変身ヒロイン新田美波さん、怪人ドクター・イチノセに敗北絶頂させられる 作:ふりーじ屋/家庭内禁書
原作:アイドルマスターシンデレラガールズ
タグ:R-18 ガールズラブ 強制絶頂 ヒロピン
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同じご依頼主の https://skeb.jp/@DORIANE_DOJIN/works/1823 を見てたらにゃん志希がヴィラン役だったので影響されてしまった感じがします。
本物の志希が怪人だったのか、怪人が志希と入れ替わってしまったのかは未定です。
(どうしてこんな扱いに……私、何かイケないことしたかな……?)
某アイドル事務所の関係者用談話スペースに妙齢の女性アイドルが4人いる。そのうち1人が床に這いつくばり、残り3人が並んで座ってスマートフォンを眺めている。
3人が眺めている画面には、つい最近インターネット上で国内外に急速に広まってミーム化している動画の一つが映っている。
『これから寒くなりますね。おいしいものが多くなるのに、外での運動が億劫になりがちですっ』
画面では、女子大生アイドル・新田美波が女性向けキックボクシングジムの宣伝のためスパーリングを体験する、とのテロップとともに美波の姿が映った。
『でも室内ならしっかり運動できますし、ストレス解消にもなるかな? お願いします!』
濃い栗色の長いストレートをポニーテールにまとめ、黒のタンクトップ、ヨガパンツ、グローブを手にはめて、カメラに向かいハキハキと語りかける。
優しげな顔立ちやたおやかな首、肩のライン、タンクトップやヨガパンツをみっちり膨らませているバストやヒップ、対してくびれたウエストが映る。身長165センチ。スリーサイズはアイドル活動で82・55・85と公称しているが、バストやヒップがもっと大きいのではと囁かれている。ダイエットが必要なのか? という突っ込みのコメントも動画に散見される。
彼女が両手にミットを構えたトレーナーに正対し、左右の足で体を前後に揺らすように軽くステップを踏み、『美波、行きますっ』とレクリエーションのように軽く声をかける。
スマートフォンのスピーカーから破裂音。
『バァン! ってめっちゃ痛そうな音がしてるけどこの子何者?』
『というかよく聞くと蹴り始めにも何か鳴ってるんだよなぁ……風切音?』
『トレーナーさんの笑いが凍った、というか痛がってるよね』
『強い、絶対に強い』
『令 和 の 最 終 兵 器 彼 女』
『次の霊長類最強女子か?』
右足のミドルキックが一発。再生が終わる。
ただそれだけの映像が、今日も世界のインターネット上でネタにされている。
「わ、私はきれいでかっこいいって思うな、この美波ちゃんのこと」
「きれいでかっこいいはアタシも同意だけど、アイドルに相応しいかと言われるとねぇ」
「ら、ラクロスとかダンスとかやってますから、って言ったらトレーナーさんはそんなもんかって雰囲気で流してくれたのに!」
「……美波ちゃんのおかげでジムも入会申し込みがグッと増えたとも聞いてるから、あんまり気に病まないで、ね」
「アタシこんなの食らったら一発で死ぬわ」
「梨沙ちゃんにそんなことしないよーっ!?」
「高いところに登ると、実際に落ちるつもりがなくても落ちたらどうしよう、って感じるでしょ。そんな感じ」
眺めている3人のうち、真ん中が当の新田美波である。優しげな美貌に不似合いな渋面を浮かべている。
その左では美波と同様の女子大生アイドル・十時愛梨が苦笑いし、右では小悪魔系小学生アイドル・的場梨沙が呆れていた。
初々しくもセクシーな姿の美波がいきなり速く鋭すぎるミドルキックを披露して、受けた屈強なトレーナーが痛そうに反応する。それが国境を超えたシュールな笑いを呼ぶのか、公開されてすぐに切り抜き動画が作られミームとして広まり、予想外に新田美波の知名度を高めてしまった。
「スポーツもできます~って美波のキャラだったから、まだプラスがあったわね。これがアタシや愛梨だったら担当プロデューサーが頭を抱えてたわ」
「……それは否定しにくいね」
「愛梨だったら、アップルパイの下ごしらえでリンゴを素手で握りつぶすぐらいの画でしょ」
愛梨と美波は、2人とも地方から大学進学を機に上京したりアイドルとしてスカウトされたりなどの経歴が似ていて、仕事以外でもよく話す仲である。
「まぁ、次から気をつけましょう。美波ちゃん、ちょっと熱くなりやすいところがあるけど、きれいでかっこいいのは確かだからっ」
愛梨の投げっぱなしフォローに不満の唸りをあげかけるも、美波はそれを抑えて動画再生を止めた。
美波の嘆きの半分は、確かに不本意についてしまった武闘派イメージのせいだった。
残り半分の原因は別にある。
「……志希ちゃん、何か落としちゃったの?」
「見つけにくいものでさぁ……ててーん! 美波ちゃんの髪の毛ゲットしちゃった~♪」
「さっきから何で這いつくばってるのかと思ったら……」
「美波ちゃんの殺人的な蹴りの秘密はこの毛髪に宿ってるのかも」
「私はサムソンか!?」
「サムソンって?」
「大昔に、神様から怪力を授かったっていう男の人。髪を切られると力を失っちゃうって秘密があったの」
「へぇ~愛梨もちゃんと勉強してるのね」
部屋にいる4人目がその原因だった。
動画をきっかけに、美波は触れられてはならない〝秘密〟を彼女から公然と探られるようになってしまっていた。
「ショートにしたらちょうどいい力になるかも。実験させて~?」
「させるわけないでしょ~っ!」
新田美波はただの女子大生アイドルではない。
ひょんなことから特別な力を持つ〝ビューティ・ウェーブ〟となって、悪の怪人たちと密かに戦う日々を送る変身ヒロインでもある、という秘密を抱えていた。
※
(……志希ちゃんがしつこく嗅ぎ回ってくるから、こっちのお仕事を隠すのがたいへんになっちゃってるよ)
いかに厳重な警備を要する施設と言っても、監視カメラやセンサーは監視対象、すなわち人間が引っかかりうるところに絞って設置する。
軽いデモのつもりでさえプロのトレーナーの顔を引き攣らせるほど強烈なミドルキックをうっかり放ってしまう美波が、常人離れした身体能力を発揮すれば、死角から強引に潜入できる。
(世の中のため文字通り体を張ってるのに、ネットだと人間兵器だのメスゴリラだの小学生男子みたいないじり方されて……)
美波は、とある企業の地下施設に潜入していた。欲望と怪奇の力に任せて世の平穏を脅かす怪人の闇取引が今夜そこで行なわれる、との情報を手に入れ、捕縛のために張りこんでいた。
