しかし、本心では・・・。
高雄を主にした悲しみを背負った恋愛のお話。
性描写もある官能小説です。
高雄が先日秘書艦になった。
「提督、これからよろしくお願いしますね。」
丁寧な口調で話す。
「こちらこそ」
テンプレのような挨拶が飛び交う。
「いえ、私がここにいるのって・・・なんか慣れないですね。」
それはそうである。
以前にここに秘書艦としていたのは高雄の妹の愛宕である。
「・・・すまなかった」
私は深々と高雄に頭を下げる。
「いやっ、あの提督の責任ではっ・・・。」
部屋に静寂が広がる。
我が艦隊は、上官の指示のもとレイテ沖海戦に駆り出された。
そのレイテに向かう途中、敵潜水艦の魚雷によって愛宕の右腕が損傷し、浸水。
そこで、愛宕は・・・。
それでも、戦争は続いている。
私たちは前を向き歩き出さなければならない。
「これから頑張ろう、高雄」
「・・・はいっ、提督」
そういった高雄の顔から、悲しみをこらえながらの笑顔の中に、なぜか黒い影のようなものを私は感じ取った。
そのまま2週間ほどが経ち、艦隊のみんなも愛宕の件を克服し、新しい空気が吹き抜けている。
今日もいつも通り高雄が淡々と報告書の整理を済まし、私の机の横に姿勢よく立っている。
「本日もお疲れ様です。」
高雄の秘書艦ぶりは文句のつけようがなかった。
愛宕ときたら、私と遊ぶことしか考えてなかったし。
まあ仕事はきちんと終わらせているのだけど。
引き出しに潜めていたケッコンカッコカリのための指輪がそのことを思い出させる。
「私がしっかりしないと、みんなは前を向いているのに」
心の中で言い聞かせる。
自分のことでいっぱいいっぱいで、今一番近くにいる人の悲しい視線でさえ気付くことができなかった。
次の日の夜。
「本日も業務お疲れ様です」
「お疲れ様、もう部屋に戻っていいよ。」
「はい、わかりました」
そう言って高雄は部屋を後にした。
それを確認した私は、そっと引き出しを開けると、そこにあるはずの指輪がなくなっていた。
「え!なんで!」
思わず口に出た時、静かに部屋の扉が開いた。
そこには戻ったはずの高雄、そしてその手に静かに持たれた指輪があった。
「ごめんなさい・・・。」
静かに高雄が口を開いた。
「私…提督が愛宕のことで苦しんでいるの…見ていられなくて・・・。」
そうか、私は高雄にまで苦しい思いをさせていたのか。
「こちらこそ悪かった。」
私は再び頭を下げ謝った。
「ごめんなさい・・・。」
「またどうして謝るんだ?」
そういって顔を上げると悲しい感情と、申し訳なさそうな感情が入り混じるような表情になっている。
「いえ・・・違うんです・・・。」
「私・・・愛宕が沈んで・・・悲しいんです・・・」
わかってる、そんなことは。
そう思った瞬間に、高雄が続けた。
「でも提督、私の中に少し喜んでいる私がいるんです・・・それが怖いんです」
「愛宕が提督といるのを遠くで見てた…。愛宕が提督のことを好きなことも知ってた。
けど・・・私も・・・私が横にいたかったって・・・ずっと思ってた。」
初めて知った。
高雄に好意を持たれていたことを。
「でも高雄、私は…。」
そう答えようとした瞬間、高雄が私の口をキスでふさいだ。
「知ってます、そんなこと」
そっと指輪を私の机に置きそう答えた。
「それでも・・・私も提督のことが・・・。
私では・・・だめですか?」
私の躰を抱きしめ、胸に顔を当てながら。
「愛宕のことを忘れてとは言いません。いくら時間をかけてもっらてもかまいません。
いつか、私のことを愛してもらうことはできませんか?」
私のことをここまで愛してくれている人が目の前にいる。
愛宕のことが気にかかっていることは否定できない。
それでも私も前に進まないといけない。
提督として。なにより1人の男として。
・・・高雄の制服を優しく脱がし、露わになった大きな乳房に子供の様に吸い付く。
「あっ・・・んんっ・・・」
恥ずかしくも嬉しそうな淫靡な声が部屋に響く。
「ひあぁっ・・・提督・・もっと・・・。」
高雄が執拗に求める。
それに応えるように私も高雄の乳房を貪る。
そのままベッドに高雄を押し倒した。
大きな乳房はもちろん、白くふくよかな足に少し食い込む黒いガーターニーソが高雄のいやらしさを際立たせている。
「提督、私と一つになってもらえますか?」
カーテンの隙間から差す月の光が高雄の表情をさらに淫靡にみせる。
「私まだ準備ができてないけど・・・。」
「わかってます。そのままがいいです。提督のありのままを見せてください。」
高雄が静かに脚を広げ、恥部がさらけ出される。
そこに私の下肢が近づき、挿入される。
「はっ・・・うんっ・・」
静かに耐えるような声が高雄の口から出る。
その声を聞いて私の腰が止まる。
「大丈夫?」
「んっ・・はい・・そのまま続けてください。
私に提督の全てを・・・ぶつけてください。」
私は言われるがままにその周期運動を続けた。
ただひたすら没頭するかのように。
「はっ・・あぁっ・・んっ・・はえぇ・・・」
高雄も迫りくる快楽に侵されていく。
「高雄・・・私・・・もう・・・。」
「はぁっ、はい・・そのまま・・・そのままお願いしますぅ…。」
止まらない周期運動。
そのまま高雄の蜜壺に白いスペルマが注がれていく。
「はぁっ・・・提督の・・・温かいものが・・・。」
そのまま抱き合ったままの姿勢でベッドに倒れこんだ。
「提督、私は幸せです。」
「そうか・・・」
私は勢いのまま行為に及んでしまった後悔が少しずつ湧き出てくる。
「後悔なんてしないでください」
高雄が私の心を読み取ったように言った。
そのまま真っ白な天井を眺めながら続けた。
「私、提督が好きなのには変わりありません。
だからいつまででもお待ちしております。
提督が私を心から見てくれる日を。」
私も前に進もう。
ここまで私を愛してくれる人が横にいるんだから。
二人は優しく抱き合ったまま眠りについた。
数年後。
戦いはまだ続いている。
そんな中、私の横には私の子供を抱く高雄がいた。
「提督、私たち、ご飯食べてきますね。」
笑顔でそういった。
「なら私もいく!」
急いで報告書を捌け、机にドンと手をついて立ち、二人に付き添った。
その私の机の上には、私と高雄、愛宕が写った写真と
引き出しにあった指輪が置かれている。