは未だ白とピンクのコントラストを保っている。

「こんなもん?」

「ほ……奉仕しやすきよう秘部の周りは生やさぬご配慮、誠にありがたく」

「キモッ! 良いからさっさと舐めろ、オマエがさっき膣内射精(なかだし)したマンコをよ♡」

 意趣返しのように悪辣な笑みを浮かべるバーヴァン・シーだが、その目論見は失敗に終わった。

「かように美しき陰部なれば、左様なことは些事にて」

 バーヴァン・シーが煽った直後にはもはや顔を近づけていたツタンカーメンは、ぴちゃぴちゃと音を立てながらバーヴァン・シーの秘裂に奉仕する。

 ツタンカーメンの手は蜜壺の入口を容赦なく広げ、陰唇全てを舐めたかと思えば、陰核を優しく舌先で転がし、時たま少し顔を離して食い入るように見つめては、再び奉仕へと戻る。

 足を抱えていた筈のバーヴァン・シーの両手はその快楽に耐えるように顔を隠すが、隙間から覗く顔は蕩けていた。

「はぁ♡……んっ♡……ちょ♡待って、はぁ♡? そこ同時に攻めないで♡あんっ♡んっ♡んんんんんんっ♡」

「先輩の愛液、甘酸っぱくてとても美味にて♡」

 ツタンカーメンの奉仕は次第にエスカレートし、人差し指と中指を蜜壺に挿入(い)れ、上部のざらつきをなぞり上げると同時に、赤く充血した陰核を舌先で弄び始めた。

「やばっ♡それやばい♡やめてっ♡来るっ♡ヤバいの来ちゃうっ♡」

 バーヴァン・シーの懇願を受け流し、ツタンカーメンは膣内を指でゆっくりと擦りながら、陰核をじゅじゅっ♡……と強く吸い上げた。

「来るっ♡あっ♡───」

 バーヴァン・シーの蜜壺がきゅっ♡と収縮し、ツタンカーメンの指を締め上げる。

 ぷしゅっ♡と秘裂から潮を吹いたかと思えば、バーヴァン・シーは激しい痙攣と共に絶頂へと誘われた。

「──あっ♡あぁ♡……」

 しばらく放心した後、正気を取り戻したバーヴァン・シーは恨みがましくツタンカーメンを睨みつけた。

「テメエ、誰がここまでやれっつった」

「奉仕を望んだのは先輩なりや? 己は全霊で奉仕したまでのこと。そのことを責められるのは納得がいきませぬ」

 そのことを言われると命じた手前反論しにくい。

「……オマエこういうのは初めてっつってただろうが。なんでこんなに上手いんだよ」

「召喚に際して与えられた知識にて。先輩とて、多かれ少なかれ受け取っておられるはず、いかがなりや?」

「そんなの今まで引き出そうとも思わなかったんだけど? とんだ変態野郎じゃねえか。……じゃあ今度こそ私の方が上ってこと見せつけてやるよ」

バーヴァン・シーはツタンカーメンにのしかかり、その肉棒を掴み顔を近づける。

「ふん、オマエはそこで私のマンコでも見ながらよがってろ。……んあ……じゅる♡……ぐぽっ♡……じゅぽっ♡……」

 ツタンカーメンの剛直を咥え込み、バーヴァン・シーは顔を上下に動かし始めた。

「ふあっ♡……ぐうぅ♡……そ、そこはぁ♡……」

 バーヴァン・シーの身体の重みで身動きが取れず、自らの肉棒が舐られる快楽に包まれるツタンカーメンの目の前には、先ほど奉仕したバーヴァン・シーの秘裂が広がっていた。

 陰核や陰唇は見て分かるほど充血しており、その上には先ほどまでは気にも止めていなかったアヌスが口を広げている。

 秘裂と違いやや黒ずんだ菊門はクパ……クパ……と一定のリズムで広がり、その奥には直腸のピンクが垣間見えた。

