※この作品はR-18です。

Dirty Works~Piece of Story~   作:空薬莢

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Another World War Breaker エピローグ

 

 

数分後――

「俺達を殺す気か、メドベェーチ3?」

「いや、殺せないって。あの程度では、ね」

輸送車に飛び乗った私は、メドベェーチ7に笑顔を返す。

「まぁ、そうだろうな。明らかに、本気じゃねぇだろ、メドベェーチ3」

「冗談はその辺で終わりにしてください、メドベェーチ8。索敵行動が先決ですよ」

固いなぁ、メドベェーチ10は。そんなじゃ、生き残れないよ。

(……って、ふざけても生き残れるのは才能ある者だけか)

一般的には、ね。

だから、努力を重ねるんだろうけど……今は関係無い。

「……周囲40㎞圏内に敵対勢力はいないね~。いるのは、彼(・)ら(・)だけ」

そう。彼らだけ。

理想を掲げるのは勝手だが、プライドなんて余計な物のせいで、損をしていた。

暇潰しに、お手伝いなんてしない方が良かったか。

……感謝など、彼らはしないだろう。プライドがそれを許さないだろうから。

「了解だ。……っと。通信だな。各自、回線を開いておけ」

「「了解」」

「りょーかい」

指示を肯定。

回線を開く。

『初めまして、便利屋の皆様』

聞き覚えのない女性の声だ。

『依頼の件ですが、この辺りまで充分だ。これより、貴殿方を元の世界へと還そう』

が、実に腹立たしい口調ではある。

依頼人とは違う声だし――と、思った直後、私達は光に包まれ――視界が白く染まる。

暫し、白く染まった視界が回復した時、

『いやはや……塵芥にしては、やるではないか。称賛に値する。その存在にほんの少しとはいえ驚愕した』

件の声の主が目の前にいた。

厚手だが、襤褸切れにも見えるローブを纏う、中年の美女。

「黙れよ、ババア。口先だけだろ?」

女性に対して、当然の如く噛み付いたのはメドベェーチ8。

怖いもの知らずだよね、彼。……まぁ、メドベェーチ8が噛み付かなければ、私が噛み付いていただろうけど。

『だが、忘れてはならない。どんなに優れた個人であっても、所詮は人間。人間であるが故に、貴様らとて塵芥だという事を。能書きを吐き出すな。波に乗れ。そして流されろ。塵芥に選択は許されない。黙して従え。世界が法だ』

下らない口舌だ、と吐き捨てるのは簡単。

実際、多くの人は虚言だと吐き捨てるだろう。

だが、私は虚言とは思わない。ひとつの心理だ。

私の生い立ちがその証明だったりするから。

「おい、聞いてんのかババア?耳が遠いのか?カスが溜まって中耳炎でも起こしてんじゃねぇか?」

『人間の作りし法は法ではなく、制約だ。銅貨一枚の価値も無い、言葉の塊に過ぎない。そんな物に踊らされる者達に“道化”等という言葉すら勿体無い。塵芥で充分だ。自覚したまえ、愚劣な劣等種達よ』

メドベェーチ8の挑発は一切聞こえていない。……いや、受け流されている。

『さて、無駄話はこれまでだ。貴様ら塵芥への報酬は既に贈られている。元の世界へと帰還した後、探すが良い。……では、今宵の余興に従いし塵芥達よ。退屈かつ愚かな日常に戻るがいい――』

再び、視界が白く染まる。

(ようやく、帰れるかぁ……)

帰還したら、まずは寝よう。

ソファで丸くなって寝る。蹴られた蹴り返す。そして二度寝する。

それでいい。

セルゲイだって蹴ってやる。

不毛な未来を描いていると、視界が回復した。

 

目の前には、何時もの便利屋。

周囲を見回せば、いつもように、閑散としたストリート。

……元の世界だ。

帰ってきたのだと実感する。

ならば、言う事はただ一つ。

天を仰ぎ、大きな声で。

「ただいま、クソッタレな世界さん♪」

「あぁ、お帰り。クソガキ」

返すように、背後から聴こえる男性の声。

「クソガキは無いよー」

振り返る。おそらく、あの人だ。

「随分と長引いたな、お前ら」

背後にいたのは、予想通りの巨漢。

「……久し振りの大群相手だったから、ね」

返す言葉は辛辣だったが、帰還を歓迎していた事に変わりは無い。

こちらも笑顔で答えるべきだろう。

「おいおい……アレで久し振りかよ」

「末恐ろしいですね」

「普通なのだろう。所属部隊的観点から言えば」

仲間達の声もいつも通り。

いつもの日常。

平穏とは言えずとも、忙殺されようとも。

私達にとっての日常は変わらない。

この日常を“神様”が愚劣な劣等種の創造物としても、これしか選択肢は無い。

だから、精一杯の足掻きを、

人間なりの生命を――いや、化物なりの生命。

「じゃあ、マスター。昼御飯、お願いできる?」

その続きを紡ごう。

神様への退屈な見世物を――

 

 

Multiple Collaboration Story:Side『Dirty Works』 Another World War Breaker……End.

 

 





――以上、多重コラボ編《Dirty Works》Side、Another World War Breakerでした。
他の作者様より一足先に完結させたわけですが、これが出来たのは一重に、第3独立遊撃隊の面々が、他の作者様のキャラクターと相性が悪かった為、という点が大きいと思われました。
過去が悲惨であればあるほど、性格や価値観は歪むものですが、今作のメドベェーチ3――つまりグラナデちゃんは歪みまくっているのです。……まだ、本編中では語られていませんが。
辛気臭い話はこの辺で。
新たな多重コラボも歓迎中。参加したい方は直接メッセージを。
では、このような企画に参加してくださった作者に最大限の感謝を。
拝読ありがとうございました。
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