※この作品はR-18です。

Dirty Works~Piece of Story~   作:空薬莢

33 / 37
どんなに楽しい戯曲にも終幕は訪れる。
戯曲に限らず、理に縛られた存在には必ず終焉が訪れる。
だが、終焉を否定する存在もいない事は無い――




ReloadingⅡ 円卓の遊戯 終曲

「……中亜戦線に於ける国連、東南アジア連邦両陣営の損害率、70%に達しました」

「報告ありがとうロート君、下がりたまえ」

円卓に響く、メルクリウスの嫌味ったらしい声。

反吐が出る、と思いながらも、ブレンは静観する。

「さて、レイン卿。もうすぐこのゲームも終わるようだが?」

「確かに、もうすぐ終わるようだな。中々楽しめた、私としては悪くない見世物だったが、諸君にとってはどうかね?」

「ノーコメントで」

ブレンは即答。

「……少しは楽しめたかなぁ?」

疑問符はヴォルフ。

「下らん」

マキナは吐き捨てるような回答。

「チッ……あの男、まだ死なないとは……」

悪態を吐くワルキューレ。

他の面子は概ね、楽しめたらしい。

「満足している者が多いようだが、ここで最後の役者達に壇上に上がってもらおうと思う。皆様如何だろうか?」

そこで唐突に口を開く、メルクリウス。

……最後の役者?

この場に存在する者は皆、思うこと。

「……ほぅ、メルクリウス。貴殿は誰を喚ぶというのかね?」

皆を代表してか、問うのはレイン卿だった。

「誰、とは言えないな。……なにせ、彼らは人ではない。いや、生物ですらない。神の理を捻じ曲げようと足掻く愚鈍で、身の程を知らぬ、塵芥の創造物ですよ、レイン卿」

芝居がかった説明。

「随分と勿体振りますね、メルクリウス。……あの男を殺せるならば、私は構いませんよ」

すぐに噛み付いたワルキューレ。

余程、自身が送り付けた男が死なない事に腹を立てているらしい。

「それは理を司る神のみが知る事だ。人は醜い。それ故に、人が創りし物は例外無く、塵芥に過ぎない。塵芥同然の玩具は主人に反旗を翻し、共に破滅へと向かうだろう…………と、でも言えば満足かね、ワルキューレ?」

「ハッキリとした答えではないのは癪に触りますが、構いません」

「では、他に反対意見のある者は?」

というメルクリウスの声に反対意見を挙げる者はいない。

当然だ。

誰もが好き好んで、メルクリウスの口舌など聴きたくも無いから。

口先では、この女性に勝てないのだ。

「では、満場一致ということで、早速召喚するとしよう。皆様、暫し待たれよ。塵芥とはいえ、少々面倒な代物なのでな」

そう言ったメルクリウスが口を――目を閉じる。

精神を集中させているのだろうか?

もし、そうならば、余程の代物。

レイン卿とメルクリウス以外の者が固唾を飲む中、暫しの静寂が続く。

しかし、静寂は永久には続かない。

永遠にも似た数秒の後、瞳を開く、メルクリウス。

「さぁ、本能のままに動くがいい。己の愚鈍さを置き去りにして、飼い主に牙を剥け。それしかできぬ愚鈍さが貴様らの本質なのだから」

変わらぬ嫌みったらしい口舌と共に、最後の役者達は”ヴァルハラ“へと放たれる。

 

――彼女の宣言通り、創造主に歯向かう為だけに――

 

 




――はい、AWWB ReloadingⅡでした。
元ネタ的に仕方無いとはいえ、メルクリウスはうざったい。
書いているこっちすらイラつくぐらいです。
……それはさておき。
最後の役者は人ではありません。
人は関係していますが。

多重コラボの参加者は打ち切っていますが、個人コラボの方は受付中です。
興味のある方は、メッセージで。
では、拝読ありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。