「ぐぽっ♡……じゅじゅっ♡ちゅっ♡……私のテクに声も出ないようね? ってひゃんっ♡」

 ツタンカーメンは堪らなくなったようにバーヴァン・シーの秘部を再び舐め始めた。

 その大きな尻に手を置き、顔に押し付けるようにして近づけ、赤い真珠のような陰核を舌先で攻め立てる。

「あんっ♡やめっ♡クッソ、上に乗ったのは失敗だったか。チッ……おい、立て」

 反撃に合ったためツタンカーメンの上から降りたバーヴァン・シーはツタンカーメンをベッドから下ろして直立させ、自身がしゃがみ込んで肉棒に顔を近づける。

「これなら一方的に攻め立てられるでしょ♡ベッドに拘らずに最初からこうしてればよかった♡……はむっ♡……ぐぽっ♡じゅぽっ♡じゅるっじゅるっ♡」

 先ほどよりも早く長いストロークでツタンカーメンの肉棒を舐って行くバーヴァン・シー。

 右手で竿を扱きながら、左手はツタンカーメンの身体を逃さぬように固定し、顔を前後に動かし、時には亀頭を舐りツタンカーメンの肉棒を蹂躙していく。

「ふぁっふぁふぉふぁふぇっ♡」

 己の肉棒をしゃぶりながら出された声に反応して目をしてに向けると、そこには上目遣いのバーヴァン・シーが、自身の分身に頬を窪ませるほどむしゃぶりついている。

 言いしれぬ征服感にツタンカーメンは限界を迎えた。

 身体は肉棒へと更に血液を送り、一際大きく怒張した。

「ふあっ♡はあっ♡そ、それはダメにて♡出る♡出るぅ♡」

 あまりの快感に手近にあったバーヴァン・シーの頭を掴むと、びゅっ♡びゅっ♡びゅるるるるるっ♡と力強く射精したツタンカーメンの精液を、バーヴァン・シーは余すことなく口で受け止めた。

「んっ♡……んぐっ♡……んぐっ♡……くちゅっ♡ごくんっ♡……げぇっぷ♡まっず!」

「はぁ♡……はぁ♡……先輩が己の精液を飲んで……ってああっ! せ、先輩、誠に申し訳ありませぬが、今のが最後の射精になりますれば……」

 自分を制御できなかった己に恥入り、最後の希望が絶たれた事に絶望するツタンカーメンを前に、バーヴァン・シーは何故か冷静だった。

「ちょっと待て、ゲージを確認する」

 そう言ってバーヴァン・シーはドアへと向かう。ついて行ったその先には、ゲージの4分の3を占めるピンクの光があった。

「やはり……貯まっておりませぬか。先輩、あれだけのご協力頂いたにも関わらずこの体たらく……。平に……平にご容赦を……」

 頭を下げるツタンカーメンであったが、バーヴァン・シーからの反応がない。顔を上げると、バーヴァン・シーは思案するかのような顔でゲージを見つめていた。

「私の残存魔力と……このゲージの増え方からして……行ける!」

「……? 先輩、もしや何か腹案がありまするか? いかがなりや?」

「当ったり前でしょ? 私はお母様の娘だもの。サブプランの一つや二つ考えているに決まってんだろ」

 そう言うと、またベッドまで向かって行くバーヴァン・シー。

 その姿は自信に満ち溢れていた。

 

☆

 

 ベッドへ戻ったバーヴァン・シーはツタンカーメンに作戦を説明し始めた。

「いいか? 私は今ムカツクけどオマエから二回精液を体内に受け取ってんだろ? これを私の身体を通して唾液としてオマエの身体に返し、魔力が溜まり次第、最後のセックスを行う。残りの25%程度なら、さっきの前戯での貯まり具合なら余裕。あとは余力を残してセックスを終えたら扉を調べてぶち壊してゲームクリアってワケ」

