逆NTRの話
「
大好きな彼女である
寝取られ……交際中、若しくは配偶者であるパートナーが自身以外の人物と性的な行為に及ぶことで興奮を得る変態的性癖。そしてその寝取られを自らが許容し、進んでパートナーに他人との性的行為を斡旋することを寝取らせともいう。
俺も知識としては聞いたことはあった。けれどまさか、自分の彼女がそんな変態的性癖を持っているとは思ってもいなかった。それも、軽度ではなく重度の拗らせ方をしている。
「ごめんね、言おうか迷ったんだけど……もう我慢できなかったの」
申し訳なさそうに謝罪する詩織だったが、紅く染まった頬と恍惚とした表情はどこか色香を含んでいる。今まさに彼女の脳内では俺が別の女と行為に及んでいるのか、興奮した様子の詩織は内股を擦りつけモジモジとしている。
「嫌いになったよね……ごめんね」
その話を聞いた時、確かにふざけるな変態めと思わなかったと言えば嘘になる。ドン引きしたし怒りも覚えたし、もちろん困惑もした。
けれど、自分でもどうかと思ってはいるけれど、それでも俺は詩織のことが好きなんだ。いくら彼女が変態性癖の持ち主だろうが、その気持ちだけは変わらなかった。
「……俺は、何をすればいいの?」
「え?」
「どうすれば……詩織は喜ぶの?」
俺の人生の歯車が壊れる音が聞こえた気がした。
………
「こんにちは彰くん。
「……どうも」
あれからすぐ、詩織はSNSを駆使して俺のことを寝取ってくれる女性を探し始めた。そして最初に選ばれたのが今俺の目の前で優しく微笑んでいる大学生の涼香さんだ。
柔らかい雰囲気の持ち主で背中にかかる茶色い髪の毛が揺れる度に、フワフワと甘い女性特有の香りが鼻をくすぐってくる。
「ごめんね、緊張してるよね」
「いや……別に」
「ふふっ、かわいい」
「っ」
涼香さんが両手を広げて俺の肩を抱く。彼女から放たれる香りがより一層強くなり、詩織よりも大きくて柔らかい二つの塊が押し付けられる。
「ぴくってしたね。かわいい」
「……その、かわいいってのやめてください」
「だってかわいいんだもん」
そう言って涼香さんは俺のことを至近距離で見つめてくる。それが恥ずかしくて俺は咄嗟に視線を逸らすと、再び揶揄うような笑い声が静かな部屋にクスクスと鳴り響いた。
「驚いちゃった。こんなにかっこいい男の子とさせてくれるなんて」
「……それでホイホイ募集してきたんですよね。変態ですね」
「あら、キミの彼女さんには敵わないわよ?」
何も言い返せない俺は口を噤む。余裕たっぷりな涼香さんの態度を見て、口で攻撃しても敵わないと本能で悟る。
「カメラはちゃんと起動してる?」
「……知りません。全部詩織がやってるんで」
今いるのは俺の部屋だ。そして数時間前まで詩織もいたのだが、この部屋にいくつか隠しカメラをセッティングしているようだった。もちろん俺に許可は取っている。
色々な角度から俺が寝取られてる映像を納め、それを後から見たいと表情を歪ませながら笑っていた。
「今日は彰くんが一回射精したら終わりの約束だから、よろしくね」
「……キスはやめてください」
「ふふ、つれないわね」
キスをしようと唇を近づけてくる涼香さんの顔を掌でガードする。確かに詩織のためにこういう行為を許容したが、俺なりにせめてもの抵抗をしたかったのかもしれない。
「じゃあ、こっち」
「…っ」
涼香さんにベッドに座るように促される。そして俺の隣に腰をかけた涼香さんがズボンの上から股間を優しく撫で回す。
「敏感なのね。かわいい」
「だからっ…! かわいいって言うの……やめ…っ」
俺は屈辱や苛立ちや悔しさなど色々混ざった複雑な感情を声にして放出する。フェザータッチで撫でられる股間から意識を逸らそうと思いきり布団を握りしめたりするが、無情にも刺激を与えられるソレはムクムクと変形していく。
「硬くなってきたよ?」
「うるっ……さい」
「本当にかわいいなぁ」
「キミみたいに連れない態度の男の子をぐちゃぐちゃにしちゃうの……私大好きなんだぁ」ボソッ
そう耳元で呟いた涼香さんは慣れた手つきでズボンのベルトを外していく。腰を浮かせと言われるのでその通りにすると、一瞬でズボンを剥がれて下着が姿を見せる。
「ガチガチだぁ〜」
揶揄うように耳元で囁く涼香さんは下着越しに俺の股間を再び撫で始める。屈辱的なことに、下着には硬くなったソレの形がくっきりと浮かんでいる。
「私、ボクサーパンツ好きなんだ。ぴったりしてるから、興奮したおちんちんの形が隠せないでしょ?」
「興奮なんて……してない…っ」
「う・そ♥」
涼香さんの指が股間の膨らみに近づいてくる。そして綺麗に整えられた爪で下着の上から亀頭をカリカリと引っ掻き回す。
「うぁ…っ!」
