「『麻帆良学園から来ました烏丸イソラです!』『仲良くしてね!』」 作:おーり
錯覚です
若干黴臭い倉庫の一室、前回の話でお察しの読者予想があるならば十中八九正解を導けるであろう、即ち体育用具室に俺たちは居た。
其処に何故いるのかは追々話すとして置いといて、今は優先しなければイケナイ人物&シチュが待機中である。
「はっ、あっ、んっ、そらくんっ、あっ、んぃっ」
くちゅくちゅと湿った水音と少女の嬌声が、暗く静かな室内に染み入るように響く。
体操服から着替えぬままに、下から捲れて肌蹴た白いお腹とピンクのブラを晒した状態。
あすなろ抱きにも似た逃亡も容易い筈の姿勢で、アルジェント先輩は俺にされるがままとなっていた。
イッサだったかバショーだったかが読んだ句に『蝉の声が岩に染み入る』とあるのだが、ならば学舎に響く生徒の声は校舎へと染み入るのだろう、と連想もされ、その論理で往けばエロシチュが引っ切り無しに在る体育用具室には生徒らの嬌声などが染み入っているのでは、と拙くも思う。
「ひっ、うっん、あっ、ああぅっ、んぁあああっ」
そんなことはさて置いて、その体操着姿のアルジェント先輩が潮を吹いた。
噴き出した清水は下着やブルマに遮られるも押し留められず、プシャァッ!と潮とかじゃない量の濁流をじょぼじょぼと広げる。
ぅわぁ、すごいよアーシアちゃぁん……。
クンニというか手マンというか、抱き抱えて胸へ手を回しつつ下も弄っていたら我慢が出来なくなったらしい。
はひぃ……、と垂れ流しの『アーシアちゃん』が放心した
ん、もー! 勘違いしないでよねっ! こんな姫プレイをいつもするわけじゃないんだからっ! あ、アンタだけなんだからねっ!
等と、まあとりあえずツンデレっぽく脳内で言い訳してみるが、飛び散った愛液の行方は敷いたマットにしっかりと染み入ってしまっているので、蝉の声ではないが此れ又卑猥なレコードが追加されたぜ、と良い訳にもならない。
後進が気付いたらその時はその時だ。美少女のラブジュースなんだし、拝辞て受け入れるが良かろう。
「ぁ……、ご、ごめんなさい、わたし……」
「いや、まあ、やっちまったのは仕方ないし……。そう匂うモノでもないし、問題ないんじゃね……?」
見事に世界地図一歩手前の有様だけど、気づいた彼女を気遣って目を逸らす。
とりあえず、後に折を見て天日干しするくらいの事を愚考しておくべきか。
それよりなにより続きだ続き。生活臭よりエロ臭漂わせろ、って読み手は注文してんだよ。
「ひぅっ」
「んー、止まらないのかなー? 下のお口がヨダレで凄いことになってるぞー?」
「んぁっ、ぁっ、そら、くんっ、あっ、だめぇ、これ、だめぇ、ぁっ」
気づかせない腹積もりで、ブルマとかぐっしょぐしょなんだけど膣穴弄りの続きを再開。
敏感になっちゃってるアルジェント先輩は、俺が指を動かすたびに小刻みに躰を竦めて声を漏らす。
声漏らすどころか尿ゲフン、は兎も角、ブラ越しに揉んでいるバストの先端もコリコリと主張してきておりますので、ぶっちゃけ止めどころが見つからない。
一回吹いたんだから、ちょっと落ち着こうよ。
「どうしたらいいのかなぁ」
「ぁっ、んっ、と、止まらないのであればっ、んっ、せ、栓をするのがっ、あっ、正解なのではっ、ないですかっ、あんっ」
途切れ途切れになりながらも、顔を傾けて目線は背後へと回される。
蕩けた、しかし期待した目でそんなことを提案されたが、その目がしっかりと俺を捉えているので催促であるのも確実。
特別何か異論があるわけじゃ無いけれど、ある思いを抱きつつも、言葉を続ける。
「……どうして欲しいのかなぁ?」
「んくぅっ、おっ、おマ●コにっ、そらくんのっ、をっ、くださいぃっ」
「ぇー……、もうシテるじゃん、指」
「チ●ポぉっ! お●ンポがいいのぉっ!」
………………兵藤先輩に言えよぉ。
▽ ▽ ▽
土下座である。
漢は黙って土下座が第一。そう長くも無い女子との付き合い方の一つとして、俺はとりあえずそう学んだ。
とは言っても、この手段は自分が本当に間違った場合とか、相手側へマジで迷惑かけたと思った時とか限定と言う枠組みでしか通用しないモノであり、過剰に気心も知れる仲となっては時に役にも立たない時もある。
……少なくとも、記憶の中のエヴァは俺が土下座すると嬉々として踏んで来た。他にシタ相手もいないから参考にもならんけれど。
は? ご褒美? 幼女に踏まれて悦ぶ変態性は持ち合わせてないなぁ。
