以前投稿した「赤ちゃんはどこから来るのです?」の前の話に当たるお話です。司令官の部屋である物を見つけてしまった電ちゃん。それをきっかけに、彼女の世界は大きく変わる見たいな内容。まさかまたR-18を書くなんて思ってもみなかったです。

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甘い甘い蜜の味

 

 

 

「~♪」

 

 あくる日の昼下がり。誰もいない提督室の中に響く幼い少女の鼻歌。所々音を外し、ややぎこちない音程ではあるが、これは彼女が休憩中、または仕事が終わった後に音楽プレイヤーで聞いているお気に入りの曲であった。

 そんな鼻歌を歌う彼女は、この鎮守府の初期艦にして最古参、最高練度を持つ暁型駆逐艦四番艦の電である。今日もいつも通り留守にしている提督に代わってこの提督室の留守番を行い、現在は二日に一回のお掃除中である。

 

 箪笥の誇りをはたきで落とし、台拭きでしっかりと磨き上げる。その次は窓枠の埃を落とし、ガラスをピカピカに磨き上げたら机の上に散らばった書類をジャンルに分けて整理整頓。休憩用のソファー、机のセットを磨きあげると仕上げに床掃除。まんべんなく掃除機で小さなゴミを吸い上げると本日のノルマは達成である。ソファーに腰を降ろして電は一息吐くことにした。

 

「ん~、終了なのです!」

 

 部屋を見回し、電は己の仕事に満足そうな表情になる。最初こそ花瓶をひっくり返したり本棚に激突したりとドジばかりしていたが、今やすっかり手慣れてしまった。おかげでどこに何があるのかほぼ完全に覚えてしまい、提督があれはどこだと言えば電はすぐに場所を言い当てるほどである。

 

 提督はまだ外出中で、しばらく帰って来そうになかった。目に付く仕事は大方片付けたため、暇になってしまう。窓の外を見れば、空母組の訓練機が編隊を組んで飛行していた。

 

 手持無沙汰になった電は、ふと思い立って提督の本棚になにか娯楽になりそうな物はないかと近付いてみる。艦隊戦の戦術本、各地海域の気候、海流を詳しく記された本など、いかにも海軍士官らしい書物も多く見られたが、実際半分くらいは提督の趣味の本で埋め尽くされていた。漫画本から小説と、多種多様である。電はこれと言って興味は持たなかったが、せっかくなので何か読んでみようと手を伸ばす。

 

 一冊一冊手にとって軽くめくって見るが、なかなか興味を引くものは見当たらない。まぁ、提督の趣味が完全に男子向けと言うのもあるだろう。一少女である電を惹きつける物はほぼ皆無だった。と。

 

「あれ、これは?」

 

 そんな中、電は本棚に一冊だけある英語で書かれた背表紙の分厚い本を見つける。何やら場違い雰囲気で、電はふと興味を持ってその本を手に取って見る。

 

「英語……ですね。これだけちょっと雰囲気が違うのです」

 

 ただ適当に入れただけだろうか。電は整理もかねてその本を直そうと広げてみる。が、様子がおかしい。その本は開きはしたが中に本の形に合わせた空洞があり、その中にまた一冊の本が入っていた。表紙をカバーで隠されたそれを、電は何気なしに手にとって広げてみる。だが、自分のその行動がいかに軽率だったか、すぐに思い知ることになった。

 

「はっ、はわっ!?」

 

 思わず電は手に持っていた本とダミーを床に落としてしまった。そこそこに厚みのある二つはやや大きい音を立てて転がり、電の心拍数が一気に上昇する。

 

(こっ……これって……そんな、何かの見間違いでは……)

 

 電は恐る恐る、ダミーではない方の本に手を伸ばしてもう一度一枚だけページを開く。そして、今自分が見た物は幻ではないと言うことがはっきり理解した。

 

 電が開いたその本。提督がられにも見つからないようにとカモフラージュして隠していたアダルト雑誌だった。グラビアや水着の写真集と言う物ではなく、一ページ目からがっつりと男女の絡みが見開きで写っていた。

 

 電もそれが一体何なのか察した。しかし、こうも具体的に男女の営みを見たのは初めてだった。男女が裸で抱き合う、それは子供の時分にはまだ早い事。だから気にしないでいいことなのだ。少し前ならそう思っていた。

 

 だが、どう言うことだろう。すぐに本を閉じて元通りにして見なかったことにすればいいのに、体が若干の火照りを持って、心臓の鼓動がどくんどくんといつも以上に大きく聞こえる。この先を見てみたい。一体大人の男女はこんなはしたない行為をして何がいいのだろうか。思春期を迎えた少女に訪れる危ない好奇心が電を襲う。ごくり、と唾を飲み込んだ。恐る恐る本を手繰り寄せ、じっくりとその中身に目を向ける。はっきりとその行為を見て、電の脈拍がさらに上昇する。

 

 そこには、特集と書かれた一ページ目。裸の女が男の愛撫を受けて快楽の表情を浮かべているそれだった。その女性の秘部に、男性の陰茎が深々と入り込んでいる様子が写され、電は衝撃を受ける。

 

(えっ……!?)

 

 まるで頭を殴られたかのような感覚だった。今までトイレに行く時くらいにしか気にしなかった自分の下腹部にあるそれ。そこはただの排せつ用ではなく、男性の陰茎が入ってしまうのだと知って体が震えあがった。女性の秘部に、男性の陰茎が入る。今まで電はそんなことを一切知らなかった故にやや気味の悪さを感じる。

 しかし、手が止まる様子はなかった。ゆっくりと次のページへと進み、次は服が乱れ、素肌がやや露出している。男女は熱い口づけをし、舌を激しく絡めあう場面が大きく載っていた。唇を触れ合わせるだけの普通のキスしか知らない電にとって、それもまた大きな衝撃だった。思わず自分の舌に触れてみる。じっとりと湿った自分の舌。これが、司令官の舌と触れあったら。

 

 お腹の奥が熱い。体が熱いのとは違う感覚。電は動揺が隠せなかった。何か体がおかしい。見てはいけない物なのに、また一枚ページをめくる。続いて胸を撫でまわすシーンだった。自分ではまだまだ足りない大きさの胸である。だが、それでも僅かに膨らみを持っている。

 試しに自分の胸をセーラー服の上から揉んでみる。むにゅ、とは程遠い感覚だが、ふにふにと揉める程度にはある。これと言って何か感じはしないが、少しばかりくすぐったい。写真の女性は目がうっとりとしていた。しかし自分はこんな顔にはならない。何が違うのだろうか。