カリカリカリ、と亀頭を引っ掻かれる度に全身に強い快感が駆け巡る。顔を背け唇を噛み締める俺のことなんてお構いなしに、涼香さんは亀頭への引っ掻き攻撃を続ける。
「すっごいね。おちんちんがパンツの中でびくびく暴れちゃってるよ? 気持ちいいの? おちんちん爪でカリカリされるの好き?」
「はぁ……はぁ……っ」
痛いほどに怒張したソレが下着の中でぶるんぶるんと暴れ回る。その度に下着の生地と爪に色々な部分が擦れて気持ちいい。
「このままカリカリして射精させちゃうのもいいけど、せっかくだし生のおちんちん見せてもらわないと勿体ないわよね」
そこでようやく爪の動きが止まる。しかしその頃には俺のちんこは完全に勃起していて、下着には敗北の証とも取れる屈辱の染みが浮かんでいた。
「じゃあ、彰くんのおちんちん見せてもらおうかなぁ」
下着を脱がされると、完全勃起したちんこが勢いよく飛び出した。ソレを見た涼香さんは小さく感嘆の声を漏らす。
「わぁ、おっきいねぇ」
「……っ」
「ねぇねぇ、おちんちんの大きさ測ったことあるの?」
「あ、ある訳ないだろ!」
正直な事を言えば、自分でもアソコが大きいことは知っていた。ヘソにぴったりとくっつきそうな程に反っているソレを涼香さんは目を輝かせて観察している。そして何度もおっきいおっきいと褒めてくれるが、彼女じゃない人に褒められても別に嬉しくはない。
「顔もカッコいいしおちんちんもおっきいなんて、ますます私の好みかなぁ……彰くん私の彼氏にならない?」
「ならない!」
「え〜なってよぉ」
甘ったるい猫撫で声を出しながら、涼香さんはちんこを撫でくり回す。恐らくこれで並大抵の男なら堕ちるのだろうが俺は違う。
「い、いいからとっとと終わらせろよ」
「もぅ……じゃあ彰くんが私のこと好きになっちゃうくらい気持ちよくしてあげちゃうから」
涼香さんの長くて細い指が優しく俺のちんこを包み込む。そしてゆっくりと根元から亀頭までの間を何度も何度も上下に扱き始めた。
「それ、しーこしーこ」
「っ…!」
彼女でもない初対面の女にちんこを扱かれて俺は情けなくも気持ち良さを感じている。それを悟られないように俯きながら唇を噛み締めていると、涼香さんは扱く手を止めることなく耳元で俺を誘惑するように囁いてくる。
「すごぉ〜い♥ 彰くんのおちんぽかっこいいなぁ。長くてカリも高くて……おまんこに挿れたらと〜っても気持ちよさそう♥ あれ? 今おちんぽがぴくって跳ねたけどお姉さんとセックスするの想像しちゃった? か〜わいい♥ あっ、射精しちゃう射精しちゃう♥ 彰くんのこと寝取ろうとするわる〜いお姉さんの手コキで気持ち良くなっちゃう〜♥」ボソボソ
ちんこを扱く手が段々と速くなっていく。亀頭の先端から溢れるカウパーが涼香さんの指に絡んで滑りを良くし、くちゅくちゅと卑猥な音が部屋の中には響き渡る。
「いけないんだぁ♥ 彼女じゃない女の人におちんちんシコシコされて感じちゃってる…♥ ほら、カメラに撮られてるよ? おちんちんシコシコされてるとこ後で彼女さんに見られちゃうよ? お姉さんの手でイカされちゃうとこ見られちゃっていいの? ほら♥ ほらほら♥ 我慢しないとっ♥ おちんちん頑張れ〜♥ 頑張れ頑張れ♥」ボソボソ
「う、うぅぅ…ッ!」
すぐそこまで精液がせり上がってくる感覚を覚える。それも涼香さんにはバレバレで、俺が快感に悶えて苦しむ様子を見て愉しそうに微笑んでいる。俺はもう射精しないように唇を噛み締めることしかできない。
「その顔す〜っごくかわいい♥ あ〜ん♥ やっぱり彰くん私の彼氏にしたいなぁ♥ そうだっ♥ じゃあ私のこと好きって言ったら射精させてあげるね♥」
「い、言うわけっ……ない、だろ……っ!」
涼香さんは指で輪っかを作るようにしてカリの段差に引っ掛ける。そして段差と亀頭の間を高速でこちゅこちゅと擦っていく。
「言っちゃえっ♥ 言っちゃえっ♥ 私のこと好きって言っちゃえっ♥ 浮気射精しちゃえっ♥ 言えっ♥ 言え言え言え♥ 好き好き〜って言え♥ こら逃げるな♥ 腰引いてもだ〜め♥ ほら、絶対逃がさない♥ 我慢汁だらっだらおちんぽ負けちゃえ♥ あはっ♥ 泣いてもだ〜め♥ だ〜れも助けてくれないんだから♥ キミはもう私の虜になるしかないんだよ♥ だからぁ♥ 大人しく好き好きぴゅっぴゅしろっ♥」
「い、いぃいっ……! いわ、な…い…ぃ ッ゛!」
情けなくも無様な叫びだった。それでも、俺は心まで屈するつもりはないと叫ばないと本当に頭がおかしくなってしまいそうだった。
「んもぅ……今日はここまでかなぁ。 ほら彰くん」
今日はここまでという言葉に気が緩んだ俺は、無防備にも名前を呼ばれ涼香さんの方へ顔を向ける。するとすぐ目の前にあった涼香さんの艶のある唇に捕まった。
「はい、ちゅ〜♥」
「〜〜〜〜ッッッッ!!!!!!」
びゅぶッ…!!
