異宗派のクソ女に村を焼かれ監禁セックスをさせられている俺の、歪んだ恋と復讐の物語 作:品川カタン
「や、やめ……」
「え? なんか言ったー?」
俺は思わず逃げ場のないベッドの上で後ずさりした。だがその抵抗も虚しく、イッたばかりの俺の物に黒い筒を思い切り押し込んできた。
「い゛っ!!」
「はい、じゃあオナホ手コキ頑張れ♡♡」
オナホの中が小刻みに振動している。こいつの愛液と精液でドロドロになった竿が新しい刺激を与えられ、悲鳴をあげそうになっていた。
ぐちゅぐちゅと激しい水音と機械音が響いている。手でしごかれるのと違って、竿全体に器具の内側が密着し、真空状態で常に吸い付いてくる。クソ女が俺の反応に大笑いしながらオナホをずっと上下に動かしてくる。
(殺してやるっ、殺してやる殺してやる殺してやる!!)
あれだけ強い刺激を味わった後に、こんな機械でぐちゃぐちゃにされて完全におかしくなりそうだった。襲いかかる快楽とともに俺の中で屈辱感と殺意が芽生える。俺は今、こいつに好きなように遊ばれている。
「ほらー♡♡ 我慢しなきゃまたみっともなく女の子みたいに潮吹きしちゃうよクロードくん♡♡ よわよわちんぽ情けないって言われちゃうよ♡♡」
俺が何を思おうが、それでもシリコン製の肉穴が竿を容赦なく搾り取ろうとしてくる。
「ああっ、無理、無理無理!! イクッ!! 無理だって言ってるのに!!」
「え〜〜クロードくんもうイッちゃうの〜? 女の子みたいな声出してかわいそー♡♡ 今日はクロードくんが雑魚メスだね♡♡ こんな情けないちんぽのオスなんていないよ〜〜♡♡」
悔しさ、苦しさ、情けなさと噎せ返る男の……自分の体液の匂いで、とうとう涙が出てきた。亀頭をいたずらしながら肉棒全体に食らいつく快楽責めで呼吸も上手くできなくなってきて、頬をぼろぼろと伝う熱い液体で自分が泣いているのだと気がついた。
クソ女がぼたぼたと落ちていく俺の涙と震えている腰に目を向けたあと、今までにないくらいの恍惚とした笑みを浮かべた。
「可愛い。好きだよクロードくん」
──そして、いたずらしている手は止めないまま俺にキスをしてきた。
俺は今この瞬間、全ての怒りと後悔が吹き飛んだように感じた。フロローの柔らかい舌が俺の口内で絡まってくる。下品な水音たちが、もう下から鳴っているのか上から鳴っているのかがわからなくなっていた。ちくちくと針で刺されていた脳みそが、次は真っ赤な熱で溶けそうになる。
俺は、性のことを想像する時はいつも赤色を思い浮かべていた。性に色なんて存在しないだろうが、赤色こそがその象徴だと感じていた。それは、フロローの服がいつも赤色だからだ。この色が俺を犯して、弄んでいる。
「俺も、俺もっ、好きだ!!」
「ド変態野郎」
舌を絡められたまま必死に返事をした。舌を絡めているから滑舌が最悪で、俺はもう犬ではなくて猿になったのではないかと思っていた。性欲に塗れて、好きという言葉のひとつでプライドを投げ捨てている!
「じゃあそろそろイけ♡♡ なっさけない男の子の汁噴きながら思いっきりイッちゃえ♡♡」
フロローに思いっきりオナホを引き抜かれ、強く引き剥がされるような感覚ともに潮を吹いた。射精よりも長い、精液よりもさらっとした液体がベッドの外まで飛び散った。腰と脚ががくがくと震えて、まともに立ち上がることができなくなっている。肉棒はドロドロになっていて、興奮が収まらないみたいに真っ赤に腫れ上がっていた。
「うわー、盛大にイったねー♡♡ おつかれー♡♡」
「…………」
フロローが俺に好きと言った。
俺の頭は、今その事でいっぱいだった。
こいつのことなのだから、そんな気まぐれな言葉を信じる必要性など一切ないはずなのに──希望に縋るような、または絶望に食らいつくような、そんな思いで先程の言葉を反芻していた。
「ちょっとー! クロードくん! おーい!」
視界はぼんやりとしていたが、フロローが俺の顔の前で手を振っているのは見えた。雄と雌の匂いが混ざって、部屋に籠っている。それがまた、俺の思考をぐらぐらと揺らしていた。
俺は確かに、さっき好きと言われた。
その言葉が嘘だったとしても、言ったことは事実だ。
「……ちょっと、クロードくーん!?」
そして俺は、そこで意識を失った。
眠っている間、俺は夢を見ていた。また、昔の夢だ、
ここに来てから、夢を見ることが増えた。それは大抵、思い出が戻ってきたような良い夢だったのだが、今回は違かった。
父に喰われている夢だった。
父は、俺の耳元で「可愛いね」と囁いていた。俺は、臀と背中を向けたまま、ひたすら耐えていた。
(やめろ、違う、今の俺は違う)
俺は、ずっと痛かったのだ。
(今の俺は、こんなに痛くない!!)