春先まで、美波はラクロスや勉学に励む普通の――キャンパス内ではその美貌とスタイルでかなりの視線を集めていたが――女子大生だった。それがアイドルとしてスカウトされデビューした上、芸能活動中に怪人の一味に襲われ死にかけ、密かに助けてもらうのと引き換えに変身ヒロインの力を授けられ、以後変身ヒロインとしても活動している。
(……そもそもアイドルしてなかったら話題にはならなかったか……それに、お仕事も増えたんだよね)
美波としては、緊急事態とはいえ強引にヒロインにされたことにわだかまりがあるし、アイドルと学生に加え三足のわらじでプライベートな時間がなかなかとれないのも不満である。
一方、それなりの正義感や、変身ヒロインのおかげで体力が常人を遥かに超えて強化されたことによるレッスンや勉学への恩恵、怪人との戦いも含め勝負事に熱中しがちな性格などがあって、当人が思うよりは熱心に活動している。
今の美波の格好は、体格や人相を隠すため、また現場までが寒かったこともあって、サングラスや男物の帽子とロングコートに身を固めていた。刑事ドラマみたい、と美波はちょっと楽しんでいた。
(早く来てくれたらいいなぁ……スマホ持ちこめたら、授業の課題とか振り付けの確認とかできたのに)
美波が潜入している施設は、銃火器や電子機器などの持ち込みが厳しく制限されていた。だが、徒手空拳での戦いに長ける美波にはほとんど無関係である。
天井の高さが美波の背丈の倍近くあった。それよりやや低い高さの棚が、人2人ならすれ違える間隔をあけて整然と並んでいる。床面積は広いらしいが見通しが悪く、美波は大学図書館の大書庫を連想した。
しかし書庫と違って、ここは非常灯だけがあちこちを点々と照らすだけでほぼ闇に包まれている。しかも棚には本ではなく、生温い排気を断続的に出す何かの機械が並んでいる。
サーバールームか、と美波は推測していた。
(……蒸し暑い? もう冬なのに)
美波には油断があった。そうさせる要素はあった。
美波は変身ヒロインとして無敗であった。しかも見通しが悪く大人数で動きにくいこの場所は、美波のファイトスタイルに向いていた。怪人たちも自分たちが隠れ蓑として利用する施設に損害を与えたくないだろうから無茶な攻撃はするまい、という常識的な判断――偏見とも言える――があった。
(変身したほうが涼しいかな……いや他人に見られたら……今ここに来る人に堅気がいるわけないか……これは、怪人の不意打ちに備えるため……でも目立つのよね……)
もっとも、そこにはもう一人油断しているアイドルがいた。
「出ておじゃれ♪ 隠れていても……美波ちゃんは匂いでわかりまするぞ~!」
「は? ……はぁ?」
少し離れた背後から飛んできた声に、美波は考える間もなく振り返り、口をあんぐりと開けてしまった。
「志希ちゃ……嘘でしょっ!?」
「手加減のつもりであんなキックぶっ放してた美波ちゃんがよく言うよ」
美波より1歳年下の同僚アイドル・一ノ瀬志希そっくりの姿が、不似合いなパンツスーツをまとって立っていた。
「ゔァ゙いだぁっ!? こら美波ちゃんっ、あたしが常人だったら背骨までへし折れてたよ!?」
「セキュリティーに引っかからず、私にも気づかれずここまで来る常人なんかいないでしょ」
美波が男装を投げ捨てつつ一瞬で距離を詰め、志希らしき姿のウエストを狙い前蹴りを一撃。敵方が蹴りを腕で受け止めつつ転がり、壁近くまで後退する。
「おやおや、美波ちゃんったら今度は見せつけてくれるの?」
「志希ちゃんになりすますなんて何のつもりよ」
「そんなに聞きたきゃ、あたしの口を割ってみにゃ♪」
「言われなくてもっ」
美波が志希らしき不審者をパンチやキックで攻め立てる。サーバールームの換気音を、鋭すぎて破裂音じみた蹴りの風切りや踏み込みが引き裂く。
「男装ごっこがおしまいなら、あたしもこんな窮屈なスーツはポイっとしちゃうか~」
パンツスーツが目眩ましのように投げつけられ、それを避けて踏みこんでもう一発。今度はステップバックでさばかれる。
「うわっ、耳がキーンってなっちゃったよ」
「まだ小手調べだよっ、避けたのがまぐれか確かめてあげるっ」
「しかも床が……ここ足跡がつくような床材じゃないんだけどなぁ」
物騒な格闘に対し、暗がりと非常灯の合間に見え隠れする2人の姿は煽情的だった。
(本当に志希ちゃんそっくり……でも、本物の志希ちゃんだったら、一撃ぐらい当たってるはず……)
美波はその〝志希〟そっくりの姿にあらためて警戒を強める。
長くふわふわした濃い赤茶のウェーブヘアに、猫のように丸い目と輪郭。少しウサギっぽいくちびる。ダンスレッスンなどでは早々とへばる体力不足ながら、身長161センチ、スリーサイズは83・57・82という公称どおりに見えるスタイル。
さらに、着衣。
「それにしても美波ちゃん、その格好で恥ずかしくないの?」
「あなたが言えた格好かしら!?」
「どうぞご覧あれ、〝ミスティック・エリクシル〟ですぅ~♪」
敵方がスーツを脱ぎ捨てると、その下から暗がりにも華やかな白、赤をメインカラーとする衣装。白衣を模しつつもほっそりした腕やウエストを見せるアウターを羽織り、胸元とスカートは赤とピンクのフリルに金鎖と香水瓶のアクセントをあしらう。ほとんどビキニぐらい素肌を見せつつ、太ももは黒のガーターストッキングで引き締める。足元は大きく赤いリボンをアンクルストラップにしたハイヒール。髪にリボン、手首にカフス、右腕にアームレットと細部にも彩りをちりばめる。
美波も見覚えのある志希の衣装そっくりで、格闘には不似合いな格好だった。
「その格好だと、正義の味方なのにめっちゃ数字誤魔化してるの、バレバレっ」
「数字?」
「82・55・85だっけ~? 嘘に決まってるっ! 怖い怖~いパンチやキックのたびにパツパツの生地が張り裂けそうだよ~」
「〝めっちゃ〟なんて誤魔化してませんっ」
「今あたしに見られてるって意識したね、加減でわかるよ~」
「減らず口を!」
「キックのたびに太ももの付け根からお尻のラインが丸見えだよ~。アイドル・美波ちゃんのそんな破廉恥な脚線美、あたしに見せちゃっていいのかな~? っひょっ!? お~怖い怖い」
「見たこと忘れさせてあげようか、物理的に」
「……あそこの形もぴっちり浮き出そうだね、そんなに汗かいてるのか……汗かかなくってもそうなっちゃうのか……ヘンタイっ♪」
対して美波の姿は、敵方よりはまだ格闘向きだった。
青をメインカラー、オレンジと白を差し色とするレオタードが、美波の肉体にぴったりと張りつく。表面が滑らかでわずかな非常灯も照り返す。逆サバ疑惑を公然と指摘される豊満なバストとヒップも、健康的に引き締まったウエストも、レオタードの青がくっきりと引き立てる。
