僕はここからが本番だと、姿勢を正してまなみに向き直った。
「じゃあ、挿れるね」
「……あのさ」
意外なことに、まなみが口を挟んできた。いつもは僕に好きにやらせてくれるまなみが、このタイミングで僕を止めるのは珍しい。
「どうしたの?」
「今日は、わたしの好きに動いてもいい?」
僕はすぐにまなみの言っている意味を理解した。
今おこなわれているのは、奴隷学の試験である。評価基準はまったく分からない。
しかし、何となくではあるが、「上手にやったほうがいい」。そんな予感はした。まなみも、同じ考えだったのだろう。
これまでの僕は、まなみを中イキさせたことが一回もない。それは、評価においてマイナスになる可能性が大いにあり得た。
だとしたら、主人としての威厳が多少失われることになったとしても……まなみ主導で絶頂まで行ってくれるなら、その方がいいのではないか。
情けない話ではあるが、僕の実力不足が原因なので何も言えない。僕としては、まなみの提案を受け入れるしかなかった。
「そうだね。お願いするよ」
「……ごめんね」
「いいって。僕だって、まなみがイッてる姿は見てみたい」
「そんな、やめてよ」
まなみは頬を赤らめた。照れ笑いするその姿は実に女の子らしかったが、続く動きは大胆だった。僕をマットに押し倒すと、すかさず上にまたがる。
「じゃ、挿れるね」
まなみは僕のペニスにコンドームを装着すると、上から膣口を亀頭に押し当てる。まなみの腟内に、ペニスがズブリと入り込んだ。
まなみはゆっくりと腰を落とし、僕のペニスを根元まで呑み込んだ。
こ、これが騎乗位というやつか。僕は一人で勝手に感動していた。
相変わらず、まなみの腟内は気持ちいい。気のせいかもしれないが、日に日に僕の形に合うように、フィット感が増していっているように感じられる。
まなみは、まずは腰を前後に動かした。
「あっ……あぁん……」
まなみはうっとりとした声を漏らす。まなみだけが知っている、当たると気持ちいいポジションがあるのだろう。
続いて、上下にゆっくりと動く。動きは遅い分、僕はわりと余裕があった。
まなみを眺めていると、微妙に角度を変えながらグイグイと僕に股をすりつけてくる。
「んんっ……あぁっ……!」
いつもは見られない、よがりまくっているまなみを見るのは楽しい。
「気持ちいい?」
「はぁん……ご主人様のおちんちん、気持ちいいよぉ……!」
まなみの声のボリュームが上がっていく。ここまで悦んでくれると、僕もうれしい。
まなみの動きは徐々に激しさを増していく。僕の余裕も段々となくなってきた。
「ど、どう、イケそう?」
「もうちょっとぉ……」
まなみはそう言いながら、腰を上げて膣からペニスを引き抜いた。意外な動きに困惑する僕の前に、まなみはお尻を向けて四つんばいになった。
「バックから、入れてほしい……」
今日はまなみの言うことを聞く日だ。僕は素直にまなみの腰に手を当てると、ゆっくりと挿入した。
「なんで、バックがいいの?」
気になって聞いてみたが、まなみの息は荒い。聞くタイミングを間違えたかと思ったが、まなみはゆっくりと首だけをこちらに向けた。
「こっちのほうが、奥まで届くから」
「奥がいいの?」
「……うん」
珍しいおねだりに、股間が熱くなる。僕はゆっくりとピストンを始めた。
「もっと早く……」
まなみのリクエストに応じて、スピードを上げていく。
「もっと……」
「も、もっと?」
僕は戸惑った。もう十分速いと思うんだけど。僕は必死に腰に力を込める。
「もっと激しく、ぐちゃぐちゃにして欲しいのぉっ!」
そう可愛く鳴かれては、もうやるしかない。僕は考えうる限りの最高速で、まなみを突いた。
「ああっ! いいっ! すごいぃ!」
これまで見たことのないまなみの乱れ具合に、僕はかつてない愛情がこみ上げてきた。
「まなみっ! 好きだっ!」
「わたしも……ご主人様、だいすきぃぃ!」
僕はラストスパートでまなみを全力で突きまくる。
「イクッ! イッちゃうぅ!」
「で、出るっ!」
それは、ほとんど同時だった。
僕は限界を迎え、一気に精液を吐き出した。ピストンのペースを落としつつ、最後の一滴まで残らず出し尽くす。
まなみは、力なくマットに突っ伏していた。僕がペニスを引き抜くと、そのまま崩れ落ちる。
「だ、大丈夫……?」
僕が思わず問いかけると、まなみは緩慢な動作で仰向けに姿勢を変えて僕を見上げた。髪は乱れ、額には汗がにじんでいる。トロンとした目で、口はだらしなく半開きだ。
「いっちゃったぁ……」
か細い声でそう話すまなみに、僕は見とれてしまった。かわいすぎて、このまま二回戦に突入したい勢いだ。
「時間です」
そんな僕たちに冷水をかぶせるように、担任の冷静な声が降ってきた。
僕もまなみも、我に返る。
「あ……」
僕は使用済みコンドームを提出しに行こうとして、自分がまだ全裸であることに気づく。
「一応、試験はセックスまでですが、後ろも詰まっているので早く服を着てください」
担任が見ているのも忘れて、熱々セックスをしてしまった。僕たちは顔を真っ赤にしながら急いで服を着た。
「はい、受領しました」
先生にコンドームを提出し、ホッと一息つく。そして、こんな醜態を晒しておいて世間話をする気分でもないので、まなみを連れてさっさと教室を出た。
扉を開けて廊下に出ると、そこには十人の生徒がいた。次に試験を受けるであろう、五組の男女だ。彼らは教室から出てきた僕たちを見て、サッと目を逸らした。
瞬間、すべてを察して僕とまなみは再び赤面した。
ここは普通の教室であり、防音機能などない。となれば、先ほどまでの声は筒抜けだったわけで。
「次は筆記試験があるので、下の階に……」
誘導の先生の言葉が終わるのも待たず、僕とまなみは逃げるように廊下を早足で駆け抜けていった。