 

 直接触ったらもっと変わるのだろうか。電はセーラー服に手を入れて、直接触ろうとしたその時だった。廊下の奥から誰かがあるいて来る音。電ははっとして体を起こし、大急ぎで本を片付けようとする。だが、間に合わない。ダミーの本に入れる暇が無かった。

 

 とっさにセーラー服の中に本を隠し、ダミーの身を本棚に突っ込む。そのタイミングでドアが開き、提督が帰って来た。

 

「ただいまー。あーつかれた」

「お、お帰りなさいなのです!」

 

 どうにか不自然な形にならないように電は立ちまわり、可能な限り提督が疑問を抱かないようにいつもの笑みを作る。対する提督は疲れているのか、コートを脱ぎながら気だるそうに電に語りかけた。

 

「おお電、退屈させてすまなかったな。特に変わった事とかはないか?」

「い、いえ! いつも通り平和な日常です!」

 

 どうやら上手く誤魔化せたようだった。提督は脱いだコートをラックに掛けて軽く肩をまわして体をほぐす。

 

「そりゃよかった。半日も拘束してすまなかったな。今日はもう夕方だし、上がってもいいぞ」

「でも私だけいいのでしょうか……?」

「いいさ。今は第六駆逐隊の部屋には誰もいないから、たまには一人占めしてこい」

 

 いつもなら遠慮する所だ。しかし、今の電は一刻も早くここから脱出したいと言う思いで埋め尽くされ、そしてこんなチャンスを逃す訳にはいかなかった。これから来るであろう仕事を提督に丸投げする罪悪感は残るが、自分の行いがばれてしまう方が危険だと踏んで素直に出ていくことにする。

 

「では……そうさせてもらいます。たまにはいいんですよね?」

「ああ。もちろんだ。いつも迷惑かけてすまんな」

「いえ、そんな事はありません! ではちょっと失礼します。何かあったらいつでも声を掛けてくださいね」

「おう、お疲れー」

 

 電はそそくさと提督室を後にし、どうやら上手く逃げ切れたようだと一安心する。服の中に隠した雑誌の存在を確認する。大急ぎで服の中に突っ込んだが、上手い事スカートの隙間に入り込んでくれたので落ちることはなかった。

 

 外に出て安心したのか、電の頭の中に次なる問題が浮かび上がる。この雑誌をどうするかだ。もし提督が今からでも雑誌を取り出そうとしたのなら、ダミーの中に本体が入っていないことがばれてしまう。そうすれば真っ先に疑われるのは自分である。そうなってしまったら、大好きな提督に嫌われてしまうかもしれない。それを考えると電の中で恐怖が走った。

 

 出来る事なら何とかしてでも元に戻したい。だが、今そんな事をするのは不可能である。電は数秒ほど考え、今どうにかするのは不可能だと結論付けて一旦自室に戻ることにした。取りあえず自分の鍵付き机の引き出しの中に隠そうと思いたつ。廊下に誰も居ないことを確認し、今度こそ自分の部屋へと歩みを進める。

 

 その男女の行いの続きを見たいと、彼女自身気付かないほど小さく胸に抱きながら。

 

 

*

 

 

 部屋に入り、電は自分以外の姉たちがまだ戻っていないことを確認して安堵する。可能な限り音を立てないように扉を閉め、服の中から雑誌を取り出す。またパラパラと中をめくって見るが、数秒も持たずに電は本を閉じてしまう。心臓がまた激しく鼓動し、思わず自分のベッドに飛び込んで顔を枕に埋める。真っ暗な視界の中で、あの本の中に居る男女が浮かび上がる。ごくりと唾を飲み込み、体を仰向けにする。

 

 視界に入るのは雷が寝ている上段ベッドの底。ちらりと横目に雑誌を見る。今一度、電は部屋に誰もいないことを確認すると、体を起こして再びページを開く。今度は真ん中あたりだ。そこは連載漫画で、シリーズ物のコーナーである。

 先ほどの大人の男女の営みもかなりショックだったが、漫画の内容がロリ系だったこと事にも電は衝撃を受けることになる。一応内容では18歳以上と書かれているが、どう見ても電と大差ない少女である。その少女の胸を、体が一回りも二回りも大きい男が撫でまわしている。吹き出しで胸が無いことを嘆いている少女を、男がそんなことはないと励ます。小さくても可愛い、という男の台詞を見て何となくほっとする。

 

 ふと提督が自分のいまいち発育しない胸を撫でまわしながら、同じことを言ってくれるのを想像してどきんと胸が高鳴るのを感じた。もし同じ状況だったら、彼は同じことを言ってくれるだろうか。

 

「……司令官さん」

 

 無意識のうちに電は提督を呼ぶ。彼が指揮官としてまだ未熟だった頃。同じく未熟だった自分と始めて出会い、二人きりにしか居なかった鎮守府をここまで育て上げて来た。その間に二人が築き上げた信頼関係が士官関係を超え、男女の仲になるのにそう時間は必要のないことだった。

 

 一体この行為がどんなに良い物かは分からない。ただ、男性がこの行為を求めると言うことは女性を強く求める事。言いかえれば、提督がこの行為を求めてくれば、自分のことをもっと愛してくれる。電はきっとそうだと考えが結びつく。

 なら、いつでも求められていいように学ぶべきではないのだろうか。今のところ提督からこのように求められたことはない。すぐにでもしないと言うことは、彼は自分がこの手の行為を知らないと踏み、慎重になっているのではと思考が働く。そうだとしたら、自分は提督に大きな迷惑を掛けているのではないかとも考えられた。ならば。

 

「……もっと、知らないと」

 

 電は漫画を読み進める。男性の愛撫は胸からその先端の乳首へと移り変わり、コリコリとつまみあげる描写が目に入る。少女は気持ちよさそうに目を細め、『気持ちいい』と声を出している。あまり触らない場所だから、電は本当にこんな声が出るのか試したくなる。

 

 試しに、片方の手を服の中に入れて自分の乳房を軽く揉み、続いてその頂点にある突起へと指を伸ばし、試しに指で軽くはじいてみる。言葉に出来ないくすぐったさが彼女を撫でまわした。

 

「んっ……ちょっとくすぐったい……」

 

 今の時点で、電はこの行為のどこに快楽があるのか理解できなかった。もっと触らなければならないのだろうかと、今度は優しく触れてゆっくりと時計回りに回してみる。くりくりと乳首に指先が触れる度に方が縮みあがり、維持することが出来なくなってたまらず手を離した。