それだけを見ればまるで競泳水着であるが、ヒップから太ももにかけてチュチュやスカートのようにひらひらする縦フリルや、前腕をぴったり覆う白のアームロング、ほかとカラーリングを合わせつつも騎士のような無骨さをほんのり帯びるサイハイブーツ、水泳に似つかわしくない棚引くままのロングヘアまでが目に留まれば、それが水泳用ではないと判断できるだろう。
変身ヒロイン〝ビューティー・ウェーブ〟の戦闘態勢である。この状態では美波の身体能力が一層強化される。
「げっぼっ……今あたしの骨ミシミシって言った!」
「痛いのが嫌なら早くお縄につくことね!」
敵方は〝バレバレ〟と言ったが、常人の目ではこの美波の艶姿が捉えられるか怪しい。
(開けた場所だったら、とっくに捕らえて絞め技で落とせてるところなのに……)
今の美波はスピードもパワーもプロの格闘家を遥かに上回る。壊そうと思えばただのパンチとキックで棚をパソコンごと破壊して〝開けた場所〟にできる。美波がそうしないのは第三者にバレるリスクを考慮したり、そこまでしなくても眼の前の敵方を追い詰められると思っているだけである。
敵方は、かよわく女性らしい志希の姿に似合わぬ体捌きで美波の攻撃を防いでいるが、反撃する余裕がないらしく、しだいに汗を浮かべ息を切らす。
「もうっ、ここまでしなくてもいいかなと思ったけど……」
唐突に敵方が美波に背中を向け、棚の影に隠れかける。追うか、罠か、美波が一瞬迷うあいだに、非常灯の狭い範囲から外れて闇に消えてしまう。
「逃げたっ!?」
「ご安心を~♪ あたし、逃げるつもりなんてないから~」
「じゃあ、何が目的なのよ……」
「ここでドクター・イチノセのトリビアコーナーっ。ヘビってね、嗅覚はなかなかのもんだし、赤外線も見えるんだよ」
美波は志希の気配を探り当てようとしつつも、いきなりの謎めいた言葉の意味を考えてしまう。
少し前に、志希とはゲーム『グランブルーファンタジー』関連の仕事で共演した経験がある――美波は戦乙女の役として、ヒロインで強化された身体能力を存分に活かし評価を高めた。対して志希は、ちょうどミスティック・エリクシルに似た衣装で下半身をヘビにしたラミアといった趣向で、役どころは美波に薬を飲ませ――美波は回想を打ち切る。
「つまりね、暗闇なんてどうってことないの」
「それなら声で撹乱しようって? スピーカーか生声かぐらいわかるよ、これでもアイドルですから」
戦況を五分に戻された、と美波は感じていた。
美波とて、変身ヒロイン化による身体能力向上の一つとして五感が超人レベルで研ぎ澄まされている。敵の声や足音でおおまかな位置を感じ取れる。とはいえさすがに赤外線は目視できない。匂いで辿ろうにも、そもそも手がかりとなる敵方の匂いをしっかり嗅げておらず、おおまかな位置の感知に留まる。
(……もし敵に援軍が来たら……さすがに……退かなきゃダメかな……?)
先に、わざわざ志希の姿を見せられたせいか、匂いに絡めた罠が頭をよぎる。
「あたしには、暗くても美波ちゃんのヤラしい姿がよく見える~♪」
それきり敵方がいきなり黙りこんでしまう。五感で捉えられるのは、つるつるした床、サーバーが出す排気音やチカチカ点滅するわずかなランプ、肌にまとわりつく蒸し暑さだけになってしまう。
「本当の姿を隠しているあなたのほうが、余程いやらしいわ、怪人めっ」
美波は相手の反応を引き出すべく挑発的な台詞をいくつか投げつけてみた。が、なしのつぶて。
音や匂いを頼りに、美波のほうから探り探り接近しようとすると敵方に動かれ、露骨に距離をキープされる。
(見た目は気色悪いほどそっくりだけど……あの飽きっぽくて焦れったがりの志希ちゃんが、こんな膠着状態でそう長くは……いや、性格までそっくりとは限らないわ)
意識に隙間が生まれる。もし敵方が、他人の見た目を忠実に再現できる能力のある怪人だったとしたら、と考えてしまう。志希あるいは他の人間になりすまして悪事を働かれれば被害は計り知れない。
(……私のキック動画も、怪人のなりすましだったってことにならないかなぁ……)
そうした思考は、普段であれば他人への気遣いとして現れただろう。
が、今は怪人との戦闘中である。
「ああぁぁ……っ!?」
股間に突然走った細長い刺激に、美波はあられもない悲鳴を漏らしてしまった。
「何よこれぇっ、こんなものーっ!」
「うぇえ!? それブチッて切るの!?」
細長い刺激の正体は、足元から急に跳ね上がった股縄であった。それを即座に掴んで引きちぎった美波の腕には、ただの怒りや羞恥以上の力が込められ、闇から驚きの声が漏れる。
(まだ痛い……? いや、違う……あそこ、じんじん、してる……)
レオタード型の変身ヒロイン衣装のクロッチは、水着のように薄くぴっちりしている外見に反して、少々の打撃は受け流してしまう。食らってしまった直後は、すぐ収まると思えた。
それがデリケートな部分にだけ、妙に長くじんわりした感触が残っている。
「でもね、それは他の意味でも、ただのロープじゃあ――」
「――隙ありだねっ」
「ふぎゃあっ!?」
棚からわざわざ顔を出して何かを言いかけた敵方に、今日最速の踏み込みで迫って攻撃。ついに敵方の体勢を崩す。
「御託はお縄についてから並べなさいっ」
「ごほっ、美波ちゃんマジ……っぉ、ひっ」
ジタバタする敵方の背後をとって、その首に腕を引っ掛けリアネイキッドチョークをかける。頸動脈へまともに極まれば数秒で落ちる。
が、クニャクニャと抵抗されてなかなか極まらない。
(手こずらせてくれるわ……それにしても、匂いには志希ちゃんほど詳しくないけど……腹が立つ再現度ね……!)
艶はあるがボリュームがありすぎて雨と晴れで別の生き物のようになってしまうウェーブヘア、それが孕むキッチュなほど甘ったるい体臭。細い首と肩。ふっくらしたバストとヒップ。
(志希ちゃんは私に――私以外にも、か――ときどき勝手に抱きついて匂いを嗅いでくるから、わかっちゃう……!)
体つきも、声も、匂いも、申し分なく一ノ瀬志希そのものである。不自然な点は、常人を遥かに超えた格闘に晒されて格別の傷がない肉体とミスティック・エリクシルの衣装ぐらいだった。
「っきゃああっ!? また……っ!」
「縄は、捕らえる側が、用意しておくもんだよ~っ!」
再びピンと張られた縄が美波の股間に直撃。さらに食いこみながらベルトコンベアじみた勢いでずりずり動く。縫い目の凹凸がずりずりと美波を悶絶させ――敵方は自身を巻きこむ覚悟で起動したらしく、せっかくのフリルも揉みくちゃにしながら喘いで――ぞくぞくとした感覚に2人して悶絶する。
(確かに拘束具を持ってくれば良かった……っていうか、これ……あ、あそこのっ……クリトリスを、狙って……!?)
