※この作品はR-18です。

Dirty Works~Piece of Story~   作:空薬莢

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誰が読むのか、解説シリーズ第3弾。……いい加減、くどいかな?この始まり方。
ともかく、今回から暫く現代銃火器を含む、銃種の簡単な説明が始まります。


》銃火器の種別Ⅰ ~拳銃と短機関銃~

五分後――

 

「それでは、講義を再開する」

スナリャートが再び講堂に姿を現した時、既に全員が席に着いていた。

「銃火器の種別についての講義だが、初めに拳銃と短機関銃についての説明を行う。……寝ている者は無視して構わない」

講義代を無駄にする奴が悪い、ということか。

「まずは、拳銃――Hand Gun――から。拳銃とは、携帯できるサイズの小型銃の事を言う。……初出は諸説あり、かつて存在した日本と言う国では、短筒――マッチロック式のピストルが存在したらしい。それはさておき、拳銃は大きく四種類に分けられる。……聞いたことが有るかもしれないが、《リボルバー》、《オートマチック》、《シングルショット》、《その他》の4種」

確かに、よく聴く名ではある。

「《シングルショット》は名前の通り、単発式。……最初期の拳銃はこれしかなかったといっていい。……現在でも、シングルショットの拳銃は存在するが競技用、狩猟用といった、命中精度や威力を重視したもの。……だが、狩猟用に限れば、リボルバーの方に軍配が上がる。……理由としては、狩猟が必ずしも野鳥や鹿などの食用動物だけを相手にするわけではなく、猛獣にあたる動物とも対峙することがあるから。猛獣を相手にする場合、求められるのは充分な威力を継続的に叩き込める事。加えて、動作不良も起こしづらい銃火器である事も求められる。シングルショット式では、再装填の隙に殺られる危険性が高い為、ある程度の速射が可能なリボルバーに軍配が上がる」

なるほど……シングルショットは競技用がメインか。

「その為、基本的にシングルショット式は大口径である事が多く、物によってはライフル用弾薬を使用し、嘗ては対戦車用の成形炸薬弾を撃ち出す物も存在していた」

対戦車用?

「とはいえ、対戦車用の弾薬を用いる拳銃は数種類だけであり、分類上は《その他》にあたる為、そちらで詳しく解説する。……では、《リボルバー》の解説。《リボルバー》はご存じの通り、円筒形の弾倉――シリンダー――を持つ拳銃の事。現代のような物に限れば、パーカッションロック時代に登場したが、マッチロックやホイールロック時代から手回し弾倉式は存在している」

へぇ……。

「現代のリボルバーは大きく分けて《シングルアクション》と《ダブルアクション》がある。……シングルアクション(SA)とは、撃鉄と訳されるハンマー――撃針を打撃するパーツ――を一射ごとに使用者が起こすタイプ。この方式は機構が単純である為に頑丈で信頼性が高く、高威力の弾薬を用いるモデルに使われる事が多い。一方でダブルアクション(DA)は撃発機構に、ハンマーを起こす機能が組み込まれている為、一射ごとにハンマーを起こす必要が無い。安全装置解除時等は手動で起こす必要があるが。DAは現代において主流であり、市販に出回っているリボルバーはDAの方が多い。……しかし、リボルバーには大きな利点と欠点がある」

利点と欠点?