「……ほ、そこまで考えておられたとは。未通女(おぼこ)だと言いまするにて、房中術の心得がありますることなど考えもしておりませなんだ」

「あ? オマエ、どこまで舐め腐ってんだ私を。てかさっきまでの殊勝な態度はどこ行ったワケ? 思い上がるのも大概にしとけよ?」

「そういうわけではありませぬ。……して、己(うぬ)は先輩の唾液を飲めば良いのでありまするか?」

「……そう。残存魔力に余裕ないんだろ? すぐに始めんぞ」

 そう言うと、バーヴァン・シーはツタンカーメンを膝の上に載せ、唇を重ねた。

 先ほどのキスより明らかに両者の舌遣いが滑らかに動き、舌を絡め合う水音が部屋中に響き渡る。

 互いの舌を絡め合い、唾液をまぶし合う快感に、二人はすぐに溺れていった。

 バーヴァン・シーが唾液をツタンカーメンへ送り、受け取ったツタンカーメンは一滴もこぼすまいと唾液を嚥下しながらも、バーヴァン・シーの口内をツタンカーメンの舌は舐っていく。

 もっと唾液を飲ませてくれと言わんばかりに歯茎をなぞり、舌を絡めるそのテクニックに、バーヴァン・シーは負けじとツタンカーメンの舌を押しのけ口内を蹂躙していった。

「ふっ♡……む♡ちゅっ♡……ぷはっ、オマエどんどん舌遣いが上手くなってんじゃねえか、変態クソファラオが♡」

「はむっ♡……んぶっ♡……先輩こそ、己(うぬ)の舌を蹂躙し過ぎにて。もう少し緩めて貰わねば、飲み込みにくく。……魔力の回復に集中するため己(うぬ)はあまり動けませぬ」

 その言葉にバーヴァン・シーは嗜虐的な笑みを浮かべる。

「へえ? イイコト聞いた。じゃあこんなのはどう?」

 顔を両手で固定し、唇を重ねたバーヴァン・シーの手が、重力に従うようにツタンカーメンの身体を這っていく。

 首筋、肩、わき腹、背筋、腰、尻たぶと流れるように、その細指でツタンカーメンの細い身体を愛撫していった。

「んぅっ♡……んあっ♡……はうぅ♡……くすぐったくありまするぅ♡……」

 ディープキスと愛撫の感覚に身を震わせるツタンカーメンは魔力の回復に集中するため反攻に出られず、ひたすらバーヴァン・シーに弄ばれていた。

「んぶ♡……ちゅっ♡はん、全然余裕ないじゃん。さっきまでが粋がりすぎなんだよチビ。魔力の方はどうだ?」

「んんっ♡……ぷはあ♡……そろそろ魔力も貯まりまする」

「よし。じゃあ、少し早いけど本番と行くか。繋がってる間にも魔力は供給出来るでしょ。オマエももう我慢出来ないみたいだし♡」

 バーヴァン・シーは己のお腹に押し付けられたガチガチに勃起したツタンカーメンの肉棒に目をやり、嗜虐的な笑みを浮かべてツタンカーメンを挑発する。

 すぐさま枕へと寝転び、誘うように秘裂を指で広げた。

「ほら、挿入(い)れろよ。さっきは私が動いてやったんだから、出来るよな?」

 その蠱惑的な姿に頭がクラクラする感覚に突き動かされ、ツタンカーメンはひざを擦ってバーヴァン・シーの前に移動すると、自らの怒張した肉棒をバーヴァン・シーの秘裂へと擦り付ける。