デリケートな部分への縄刺激がごくわずかな隙を作り、敵方が美波の拘束から逃れてしまう。
「っぜぇ、はぁっ……死ぬかと思った……美波ちゃん、これまで何人か殺してるでしょ……」
「失礼ねっ、怪人以外はちゃんと生け捕りにしてますっ」
美波は再び敵方に格闘を仕掛ける。またしても一方的に攻撃を続ける。
しかし、直前までと比べると打撃や身のこなしがぎこちなくなっていた。
「このかよわいドクター・イチノセがうっかり死んじゃったら、正義のヒロインとしてもアイドルとしても台無しだよ~」
「それが怖ければさっさと捕まりなさいよーっ!」
「ドクター・イチノセの特別講義~♪ 人間の死体を隠すのは結構難しい。小型重機レベルの穴じゃ埋めても動物が嗅ぎつけちゃうし、山や海や川はみんな意外と見ててすぐ見つかる。ドラム缶コンクリ詰めで沈めたぐらいなら浮いてくるし、刻んだら物証になる骨を広くばらまくようなもの。焼いたり溶かしたり? いくら用意したらいいのか」
「志希ちゃんの顔と声で物騒なことを言うんじゃないっ!」
目前に追い詰めているはずの敵方が、本当に同僚アイドル・一ノ瀬志希なのではないか。疑念が蹴りを鈍らせる。さらに敵方があらかじめ仕掛けてきたらしき奇妙な縄も、美波の気を散らす。
(やっぱりあそこを狙って……わかってればかわしやすいけど……)
股間の違和感がじりじりひどくなる。勢いをつけてキックを放つたび、クリトリスや膣口部分の粘膜に、熱やかゆみが混じった名状しがたい感覚が催される。格闘の切れ味がどうしても鈍ってしまう。
対照的に、敵方の挑発的な口上がだんだん滑らかになっていく。
「グロテスクが嫌ならエロティックはどうかな? 例えば……女の子をムラムラ~ってさせちゃう媚薬の話とか」
「そんなもの、あるわけない……!」
「レアなのは確かだね~。人間の体って不思議でさ、慣れちゃうの。ミトリダテスって知ってる? 文香ちゃんとかのが詳しいかも」
「あんまりおしゃべりしてると舌を噛む羽目になるよっ」
「昔々も大昔、毒を薄めてちょっとずつ摂取してれば慣れるんじゃないか? って自分で試した人。有機物の毒ならありなのかな? おかげで戦争に負けて服毒自殺しようとしたら、耐性がついちゃっててしくじったんだとか」
自身の挑発に酔っているのか、敵方がわざわざ美波の正面のまっすぐ先に姿を見せる。
美波は蹴り――と見せかけて貫手――を放つ。
「っくっ……!」
フェイントを見抜かれてか、攻撃をまともに受け止められる――考える前に驚きと迷いを振り払って追撃――部屋の大きな棚がいくつも巻きこまれ、紙細工のようにひしゃげて吹き飛ぶ。
「ところで化学はね、自然界にないはずのものを、自然界の材料から作るってのがポイントの一つなんだよ~。例えばあたしの得意分野の香水では……」
「麝香とムスコンのことなら知ってますとも!」
「だよね、あたしも美波ちゃんにウンチクぶちかました覚えがあるよ~♪ 覚えていてくれて嬉しいな」
広いが見通しの悪かった部屋に、見通しの効く場所を作ってしまった。敵が飛び道具を使ってくるなら不利だが、床から跳ね上がってくる股縄が壊れた棚に引っかかっていくつかダメになったと思えば損でもない、と美波は自分に言い聞かせる。
「……本当に、悪趣味」
「一応教えといてあげる。ここの機械を壊さないようにってお気遣いには及びませ~ん。あたしが換気とかいろいろ止めちゃってるから、この子らはオシャカになってるかも」
「それは、どうも、ご親切にっ」
吹っ飛ばされたはずの敵方が、広げた場所の端にゆっくりと姿を見せる。薄暗い非常灯に照らされ、ミスティック・エリクシルをまとう姿が美波の視界に見え隠れする。
「なぁに、美波ちゃんの体のほうが、先にダメになってるはずだよ」
今度は敵方が美波に突進してくる。素早いが単純なタックルに対し、美波はとっさに膝蹴りを合わせる。
当たる。が、威力が足りない。
「ひゃああっ!?」
「んぐっ……にゃははっ、例えばさ……この部屋に、媚薬ガスが立ちこめてたとしたら……」
膝頭を受け止められながら敵方から尻をむんずと掴まれ、ついに美波は自分の体に起きている何かの異常をはっきり認めざるを得なくなった。
「っふ、っくっ、こんなの……!? この、離れなさいっ!」
「可視光線が少なくてわかりにくいかな? じゃああたしが今の美波ちゃんのイヤらしいところ見て、教えてあげ……痛い痛いッ」
尻肉を揉まれた。女性として、またアイドルとしてならともかく、変身ヒロインと怪人との熾烈な格闘中では〝こんなの〟程度の刺激のはずだった。
それが腰から手足にまで広がるゾワッとする感覚に襲われ、一瞬戦闘を忘れてしまう。下半身を押さえられたまま、やむなく至近距離の敵方に拳や肘打ちを見舞うが、手応えは冴えない。
「媚薬ガスなんて、そんな匂いはなかったはず……そもそもあなたが自分まで巻きこんで……」
「無臭でデンジャーなガスなんていっぱいあるよ? 今の時期だと一酸化炭素とかでよく死んでる。雪国じゃないと聞かないかな?」
「んひゃあっ!? お尻、やめっ……くっ」
「あと、そこらの媚薬なんてあたしに効かないし、美波ちゃん用の特注を作ったし♪」
「この……ヒロインを、舐めないでよねっ!」
今度は敵方の首に腕を引っ掛け、再びスリーパーホールドでのノックアウトを狙う。
「ふあやぁぁあぁっ!?」
しかし絞まる前に敵方が反撃。美波のレオタードのフリルやハイレグごと尻肉を掴み、割れ目に沿って指先をぐっと食いこませたばかりか、そのままお尻の肉を割るように外側へ引っ張る。
美波の肉体が引き攣れ、レオタードが格闘以外の緊張でぎゅうっと突っ張られる。しなやかな布地が股間に食いこみ、秘裂をじわりと熱くさせる。
美波は考える間もなくホールドを解いて、転がりながら飛び退いて敵方から距離をとった。
「美波ちゃんの体がどれだけえっちになってるか、感じていても見えないからわかりにくいかな? なら教えてあげよっか。もしあたしがヘビみたいだったら、美波ちゃんのどこがどれだけ興奮してるのかなんて、丸わかりだし」
「……人間離れしすぎでしょ」
「ブラフだと思う?」
美波から油断が消えたが、その空白に冷静さではなく焦りが滲み広がりつつあった。
「例えばねぇ……いくらレオタードで隠してても、さっきお尻をムギュって掴まれたとき、お尻が大臀筋だけじゃなくインナーマッスルまでキュってなって……明らかに殺意以外のせいで筋肉が緊張してたね?」
「……正直、今のあなたに殺意は湧いてるわ」
「で、あたしがまだ触ってもいないクリトリスちゃんが、触って触って~♥ ってぷっくりして、おまんこも血が流れこんでふっくら火照って……ってのが、赤外線や匂いで見えるんだよ……おおっと」
「くっ……!」
敵方を黙らせようと牽制の貫手を放つが――股間の違和感でキックをためらってしまった――かわされ、また間合いを取る。
「あと乳首もぽってり……結構おっきくて弄りがいがありそう! 美波ちゃん自分でも弄ってる? というか乳首とかおまんことかこんなに出ちゃうほどぴっちり薄いコスチュームってどうなのさ。アイドルの衣装だったら裏当てとかあるのに……」
「いきなり、ずいぶん余裕らしいご様子を見せてくれるね……!」
言葉と逆に、この瞬間に虚勢を張っているのは美波のほうだった。
(本当に見えて……? いや、ちょっと敏感になって擦れてるだけ……大丈夫、まともに当たれば一撃で……!)