つまり、
「退きなさい、塔城」
「ヤです」
土下座を敢行しようとして正座した俺の膝の上に、ちょこんと座り込んだ塔城に興奮する腹積もりは微塵も無い。
先の宣言通り、試合終了と同時に捥ぎりに来たニャン
「退きなさい。今、俺一世一代の謝辞をするところなんだから。シリアスシーンなんだから。ほっぺに手を伸ばすんじゃないの」
「宣言通りに捥ぎります。序でに美味しい思いも逃しません。イチャイチャしましょう」
「なんでだよ。やらねぇよ。そういうのは恋人とヤレよ」
「だから今こうしてるんじゃないですか」
「おっかしいなぁー、コイツとの意思の疎通が一向に噛み合わないんだけどなぁー……!」
考えてみれば、今まで噛み合ったことも無かった気もするので今更である。
「とりあえず、こんな姿勢ですけどスンマセンでしたグレモリー先輩。顔面無事です?」
「うん、色々言いたいことはあるけど、倒れた時の見た目ほど残る傷じゃないみたいだし、気にしないでもいいわよ? どうしても気になるって言うのなら、こちらとしても補償を貰うというのも吝かでも無いけれど……」
「そうですかー。やー、気にしないって言うんなら問題ないですねー」
「躊躇無しに話を切り上げた!? え、えっと、女の子を傷物にしたんだし、責任……」
「傷が残らないんなら平気ですよねー。助かるなぁー、苦学生だから賠償金とか払え切れないしー」
「補償の仕方が生々しい! ぅう、でもお金で応えられても困るのも事実だし……。わ、わかったわよ、もう云わないからそのわざとらしい棒読みは辞めて頂戴……? あと小猫、其処から降りてちょっと話をしましょうか」
「にゃぁー、ごろごろごろ(棒」
「おいホント降りろお前わざとらしく猫の鳴き真似しても棒読みじゃ騙されないからな」
「とりあえず一回落ち着きましょう。誰が喋ってるんだかわからなくなりそうですし」
対面で椅子に坐したグレモリー先輩へと気を遣いこちらに責任を要求しないと言質を取るまでチラッチラと目線向けてくるも右から左へ受け流し、妙に剣呑な眼差しで塔城へと目が行きそれを挑発宜しく棒読みで返事したニャン娘にいきり立ちそうになった先輩を宥めるように、最終的に俺が執り成した。
もうどうなっているのだか。わけがわからないよ。
ちなみに場所は以前にも来たオカルト研究部部室で、俺の横ではにっこにこと超笑顔の姫島先輩の前で兵藤先輩が土下座姿勢のまま滝のような汗を流している。まさに青春真っ盛りである。
エクサルマティオした兵藤先輩が怒られるのは自明の理であるけれど、ネギ君と同系統キャラであっても年齢的な部分がネックであるのだろうなぁ、とも理解できる。
此れでリト=サンみたいなラブコメ主人公だったならキャーエッチぃ!の一言で済むのだろうけど、高校生にもなって女子の衣服に意図的に手をかけるのは流石に犯罪行為にしかならないわけで。
……着替えの為に校舎へと戻ってゆく後姿からチラチラ覗けた姫島先輩のお尻とかはとっても素敵でしたよっ! って口出ししても減刑は免れないだろうなぁ……。南無。
「とにかく、前回の個人的ないざこざを解消してくれたお礼として、私から烏丸くんへ責任を要求する意図はないわ。此れだけはしっかりと周囲にも言い含めておくから、それでお互いにチャラということにしておきましょう?」
あっ、兵藤先輩は放置なんですね。わかりましたっ。
いや、それにしてもちょっと待て。
「前回? 俺なんかしましたっけ?」
惨酷王での過剰防衛改め
塔城に関してはちょっと修行付けさせただけだし、そもそもグレイフィアさんに頼まれていたという経緯があったのでオカ部に何かしらの利益が出たとしてもお礼を受ける謂れも無い。
はて?
「えっと、小猫を強くしてくれたのが貴方だと聞いたのだけど?」
「はあ。まあ一応そうですけど」
小首を傾げているとグレモリー先輩が今更な事実確認。
それがなんすか、としか言いようがない。
「アレで助かったのは事実だし、そういう利を無償で施してくれたのだからやっぱりお礼を言うべきだと思ったのよ。本当に助かったわ、ありがとう、ね?」
「……はぁ……」
にっこりと微笑まれて真摯にお礼を申し上げられてしまったのだが、正直心苦しい。
い、言えない……! 本当は酔っぱらったグレイフィアさんを美味しく戴いたのを前払いとして、先輩方に手を貸すことを要求されていた、なんていう笑劇の事実。今更言えない……!