 バーヴァン・シーは表情こそ余裕そうにしているが、秘唇は愛液でしとどに濡れ、肉棒はみるみるうちに愛液がまぶし付けられぬらぬらと輝いていた。

「己(うぬ)が自ら動く……。全霊にてご奉仕させていただきまする」

 覚悟を決めた表情でツタンカーメンは腰を前に突き出すが、陰核や小陰唇を擦るばかりで蜜壺へ侵入することが叶わない。

「ん♡……おい、何してんだよ。いいから早く挿入(い)れろって」

 なかなか入ってこないもどかしさにバーヴァン・シーが目を向けると、ツタンカーメンは必死の表情で腰を動かしていた。

 その表情にバーヴァン・シーの嗜虐心は燃え上がる。

「あ、もしかして場所がわかんないの? だっさ♡ちょっとテクが上手くてもやっぱりガキはガキってことね。……ほら、ここだよここ」

 バーヴァン・シーがツタンカーメンの肉棒を下手で支え、自らの入口に先を導く。

「これで分かるだろ? 先が少し中に入ってるの」

「はいい……介錯感謝いたしまする……」

 釈明しつつも自らの亀頭の先がバーヴァン・シーの膣内へと沈んでいく感覚に腰が抜けそうになるが、気を取り直して腰を前に突き動かす。

 ぬぷぷ……と蜜壺の肉を掻き分けていくと、やがて互いの腰がピタリと密着した。

「んっ♡……やっぱりチンコだけは一丁前だなチビ」

「あっ♡……。左様にて……。先輩の膣内(なか)もあったかくて気持ち良きにありまする」

「ふんっ、当然だろ。いいから早く動け。もたもたしてる時間ねえぞ」

 その言葉に突き動かされるように、ツタンカーメンは抽送を始める。しかし、その腰遣いはぎこちなく、へこへことしたその動きに、バーヴァン・シーは次第に不満を募らせていった。

「ちょっと、全然気持ちよくないんだけど。さっきまでのテクはどこに行ったわけ?」

「申し訳ありませぬ……。指先や舌先を動かすのは得意でありまするが……身体を動かすのは不得手にて……」

 必死に腰を動かすが、やはり上手くいかない。脱出まであと少しだというのに、上手くいかないもどかしさにツタンカーメンは己の不徳を恥じた。

「このまま互いの悦楽を高め合えぬのであれば、いちゃらぶゲージが十分に貯まるかどうかすらわかりませぬ……」

 不安な表情を浮かべるツタンカーメンの心に連動するように、肉棒は次第に硬さを無くしつつあった。

「は? ここまで来て中折れ? おい、チビテメエざっけんな!」

 ここまで身を粉にしたのに脱出の糸口が遠ざかっていき、バーヴァン・シーは憤りをあらわにする。

(このガキに初めてまで捧げたのにここまで来て出れない? ふざけんじゃねえぞ)

 しかしいくら憤ったところで状況は悪化の一途をたどるばかり。ツタンカーメンの肉棒も力を無くしつつあった。

(チッ、クソ……。はぁ、しょうがないか)