志希の気配に向け回し蹴りで足を振り抜こうとして、腕か肩で受け止められる。ウェーブヘアらしき軽やかな感触がサイハイブーツ際の肌までくすぐってきて、熱湯入りやかんに触ってしまった瞬間のように飛び退く。
「美波ちゃんの太もも~。この弾力と柔らかさを併せ持つ感じ、ご褒美のつもりかな? 時子サマみたいな路線もありかもね」
言い返す代わりに手や足での連続攻撃を浴びせる。序盤よりたくさんヒットさせており、ボクシングなどの試合であれば判定で優勢が取れただろう。
だが、美波の焦りは深まる。美波が立て直したのではなく、敵方が打たれるダメージを気にしなくなっただけだった。
「そーれっ、さわさわ~っ♪」
「くっ……」
美波の一撃一撃がさらに軽くなってしまっている。
乳首やクリトリス、陰唇への擦れを気にしてしまえば、踏み込みも手足の振りも甘くなる。軽い打撃では敵方も怯まなくなる。
「戦いながら乳首やクリトリスを勃起させて気持ちよくなってるなんて、とんだヘンタイさんだ~」
「くっ、あなたが……ふぅぅう……っ!」
しかも敵方の狙いが美波のデリケートゾーンに集中してくる。試合であれば反則負けとなる股間狙いの攻撃も無遠慮に繰り出してくる。ほとんど暗闇のこの空間でも正確であり、美波を時に怯ませる。
「にゃはは、美波ちゃんの体もわかってるんだ」
美波は必死に平静を保ちながら敵方の位置や出方を探る。
(今さらだけど、分が悪い……このまま粘られたらもっと体がおかしく……でも逃がしてと言って逃がしてくれる相手じゃないでしょうね……)
これからどうにか隙をついて有効な一撃を入れる。さもなくば撤退もままならない。
「今から美波ちゃんの大事なところを気持ちよくしてあげるのが愉しみ~。クリトリスは親指ですりすり、人差し指でくりくり、舌でぺろぺろって優しくしてあげる……想像しちゃった? 今ぴくってなったね」
敵方の声音が露骨に浮ついている。
美波に対する優勢に酔っているのか、そう美波に思わせておびき出す演技か。
「ほらほら、黙っちゃってるしキックも軽いっ、さっきまでの威勢はどこ?」
「っく、ぅ……こんなところばっかり……っうぅー……ぅ……!」
また敵方が接近してくる。普段の美波からすれば余裕でさばける一挙手一投足が、皮膚の内なる発情とすぐ外の暗闇とに邪魔され、かわすのも覚束なく、美波の神経をすり減らしていく。
「おおっと」
「この……ッ!! くああっ!?」
逆に美波の攻撃がかわされると、腕や脚を戻して立て直すまでの間に、乳房や股間へと敵からの反撃が飛んでくる。掠るだけでも悶絶したくなるほど敏感になっている。
(私の体、本当に、おかしく……っ……)
いきなり敵方が攻撃を止めて黙りこむ。
美波はとっさに壁を背にする。不意打ちなどで背後を取られて一方的に〝攻撃〟されることを警戒してみたが、これでは壁が邪魔で手足を振りにくい。
(ええい、美波、冷静になるのよっ……きちんと入ればあの偽物にも効く……今でも隙ぐらいは作れる……一発まともに当てて、それから……)
ためらう足を手のひらでぴしぴし叩いて、どうにか壁際から前に出る。敵の気配を探り直そうと集中する。
(……間合いを離した? 今さら? 私が逃げ出すと踏んで、出口近くで待ち伏せとか……)
美波は自身の額や腋に汗が垂れるのを感じた。変身ヒロインの身体能力ならまだ疲労するには早い。敵方の言う媚薬ガスが美波の体を蝕んでいる、との懸念がじわり膨らむ。
少しずつ、すり足で出口側へ近づく。
足元にかすかな違和感。
「何度もこんなものを――ンああぁああっ!?」
「またあそこに来ると思った? 残念~♪」
美波は股縄を警戒してガードを下げるが、細長い刺激が襲ってきたのは胸側だった。
「ダメ、や、はなし、てっ……あぁぁぁ……!」
「話して? 昔々あるところに~……おやおやちょうどいいところに壁さんが!」
乳首に命中した縄で怯んだ隙を突かれ、美波は敵方に羽交い締めされる。
「ああああっ、ダメぇえぇぇっ!」
「スーツごしにずりずり擦っちゃうぐらいでちょうどいいかな~♪」
そのまま壁に押し付けられ、乳首を〝ずりずり〟とした摩擦が襲う。
(乳首、胸、が――こんなの、こんなに――おかし、ぃ――いっ――)
初めての乳房絶頂があっという間に訪れ、儚く消え、美波に驚愕と残り火のような体の火照りが残された。
「くひぃっ……!! ハッ、はァッ……」
「おやおや、気持ちよさそうな声だねぇ」
「気持ち、よくなんか……っはぅっ!?」
「やっと美波ちゃんのこりこり乳首を触れちゃった♪ あたしの指先も気持ちいいっ!」
美波が冷静さを取り戻す前に、今度は敵方が腋下側から手を伸ばして美波のバストを捕まえてくる。抵抗しようにも打撃力は弱まっているし、下手に強く動けばレオタードが擦れて股間がしびれる。
「くっ、この……離さないと……はあひゅっ!?」
「これじゃパンチもキックもたかが知れてるでしょ、人間らしいところも残ってて良かったね」
「や、だぁ……は、ひっ、あう、んっ……えう、んんっ……!」
かといって手足をバタつかせるだけでは、胸揉みをさらに食らってしまう。これが素面ならくすぐったいと恥ずかしいで済んだかも知れないが、媚薬が美波の神経をかき乱し、格闘の合間の乱暴な愛撫からですら快感を得てしまう。
「ほうら、可愛くぷっくりしてる乳輪ちゃんが、もうはっきりわかっちゃう♪」
敵方の手のひらがバストの膨らみをぽよぽよ弄びつつ、指がレオタードの薄い生地越しに乳輪の輪郭をなぞる。その的確さに美波は危機感さえ覚える。
(ダメ……抵抗、しなきゃ……!)