美人は身を削る
「それはそれとして、貴方にはもう一つ借りがあるのよ。寸での処でライザーから助けて貰った、という大きな借りが、ね」
「ん?」
話が終わったと思ったら続投、むしろ此処から始まったという雰囲気で、グレモリー先輩は自らの体操服に手をかける。
というか、脱いだ。
――おま、
「ちょっ、先輩何してんすか。いきなり胸晒すとかご褒美塔城邪魔だ目隠しすんなっ」
「形振り構わないビッチ部長の魔の手から守る為です断固拒否します」
眼福を味わう間もなく塔城の
邪魔ー、じゃーまー!
「小猫、退きなさい?」
「聞きません」
「小猫」
「ノーです」
「……別に誘惑してるわけじゃ無いから」
「服を着ろッツッテンダロ」
主従とやらの遣り取りがどう考えても関係性に
口調が乱暴且つ片言になる塔城さんのハイライトも、恐らく既にご臨終なのだろうか。
「こーねーこー!」
「いーやーでーすー!」
待って止めて眼球抉れる!?
塔城さん!? ちょ、いい加減お放しになってくださいませんことイダダダダダ!?
「俺を大きな蕪みたいに引き摺るのは辞めて貰おうか!? もう高校生なんだから口で解決しろコブシはNGッ!」
いい加減迷惑なので、塔城のおててを目隠しから解雇する。
にゃぁー!と引っ張られていたのか、勢いつけて中空へと巴投げみたいに放り投げられたのが、明るい視界に映った最初の映像であった。
「――ふぅ。それで、此れなんだけど」
「あっ、何事も無く話進めるんすね」
一仕事終えたぜ、みたいに額を拭い、脱いだ体操服で胸の下半分から腹にかけてを隠したグレモリー先輩がずいと近づく。
ブラはきちんとシテいるらしいが、持ち上げられた御胸が他の女子と比べると特に顕著に大きいので目に毒過ぎる。
というかブラジャー赤って、高校生がシテイイ色とデザインじゃなくね? 明らかにお水のお姉さま方が客用にと控えるような代物っすよ?
――あ、そういやぁ此処ってデリヘル系のバイトを斡旋している部活だったっけ……。納得。
「此処の痣、多分だけど貴方の仕業よね? 怒らないから、正直に言ってくれる?」
「――あっ」
と、見せられたグレモリー先輩の、乳房の谷間のお肉の表面。
やや薄くなっているが、俺が手紙を媒体に間接的に施した呪術刻印の痕がしっかりと目に見えていた。
……やっべぇー、この人見える人なのかよ……。
普通の人には目視するのも難しい秘匿性を秘めている筈なのだが、魔法に通じる奴には見えるのが弱点と言えば弱点であったのは事実。というか、見える奴がこの世界に居るとは思ってもみなかったでござる。
ちなみに効果は『男避け』。
本人の意に沿わない男性に無理に手を出された場合、要するに痴漢や強姦魔なんかを排するのに役に立つ『呪詛』だ。
刻むと発動する度に消耗してゆくモノではあるが、完全に消えるまで効果を持続するので此れが意外と役に立つ。
発された呪いは刻印を目視したり触れたりした相手の男性へと直接届き、不能・短小・破裂・切除のどれかの効果がランダムに出現する。
先程も言ったが、呪詛は刻印が消失するまで持続するので、相手の男性の再犯防止にも役立ったりするのだ。
問題は、それを本人確認せずに勝手に刻んだことが若干後ろめたかった。
見える相手には見えるし、キレイな肌に勝手に痣みたいなの付けたら、怒るのも当然だよね……。
しかもこの部はデリヘル斡旋してるし、見事に営業妨害なのだろうなぁ……。
「ぃゃあ、知らないっすねぇ。何処かでぶつけでもしましたかね?」
そこまで連想出来たら、今更自白も苦しいと思われ。
俺は!全力でしらばっくれることに!した!
声が裏返ってる? まっさかー。
「……ふぅん、そう?」
「ぁはは……、あの、ちょっと目に毒なんで、そろそろ仕舞ってください。あと隣の兵藤先輩がすげぇ血涙で歯ぁ食い縛ってるんで……」
どう見てもお前知ってんだろ?ああん?みたいな目で眺めてくるグレモリー先輩から、恥ずかしい健全な男子高校生を装って目線を逸らしつつ、すぐ隣に這い寄る恐怖を提示。
未だに土下座姿勢で姫島先輩の笑顔(コワイ!)から逃れようとしている兵藤先輩ではあるが、すぐ隣でピンクな空気醸していれば流石に誰でも気づけるわけで。
というか、以前に噂が流れた通りに、やっぱりこの人グレモリー先輩と付き合ってるのかなぁ? そのすぐ後くらいにアルジェント先輩と同棲してる、っていう噂も付き合っているって言う噂も流れたのに。
……あれ? その状態でデリヘル斡旋する部活に同時に在籍しているって、普通の男女関係としてはあり得無くねぇ?