「おいチビ、一旦脱出のことは忘れろ」

「ほ、いえ、しかし……」

「忘れろって言ってんだよ。挿入(い)れたままでいいから、顔こっちに近づけろ」

 その言葉に従い、身を乗り出してバーヴァン・シーへと近づく。

「ちゅっ♡……はむ♡……じゅる♡……」

「んぐっ! ……んぶっ♡……ぷはっ♡……先輩、この状況でキスなど、いかがするつもりなりや?」

「うっせえ。お前が無様に中折れしてんのが悪いんだろ。復活するまでキスで誤魔化すぞ」

 状況の深刻さが頭を掠めるが、バーヴァン・シーの方針に従いキスを続けるうち、ツタンカーメンは次第にバーヴァン・シーとのキスに溺れていった。

 互いの舌を絡め合ううちに肉棒は次第に怒張し、無意識のうちにバーヴァン・シーの蜜肉を蹂躙していく。部屋にはパンッパンッと腰を打ち付ける音が響き始めていた。

「んっ♡ああっ♡……ほら、硬くなった。それにオマエ気づいてる? なっさけなく腰が動いてんぞ♡」

 その言葉でツタンカーメンは自らの腰が先ほどよりも滑らかにバーヴァン・シーの蜜肉を搔き分けていることに気付く。

「はあっ♡はあっ♡これは……一体いかがなことなりや?」

「気持ちよくさせようって考えながら動くから体も動かねぇんだよ。ガキが生意気に粋がってんじゃねえ。魔力も足りてねえだろ、ほら舌出せ」

 下腹部で感じる互いの熱、舌を絡めてお互いの唾液を飲み合うその快楽に二人はひたすらに溺れていった。

 ツタンカーメンは、抽送を繰り返していく中で、己の肉棒が掠める度に、バーヴァン・シーが強く反応する箇所に気づく。

 腰を引く度に、ツタンカーメンは意識してその部分を己の雁首(かりくび)でゴリゴリと削るように動かし始めた。

「はんっ♡おいっ♡その腰の動かし方っ♡あんっ♡……生意気なんだよっ♡ガキの癖してっ♡」

「ふっ♡ふぐっ♡ここを掠める度にっ♡、先輩の身体がっ♡反応しておりまするっ♡気持ちよくっ♡なってっ♡いただきたくっ♡」

 一突きごとに互いの身体の熱を感じていく。

 バーヴァン・シーの膣内(なか)は熱く蕩け、硬く怒張した肉棒が動く度、離さないと言わんばかりにきつく締め上げる。

 ツタンカーメンは蠢動する蜜肉を蹂躙しながら、舌を絡め、バーヴァン・シーの豊満な乳房を掴み、先端を弄る。

 互いの体が一つになるかように感じていくほど高まった快楽は、ついに決壊しようとしていた。

「ぐっ♡もう♡もう己(うぬ)が限界にて♡」

「あんっ♡あっ♡……いいぜ♡全部中に出せっ♡」

 次第に腰を打ち付ける音は快楽を求めて早まり、ついに堪らなくなったツタンカーメンはバーヴァン・シーの子宮をぐりぐりと潰すように、足はベッドを踏み締め、腰を一番奥へと沈み込ませようと抽送が力強くなる。

「あっ♡出るっ♡先輩♡孕んで♡己(うぬ)の子を孕んでくだされ♡♡」

「誰がっ♡あんっ♡孕むかよ♡ああっ♡お前の子供なんかっ♡」

 言葉とは裏腹にバーヴァン・シーの足はツタンカーメンの腰を力いっぱい捕まえて離さない。蜜壺の中は愛液に満ち、この剛直を逃すまいと蠢動と締め付けを繰り返す。

 ツタンカーメンの肉棒が一際大きく怒張した次の瞬間、2人の腰が激しく密着する。怒張した肉棒は蜜壺の最奥を抉り、これまでで一番の勢いで放たれた精液が子宮の奥へと注ぎこまれた。

 どぴゅっ、どぴゅるるるるるるっ♡♡♡

「ぐ、ああああああっ♡」

「あっ♡ああああっ♡出てるっ♡あっつい♡やばっ♡いっくぅぅぅぅ♡」

 渾身の力でバーヴァン・シーの奥へと精を放ったツタンカーメンは己の視界がチカチカと白く明滅するほどの快楽に耐えきれず、バーヴァン・シーの上へ身体を預ける。

 そして、自らの子宮に注ぎ込まれた熱に打ち震え、視界が白くなるほどに絶頂したバーヴァン・シーは、力をなくし己の胸に顔を埋めるツタンカーメンの存在を感じながら、頭の奥から満ちてくる甘い痺れに身を任せた。

 二人の絶頂が収まると同時に、部屋の中に沈黙が降りる。互いの荒い息遣いだけが部屋に響いていた。

 

☆

 

 

『ピンポンパンポーン。高純度のいちゃらぶゲージが貯まりました。これにより部屋への出入りが自由になります。大変満足させていただきました。またのご利用お待ちしております』