 

「っ!」

 

 ぴりぴりと僅かに残る感触。確かにくすぐったかったが、それと同時に名状しがたい感触が脳内に残る。今になって思えば、そのくすぐったさの奥に何か別の物がある気がしてならなかった。この先にまだ何かあるのだろうか。

 

 もう一度服に手を入れてみる。より慎重に、より優しく触れる。触れるか触れないかの所で、五本の指を使って乳首を転がす。腹部がきゅんと熱くなり、びくっと軽く跳ねる。

 

 たった一か所、普段触ったことのない部分に触れるだけで体がこうも疼くことに、電は恐怖を覚えてどうにか手を止めようとする。しかしそれと同時に、その先にはまだ自分の経験したことのない物が眠っていると確信した。恐怖心と好奇心がせめぎ合う。ここで止めるか、続けるか電は選択を強いられた。

 

 一瞬止めるべきだという声が自分の脳内に響く。だが、直後にこれは提督のためにしていることなのだと言う声が駆け巡り、電は続けることに舵を切る。

 雑誌のページをめくり、今度は男性が女性の下着に手を入れ、くちゅくちゅと音を立ててる場面だった。電はどうしてそんな音が鳴るのか疑問に思う。こう言う音は何か水っぽい物が無ければ鳴ることはない。なら、この女性はもしや失禁しているのではないかと思うが、すぐにその可能性を捨てる。それだったらもっとシーツは汚れている。ならこれはきっと他の何かではないだろうか。

 

 だとしたら、試すしかない。はしたない行為だとは理解しつつも、電の決意は固く、愛する提督のためならと意を決してスカートをまくりあげ、下着の上から人差し指で筋をなぞる。

 

 ぞわ、と言葉に出来ない感覚が下腹部を襲い、足を閉じそうになる。乳首を触った時と似ているくすぐったさ。だが違う。これはきっと、この雑誌の中に居る女性たちの様になる為の感覚なのだと電の予測はほぼ革新へと変わる。体はまだ僅かに拒否している。だが抑えられないほどではない。電は続けて指を上下になぞり、その度にぞくっ、ぞくっと体が震えて体温が上がっていく。

 

「なにっ……これぇ……」

 

 例えるなら何と言ったらいいのだろうか。体が飛んで行ってしまいそうな、そんな感覚。触る度に自分の秘部が熱くなっていき、それに合わせて心拍数も上昇する。何もかもが初めてで、電は戸惑いが隠せない。だが、その戸惑い以上に自分があらぬことをしている、そしてその行為は非常に体に有益だと言う本能が埋め込まれていく。

 

―くちゅ―

 

「……えっ」

 

 電は、僅かに聞こえた水っぽい音で思わず手を止める。一体どこから? いや、どこからなんて一つしかない。自分の下着の中からだ。失禁したのだろうか? いや違う。そんな感覚は全くない。ならこれは一体?

 

 電はついに下着の中に手を入れた。熱く火照った自分の股間部分のなだらかな丘。その下にゆっくりと手を伸ばすと割れ目に触れ、さらに下へと伸ばすとまたくちゅ、と言う音が聞こえ、驚いて手を引っ込める。

 

「な……これ、は?」

 

 自分の指を見て驚いた。間違いなく、秘部に触れた人差し指は湿っていた。しかも水に手を入れたようなものではなく、もっと粘っこい液体に指を突っ込んだかのようになっていた。中指と人差し指をくっつけ、また開く。つー、と粘りを持った細い糸が伸びてプツンと切れた。

 

「これは……」

 

 電は雑誌のページをめくる。あった。男性が手に付いた液体の様なものを少女に見せつけ、『こんなに濡れてるよ。エッチな汁がいっぱいだね』という台詞だ。この粘り気のある液体は、自分が非常にいやらしくなっている証拠なのだと電は知る。

 体の様子を確認すると、全体的に火照りを持ち、顔もまるで茹でダコのように真っ赤になっていると予測できた。息も少し荒く、とても落ち着かなくなっている。胸とお腹の奥がもやもやして、どうもすっきりしない感じだった。

 

「これが、えっちな……物……」

 

 これが一体どう言うことなのか、完全に理解するにはまだ足りない。今度は直接触ろうと決心し、下着を太ももまで降ろすと下半身を露出させる。冷たい空気が当たってスースーして少し落ち着かない。ならばと布団を被り、その中で行為に及ぶことにした。

 

「んっ……うぅ!」

 

 再び割れ目に指を走らせる。今度はやや強めに押し込んでみる。そのせいで、たまたま押し込んだ場所が膨らみ始めたクリトリスに触れ、背中が突っ張ったように跳ねて声が響いた。

 

「ひゃぁっ!!」

 

 思っていた以上に自分が大きな声を出したことに驚き、電は口に手を当てて止める。体がピタリと固まり、誰にも聞かれていないか恐る恐る部屋の中を見回す。

 部屋には静寂が戻り、カチコチと時計の針の音だけが静寂を支配する。しばらく待ってなにも動きが無いことに安心し、今のはなんだったのだろうかと考える。一体どこを触ったらあんな声が出るのだろうか。あまり強く刺激しないように、自分の割れ目に指を当てていく。

 そしてその中で割れ目の比較的上部に、一際刺激を強く感じる部分を発見する。そこには小さな豆のような突起があり、強すぎないように触れてみると、やはり体が大きく反応した。

 

「ここなの……です?」

 

 ここは一体何なのだろうか。電は再び雑誌をめくり、そしてそれらしい場所を見つける。

 

「くり……とりす?」

 

 それらしいものはあった。男性が少女の割れ目の上部を擦るようにして触っている。少女の台詞はまるで悲鳴の様であった。恐いのだろうか。だが、次のコマに目を向けると、気持ちいいと絶叫していた。

 

「ここが……とても気持ちいい場所?」

 

 こんなに小さな突起が、さっき自分にあんな声を出させたのか。電は驚きながらもその部分にはあまり強く触れない方がいいと結論付ける。不用意に触れば、また大きな声を出してしまう。そうすれば今度こそ誰か部屋に入ってくるかもしれない。

 

 電は一旦クリトリスについては忘れて、今度は膣内へと興味を持つ。漫画は指がじっくりと入っていく場面になっていた。やはりここには指が、そして男性の巨大なそれが入るのだと確信する。

 