自分の女を他所の男へ流す屑なのか、はたまた彼氏のみで満足できずに男を漁るビッチなのか……。
どっちにしても健全とは言い難いなぁ。でも学園理事の血縁だから好き勝手出来てんだろうなぁ。
……あんまり深く関わりたくなくなってきた。この件が終わったら出来るだけ接点を控えよう。
「そうね。じゃあ、烏丸くん、少し頼まれてくれるかしら?」
「はい?」
「球技大会の後片付けを、私たちが本来は生徒会に頼まれているのだけど。正直、今日は仕事にならなさそうなのよね、一部を除いて」
……何故そんな話を?
まあ、件の一部とやらをチラ見すれば納得の理由ではあるけど。
「キミが何も云う気が無い、っていうのなら其処を配慮するわ。さっきの責任の取り方を此れでチャラにする、ってことでちょっとした『お使い』を請け負ってくれるかしら?」
悪戯っぽい小悪魔的な微笑で、傷物に付いての『責任の話』を再び持ち出してくるグレモリー先輩。
その話は終わったはずでは、という理屈が女子には通用することは無いって、そらくん知ってるよ! 知ってたよ……。
少なくとも納得はしてないんだろうなぁ、とは思うけど、一先ず此処から逃れられるならば件の『お使い』を請け負うのも吝かでは無きにしも非ず。
というか、兵藤先輩へとにじり寄る姫島先輩の手には随分とアングラ臭漂う革製のアイテムが所持されていて此れからの展開をぶっちゃけ想定したくない。
此処から逃れられる上にアブノーマルな世界の隙間を垣間見たくも無い俺としては、グレモリー先輩からの責任追及をも払拭できる壱投弐取のご提案にわっかりましたぁ!と元気良く応えて部室より飛び出した。
部室を後にし暫くした後ろの方で、アッーーー!とかいう声が聴こえてきたのは……、幻聴だよ。うん……。
▽ ▽ ▽
と、いうわけで、体育倉庫へとやってまいりました烏丸です。
それ程の間を置かずに合流したアルジェント先輩と雑談しつつ、グラウンドへ放置してあったボール入りの籠他数点を押し込めるだけの簡単なお仕事です。
俺のペナルティだってのに手伝ってくれるアルジェント先輩マジ天使ぃ。
ちなみに、塔城は復活した後にグレモリー先輩と取っ組み合いのキャットファイトに発展したり、それを宥める木場先輩と別の思惑で楽しそう(意味深)な姫島先輩と兵藤先輩はスルーのままに、彼女は俺に独断で手を貸してくれるという話であった。
何やってんだオカ部。あ、いや、詳しくは聞きたくないから話さなくてもいいや……。
「やー、助かりましたアルジェント先輩。俺一人だと多少手間取ったと思いますし」
「いいんですよ、これくらい。私も、ちょっと用事がありましたし」
既に日は傾き、用具室に差し込む明かりは室内を橙に染める。
それが、ガラガラという音と共に細まって往き、色を伴わない光源が枠付きの窓から差し込むのみに絞られる。
……え、扉閉めました?
「ちょ、アルジェント先輩ぃっ?」
「――アーシア、です」
一瞬、何をされたのかと慌てて振り返れば、後ろ手に戸を閉めるアルジェント先輩の俯く姿が目に入った。
てっきり、外から閉めて閉じ込めるつもりだったのかとばかり思っていたが……。
というか、そうされても可笑しくないことをこの先輩にはしていたんだよねぇー……。
……謝るべきかな?
「え、と、すいませんでした。謝って済むことじゃないとは思いますけど、一応言葉としての感情は伴っているということを考慮していただければ――」
「――なんで、」
「え?」
「なんで、そんなにそっけないんですか?」
………………ん?
「えーと、……先輩?」
「名前で呼んでくれないのはなんでですか? 召喚も、あれから全然お呼びがかからないし。待ってたんですよ? ずっと」
「えぇ……? いや、いやいやいや、何言ってんですかせんぱ、」
「『アーシア』ですっ」
困惑を隠せない俺を他所に、アルジェント先輩が俺に詰め寄る。
普段なら押し留めるくらいの気概も保てたのだが、暗さと彼女の押しの強さ、そして足元のマットにバランスを取られて、そのまま座り込むようにマットへと腰を落とす。
当然、勢いのついた先輩もまた、俺の胸へと抱き着くようにして共に倒れ込む。
むぎゅう、と倒れたままになるのも気にはしなかったが、言いたいことはまだあるらしい先輩は、即座に起き上がって顔を上げた。
「そらくんは、責任を取るべきですっ」
「またっすか……?」
本日で何度その単語を耳にしたのか。
というか、彼女が口にする場合だと別の意味に捉われる。
……え、まさか……?