美波は肘を後ろに振り回そうとするが振りほどけず、敵方に鼻で笑われてしまう。愛撫の仕方が変わる。指先が乳首を探り当ててつねってくる。
膝が笑う。ブーツの中でつま爪が悶える。乳首に追撃を食らって悶絶させられる。敵方の足を踏みつけて抵抗しようにも、足を上げるのもままならず、立っているのがせいいっぱいだった。
「いいね、こんな可愛い抵抗なら、ドクター・イチノセは大歓迎です~」
今度は乳輪の縁をくるくると撫でられ、乳首だけをきゅっとつままれる。火照った吐息がくちびるから漏れ、慌てて奥歯を噛んで押し止める。
「んんっ……くぅ、ぅっ……!」
華やかな衣装どうしが立てる衣擦れに、美波自身の呼吸の乱れが重なる。耳や後ろ髪や項にかかる敵方の吐息が、寒くもないのに美波を震わせる。
「やっぱり82よりおっきいでしょ、これ。正義のヒロインが公称で嘘ついてたなんてショック~」
「んぐ、ぅぅーっ……触るの、やめ……ひっ、んんんっ!?」
敵方の愛撫に変化が現れる。痛むほど強く掴まれてはすぐに緩められ、緩んだ隙にまた乳首だけを優しくくすぐられる。緩急の落差に美波の意識が振り回される。
(気持ちいいなんて――ありえ――ないっ)
快感に邪魔されながらも、手足をバタつかせたり胴体を捻る。ぴっちりしたレオタードの布地がますます引き攣れ、縦フリルがふわふわ揺れる。
美波はもう一度腕を振ろうとする。しかし振り抜く前に敵方の腕にぶち当たる。
「先におっぱいを可愛がってあげる。もちろん、あとは……にゃははっ♪」
「はっ、ぁ……や、離し――んぐっ!」
言葉の途中で乳首をつままれ、声が途切れる。髪の毛をバサバサ振り乱すほど抵抗しても、敵方の指がきっちり狙い澄まし、つまんだまま捻ったり、引き伸ばしたり、押しつぶすほど力を込める。痛みと快楽が混じった感覚が乳先から神経を奔って美波の理性を揺らす。
(本当に、このままじゃ……でも、どうしたら……)
乱れる呼吸のたび、レオタードの胸元が押し上げられ、また沈む。その上下動そのものが敏感になった乳首をさらに刺激し、抵抗さえ快楽を煽る悪循環に陥る。
「ふむふむ、ドクター・イチノセ謹製である美波ちゃん専用の媚薬、それなりに効いてきたようですな~」
敵方の両手が矛先を変えて、今度は左右からアンダーバストを中心に包みこむ。持ち上げては落とし、寄せては離す動きに、美波のバストがされるがまま形を変え、快楽が湧き上がってますます持ち主を悶えさせる。
「えぅ、うううーっ……!」
「あたしの見立てだと、小さく見積もってもトップ90はある! どう?」
「このっ……勝手に、言ってくれて……んひゅっ!?」
「どう、って聞いてるでしょ」
そうかと思えば、乳輪ごと押し潰すように強く握られる。瞬間、下腹の奥で何かがせり上がる予感が走る。美波のブーツが床をずりずり弱々しく掻き、体勢が崩れかけ、あろうことか背後の敵方に体重を預けてしまう。
「んっ、あ、待って……こんな、の――!」
「我慢しないの~、イっちゃえ」
声とともに両の乳首をきゅうっと同時につまみ上げられる。美波の視界が白く弾け、何度も敵方を打ち据え部屋の一部を破壊していた腿と膝が、無抵抗にガクガクと震える。
(い、イク、なんて……や、だ……ぁ……ッ……!)
絶頂の波は乳房の芯から広がり、後頭部や腰まで一気に駆け抜ける。声にならない呻きが喉から漏れ、美波の両足がガクガク震え、ついにコスチュームで留めきれない愛液が内腿を伝う。
「っあ、は……ぅ、そ……」
「あははっ、もう腰が抜けちゃう?」
前に倒れこみながら転がってどうにか敵方の腕から逃れる。クロッチと粘膜で感じるぬちゃぬちゃした感触に身震いしつつ、必死で戦意を呼び起こす。
(体が、熱い……とにかく一撃入れて怯ませないと、逃げるのもままならない……っ!)
美波は当初の自信をすっかり失っていた。それでいて遁走にも専念できなかった。
それは怪人を放置しておけない正義感か、勝負事などで熱くなりやすい性格のせいか。
「おやおや、今さら逃げようったって……遅いんじゃないの?」
はたまた、敵方が志希になりすましていると確かめておきたい未練のせいか。
(逃げる……フリをして、一撃……!)
美波は最後の反撃にかかと落としを選んだ。
(もう脳天にまともに入れなきゃ効かないだろうし……隙は大きいけど、一か八か……)
当人もそこまで合理的と思っていなかった。
「あたしの特製ガスは十分回ってるよね。それに、罠もまだまだ残ってる」
確かに、かかと落としは筋力に加えて重力が乗る分高威力で、かつ他の蹴り技と大きく異なる軌道のためガードしにくい大技である。一方、予備動作が大きい。
(私が床に転がったばかりで、まさか上から来るとは思わない……はず……ええい、美波、迷うんじゃないっ)
一般的な格闘技の試合の多くでは、身長やリーチで負けている相手にその不利をひっくり返す狙いで繰り出される。
「さぁ神妙にお縄について、ドクター・イチノセに好き放題にされるのだ~♪」
だからこそ美波も、体格でほぼ互角であるこの敵方にここまで見せていなかった。
(――ここ、だっ)
近づいてきた敵方を狙い、思い切り足を振り上げ、下ろす。
「はああぁああっ!」
「ぶぇぶっ!?」
かかとに伝わる硬い感触――直撃――クリーンヒットした頭蓋骨のそれと信じて、脇目も振らず出口へ。
「ああああっ!?」
「アイドルの顔を足蹴に……この臭い、まさか鼻血か……何年ぶりだろ……」
出口へ向かうことはできなかった。かかと落としで大きく開いた股に、縄よりも鋭く深い刺激が突き刺さって、美波はたまらず軸足の膝を折ってしまう。
「ごめんね、美波ちゃんのことナメてた。両手で防いでおけば良かった……にゃはは、あたしが悪いか、美波ちゃんも売れっ子アイドル、かよわいフリぐらい嗜んでるよね」
敵方の顔に向けたかかと落としは、直撃寸前に片手のガードが間に合ってしまい、ガードごしに敵方の鼻を少し潰しただけにとどまった。
「きゃあッ、や、ぁっ! あそ、こ……お、ねが……とめぇ……いやぁああああっ!」
その隙が大きく、コスチュームごしにも反応してしまうほど敏感にされた股間に反撃を食らってしまう。痛みと快楽で、美波は今夜初めてはっきりと悲鳴を上げた。
「そこダ、メ……いっ、っっうぅぅうううーッ!」
「あそこを乱暴されても気持ちよくなっちゃうなんて、あたしの媚薬がすごいって自画自賛してもいいかな? それとも……美波ちゃんが痛くされて気持ちよくなっちゃうヘンタイだったとか?」