 また大きな声が出ないように、電は慎重に割れ目を探る。その行為だけでも快楽は電の体を襲い、ゾクゾクと体が震えあがる。

 少しの間探っていると、何やら深く入りそうな場所を見つけた。ここに違いない。いつの間にか割れ目からさっきよりも多くの蜜が溢れている事に気がつく。ああ、今自分は子供が知ってはいけない悪いことをしているのだ。そんな罪悪感がふと頭をよぎる。だが、もう彼女を止められるだけの理性は実のところほぼ無くなっていた。

 

 人差し指の第一関節までが、ズププと音を立てて電の膣内に入る。その締め付けの強さに本当に入るのか不安に思ったが、もう少しだけ深く入れてみると締め付けはするものの入りきった。

 

「っ! いっ……た……ぃ」

 

 やや痛みを伴いはしたが、指は根元まで入り込んだ。それだけで体力の多くを消耗した気分になる。

 指を入れると、自分の身に何が起きているのかなんとなく分かるようになった。まず、粘膜状の液体はこの中からじわじわと溢れ出ている事が良く分かった。

 そして膣内の締め付けは、指がそのまま呑み込まれそうなほどきつく締め上げる物だと学んだ。こんなにきつく締め上げられてしまっては、男性の陰茎が入る時に痛くはないのだろうかと電は思う。

 

 幾分か痛みが引き、試しに指を動かす。動かした指がひだに絡みつき、快楽のスイッチを叩いた。電は自分の中で何かがうごめいている感覚に付いていけなくなりそうだった。だが、嫌ではないし拒否するものではない。むしろ、癖になりそうだ。

 

「ひゃ……あっぁあ……」

 

 気付かぬうちに声が漏れる。思わずもう片方の手で口を塞ぎ、声を殺す。しかし膣内に留まるその指は動きを止めない。まるで意思が分離したかのように、電の膣内を動きまわり、快楽の波を送りだす。その度に、再び下腹部が熱くなり、自分の中から溢れ出る蜜の量が増すのを感じる。

 

「だめっ……なので、す……ぁっあ……ぃや、あぁ……!」

 

 止まって。止まって。止めなきゃいけないのに。これ以上したら声が止まらなくなる。なのになぜ。手が止まらない。当初感じていたくすぐったさは鳴りを潜め、代わりに電へ快楽を送り続ける。まるで自分が自分じゃないような感覚に、彼女は戸惑う。いや、正確に言えばもう戸惑うだけの理性は持ち合わせていなかった。ただひたすらに身を任せる。その先に何があるのかを知りたいと言うその気持ちが彼女を押し上げる。もっと、もっと、もっと欲しい。

 

「しれいかん……さんっ!」

 

 もしこの指が、大好きな彼の物だったら。大好きな彼が、自分を弄んで喜んでくれたら。自分も楽しい、嬉しい。欲しい、欲しい、もっともっと。

 

 いつの間にか膣の中で動く指は、くちゅくちゅといやらしい音を立てて電を快楽の海に突き落とす。その音が耳に届く度、電の膣がまた締め上がる。ああ、自分はいけないことをしている。とても悪い子になってしまっている。まだ自分が知ってはいけない、大人の味を知ろうとしている。その罪悪感が彼女を満たし、それは背徳感へと変貌し、電を狂わせていく。

 

 呼吸が激しくなり、心拍数が跳ね上がる。壊れてしまう。自分が自分で無くなってしまう。意識そのものが飛んでいきそうになり、電はそれでも手が止まらない。

 

 何もかもが真っ白に、消えてしまいそう。そう思った直後だった。

 

 廊下から、誰かが歩いて来る音が聞こえた。それも一人ではない、複数人。その音にはっとし、電の体が一機に冷たくなる。そして、姉妹たちが帰って来たのかもしれないと言う直感が彼女を貫き、大急ぎで下着を履き直して布団を頭からかぶった。

 

「ただいまー! あー、疲れた疲れた!」

 

 ドアを勢い良く開けて入ってきたのは彼女の一つ上の姉、雷だった。その後ろから次女響、長女暁が任務を終えてくたびれた面持ちで部屋に入ってきた。

 

「もう、そんなだらしないこと言わない物よ! レディーとしてみっともないわ」

「でも、私は雷の気持ちも分かる。今日はさすがにくたびれた」

「そうよねー。もう長い事外に……ってあれ、電が居るわ」

 

 雷が自分のベッドに登ろうとして、その下で布団が大きく膨らみ、その中から電の栗色の髪の毛が覗いている事に気がついた。電の緊張が高まる。今ここで一言でも声を出したら全てがばれてしまうかもしれない。心臓が違う意味で激しく脈打つ。早く、早く気にしないで自分のことに戻って欲しい。

 

「珍しいわね。もう仕事終わったのかしら。おーい、いなず……」

「雷、待って」

 

 様子を見に近づこうとした雷を、響が呼び止める。雷は不思議そうな顔をしたが、響は電の様子を見て反応はしないと踏んだのだろう。雷に大人しくするように問いかけた。

 

「たぶん、仕事が終わって私たちと同じように疲れているんだろう。こんなにぐっすり寝てるんだから、起こすのはナンセンスだよ」

「あー、たしかに。それもそうね。じゃあ今はボリュームを下げましょうか」

 

 おやすみ、電。と雷は小さく言い残し、自分のベッドへと入って行った。電は今日これほどまでに響に感謝しなければならないと思ったことはない。まさに命の恩人だ。いつかお礼をしなくてはと思う。

 

 ひとまず危機は脱したとみて、電はこのまま眠りに就こうと決める。幸い姉たちは自分に気を使ってくれて、極力小声で話すようにしてくれていた。そんな優しい姉たちに感謝する。

 

 しかし、冷静になってから今度は彼女の中で悪いことをしてしまったと言う罪悪感が溢れていた。確かにあの感覚はまだ見ぬ境地へと誘う、とても大きな力を感じる。電もその先を見てみたいと強く思った。だがそれは今の自分ではきっと踏み入れてはいけないことなのだと彼女の中で結びつき、自分への強い嫌悪感を抱く。今までまじめに、ダメなことはダメだと決めて絶対にしないようにと思っていたのに。

 

 電は布団の中で悩み続けた。自分がどう言う行いをしたのか、何度も何度も思い出してループする。そうしていくうちに睡魔が電を誘い込み、罪悪感や色々な物で頭がいっぱいになっていた電はその睡魔を素直に受け入れた。

 

 その太ももに、自分から溢れた性欲の蜜を滴らせて。

 