はて、利点はさっき言ったと思うが……。

「まず利点はさっき言った通り、頑丈で信頼性に優れる事。次に、シリンダーという弾倉の構造上、口径が同じであれば、弾薬の互換性を持つ事。後述するオートマチックには弾薬の互換性が無い為、これは場合によっては大きな利点となる。次に欠点。まず、装填弾数と装填の面倒さが挙げられる。リボルバーの装填弾数は基本的に6発、ハイパワーモデルの中には5発、小口径の物では8発と、少ない。装填手順にしても、シリンダーのロックを外して、シリンダーを開放。空薬莢の排出後に弾薬装填。シリンダーを戻してロック……と、比較的時間がかかる。現代も生き残っている西部開拓時代の《COLT PEACE MAKER SINGLE ACTION ARMY》通称、SAAの再装填は十数秒から、二十数秒程度もかかる。次の欠点として、構造からくる排熱効率の悪さ。オートマチックやライフルが空薬莢を即時排出するのは、火薬の燃焼による熱を逃がす為であり、リボルバーは構造上、空薬莢の排出は《SAA》等の一部を除けば、シリンダーを開放して行う為、再装填時にしか排熱が行われない(最大限の排熱という意味)。故に、熱による金属疲労等は溜まりやすい」

なるほど……そういう欠点がある、と。

「三つ目、《オートマチック》。訳せば自動式の事であり、弾薬の装填、撃発、排莢を自動で行う物の事。作動機構は様々な為、この場では割愛する。自動式拳銃の初出は第一次世界大戦頃。機関銃の機構を利用して造られた」

アレが?

「オートマチックの利点は自動式である為、速射性に優れる事、リボルバーに比べて箱型弾倉を用いる関係上、装填弾数が多い事。欠点は構造上、信頼性に劣る物もある事、弾数の互換性が低い事。の二点、やはりというべきか、オートマチック式にもSAとDAがある。が、リボルバーとは異なり、安全装置の解除後等に本体上部のスライドを引く必要の有り無しぐらい。この為、安全性はSAの方が高いかも知れない。尚、リボルバー式拳銃にもオートマチック式が存在したが、それは競技用であり、信頼性も低い」

リボルバーとしての利点はどこに捨てた?

「最後にその他にあたるもの。要するに、特殊な物。例を挙げれば、近世で使用されたレモン搾り器こと7連リボルバー、WWⅡのリベレーターやカンプピストル、その他暗殺用。これらは、それぞれが特定の目的に特化しており、レモン搾り器は握り込むと撃発するが、銃身が短く、威力は低い。その為、昨今の潜入暗殺用は特殊な弾頭――青酸カリを仕込んだり――し、確殺性を得ている。次にリベレーターは、当時の反政府勢力にバラ撒くため、非常にコストが安い自動式拳銃だが、事実上は再装填の非常に面倒臭い単発式拳銃とも言えるもの。一方で、カンプピストルとは、信号弾用の拳銃を改修して造られた物で、単発式。前述した対戦車用の拳銃は、これの系譜の事。他にも、冷戦下でアメリカは《ジャイロジェットピストル》という、小型ロケット弾を使用する拳銃を製造したが、試作のみで終わっている」

そんな物まで……。

と、思ったところで辺りを見回すと、半数が机に突っ伏していた。

「最後に短機関銃について。……これも、WWⅠの末期頃に生まれた物で、簡単に言ってしまえば、拳銃用弾薬を用いる軽便な機関銃。……《マシンピストル》という、拳銃サイズの短機関銃もあるが、これの分類は微妙な所であり、小さ過ぎる全長から反動制御が難しく、非常に扱いづらい。……それはともかく。短機関銃の機構も様々な為、割愛。……拳銃用弾薬を用いる為、反動は小さく、コンパクトなサイズは室内などの閉所で優位を保てる。事実、短機関銃の初戦は塹壕内での戦闘だったという。基本的には、法執行機関や特殊部隊で用いられ、軍隊ではあまり用いられない。……主に用いるのは、戦車兵や指揮官等だろう。……既に理解していると思うが、短機関銃は射程が短い。それも閉所戦闘で使う理由の一つに挙げられる。……ここで一度休憩。5分後、突撃銃と自動小銃についての解説を行う。……以上、解散」

講義は一度、お開きとなる。

しかし、生き残っている生徒は4割ぐらいだった――

 

 




割愛箇所は自分で調べてください。……復習ついでにでも。
教科書を読んで、それだけで覚えるような天才はほぼいませんから。
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