突きの痛みがまだ引かないうちに、敵方の指がさらに秘裂の合わせ目を探り当てる。レオタードの生地は薄いが伸縮に富み、陰唇に食いこむと襞が浮き上がってしまう。美波自身はともかく、敵方にはよく見えてしまうらしい。
剥ぎ取る手間を惜しんだのか、敵方は布越しのまま構わず攻め続ける。
「赤外線が見えるとね、このえっちな衣装ごしでも、美波ちゃんのあそこが、ちゅくちゅく、ひくひく、っておねだりしてくれるのが丸わかりだよ~」
美波は体勢を立て直そうとするが、間に合わない。敵方の指がクリトリスの位置を的確に捉え、布の上から爪の先で弾く。
鋭い刺激が背骨を駆け上がり、美波の口から掠れた悲鳴がこぼれる。熱い疼きが奥から手足の先まで響く。
(痛い、のに――なんで――こんな、こと――)
敵方の指が責め続ける。円を描くようにクリトリスを押し潰してから、今度は捻り上げる。次々と変わる刺激が美波の神経をかき乱す。逃れようと腰を動かしても、敵方にケラケラ笑われてしまうばかり。
「ここまで敏感だったら、こんなぴっちり衣装がアダになっちゃうんじゃないの?」
布地越しの摩擦が肌に直接触れる以上の熱を生む。ふだんなら細かく意識せずにいられる繊維の目が、敏感にされた粘膜を細かく擦り、敵方の愛撫や美波自身の身動ぎがぴっちりした衣装を通して全身に伝わる。
美波は両手で敵方の腕を掴み、引き剥がそうと力をこめる。だが握力さえ震えて定まらず、爪先だけが空しく敵の手首に食いこむ。
(力、入らな――あそこ、ばっかり――)
クリトリスをつままれたまま小刻みに揺さぶられ、美波の腰がびくんと跳ねる。膝がまた崩れかけ、上体が敵方のほうへ傾いでしまう。
「あ、おっぱい、は……歯ぁ立てちゃおっかな」
敵方の指がさらに深く布地を押し込む。乳輪と乳首に歯を立てられる。これまで美波を守ってきてくれたコスチュームも、この刺激は受け流せない。
「んっ……あ、はっ…………んぐうっ、あお゙……ぉお゙イグ……ぅ…………っ!」
「にゃはは、イクときにイクって言えたね、えらい、えらい」
自分の反応を自覚させられるたび、羞恥が快楽の炎に油を注ぐ。抵抗しなければという思考と、敵方からの刺激を無意識に待ってしまう感覚が、体の内側でせめぎあう。
葛藤で打ち震える美波の姿がそそるらしく、敵方は上機嫌そうにさらに責めを続ける。
「足がバタバタ、ピクピクしてカエルみたい~♪ ガルヴァーニってこんな気分だったのかな」
「っく、ぅく……くううう、うゔぅっ……!」
「あたしのダッドは田舎の悪ガキでさ~、子供の頃のお気に入りの遊びは、水辺で捕まえたカエルのお尻にストロー突っこんで空気を入れて破裂させることだったらしいよ」
「な……そんな、嘘でしょ……!?」
「ぴっちり衣装が邪魔だね~、とりあえず、えいっ」
「んひぃっお゙っほぉぉおっ!?」
美波はとっさに太ももとヒップに力を込めるが、敵方の少女らしく細い指が狭くなった割れ目をかき分け、指先をぐいと押しこまれる。
「にゃはは、可愛い反応っ♪ イジメられるの気持ちいい?」
美波が弱っているせいか、レオタードの股布は指の形に押しこまれるがままで、美波は内側への侵入を許してしまう。濡れそぼった粘膜が、布越しの異物に勝手に纏わりつく。
「ぃ、いやぁ……おお゙っ!? ふかいっ、ふかい゙のいゃあっ……!」
「まだ先っぽしか入ってないよ~」
美波の下半身は必死に力を込めるが、そうすればするほど指を締めつけて動きを生々しく感じてしまう悪循環に陥る。
「いや、いやこれいやあ゙ッ! あああっ……ダメ、ダメだから、あっ、んああぁああああ゙あ゙あ゙っ……!!」
「ここらは、キックするときに使う筋肉でもあるね。あたしを二度と足蹴にできないぐらい、イカせてあげよっか」
敵方の指が膣と肛門の入口を両方かき回し、いつの間にか溢れた蜜を掻き出すたびぬちゃりと粘った音が響く。指の腹が膣壁の浅い部分を押し上げ、そこを何度も擦る。押されるたび、美波の背が弓なりに反り、手足が床をもがく。
(そこ、擦られ、ると……また、変な感じ、が……)
今や敵方が両方の手で美波の下腹部を責めにかかっている。クリトリスを捉えこりこりと転がし、膣口や肛門にも指を抜き差しする。同時に襲われる感覚に、美波の理性が溶けていく。抵抗の意志だけは残っているが、指先を敵方の腕に食いこませる以上のことができない。振りほどこうとする力さえ、敵方の愛撫に呑まれて弱まっていく。
再び絶頂。ついに美波が床に膝をついてしまう。
「もう、わけ、わかんな……やめ、って、止まってぇ……ああいやぁっ、も゙ぉっイキたくないい゙ッ……!」
「お尻をイタズラされてオホオホ感じちゃうなんて、美波ちゃんはヘンタイのヒロインさんだったんだね~。でも、あんな怖~いキックをぶちかましているときより、ずっと可愛いよ♥」
美波はもはや戦闘のことも脱出のことも考えられなくなっている。ただ与えられる刺激の波に翻弄され、嬌声と愛液とその他体液を漏らすばかりになっている。
指の動きが荒々しくなる。抓り、押し潰し、こじ開ける動作が入り乱れる。美波の体は逃げようとするたび敏感な場所を余計に擦りつけてしまい、快楽の底なし沼にずぶずぶと沈んでいく。
体の感覚が手や足など先端側からだんだんおぼろげになって、逆に敵方に責められる下腹部ばかりに熱と感覚が集まる。意識も朦朧として、理性の糸が細く長く伸びきり、今にもぷつんと切れそうに揺らぐ。
「……ただねぇ、いくら可愛くしてくれても許せないことって、あるよね」
「っく、ぅく……くううう、うゔぅっ……!」
「聞いてる?」
「あ゙っ、あはっあお゙おおっ!?」
「ヒトの顔を足蹴にしちゃいけないんだよ? ましてアイドルの……美波ちゃんも少しこの気分を味わってみてよ。それっ」
「んぐぅっ!? んっ、ぐぅっ、ふぅっ……!」
「やぁん、くすぐったいなぁ」
敵方が美波をあお向けに転がしたかと思うと、なんと美波の顔面に腰を下ろして衣装越しにヒップを押しつけてきた。さすがに顔だけで受けるには重く、美波は苦悶の声を上げるが、柔らかい尻肉にほとんど吸収されてしまう。
「謝りなさい~! 志希ちゃんの顔を足蹴にしてすみません、って」
「っむぐっ、んん、ぉうっうっ……ぁ、あァ、ぉおおお゙っ……!」
「素直になって謝れるまで、おまんことお尻をずっとイカせてあげよっか」
頭を尻に敷かれても、しばらくは美波の抵抗が続いた。指の刺激から逃れるため腰を浮かせたり揺らしたり、太もも全体をバタつかせて暴れたり、指で敵方のお尻や太ももを引っ掻いた。
敵方はそれに構わず、今度は美波の尻穴に指を突き立てる。
「おおぉお゙お゙お゙っ……!?」
「お尻にぶすっとやられるだけで、こんな声あげちゃうんだ」