 

*

 

 

 結果として、電は雑誌を元に戻すことには成功した。提督からは特に何も言われず、表面上はいつも通りの日常が戻った。だが、電の脳裏に焼きつくあの快感だけは消えることはなく、時折り誰もいない所であの時のように体に快楽を与えては、またやってしまったと自分に落胆する日々が続いた。

 

 そして、また提督が出かけた時。電は一人提督室で留守番をしていた。いつものように部屋を掃除し、書類を整理も完了してまた手持無沙汰になる。ソファーの上にちょこんと座り、電はふと本棚に目を向ける。提督の雑誌が隠された本棚。ところで、あの本棚にあるのはあれ一冊なのだろうか。ちょっとした興味が湧いて、いけないとは思いつつも電はまた本棚に近づく。

 

 やはりやたらと目立つ提督のダミー洋書。今にして思えばこうして目に付いてしまう辺りカモフラージュになっていないのではとも思う。なら、このほかに目に付く本が他に……。

 

「……あったのです」

 

 今度はアラビア語の背表紙本を見つけた。いやいや、流石にこれは電でも突っ込みたくなる。と言うか、どうして今まで気付かなかったのだろうか。まぁ、置き場が電の背丈よりも高い所にあると言うのがもっともな理由だろう。今回は椅子を持ち出しての探索だったからあっという間に見つかった。

 

 さて今度は何を隠しているのだろうかと電は本を開く。案の定ダミーであった。だが、中に入っているのは本ではなく、プラスチックのDVDパッケージだった。

 

「まさか……」

 

 そのパッケージは真っ白で何も書かれていなかった。何も書いてないから確証はないが、逆に怪しい雰囲気を感じる。パッケージを開いてみると、また真っ白なDVDが顔を覗かせた。ここまで来ると本当に怪しい。電は緊張しながら、そのパッケージを取り出した。

 

 提督は確か夕方まで帰ってこない。今の時刻は昼を少し過ぎた程度。仕事も片付いている。姉たちも各自任務に出ている。なら、チャンスは今しかない。

 

 電はパッケージを服の中に入れると、提督室のドアをゆっくり開けて誰もいないことを確認する。みんな昼食をとっているころだから、食堂方面に居るのだろう。提督室のある本館には人影はなかった。秘書官休憩中の札を掛けて脱出準備完了

 

 意を決して電は部屋に向けて走り出す。道中誰かと遭遇しないか不安だったが、何の問題もなく自室に戻ってくることに成功した。が、一応休憩中の札を立てかけはしたが、それでも長く留守にする訳にはいかないだろう。出来るだけ手短に済ませるべく、電は行動に移る。

 

 部屋の中にある第六駆逐隊用のDVDプレーヤーの中にディスクを入れ、リモコンの再生ボタンを押す。本編が始まり、若い女性が真っ赤なソファーに座っている場面から始まった。

 

『経験は?』

『えっと、14歳の時です』

『相手は?』

『彼氏です、塾の先生でした』

 

 と、女優の経験の話を聞くシーン。嘘か本当か分からないような会話の内容だったが、電にしてみればそれは貴重な経験談であり、その画面の中の女性もまた、自分とさほど変わらない年齢で物事を経験したと言う事に何か安堵してしまう。自分でも十分に可能性があるのだと変な納得をしてしまう。

 

 ドキドキとこれから起こるであろう男女の性行為に、電は緊張と共に期待もする。前回は静止画だったが、動画では一体何が違うのだろうか。

 しかし、数分ほど待ってみるが行為は始まらない。変な雑談と女性の体を舐めまわすようにカメラが回される。少し電は退屈になって、早送りのボタンを押しこみ、適当な所で再生した。

 

『あっ、あぁあん、だめぇ! そんなとこっ、いやぁそんなの、らめぇ……!』

 

 と、女性の嬌声が響き渡り、電思わず驚いてしまう。男性の指が女性の膣内に入り、ぐちゅぐちゅと激しい音を立てて掻き回されていた。自分が触った時と違う、激しい動き。女性はその指の動きに顔を歪め、しかしその声は色めきを持ち、激しく響き渡る。その激しい行いを見て、電のお腹の奥がまた切なくなるのを感じた。

 ほぼ無意識に、自分の下着に手が伸びる。もう下着が湿りを持っていた。こんなに早く? 疑問に思う電だったが、DVDを持ち出して時点で彼女の体はある程度の期待を持っていた。その時から体の奥から溢れる彼女の性欲はじっとりと下着を濡らし、今に至る。

 

『イクゥ~! 壊れちゃうぅううう!!』

 

 と、女性の声が一際大きくなり、ビクンビクンと体が跳ね上がった。大人の女性はこんな反応をするのかと電は驚きを隠せない。もちろんアダルトビデオと言う物は演技をするものであって、この女優のオーガズムも本気ではない。それを幼い電が知るにはまだ時間が必要だった。

 

「いく……いくって何なのです?」

 

 電は画面の中の女性が大きな快楽を得たのだと知ったのだが、それがどうして「イく」と言う言葉になるのだろうかと疑問が浮かぶ。

 

 電は意識を自分の方に向ける。この前と同じように下着の上から自分の割れ目を優しく触る。けっこう濡れていて、もしかしたらもう指だって入るのではないのかと思い、下着を脱ぐ。一応念を入れて、自分の人差し指を舐めて湿らせてゆっくりと挿入する。

 

「んっ……はぁ、ぁあ……」

 

 無事に人差し指が入り一安心。やはり膣内はいつも以上に濡れていて、いつもと違う感じがした。そう言えばテレビの男性は指を二本ほど入れていた。一本でもまだかなりきついのだが、今ならもう一本入るかもしれないと中指を立てる。

 やや慣れて来たので、そう怯えることなく第一関節まで入った。だが、思っていたより痛い。ぎちぎちと二つの指を締め上げる。一気に入れるのはよくないと思い、少し息を吐いて画面へと目を向けた所で電は再び衝撃を受けた。

 

 男性の下腹部にいきり立つそれ。画面越しとはいえ、その大きさに電は驚愕した。そしてそのグロテスクな陰茎を女性が口に入れて上下に激しく頭を動かしていた。

 

「こ、こんな……こんなこと、を……!?」

 

 女性は一旦口を離し、舌を出してチロチロとアイスを舐めるように亀頭を刺激する。男性は吐息が混じった声を漏らし、男性はこれをされて喜んでいるのだと察した。

 