「まずは、これからは名前で呼んでください。私も“そらくん”ってきちんと呼びます」
「あ、はい」
お、おう。
普通に年齢的に健全な要求から始まった。
良かったよ……、お腹の中に居る子を認知しろ、とかいう色んな意味でドアウトな話題にならなくて。
まあ――、最初に襲われた時の火事場のなんとやらを発揮した結果、自身の『繁殖』ステを弄ることで低値まで振り切ったからそういう懸念は実は無いんだけど。
種類で分けると把握している分は、今言ったのに加えて『催淫』『回数』『総量』『命数』の計5つ。
『催淫』は名の通りに、相手側へ与える快感の誘発性質。
『回数』は発射数、『総量』は一回で出る精液のアレで、『命数』は精子そのものの寿命。
『繁殖』は云わずと知れた命中率みたいな意味合いのアレだ。
それらを自身に空廻る『魔力』余剰分で補って、俺自身にとっての『最悪』な展開には至らないように確率を下げたわけである。
要するに、頑張って『種無し』に限りなく近い『性』能へと自分を近づけたので、子供はそうそうできませんよ。という話だ。
好きに弄れるならとっくにやっているが、此れ、全部低値まで振り切れれば性欲も抑えられるかと思えばそうでは無い。
少なくともどれか一点すらも0には出来ず、どれかを下げれば別のステが上昇するシーソーゲーム。
限りなく安全圏へと逃れるために『命数』と『繁殖』を低値まで設定することが必要であるから、必然的に他の3つが絶倫を天元突破するレベルで振り切ってしまっているのである。
……ひょっとして、その『催淫』が先輩の脳みそ蕩けさせちゃったか?
可能性としては有りそうな話だ。
いくら最終的に和姦っぽい雰囲気だったとしても、レ●プ同然の相手に此処まで自分から近づいてくるとかぶっちゃけありえない。
ご都合主義? おいおい、勘弁してくれよ。エロ漫画と現実を混同するなっつーの。
あ、そういや俺二次元に転生してたっけか。それならあり得る、のか?
「赤ちゃんはまだいませんけど、そらくんがきちんと付き合ってくれるんだったら、え、えっちなことも覚えます。お姉さんですから、わたしっ」
――アカン。
呑気に回想と分析してる場合じゃなかった。
この人、脳みそ軽いのに一途なタイプだ。
そういう『気持ち』はキチンと元々好きだった方へと送るべきですよー、例えば兵藤先輩とかー。
「えーと……、兵藤先輩はいいんすか? ほら、確か同棲してましたよね?」
「……イッセーさんは、ないです」
「えぇ……」
俯きがちになるが、はっきりと言葉で拒絶の意が出た。
最初に名前を口に出していたとは思えないほどに、随分と気持ちが冷め切ってしまっておる。
一つ屋根の下にいるはずなのに、何故そんなに心が離れてしまっているのか。
むしろナニカしたのか、兵藤先輩よ。
「イッセーさんは、わたしを助けてくれた方です。だから、この身を捧げることで恩返しをしたかったんです」
なんか意味深な自分語りが始まった。
というか、そう思うのだったらそのまま突き進むべきじゃね? You、告っチャイナYO。
「でも、イッセーさんは部長さんのことが好きなんです」
「あー……、それは、まあ……」
一時期に噂にもなってたしなぁ、アルジェント先輩の来る前、だよね?
「あと、おっぱいは大きい人が良いみたいですし」
「あー」
むしろ其れが第一の理由だよね?
「でも、そらくんは貧相なわたしの身体とかでも、気にしてませんよね?」
「まあ、そうですけどね?」
自分から云うのは、どうかとも思うのです。
あと、俺は普通に普通の女の子なら好きですよ、という常識的な範囲で抓めます。
亜子とゆーなが並んだ時とか、このかとせっちゃんが並んだ時とかも、同じように興奮しましたし。胸の大きさとか気にしません。
でもエヴァでは性欲湧かなかったんだよなぁ。
やっぱロリコンじゃないから、そういうセーフティが倫理面に掛かっているのかね?