そして、目覚めた。
急に現実が戻ってきたみたいに、目覚めた瞬間から意識がはっきりしていた。普通、起きたばかりの時は曖昧な思考と現実の境目でフラフラしているのだが、この時はそういったことが一切なかった。
「あ、起きた」
そして、目の前にフロローの顔があった。
俺はそこでやっと気がついた。膝枕をされている。 彼女がベッドから足を下ろして座ったことで、腿の肉がむちりと盛り上がり、ちょうど良い高さで俺の頭を支えていた
「あっ……」
「も〜〜急に倒れるから結構びっくりしたよ! 君、三十分くらい寝てたんだからね! やりすぎちゃったかな〜、水飲む?」
「ごっ、ごめん!!」
急いで起き上がるとフロローがきょとんとした。「別にそんなにびっくりしなくてもいいのに」と言って、立ち上がった後に机の上から水の入ったコップをひとつ持ってきた。
「飲む?」
頷いて、受け取る。一気に飲み干した。
「部屋の空気やばかったから、さすがに換気したよ! 窓小さいからまだ空気入れ替わりきってないと思うけど!」
フロローが手でぱたぱたと顔を扇いでいた。さすがに疲れた様子があり、頬はいつもより赤くなっていた。
そして俺は、その言葉を聞いて、すかさず別の考えを巡らせた。
(ここの窓、すぐに開けられるものなのか)
先程の甘美な「好き」という言葉を未だにじっくりと味わいながらも、俺はこの女の不用心さを少しだけ見下していた。聖魔法を使えないから大丈夫だろう。首輪をつけているから大丈夫だろう。彼女からそんな思考が透けて見えた。
(馬鹿なやつだな)
鼻で笑いそうになるのを耐えて「そうか」とだけ返事をした。
「あ、やばっ。これちゃんとつけなきゃ」
「……それは?」
「これね〜、お父様が私に勲章くれたんだよね〜。パスラの執行係として、誇りをもちなさいって」
フロローは机の上に置いていた金色の勲章を取り、そして胸につけた。気が付かなかったが、俺がこの部屋に来た時には既につけていて、先程までの間だけ外していたらしい。
「名誉だよね〜」
そう話しているフロローは、声こそ明るそうに聞こえたが……
表情は、本当に退屈そうだった。俺は、その顔にぞくりとした。
「そうなんだな」
俺は彼女を恨み、愛し、見下し、そして別世界へと連れて行ってくれた行動を敬っていた。全て矛盾しているように見えるかもしれない。だが、神ならまだしも、感情が全て一貫している人間だなんているだろうか?
自身の親を愛しながらも、血縁や経験という断ち切れない繋がりを憎む者もいるだろう。
友と一緒にいる時間がこの上なく幸せだったとしても、そいつの顔を見るだけでグツグツと煮えたぎるように腹が立つことだってあるだろう。
欲しくてたまらない女を自分のものにして崇拝に近い敬意を示したとしても、所詮は自分のものになってしまう人間であると見下すこともあるだろう。
「水飲み終わった? じゃ、コップちょーだい!」
「……はい」
そんな感情を吐露した時、人々は俺に「間違っている」と言うかもしれない。だが、間違っているからなんだというのか。俺たちは、間違っていると否定されたとしても、その間違いをやめることができない。人間である以上、完璧では無いからだ。無欠では無いからだ。皆、完全では無いのに綺麗な振りをしているだけだ。穢れがなく完全無欠の存在など、神で十分だろうに、なぜ人は人を完璧に作りあげようとするのか? 一貫しているやつなど、どこにもいないのだ。
今、フロローの表情を見て確信した。こいつがサディストであり、残虐であることは間違いないのだが──パスラの信仰自体には、興味がないのだろうと。たった一瞬の表情だけで見抜いたかのような態度を取っている俺をおかしく思う者もいるかもしれないが、俺にはわかった。あれは、俺と同じ人間の顔だ。宗派が違くとも、俺と大して変わらず、同じ痛みを持っているのだ。
それに何より──彼女のその表情は、朝、鏡を見た時に映る顔と、本当に同じだったのだ。
「フロロー」
声をかけた。
「好きだ」
そう言った。
フロローが、首を傾げた。
「んー? ……うん。私も好きだよ〜」
それは、俺のことが本当に理解できないとでもいうような声色だった。
(今はいい、それでいい)
窓の外から、ぽつぽつと水がぶつかるような音が聞こえた。
ステンドグラスには水滴がつき、まるで真珠で飾られているようだった。
もう長雨の時期だ。外ではきっと、寒さに震えながらもレインコートを着た子供たちが走っているだろう。俺が昔、そうだったからだ。十一月の湿った空気を存分に味わいながら、明るく見えているだけの場所を走り回っていた。
(俺の誕生日まで、あと二ヶ月)
その日に俺は、聖魔法が使えるようになる。
この恋と復讐に決着をつけるまでのカウントダウンがゆっくりと始まった。