『んふっ、おいしい……もっとちょうだい』

「これ……おいしいのです?」

 

 どう見ても美味しそうには見えない。はっきり言うと汚いという印象の方が強く、電は理解に苦しむ。だが、そんな彼女を無視して画面の中の女性は男性の陰茎を本当においしそうに方張り、時折り先端を大好きなアイスを舐めまわすようになぶり、その動きに合わせて男性の表情が変わる。

 

『上手だね。あぁ、そうだ。そこを念入りに……』

 

 とても気持ちよさそうにしながら、男性は女性の頭を撫でる。その行為に電が仕事で頑張った時に提督がしてくれるご褒美と同じ雰囲気を感じる。提督のそれを咥え、彼を満足させることが出来たら、もっと満足するのだろうか。だが、自分の口にあんな大きい物が入るのか不安になる。

 

 自分の空いている方の人差し指を見てみる。画面に映るそれほどの大きさではないが、気分を味わうには十分だろうか。口を開け、電は男性の陰茎に見立てた自分の二本の指を口の中に入れる。口の中に入れた指を舌で舐めまわす。爪先から第一関節まで舌を伸ばし、指の根元まで咥えこむ。

 

「ん、ふっ……っはぁ……ちゅく、くちゅ……ちゅぱっ、はぁぅ……」

 

 画面の女性が口を離し、唾液がいやらしく糸を作る。それを真似てみようと電も出来るだけ指を唾液で濡らして口から話す。ビデオと同じように、唾液の糸が伸びた。

 

(これをすれば、司令官さんは喜んでくれる……)

 

 今度は指の周りを舐めまわす。それに合わせて指が入っていた膣内が慣れてきて、動かすには問題ないほどになっていた。

 

自然と指が動き、体の火照りが増していく。二本の指を不規則に動かして膣内を刺激する。その際、偶然にも膣内の上部にあるGスポットを刺激し、声が溢れる。

 

「ひぅっ! んっ、あっ……ぅ」

 

 こすこすと指を当てると、クリトリス程ではないがまた一段と違う刺激が電を撫でまわした。こっちならまだ少し刺激は弱いからもう少し強く触ってもよさそうだった。がくがくと肩が震えるも、構わず膣内を掻き回す。いつの間にかくちゅくちゅと愛液がかき混ぜられる音が大きくなり、電の鼓膜を叩く。

 

 また慣れて来たから、電は少し激しく指を動かす。膣内で円を描くように、徐々に徐々に激しくしていき、呼吸が荒くなっていく。薄目でテレビを見ると、ちょうど男性の陰茎が女性器の中に挿入された所だった。

 

(やっぱり……はいっちゃうんだ……)

 

 どこか意識がもうろうとする。だが快楽を求める本能だけは電を突き動かし、まるで指だけが自分の意思を持ったかのように電の膣を刺激していく。

 

「うっ、ぁっ! ああぁあ……んあっ、あっ……はっぁあ!!」

 

 アダルトビデオも男性が激しく腰を打ちつけ、陰茎が愛液と膣を押し広げる音がスピーカーから響き渡る。その音とまるで連動するかのように電の膣からいやらしい蜜が溢れ出る。

 

 とっさに自分の声が大きすぎると思った電は唇を閉じて抑え込もうとする。

 

「んんっ、ふ、はぁっ……ひっぎぃ……はぁ、ん!!」

 

 だがその抵抗も空しく、あっという間に電の理性は画面でまさぐり合う男女の声とその愛液と精液が混ざり合う音、そして自らが出すそれとほぼ同じの喘ぎ声と愛液を混ぜ合わせる音によって吹き飛ばされる。

 

(だめ……誰かに聞こえちゃうかもしれないのに……)

 

 体がまるで自分の物ではなくなってる気がしていた。今の彼女は子供の自分では知ってはいけない物を知ってしまったという罪悪感と、それと同じくらいに心を満たす誰よりも先にこの味を知ってしまったと言う背徳感が混ざり合った媚薬の海に溺れ、少女から女へと変わっていく。

 

 いや。女と言うには違う。今の電は人間としての理性も少女としての姿、その全てを捨て去ったただの雌と化していた。もっと、もっとなにか欲しい。たまらず電は空いてるもう片方の手で自分の小さな乳房を激しく揉み、時折り乳首をつまみあげて刺激を加えていく。

 

「んんんぅぅっ!」

 

 と、自我がぼんやりとしていた電は、体に今まで感じたことのない違和感が走っている事に気がついた。子宮の奥から何かが湧きだすような、とても言葉にしがたい感覚。それは尿意にも似たもので、このままでは失禁してしまうのではないのかと一瞬恐怖する。

 

「な、にこれ……なにっ、これぇえ……!」

 

 だがそう思う彼女の理性は、今彼女の体を渦巻く本能に比べてしまえばほぼ無いに等しい物だった。ただ求めるまま、自分を新たなる境地へと誘うべく、体はその湧きだす欲求を受け入れる準備を着々と進めていた。

 

「うっああぁ……ふぅう、ぁあ……あんっ、んっぅ、ふっあぁっ!」

 

 電の耳は自分の嬌声とテレビの嬌声で満たされる。視界には女性に自らの陰茎を何度も何度も激しく打ち付ける男性の映像。指に絡みつく膣の締め付けと、堅くなった自分の乳首の感度をつまみあげる指で感じ、鼻の奥を自分の愛液の酸味が混じったような匂いが鼻孔を突く。そうして視覚、聴覚、感触、嗅覚が性欲で埋め尽くされたその瞬間。それは突然やってきた。

 

「あっだめ! だめぇ、来る、くるぅ……あっ、ぁアんっだめっだめっ……いっ、ふぎっ、あぁあアアああああああァああぁぁあーーーーーーッッ!!!」

 

 体の奥から湧きあがる「何か」が、一気に溢れだす。ああ、失禁してしまう。そう思った電だったが、彼女が恐れていた物は出て来ることなく、代わりに体が大きく痙攣し、筋肉が縮みあがって腰が浮きあがる。膣内が指を一気に締め上げ、ビクビクと膣が大きく痙攣し、強烈な快楽が電の全身を覆い尽くし、頭が真っ白になった。

 

「はぁ……はぁ……はっ、ぁあ……はぁ」

 