「それなら――、」
思考がブレブレに反って逝こうとする(人、それを現実逃避と言う)己の思惑を他所に、アルジェント先輩は自らの体操服を下から捲り上げる。
白い肌にすべすべとしたお腹が覗えたかと思えば、そのままピンク色のブラジャーが付いたままの胸の上まで、大胆に上げて晒す。
鉄格子の窓から差し込む微かな光源でも、この距離ならば見えないという言い訳も通用しないくらいの至近距離で、アルジェント先輩は恥ずかしそうに己を曝け出していた。
「――わたしをこんなふうにした責任は、取ってくれますよね……?」
………………ていうか、生乳晒すんじゃないんだ。
まあ、男子としては女子に追いかけられるとか垂涎の夢でもあるし、そもそも俺は来るものは拒まぬ主義でもあるし。
そんな言い訳を口にはせずに、俺は彼女の身体を自分へと引き寄せ、抱き抱えるような口づけから始める。
「ぁ、んぅ、む、ふぅ、んぁぁ……」
少しの間、舌を中へと這わせるだけで、火照った貌と蕩けた目元がこちらを向く。
唾液が拙い糸のように唇を繋げるのを惜しむような、見上げてくる彼女へと、呆れたような声で応えた。
「……これで良いかよ、『アーシア』」
「ぁ……! はいっ……!」
途端に嬉しそうな声を上げて、俺の胸元へと再び飛び込んでくる彼女。
あははーこの先輩、ほんとちょろーい――どうしてこうなった。
「あ、あの、それで、ですね……?」
やったことは無かったことには出来ないし、
はいはい、なんですか?
「きょ、きょう、これから、シますよ、ね……?」
――まあ、据え膳は戴く主義です。
期待するように縋った眼を向ける彼女へ、応えることも吝かでは無かった。
▽ ▽ ▽
日も沈んだ薄暗い校庭を歩く。
学外の常夜灯や、校庭の幾つかへと設置されている運動部用のライトなんかがあるから、実はそれほどの暗さも無い。
そんな不安が煽られるよりは安心感の方が比率的に上の場所で、私がやっていることはといえば人探しだ。
――つい先ほど部室を後にした、烏丸くんとアーシアちゃんの2人、の。
というか、そもそもリアスは彼に私たちの仕事を替わって貰おう、という思惑で『お使い』を頼んだわけでは無い。
少し部室がごたごたと騒がしくもあることに仕事が遅れることを懸念し、その手伝いを生徒会へと打診する伝言を届けて欲しい、という意図があったようだ。
誰の所為だと言う気はないが、部員が手分けて動くことが困難なのも理由の一つ。
体面的に諸手を上げて『仕出かしてしまった』烏丸くんを無罪放免とするわけにもいかない、リアスなりの責任解消の思惑だったのだろうが、……烏丸くんを送り出して一時間後に、彼女はようやく生徒会の誰もが部室へ来ないことに気づいた。
『ところで……、遅いわね、烏丸くんたち。伝言を伝えてそのまま帰っちゃったのかしら?』
『……部長、伝言とかアナタ烏丸くんに言ってないですよ?』
キャットファイトの末に敗北し、頬をむにむにとさすりつつ小猫がそう告げたことで、私もようやく彼女の意図を汲み取ることが出来た。
まあ、イッセー君
現状にようやく気付いたリアスが動ける面子を動員し、ようやくグラウンドへと赴いた時には後の祭り。
片づけは終了しており、誰の姿も無かったことで第二捜索を各自命じられる羽目となった。
リアスと小猫は生徒会室へ行き、烏丸くんが来ていないかを尋ねに。
しかし、時間的に既に生徒会も解散していそうな気がするのは私だけなのだろうか。
佑斗君はいつの間にか部室からいなくなっていたアーシアちゃんを重点的に捜索し、私は可能性の一つを考慮して体育用具室へ。
イッセー君は反省の為に、部室で『吊るした』まま放置だ。
そもそも、あの子は烏丸くんには妙に突っかかっている様に見える。
まあ、リアスが気にかけている自分以外の男子、なんていう存在が出てくれば妬み嫉みも抱くのだろうけど、それにしたって後輩へと抱く感情としては、やはりやや湿っぽいと思われる。
アレでもう少しドライな部分があれば、私も少しは懸想を抱いてもいいかなぁ、なんていう感情は、今はまだ向けられそうにも無い。
それに、『私』には恋愛へ踏み出すには色々とハードルがまだ患っている部分も多いわけだし……。
話を戻すが。
体育用具室に可能性があると思ったのは、まあ一種の下世話な連想からくる冗談のような一手でしかなかった。
リアスの読む
日も暮れて、悪魔の活動する時刻へとなった影響も多少はあるのだろうか。
私たちの中のバイオリズムの波長は、活動的になるとどうも『そーゆうこと』を連想するくらいには淫靡になる風潮があるようにも思えてくる。
下世話な言い方だと、夜になるとエッチになる、とか。
……淫魔じゃないんだから。自重したいモノだ……。
そうして(肉体的には一見して判りづらいだろうけど)控えめに振る舞っているつもりの私だが、そういう連想が為されてしまったことには矢張り自分でも笑い飛ばしてしまいたくもなる。
しかし、まあ確認のため、ということで選択肢の一つとして自分で挙げたのだから見て回ってみようと、閉じられた扉に手を掛けたその時。
――用具室が、魔法的に閉鎖されていることに気づいた。
というか、この魔力波長はアーシアちゃんのモノでは?