 

「「は?」」

 互いに正気を取り戻し、いざゲージを確認しようとしたとき、場違いなほど軽快なアナウンスが流れた。

 聞き間違いか。しかし、その放送の内容は無視できるものではない。すぐさま二人は身体を清め、ドアへと向かう。

 ドアノブを捻ると、確かに扉は開けることが出来た。外はダイダロスの遺跡のある丘のすぐ横だった。時刻を確認すると、部屋に拉致された時から一秒も経っていない。安堵感からか、二人は同時にため息をついた。

「はああ……何とか脱出出来たか。拉致られてた間も部屋の中の時間は止まってたっぽいし……低俗な割に随分高度な魔術使いやがって、ホントムカツク」

「はいい……無事脱出出来て、先輩にはなんとお礼を申してよいやら……」

「おい、外に出られたんだから部屋ん中のことは口に出すな。あとは、こんな部屋作ったクソバカを見つけ出して丁重にもてなさないとな♡もちろんいっちばん残虐な拷問にかけてやる」

 そう決意を固めたバーヴァン・シーは、ツタンカーメンに向き直る。

「あ、おい、指輪外せ。これは私が没収する」

「はいい……」

 そういうツタンカーメンは指輪を外すために右手で抜き取り、バーヴァン・シーへと返却する。しかし、その目は少し名残り惜しそうに指輪を見ていた。

「なに未練がましく見てんだよ。取り決めを忘れたなんて言わせねえぞ」

 しかし、バーヴァン・シーはニヤリと嗤い、予想外の言葉を発した。

「まあでも、この部屋の出入りが出来るらしいから、次の調査に着いてきてもいいぜ?」

「ほ……? それはいかがなことにて……?」

「ホンット、頭の回転が悪いな。だから、私がこの部屋を次に解析する時に一人で来て閉じ込められても困るだろ? だから、閉じ込められても良いようにお前も来るんだよ」

「まあそんとき何かご褒美があるかもしんねえけど、な?」

 そういうバーヴァン・シーの顔は少し赤らんでいた。

「先輩……」

 ツタンカーメンが二の句を継ごうとする中、明るい声があたりに響いた。

「あっ、おーい! バーヴァン・シー! ツタンくーん! 良かったぁ。二人とも一瞬でいなくなっちゃうんだもん。もしかしてまだスローターが続いているんじゃないかってカルデアに連絡しようとしてたところだったんだよ」

「うっさい、野暮用で離れただけだっつうの。それより、あんた私が離れてた間になんか変なことあった?」

「ううん、そんなに時間経ってないし、何もなかったよ。探すために辺りを見回してたくらい?」

「そ。ならいい。ほら、リソース回収をさっさと片付けんぞ」

「もう、待ってよ! バーヴァン・シー!」

 先を行くバーヴァン・シーとマスターを眺めていたツタンカーメンは、突如振り返ったバーヴァン・シーに呼びかけられた。

「おい、早く来いよ。置いてくぞ、後輩」

「! はいい……!」

 その言葉に含まれた意味を正確に理解したツタンカーメンは二人の後を追う。

「なになに、二人ともなんか仲良くなってない?」

「別になんもねえよ、先輩呼びを認めてやっただけだっての」

「仲良くなったんなら何かはあったでしょ!」

「マスターどの、本当になにもありませぬ。それより、後ろ向きで歩くのは危うきにて」

「ええー? ツタンくんまで? ホントにござるかぁ?」

 特異点に賑やかな声が響く。

 先導するマスターを追いかけながら並んで歩く朝焼けに照らされた二人の間には、秘密の空気が流れていた。

 




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イベント中のバーヴァン・シーとツタンカーメンが一緒に閉じ込められてるところでグッときて衝動的に書きました。
後編のプロットは有りますが、完成はいつになるか分かりません。

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