 全身をどっと疲れを襲う。意識がはっきりせず、電は何もかも全てがどうでもよくなって身なりを全く気にせずベッドに倒れ込む。後ろで束ねていた髪の毛は大きく乱れ、下半身は何も着ることなく生まれたままの姿でさらけ出し、セーラー服も半分捲りあげてほぼ全裸に等しかった。彼女の足の間にある女性器からは、大量の愛液が溢れ出て、シーツを少しだけ濡らしていた。

 

 虚ろな目でテレビを見ると、女性が息を荒くしてベッドに倒れ込み、その表情がアップで写されてビデオが終わる。ああ、自分は今あの人と同じ表情をしているんだとやたら冷静に思う。

 

「これが……いく、なのです……?」

 

 まるで自分の体が自分の物じゃないような反応だった。その瞬間のことを思い出そうとしても、上手く記憶をたどることが出来ない。ただ、声も体の痙攣も、そして押し寄せる快楽の全てが自分で制御できるものではなかったというのは覚えている。それだけの衝撃が電の中に残されていた。

 

 だが、それと同時に再び罪悪感が彼女を襲う。提督のためにと思ってやってきたが、本当にそれでいいのかと言う疑問を投げつける自分がいる。例えは少し違ってくるが、食べるなと言われた甘い蜜を気付かれないように舐めることに成功し、当初はその味の余韻に浸るも冷静になってから後悔するような物だった。

 

 体がそっと冷めていき、体を起こさなければと足を動かそうとするが、困ったことに力が入らない。上半身ならどうにか動かせたから、床に落ちた下着だけでも回収しようと手を伸ばす。何とか端を掴み、持ち上げる。見てみると、下着も愛液で湿っていた。ああ、洗濯する時が大変だ。電はふと虚ろな目で時計を見る。

 

「…………はっ、はわわ!!」

 

 時計を見ると、いつの間にかお昼を大きく過ぎて間食の時間になろうとしていた。流石にこれは部屋を開けすぎだと電は焦り、体を起こす。やや力が入りにくいが、今度は足が動いてくれて立ち上がることが出来た。すぐに下着を履き、証拠隠滅のために動き出す

 

 大慌てだが冷静に。DVDをプレーヤーから取り出し、パッケージに入れ直す。振り向くとベッドが乱れていたが、直すには少し時間が足りないため布団をかぶせて何とか誤魔化す。いつの間にか脱いでいたスカートをひったくり、足を入れてファスナーを上げる。鏡を見て違和感が無いかチェック。そこで髪の毛が乱れている事に気がつくが時間が無い。聞かれたら寝過したと言うことにして誤魔化そうと決めてパッケージを服の中に入れ、部屋を飛び出した。

 

 

*

 

 

 その日から、電は時間があれば性的行為についての情報を集めた。また提督が居ない時に例の雑誌を取り出し、深夜の宿直で誰も居ないと気を見計らい、わずかな時間ではあったがPCルームでその手の情報を探し求めた。

 

 結果、彼女が知ることが出来たのは、男性も自分が経験したあの体の痙攣はオーガズムと呼ばれ、「イく」と多く描写される物だと理解した。あれを迎えると一旦性行為は落ち着き、場合によっては再開されると言うのを学んだ。

 

 そして、そのオーガズムは男性も持ち合わせており、しかし女性よりも分かりやすい事も知る。それは男性器から精液と言う白い液体が出て来ることですぐに認識出来た。男性も自分の膣内から出たような粘膜混じりの液体が出て来るのだと知り、これなら自分が提督を満足させることが出来るかすぐに判断がつくと結び付けた。

 

 加えて、電にとって一番の収穫だったのは、自分がしてはいけないと思っていた自慰行為。それは今の自分くらいの年齢だったら当たり前に興味を持ち、当たり前に経験していくものだと知った。この自分の体への興味は、いつだったか座学で聞いた思春期と大きく関わりがあるのだと納得がいった。

 

 それを知って電は本当に救われた気がした。誰にも言う事が出来ず、一人でずっとこの問題を抱えていくのかと不安だったが、そんなことはないのだと。

 

 ただ、電は一つだけ見逃していた致命的な情報があった。それは、性的行為が妊娠に繋がると言う情報。調べたはいい物の、未だに残る羞恥と誰かに見つかるのではないかという恐怖心から、内容が中途半端になってしまったのだ。これが後に第六駆逐隊提督襲撃事件に繋がるのである。

 

「司令官さん、この書類で本日の業務は終了なのです」

「あー、終わったー」

 

 と、提督は机の上に突っ伏し、ぐったりとした表情で仕事から解放されたことに安堵する。今日は何かと忙しく、書類の量もいつもの倍近くになり、電も手伝ってどうにか日付が変わる前に終わらせることが出来た。

 

「お疲れ様です。あとは私が片付けるので、司令官さんはお風呂に入ってどうぞお休みして下さい」

「あいや、流石にお前一人残しては……」

「この前休ませてくれたお礼なのです。だから司令官さんも甘えてくれていいんですよ?」

「……そうか。なら今日は甘えさせてもらうよ。適当な所で切り上げればいいから」

「はい、ではごゆっくりなのです」

 

 会釈して提督を見送り、電は書類の分類整理を開始する。手つきはいつも通りで、一番長く秘書官をしている電にとっては造作もない作業だった。

 

 だが、その少女の頼りない胸には、その見た目からは全く見合わない重い決意が抱かれている。第六駆逐隊のみんなには今日は仕事が遅くなるだろうから部屋に戻らないと話している。つまり、朝に自分が居なかったとしても誰も不信に思わない。

 だが、さっきもあったように仕事は終了した。整理が終われば電は部屋に帰れる。しかし彼女にその気はさらさらなかった。それが何を意味しているのか。

 

 電は提督の部屋に乗り込むつもりだった。

 

 

*

 

 

 風呂から上がった提督は自室に戻り、だらしなく布団に倒れ込むと表現しがたい唸り声を上げて転がった。少し落ち着いた所で布団のすぐ横に置いてあった冷蔵庫からビールを取り出すと、うつ伏せのままプルタブを開けて少しだけ体を起こし、胃袋に流し込む。疲れた体にこの喉越しはたまらない。

 少しばかり起きていようかと思ったが、どうも睡魔が強くてそれは叶いそうにない。提督はビールがまだ少し残っているが、冷蔵庫に入れて明日に回そうと決める。

 

 電気を消して、布団に体を沈める。恐らく眠りにつくのにそう時間は掛らないだろう。電気を消した部屋の中を、窓越しに月明かりが照らし出す。

 

 と、ドアがゆっくり開く音がした。眠ろうとしていた提督の意識は少しだけ引き戻される。こんな時間に誰だろう。何か用があるのだろうかと声を掛ける。

 