10日程だが修行を付けた私が間違える筈も無く、では、何故彼女はこんな場所を開けられない様に閉鎖したのか。
しかも、内側から閉じられているということは、中に居るということも容易に連想できる。
音声的にも空間的にも閉じられている為に中の様子を覗えないし、彼女にある思惑を解除した時に台無しにする可能性を思うと、下手に弄ることも押し留められる。
私もリアスも妹みたいに想う彼女の『なんらか』をダメにするのも憚られた為に、一先ず私は扉から離れて、用具室の周りをぐるりと巡ることとした。
空間を閉じる、要するに結界系の魔法の初歩みたいなモノだが、それは密室であれば『完全に』作用するモノだ。
人の手も目も届きづらいが、用具室の反対側には窓も付いている。
学校の敷地とは少し離れた場所にある常夜灯の明かりが届く程度の、人が一人通るくらいしか出来ない隙間だけの空く、生垣が外からの通行人の目を届かなくさせる死角を生み出したか細い『通路』。
其処へと入り込むと、開いている結界の隙、要するに用具室の窓のその下へと、私は近づいて息を潜めた。
人より大きな胸が現在の進行の邪魔になるのだが、突き出た己の部位で生垣を揺らすことを懸念した私は、用具室の壁へと押し付けるようにして横這いに進む。
潰れてみっともなく形が変わるけど、人目が無いのだからそんなことを気にする意味も無い。
とにかく、窓の下へと赴き、結界の空いている隙間のみに集中して干渉し、音声を拾うことを目的とした。
『ふぁあんっ! そらくんっ! そこっ! そこぉっ!!』
――うぇっ!? ちょ、こ、コレはマズイッ!?
駄目っ! 結界張り直しっ! 生垣の外側へ防音結界ぃッ!!
アーシアちゃんの結界を一部解除した直後に甘い艶の乗った声で響く、とてつもなく変態的な言い方をするところの所謂エロい声音が窓から漏れたことに驚きつつ、慌てて用具室の外側を結界で重ね掛けすることで外へ音が漏れることを遮る。
一瞬の判断だったのだが、それがなんとか成功したことに安堵しつつも、しかし自分の居る所へは未だ響く声に心が泡立つ。
と、いうか、まず間違いなくアーシアちゃんの声なのだけど、どうなっているのか……!
『あっあっあっ! いくっ、いくぅっ! いっちゃうぅぅっ!』
ま、マッサージとか、そういうオチ、じゃないかしら……?
などと、淡い期待を込めつつ、爪先立ちになって格子付きの窓を、顔を出さない程度に覗き見てみる。
『ふむぅぅっ、んむぅっ、っぷん、ちゅっ、んぁっ、はぁんっ、んぁっ、そらくぅんっ、いいのぉっ、もっとぉ、もっとうごいてぇっ』
…………………………用具室の床に敷かれたマットの上に座り込んだ『彼』に圧し掛かるようにぎゅぅぅと抱き着いて、口付けたり離したりしてゆさゆさ上下に動かされるアーシアちゃんの姿が。
此れ、完全にアウトだ。
こっちの淡い期待とか、安心させる気持ちとか、完全にぶった切る勢いで、見事に『男女のアレ』をヤってしまっているお2人にもうなんて声をかけて良いのかも思いもつかない。
見るからにアーシアちゃんは無理にやらされているようには見えないし、そもそも用具室に結界まで張って邪魔されないように仕組んだのは彼女で間違いないだろうし、考えてみれば彼女が部室からいつの間にか消えていた時に彼と一緒に行動していることを覗われたくないからこそ黙って消えたようにも思えてくる。
……というか、あの2人はいつからこういう関係を続けていたのだろう?