びゅるるるるるるるるるるるるるるっっっ!!!!!!!!!
キスをされた衝撃で無理やり閉じ込めていた精液が溢れ出す。一度出たら最後、もう止められる訳もなく噴水のように勢いよくどびゅどびゅと濃厚な白濁液が流れていく。
「ん〜♥ ちゅむ…♥ れろぉ♥」
唇を奪われながら、射精中のちんこをゆっ〜くりと扱かれ続ける。どっぷどぷと溢れ続ける精液が床を汚し、部屋の中に性臭が漂い始めた頃にようやく涼香さんの手が止まる。
「んっ♥ あはっ♥ じょーずにびゅ〜びゅ〜したね♥ それに……すっごい量と濃さ♥」
「っ…! や、やめろ!」
俺は咄嗟に涼香さんの体を突き飛ばして距離を取る。そして蠱惑的な笑みを浮かべる彼女を睨み付けるが、未だに勃起しているちんこのせいでまるで格好がつかない。
「き、キスはダメって言っただろ!」
「ごめんね。でもかわいかったから」
「…っ! こ、これで終わりだろ! もう帰ってくれ!」
「うん。今日はお暇するね」
そう言って涼香さんは身なりを整えて部屋から出て行こうとする。その最中、チラリと覗く彼女の谷間に視線が吸い込まれる自分を激しく心の中で責め立てる。
そして部屋から出ていくその直前、涼香さんは俺の耳元に顔を寄せて甘く囁いた。
「次射精する時、今日のこと思い出しちゃうかもね…♥」
「なッ…!」
「またね、彰くん」
手をひらひらと振る涼香さんはニコリと微笑むと部屋から出て行った。部屋の中には俺が1人だけ取り残され、俺は全く萎える様子のないちんこを見て罪悪感を覚えることしかできなかった。
………
「ごめんっ…! ごめん詩織…! お、おれ…!キスはするなって言ったんだけど!」
しばらくした後、俺は映像を確認している詩織に向けて謝罪をしていた。別に詩織のお願いでしてあげているんだから謝ることもないと思ったのだが、罪悪感に苛まれて自然と口からは言い訳のようなセリフが飛び出していた。
「ううん、彰くんは悪くないよ。私がお願いしたことなんだもん」
「し、詩織」
「それより……私が彰くんから聞きたいのはもっと別のことなんだよ?」
「えっ」
「涼香さんの手コキ、気持ちよかった?」
「な、な……にを…!」
そう俺に問いかける詩織の瞳は、やはり黒く澱んでいるように見えた。そのまま興奮した様子で俺を問い詰める。
「凄いね…♥ 私とえっちした時より射精してるよねこれ…? やっぱり大学生のお姉さんって上手なの? ねぇ、射精してる時どんな気持ちだったの?」
「し、詩織…?」
「あぁ、悔しいなぁ…! 大好きな彰くんがぽっと出の女なんかに手篭めにされて…♥ 悔しい…♥ 悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい…♥♥♥」
狂ったように同じ言葉を囁く詩織に対して、俺は何も声をかけることはできなかった。そんな俺に対して詩織は両手を広げて抱きしめてくる。
「ありがとう彰くん…♥ 私、今すっごく罪悪な気分だよ…♥ やっぱり頼んでよかった…♥」
そう言って詩織は録画された画面を見せてくる。画面の中の俺は、隣に座る綺麗なお姉さんに責められて悶え苦しんでいる。そしてカメラのレンズに届くほどに激しい射精をしている。
「彰くん……我儘で最低なこと言ってると思うけど、一つだけ約束してね」
「や、やくそく…?」
「私以外のこと、好きになっちゃダメだからね」
俺は何も返事することができず、ただただ詩織の細い体を強く抱きしめることしかできなかった。