Dirty Works~Piece of Story~ 作:空薬莢
戯曲に限らず、理に縛られた存在には必ず終焉が訪れる。
だが、終焉を否定する存在もいない事は無い――
「……中亜戦線に於ける国連、東南アジア連邦両陣営の損害率、70%に達しました」
「報告ありがとうロート君、下がりたまえ」
円卓に響く、メルクリウスの嫌味ったらしい声。
反吐が出る、と思いながらも、ブレンは静観する。
「さて、レイン卿。もうすぐこのゲームも終わるようだが?」
「確かに、もうすぐ終わるようだな。中々楽しめた、私としては悪くない見世物だったが、諸君にとってはどうかね?」
「ノーコメントで」
ブレンは即答。
「……少しは楽しめたかなぁ?」
疑問符はヴォルフ。
「下らん」
マキナは吐き捨てるような回答。
「チッ……あの男、まだ死なないとは……」
悪態を吐くワルキューレ。
他の面子は概ね、楽しめたらしい。
「満足している者が多いようだが、ここで最後の役者達に壇上に上がってもらおうと思う。皆様如何だろうか?」
そこで唐突に口を開く、メルクリウス。
……最後の役者?
この場に存在する者は皆、思うこと。
「……ほぅ、メルクリウス。貴殿は誰を喚ぶというのかね?」
皆を代表してか、問うのはレイン卿だった。
「誰、とは言えないな。……なにせ、彼らは人ではない。いや、生物ですらない。神の理を捻じ曲げようと足掻く愚鈍で、身の程を知らぬ、塵芥の創造物ですよ、レイン卿」
芝居がかった説明。
「随分と勿体振りますね、メルクリウス。……あの男を殺せるならば、私は構いませんよ」
すぐに噛み付いたワルキューレ。
余程、自身が送り付けた男が死なない事に腹を立てているらしい。
「それは理を司る神のみが知る事だ。人は醜い。それ故に、人が創りし物は例外無く、塵芥に過ぎない。塵芥同然の玩具は主人に反旗を翻し、共に破滅へと向かうだろう…………と、でも言えば満足かね、ワルキューレ?」
「ハッキリとした答えではないのは癪に触りますが、構いません」
「では、他に反対意見のある者は?」
というメルクリウスの声に反対意見を挙げる者はいない。
当然だ。
誰もが好き好んで、メルクリウスの口舌など聴きたくも無いから。
口先では、この女性に勝てないのだ。
「では、満場一致ということで、早速召喚するとしよう。皆様、暫し待たれよ。塵芥とはいえ、少々面倒な代物なのでな」
そう言ったメルクリウスが口を――目を閉じる。
精神を集中させているのだろうか?
もし、そうならば、余程の代物。
レイン卿とメルクリウス以外の者が固唾を飲む中、暫しの静寂が続く。
しかし、静寂は永久には続かない。
永遠にも似た数秒の後、瞳を開く、メルクリウス。
「さぁ、本能のままに動くがいい。己の愚鈍さを置き去りにして、飼い主に牙を剥け。それしかできぬ愚鈍さが貴様らの本質なのだから」
変わらぬ嫌みったらしい口舌と共に、最後の役者達は”ヴァルハラ“へと放たれる。
――彼女の宣言通り、創造主に歯向かう為だけに――
――はい、AWWB ReloadingⅡでした。
元ネタ的に仕方無いとはいえ、メルクリウスはうざったい。
書いているこっちすらイラつくぐらいです。
……それはさておき。
最後の役者は人ではありません。
人は関係していますが。
多重コラボの参加者は打ち切っていますが、個人コラボの方は受付中です。
興味のある方は、メッセージで。
では、拝読ありがとうございました。