顔面を尻で塞がれたまま、下腹部を弄ばれる。膣の浅瀬を擦る指と、窄まりをこじ開ける指が、互い違いのリズムで美波を揺さぶる。
「ひょっとして、美波ちゃんってイカされると足ピンってしちゃうの? 癖にしちゃお~。そしたら、二度とあたしを蹴れない体になれるね」
「ぃ、や……んひぃっ、お゙っ、おっぐ、んんっあ……あ、いぐっ!!」
呼吸すら満足にできない中で、快楽が美波の体を内側まで突き刺し苛む。
(もう、がまん、できない……また、イカされ……っ)
絶頂の波が引く間もなく次が押し寄せる。美波の意識は絶頂の狭間で一瞬白く飛び、戻ってはまた飛ぶ、その繰り返しに擦り減っていく。太腿が痙攣を止めない。膝から下はもう自分の意志で動かせているのか怪しく、敵方の血がわずかに飛び散った白いブーツが、虚しく宙を掻く。
敵方の尻の重みで、呼吸も嬌声が押し潰される。
(そこ、は――知らな、い――そんな場所、まで――)
膣の中を擦る指がさらに深くなる。コスチュームがいつ破けてもおかしくない。そんな緊急事態にも、新しい快感に美波の背が跳ね、太腿の内側が硬く強張るだけ。
肛門への刺激も途切れない。窄まりの襞が指の抜き差しに合わせて開き、閉じる。異物感だけだったはずの感覚に、今では明確な疼きが混じっている。
「ああああ゙、ぉ、おく、にっ……!! いくっ、ぅうおぶ……っいくいくイグイグイグぅっ!!」
「くすぐったいよ~、でもブラウンノーズにはならないはずだから、安心して媚びてね♪」
美波は自分の体がどこまで変えられたのか、もう把握できずにいる。抵抗のために動かしていたはずの手足が、いつの間にか敵方の体に縋りつく動きに変わっている。
「お、いいねっ、ぴーんと伸びて……可愛い、と言うにはちょっと太ももが太いかな」
「いやっ、あっ……ぉご……ああ、あっ、うあ……っ!」
指の速度が上がる。絶頂の予感がまた迫り上がる。抗おうとする気力は残っているが、体はもうそれを聞き入れない。喉の奥で悲鳴と嗚咽が入り混じる。
「お゙っ、ひ……う、お、お、く……ぁ、あ、い゙っ、イって、ぅ、ぁ、あ゙あ……!」
押し寄せる波に呑まれ、美波の感覚がまた白い熱に塗り潰される。四肢が一斉に突っ張り、それからがくりと弛緩する。
「謝れって言ってるのにさ~」
弛緩した体を敵方が容赦なく揺さぶり、休む間もなく次の刺激を叩きこむ。美波の抵抗が、もう形を成さない痙攣に変わり果てている。
「それとも逆に……もっと責められてイカせてほしいのかな~」
「ううっ、うゔっ、ああ、あっ……あっ、ぉお゙ッ……」
「どうなの?」
「ひぃっ、ひいぃいいっ!! お、お……んおおお゙おおお゙おおおっ!」
美波の声が濁っても、手足や胴体が震えるばかりの無抵抗になっても、指を突き立て、ほじって、えぐる。ヒロインの体でなければ産婦人科送りの凌辱だが、美波は絶頂に体のコントロールを奪われる。
「うわ、これは……おしっこかな? くっさいアンモニア臭のはずなのに、美波ちゃんの漏らしたてだと思うと芳しいね~。アイドルってすご~い」
「ゔぅー……あぐ、く、ぁ……も、ぅ……むぃ、むぃ、ぃ……ゔっ、ゔっあ、いっ、イク、ううゔ……っ!」
クロッチ部分に失禁のシミが広がっていくと、とうとう変身ヒロインのレオタードが、パチパチ火花のように光って弾け消えてしまう。
あとには腕で敵方に抵抗しながらも、足をピンと伸ばしたまま戻せなくなった美波のヌードが残る。
「美波ちゃんったら、反応が面白すぎるよ……他のヒトにも見せてあげたくなっちゃうなぁ~」
「そぇ、だけはっ……ああっ、あ、あうっ……お、おおおお゙っ!?」
「ところでヘビって毒を食らわせるとき、噛んで牙から注入するのと、腺から噴き出すのがいるの。どっちがお好みかな?」
美波が抵抗しようと両脚に力を込めるも、つい先ほど漏らした尿が床に残っていて踏ん張りが効かず、直接毒を追加される前に尿たまりをぴちゃぴちゃ何度か跳ね上げるのが精一杯だった。
「いや、いやこれいやあ゙ッ! あああっ……ぃや、ぁ……んぐうっ、あお゙……ぉお゙イ゙……ぅ……っ!」
それから脚が痙攣しつつピンと伸びっぱなしになり、ブーツが消えて素足となった指先がキュッと丸まったり、力なく開いたり。
「にゃはは、あたしまでびちょびちょ。毒じゃないもの噴出させてもね~」
結局、騒ぎを怪しんでやってきた企業の警備や、戻りが遅い美波を心配したヒロイン側の援軍の気配がするまで、美波は散々にイカされた。
「お邪魔虫め……美波ちゃんが面白すぎる反応してくれちゃうから……」
その後、美波の痴態は援軍がどうにかもみ消したが、美波の心身にどうしようもない敗北感が刻まれた。生還はしたものの、それは援軍と、〝他のヒトにも見せてあげたくなっちゃう〟とその場で不用意に責め続けた敵失のおかげでしかなかった。
※
「お疲れ様~♪」
「お、お疲れ様っ、志希ちゃん」
某アイドル事務所の関係者用談話スペースに妙齢の女性アイドルが2人いる。そのうちの1人が美波で、椅子に座り休もうとしていた。あの夜の後も何事もなかったかのように必死で装いつつ学業やヒロイン活動をしていたが、アイドルで水着など肌に衣装がぴったりと張りつく仕事は、デリケートな部分が摩擦で感じたりしないか、ぷっくり浮き上がって見えてやしないかと内心では気が気でない。余計に緊張して、そうした仕事の後は休憩を挟むようになった。
スペースにいる残り1人の姿に、美波はつい身構えてしまう。
「あらら、美波ちゃんもしかして寝不足? 夜ふかし? イケないな~、あたしが言えた話じゃないかもだけど~」
「わかってはいるんだけどさ……ほら、私たちも、忙しいでしょ?」
「おおっ、売れっ子らしいお言葉~!」
あの夜に美波を散々弄んだ敵方が、志希の姿を借りたなりすましだったか否か、結局わかっていない。
「ちょ、志希ちゃん、ちか、ぃ……」
「寝不足が最初に出るのは、粘膜や髪やお肌らしいよ~。これを治すには、薬だけじゃ足りない、おネムしなきゃね――」
顔を覗きこまれる。キッチュなほど甘ったるい体臭が、美波の体を震わせる。
「――もっとも、寝て治らない傷もあるけどね」
美波が立ち上がりかけ――触られていないはずの――膣奥や尻に走った感覚によろめく。錯覚とは思えない熱が美波を動揺させる。
「人目のないところにうっかり行かないほうがいいよ~。今度は逃がさないし、あたしの顔を見るだけでイっちゃうほどイカせまくってあげる」
美波は覗きこんでくる目を、膝上に手を食いこませ歯を食いしばり、かろうじて睨み返した。しかし、太ももが強張って勝手に閉じるのを止められなかった。
(おしまい)