そんな噂話をたまに耳にする事はあるでしょう。
大盛りにしてくれるとか、少し味付けが変わるとか…まかないメニューだったり
その喫茶店にも裏メニューは存在した。
ただし、他とは違うのは…艶かしい裏メニューであること。
人には言えない性癖、パートナーとはできないプレイ
そんな他では味わえない裏メニューを求めてか
噂の真実を確かめたい好奇心か
そんな人達が足を運ぶ喫茶店
様々な色が絡み合うところ
名を【喫茶店 マーブル】と申します。
語源には諸説ありますが、灯りの少ない時代にこの時間帯は少し離れていると誰かわからず
「たそ、だれぞ?(あなたはだれ?)」
と問いかけることが由来だそうです。
相手は知り合いなのか、それとも見ず知らずの人なのか…はたまた人に化けた妖かも知れません。
そんな現実と非現実の交わる時間に営業を始める喫茶店のお話。
その出会いが素敵なものになります様に…
陽が落ちていく黄昏時。
疲れた顔で家路をなぞる人、夜はこれからと締めていたネクタイを緩める人、当てもなくただただ歩く…それが楽しい人。
様々な人々が行き交うネオンが華やかな繁華街。
から少し離れた路地裏一角、
古びた外壁を隠すように蔦が這いる。
窓から光が漏れているお店、
フィルムが貼られて何をしているかわからない事務所。
長らく人がいないのか、台風対策の×のガムテープがある空室。
そんないかにも怪しい雑居ビルの一階にそのお店はあった。
日焼けと補修を繰り返した木製窓と、
いかにも重そうな扉の小窓から光が漏れている。
そんな薄暗い入口で一箇所だけ明るいところがある。
【喫茶 マーブル】
木製のこれまた古びた表札が照らされていた。
中に入ってみるとランプ調の照明が店内を照らしている。
窓際には2人掛けの木製のローテーブルとソファーのセットがひとつ。
一枚板のカウンター席には布張りのソファー型のチェアが4席。
カウンターの裏にはライトアップされた棚が壁一面に広がっていた。
棚の半分は陶磁器のマグカップやティーカップ、ガラスのカクテルグラスにロックグラス、プラスチックのキャラクターの描かれた子供用のコップ等が並んでいる。
残り半分はバーボンにスコッチにアイラ等のウィスキー、色とりどりのリキュール、焼酎や日本酒、様々な酒瓶がちらほら…いくつかキープの札がかかっている。
全体的に古ぼけた…いや、失礼。どこか懐かしい雰囲気のある落ち着いた……寂れた喫茶店である。
カウンターの中には青年と中年の間くらいの男性が1人。
少しダボっとしたパーカーにジーンズ、足元は楽だからという理由でスニーカーである。
ピシッとしたワイシャツにネクタイ。しっかり折り目の着いたスラックス、鏡の様に磨かれた革靴なら様になるのだろうが…彼はそういうものを好まないらしい。
開店準備を終えて、換気扇の下で暇そうに電子タバコのスイッチを押した。
一吸いするとふーっと煙を吐き出し。
「今夜はどんな人が来るんだろうね…」
誰もいない店内で揺れる煙にそう問いかけた。
昼間の営業中は同じビルの店員や、前の店主からの馴染みの客がちらほらと足を運んでれるおかげで潰れない程度には賑わっている。
彼も前の店主のコーヒーが好きで通っていた1人であった。
歳だからそろそろ店を閉じようとした彼に頼み込んで、半ば強引に跡を継ぐ形で店主になってから5年が経つ。
仕込みに発注に…ちょっと大きな声では言えない交友関係。
色々あったがなんやかんやと楽しくやっている。
そんな事を思い返している内に一本吸い終わって吸殻入れにスティックをひょいと投げた。残念ながら外れたので拾って丁寧に叩きつけた。
「今日はゆっくり寝れ……
カランカランカラン…
気を抜いていたところに響くベルの音。
今時珍しい音にお客様は驚いている。
そして、誰もいない店内に少しホッとしている様だ。
「いらっしゃいませ。空いてるお席にどうぞ」
柔らかい笑みを浮かべながら、いつもの決まり文句を言う。
少し迷った後、カウンターの端の席に腰を下ろす。
コレが一つ目の合言葉である。
初めまして。浮浪不思(ふろうふし)と申します。
長らくイメージチャットと呼ばれる場所で過ごしてきたバケモノでございます。
このお話は私が部屋を建てる時に使っている待機文【部屋の説明をまとめたもの】を長ったらしく書いたものになります。
ここからの展開はそこで絡んだ内容に少し着色してあるものだったり…はたまた私の妄想だったりです。
ある意味ノンフィクション?でもやってることはフィクション…
不思議なお話ですね…
まだまだ文章をまとめる事には不慣れですので
読みにくさや違和感があるかと思いますが
仏の様な温かい眼差しでも、ドブ川を見る様な蔑んだ目でも
見ていただける分には私は喜ばしいので
どうぞ、次の話にも足を運んでやってくださいませ。
ではでは、またどこかの黄昏時にお会いしましょう