まさか此れが最初、と思えるほどアーシアちゃんが初心な反応には見えないし、そもそも相手の男子も……白い髪の後姿から烏丸くんかというのはほぼ断定的だけど、アレで初体験だとすると凄い才能を秘めているようにも窺い知れる。
にも拘らず、アーシアちゃんのあの反応は、もう其処に至るまでに色々と『通過した』ラストスパートに差し掛かっていると見て間違いなかった。
用具室の中にアーシアちゃんのみではなく、烏丸くんと居たという今更過ぎる確認事項には目を瞑るとしても、その事実を私たちにも秘密にしていたというのは何故なのだろうか。
そういう微かな疑問も、抱くことは抱くのだがそれよりも、
『あっあっあっあーっ! ぁあーっ!』
顔を真っ赤にして我慢しきれずに叫ぶ様子に、目が釘づけになる。
親友のリアスの淡い想いとか、仲間の小猫ちゃんに対することへのアレコレだとか、アーシアちゃんが懸想していた筈だと思っていたイッセー君に対するナンチャラだとか、言いたいこと注意したいことが色々とあるはずなのに、2人の絡みつく姿を阻むことが出来そうもない。
というか、見ていてこちらも気持ちが昂ぶってきているのを自覚できる。
潰れた胸が微かに壁と擦れているのが、嬌声に誘発されて知らず己の呼吸も荒くなるのを感じていた。
あぁ……、アーシアちゃん、あんなに気持ち良さそうに輿がって……!
はっ、と気づき、覗くのを止める。
顔を引っ込めて、生垣へと身を隠す。
――その数瞬後に、生垣の外側を自転車がギコギコと音を立てて通過していった。
あ、危なかった。
覗いたままだと確実に見つかっていた……。
『やぁあっ! らめっ! そこぉっ! らめなのぉっ!』
……あぁ、まだ響く。
座るに座り込めない場所だけど、そんなことより押し付けた乳房が擦れることが止められそうにもない。
そして、むしろ見えない方が自分もまた興が乗るらしい。
はっ、はっ、と息が荒くなりながら、胸の先端を服越しにずりずりと擦ることが気持ちイイ。
何をしているんだろうと、己の何処か冷静な部分が警鐘を鳴らすけど、そんなことよりも自慰を優先しているのは、先も思った種族的な資質なのだろう。
夜は、止められそうもないのだ。
『いくぅっ! いくのぉ! あっ! あっ! あっ! あーっ! やぁあああっ! いっちゃぅぅぅうううっっっ!!!!』
「――んんっ!!」
――ビクン、とアーシアちゃんの一際大きな声と一緒のタイミングで、触っても居なかった股の閉じた膣口からじわりと染み出すのを実感する。
気づけば、胸を擦りつける為に壁へと寄りかかり、お尻を若干突き出すような、見る人が見れば酷くイヤらしい姿勢になっていることを自覚した。
……とりあえず、夜ならばすぐに見咎められることはないだろうから、着替えるのは後回しにして。
今は、行為が済んだはずのお2人へと声をかけるべきだろう。
急いで入り口側へと戻り、結界を解除しつつ今来ました、と装ってアーシアちゃんを発見――、
『――ひぃんっ!? そ、そらくんっ、いまっ、イったばかりっ! ひゃぁっ! うごいちゃらめぇっ!?』
――え゛、まだ続くの……?
~ステータス調整
本日のご都合主義。というかネギま世界で最初に襲われた時に発揮した火事場のなんとやら。序でにマジカルぅな状態になったことの今更過ぎる言い訳
自分から切り離される其れが魔力転用結果の絶倫化なわけだが、せめてもの抵抗としてこの年齢での子づくりだけは押し留める所存の烏丸氏。いわゆる精子にメガ●テかけた状態。但し一回で出る量と発射数が凄いし、遺伝子破棄の呪紋刻んでも最後の抵抗とばかりに彼奴等は暴れ回るので、こう、子宮の中でぐちゃぐちゃ蠢いてらめぇぇ!な展開が今後とも予想されるのだが、そこまで烏丸把握してないっぽいよ?
これは即堕ち確定ですわ
あと妊娠確率は限りなく低いけど決して0じゃない。何処で何時当たるのかなぁ?(ゲス顔
~アブノーマルな世界が垣間見えた
亀甲で縛られ目隠しされて溶けた蝋を幾つか垂らされた半裸イッセーくんが部室に吊るされたままでしたが、最初に部室へ戻って来てドン引きした木場君によって助けて貰えました
取り返しのつかない花が咲いたかどうだかはシュレディンガーのなんとやら。確認しないうちは確定の状態では無いのです
~アーシア中心の筈が…
ネタとか説明とか日常に匹敵するレベルでの会話数を挟んだお蔭で量だけ膨大になってエロが足りない気がする
肝心な部分に朱乃さんが挟まっているし
あ、最後のところに【朱乃side】とか入れなくても誰が語っているか判ったよね? 実は思考は淑女な朱乃さんとかどうかと思ってやってみたんだけど、どうだった?
え?リアスと小猫の関係が色々アウト?
女子高生なら此れくらいの掛け合いやらない?
本気じゃないですよー、2人ともー(メソラシ