「ん……だれだ、こんな時間に」

 

 提督は上体を起こし、目をこすりながら深夜の来訪者に目を向ける。目が少しぼやけて誰か一瞬分からないが、背丈と雰囲気で電だと分かった。

 

「電か……? どうした、こんな時間に」

「……司令官さん」

 

 電は小さく自分の上司を呼ぶ。何かあったのだろうかと提督は思うが、次の瞬間にその可能性はないと確信した。

 

 電はそっと提督に近づき、頬に手を当てる。何を? と、提督が疑問に思う間もなく、電はそのまま自分の唇を彼に押しつけた。

 

「!?」

 

 自分の唇に押しあてられる、電の小さな唇。今まで彼女と軽く触れ合う程度のキスはしたことあった。だが、それは大抵自分が求める形でしてきたことで、電本人から求められた事はなかった。しかも、自ら唇を押し広げて舌を絡めてきた。

 提督の口の中に進入した彼女の小さな舌は、精一杯彼の口の中に自分の唾液を送り込み、舌と舌を絡めて自分の気持ちを押しつける。いつもの彼女から想像できない大胆な行動。それは提督の冷静さを叩き潰し、理性の壁にひびを入れるには簡単すぎた。

 

 それからどれくらいの時間が過ぎたか分からない。電の唇がようやく離れ、二人の混ざり合った唾液が糸を引いた。

 

「い、電……なにを……」

「司令官さん」

 

 提督の言葉を、電は遮る。今は彼の言葉を聞かないようにした。もう、戻らない。彼のために、愛する提督のために己の身を捧げると誓った。足りない物はあるかもしれない。けど、きっと彼は色々な願望を我慢しているに違いない。その願望を叶えることが出来るのは自分だけ。なら、喜んで差し出そう。

 

「電は、大人の女性のように魅力的な体を持ち合わせてはいません。とっても悔しいと思うのです。でも」

 

 首筋に手を当て、ゆっくりと彼の胸板までその手を降ろす。どくん、どくんと提督の鼓動が伝わってきた。

 

「でも、それは仕方のないことなのです。電はまだ子供、大人の体ではありません。だから司令官さんは私の事を考えてこう言うことを我慢してきたんだと分かったのです」

 

 電は自分の髪の毛を束ねていた髪留めを降ろし、彼女の長い髪の毛が提督の体に触れる。続けてただ一枚着ていた寝巻用の浴衣の紐をほどくと、拘束具を失った浴衣は、ただの布切れとなって衣服としての機能を放棄する。その中から、まだ未発達ながらも、必死に女性を主張する電の小さな胸の膨らみが顔を覗かせた。提督の理性に入れられたひびが広がる。それでも、提督は理性を保とうと必死の抵抗をする。

 

「待て、電! 落ち着け、お前はまだ子供なんだ。何も無理に俺の事を想わなくても……」

 

 と言う提督の唇に、電は人差し指を当てて遮る。その表情を見て提督は凍りつく。いつも見る時々ドジをしてしまうも、けなげで純粋に頑張る電

はそこには居なかった。

 そこに居たのは、少女の顔をしつつもその表情は完全に男を誘惑する電の姿だった。その幼さにまったく似合わない大人の顔。そのギャップは提督を黙らせるには凶悪すぎる物だった。

 

「確かに私は子供の体です。大人の振る舞いをするには足りないかもしれません。でも」

 

 するりと、胸板に置いていた手を提督の下腹部に伸ばし、堅くなりつつある彼の欲望に触れ、それを解放する。

 

「体は子供でも、司令官さんのしたい事、全て叶えてあげられるのです。エッチな事も、全部……」

 

 再び電は提督にキスをした。彼が喜ぶように、彼が自分を求めてくれるように、自分の全ての感情を込めて。その動きに合わせて、提督の陰茎をその小さな手で刺激していく。そして電の次に放った言葉で、提督の理性の壁に大穴が開く。

 

「司令官さん……愛してます。だから、電の事も……いっぱい愛して下さい」

 

 もう、限界だった。

 

 

*

 

 

 朝。窓の外から太陽の光が差し込み、その光が瞼を叩いて電の意識が引っ張り上げられる。ゆっくりと目を開き、体を起こす。時刻は6時前。起床時間の一歩前である。

 

 まだ眠い目をこすりながら、電は回りを見回す。まず、体がやたらと冷える。顔を下に向けて自分の体を見てみると、未だに大きな成長を見せてくれない貧相な胸がそこに素肌を晒していた。そこで自分が今全裸になっている事に気が付き、布団の隣を見てみる。

 

 そこには提督がだらしなく涎を垂らして眠っていた。布団から覗く彼の胸板を見る限り、同じく全裸なのだろうと察する。だいぶ脳が覚醒してきたので、ゆっくりと部屋を見回してみる。すると、布団周りが激しく乱れ、自分の下着が無造作に転がり、はみ出た敷布団を見てみると、僅かに湿っていてその中に小さな血痕が残っていた。

 

(……そっか……司令官さんと、しちゃったのですね)

 

 脳内を駆け巡る昨晩の営み。あの時の提督は、今まで我慢していた物全てを電にぶつけ、自らの欲望を注ぎ込んだ。電もそれに必死に堪え、そして彼が自分をこれほどまでに求めていることに喜びを覚えた。

 

 いや、あの時の電の感じた物は喜びではない。そう、悦びなのだ。

 

 そっと自分の秘部に手を当てる。まだじんじんと痛みが残り、提督の大きなそれが入った感触が残っている。指では全く再現できないような凶悪な物。それが自分の中に入り、激しく突き上げて狂わせた。痛みこそあったが、時間がたてばそれは凶悪な快楽の塊だったと思いだす。

 

「…………」

 

 もう、子供ではない。大人として扱われた。それがいい事か悪い事かどちらなのだろうか。しかし、電はこう思う。回りがダメだ違うと言う物は、自分にとってもそうなのだろうかと。自分がそれでいいと思えばそれでいいのではないかと。なら、こんな形でも提督に自らの愛を伝えるのもよいではないか。

 

 電は体を捻り、まだ隣で寝ている提督に顔を近づける。よほど疲れたのだろう。まだまだ起きる気配はなかった。けど、関係ない。電は彼の唇に、再び自分の唇を押しつけた。

 

 甘い甘い、蜜の様な自分の愛情を注ぎこみながら。

 

 

 

 

 

 おわり

 


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