「あなた様を、私だけのあなた様にしたい……」
なんでも許せる方向け。
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穏やかに打ち寄せる波と、温かくはぜる焚き火の音が耳に心地良い。市街地から離れたこの浜辺では、夜空に灯る星辰も、高くに浮かぶ純白の月も鮮やかだ。
「あなた様、やはり寒いですわ」
焚き火の傍、艶麗な脚を抱えて座っていたワカモが言う。華やかな水着に身を包んで、水に濡れた細い肩。夏とはいえ、夜にその格好では焚き火があってもたしかに冷えてしまうだろう。
柔らかな毛並みの耳が、ニ、三度小刻みに震える。
いつもの仮面も、今は傍らに置いたままだ。
「そうだね。あんまり体を冷やすと良くないし、そろそろ戻ろうか」
先生として、そう声をかけて彼女を見遣る。炎の朱色に照らされ、滑らかな肌が夜陰に白く眩しく輝く。
彼女の身体が描く豊かな曲線美が、数多の戦闘に引き締まった細い腹が、あんなにも強いのに体格は華奢な女の子だというその事実が、水着を纏って引き立てられる。その時にふと気付いてしまった感情は、けれど律し、封じなければいけないものだ。
なぜなら私は彼女の、彼女たちの先生なのだから。
「……あなた様?」
立ち上がったワカモが、闇夜に煌めく両の瞳を向けてくる。真ん丸で金色の瞳の奥に、どこか全てを見透かす透明な気配を潜ませて。
「いや、なんでもないよ。さ、冷える前に帰ろう」
ゆっくりとこちらに歩いてきたワカモが、おずおずと上げた手を私の胸に当てる。少し見下ろす位置に来る頭が、黙って肩にもたれかかる。それでも一時、黙したのは彼女なりの逡巡だったのだろうか。
私のシャツを掴むワカモの手に力が籠る。体格は単なる女の子だ。けれど、彼女の膂力と身体能力を以てすれば、私のような脆弱な人間をそばにあるビーチマットに押し倒すことなどあまりに容易かった。
声も出ないほど、瞬く間の出来事だった。ただマットに横たわったときの衝撃は、ワカモの配慮か殆ど感じなかった。
驚きの表情を浮かべる私に跨って、彼女は上気した顔で言葉を紡ぐ。
「私……私、ずっと寂しかったのです。私がどれだけあなた様を愛していても、あなた様は多くの生徒のあなた様です。勿論、あなた様がそう望むのならと、これまで辛抱して参りました。ですがもう、我慢できないのです。あなた様を、私だけのあなた様にしたい……」
ワカモの背中越しに、無表情に浮かぶ月が見える。周りの無数の星たちは、黙り込むかのように瞬きの一つもない。空には一片の雲もなく、何もかもを呑み込む夜空だけがいやに広く横たわっていた。
豊満な肢体を揺らして、ワカモが迫る。ついさっき、一瞬だけ彼女に対して抱いた不埒な思いがこの状況を招いたのだとしたら、私は先生失格だ。
花模様のビキニに包まれた、ワカモの温かな胸が触れる。艶やかな太ももが私の脚と絡み合う。彼女のふんわりとした長い黒髪が、一房零れて私の顔を撫でる。
止めないと。それはダメだ。越えてはいけない。私は先生で、君は。
理性が断片的な制止の言葉を浮かべるが、それらは上手く発せられない。
華やかな甘い香りが、強く鼻腔をくすぐる。
どうにも逃げられないと、そう思わせるのは七囚人の迫力のせいだろうか。それとも。
ワカモの肉体が、私を求めて覆いかぶさる。妖艶な素肌に抱きすくめられ、私の身体も堪えきれずに応えてしまう。
密着した下腹でその動向を感じ取ったのか、悦びがワカモの顔に表れる。私の衣服を解き、自分のはそれすら惜しいと言うように華奢なボトムスの前面を指でずらし、秘部を露わにする。
つるりと整えられた彼女の玉門はぬらりと妖しく濡れ、蠱惑的な口を開いている。身体を優しく押さえ込まれ、そこだけ屹立した私の肉棒が、濡れそぼったワカモの下腹に咥えこまれていく。
一瞬先端をあてがい、思い切ったように腰を落としてずぷっと膣口で包み込む。殆ど抵抗なく肉棒を受け入れたワカモの膣は、けれどすぐさま締めつけを強めた。
熟れて熱い彼女のなかが、まるで別のいきもののようにうねうねと蠢く。二度と離すつもりがないかのように、全て絞り尽くすかのように、ただ愛と肉欲に駆られ、溺れて私の身体と肉棒を貪る。
ワカモは腰をくねらせ、顔にはかつてない恍惚とした悦びが浮かぶ。下腹で繋がりながら彼女は私の唇をこじ開け、舌と涎を絡ませた獣の様に激しいキスを求める。膣と肉襞は脈打つように蠕動を繰り返し、ワカモの身体は肉棒を味わう快楽に打ち震えている。
今までこのキヴォトスで築いてきたものの全てが崩れ落ちているその最中、私の最後の理性すらも瓦解しようとしていた。
ワカモの、若く力強い肉体が私の上で悦楽に跳ねる。尻を突き出して蜜壺を肉棒に打ちつけ、玉の汗を浮かべる胸が激しく揺れる。彼女の柔らかな唇が私の耳を食み、長い舌が奥まで入り込んで啜る。
紅く染まった頬と、本能のままの荒い息遣い。蕩けたきんいろの瞳は、組み伏せた私だけを見つめている。
優艶な彼女の舞に、私の身体は一線へと乗り出す。
屹立して昂る棒の律動は激しさを増し、それに呼応するようにワカモの腰の振りも大きくなる。柔らかで豊かな尻尾は、下腹を震わす快感の予兆に力無く揺れていた。奥の深いところを刺激する肉棒に、ワカモは声にならない嬌声を上げる。
私は彼女の引き締まったくびれを両手で掴み、自分の下腹へと押しつけた。うねる彼女の肉体が震え、堪えきれずに濁った喘ぎ声が漏れる。そこかしこを流れる汗が飛び散り、長い髪を振り乱してワカモが享楽に悶える。
今までにないほど硬くそそり立った肉柱に、彼女の肉襞がぴたりと吸いつく。
我慢の限界など、とうの昔に超えていた。
「ああっ……ワカモ……っ」
「はぁっ……あなた様っ……」
どくん、どくん、と脈打って、白濁した本流がワカモの奥を目指して流れ込む。強く迸った熱が、ワカモの下腹を満たしていく。
勢い余って、二人が結び付いたその隙間からねっとりと熱い汁が溢れ出した。
満足げに笑んだワカモが、艶やかに囁く。
「まだまだ、私を愛してくださいますか?」
私の行いを、宙に浮かぶ月だけが無感動に見下ろしていた。
―終―