「『麻帆良学園から来ました烏丸イソラです!』『仲良くしてね!』」 作:おーり
「なあ、兵藤先輩に鍛えて欲しい、とか頼まれたんだけど、お前なんか言った?」
「……詳しくは教えてませんけど」
昼休み。
同じ保健委員として連れ立って歩く私に、烏丸くんは思い出したように言葉を投げた。
静寂を望む小猫ちゃんはいつものキリッとした表情を崩さずに、彼の言わんとするところを暗に把握するのである(キリッ。
「……以前に私が活躍したのも皆さんとの修行の一日後の急速な成長ですし、烏丸くんの世話になったことは隠しようもないままに知れ渡っていますし、コカビエルを単騎で討伐したことからも実力を認められたからお願いされたのでは?」
「奥さんのことは」
「一切暴露していません」
するはずがないでしょう。
「ふーん。てことは、純粋に強くなりたいとか、そんな理由かね。まあ聞く気はないけどな」
「私に言われても困ります」
「同じ部活だろ? 言っといてくれよ」
「困りましたね」
ノーと言える小猫ちゃん。それが私。
同じ部活でなければ変態先輩へ橋渡しする義理も無いので、一々私の魅力溢れる
それもこれも私(の胸)が魅力的過ぎる所為ですね。
つらいわー、魅力あふれるマスコットキャラって男の目線集め過ぎてつらいわー。
……自分で言ってて情けなくなってきた。くそぅ。
「というか、前にも言ったけどお前らなんでそんな実力勝負(物理)思考なわけ? 貴族社会って聞いた覚えがあるんだが、悪魔って」
「え……。……なんででしょう?」
「おい?」
確かに云われてみれば、人間社会に准ずれば貴族階級というのは要するに支配と政治の社会。
支配に実力が要るのは確かだけど、政治というのは臣民の生活を安定させて保証し行く末を補う、という側面がある。
領地経営を武力で以ての暴動鎮圧のみで治められるほど脳筋社会でも無いくらいには、臣民の識字率や学習能力は中世とはまた違う。
そもそも、貴族社会である必要性とは?
格差があっても才がある者が上へと登れる、ということは下剋上上等一揆上等とも取れる有り様だろうし。
……私が今より小さな頃は、こんな思考に至ることも恐ろしい格差社会であったはず。
これが改定されている現状は、果たして本当に正しいのか。
……なんだか思考そのものに薄ら寒いモノを挟まれたような寒気が。
そう思うのは、私自身が魔王の妹様より庇護を戴いている所為だろうか?
「まあ詳しいところはどうでもいいや。俺、関係ないし」
「其処で放り投げないでください」
私のこの寒気を解消してくれなきゃホント困る!
そんな私たちがのほほんと校内を歩いているのは、偏に保健委員としての要件確認の為である。
昼休みに呼び出しがあった、ということを私が伝え忘れていたのが原因(という建前で)。
そんな烏丸くんは、自分が保健委員であった、という事実に驚愕していた。計画通り(ニヤリ。
「というか、ホント俺いつの間に委員に含まれてた? 最近なんかキンクリが多すぎて場面飛び飛びで付いていけてねぇよ。ディアブロェ……」
「わけのわからないことを云わないでください」
「軽口すら通じない……くそぅ……」
歯噛みする烏丸くん。可愛いなぁ。
そんなこんなで、保健室。
「すいませーん、烏丸と塔城です遅れましたー」
「遅れてはいないわよ。いらっしゃい、烏丸くん」
――そう出迎えてくれたのは、我らが主リアス・グレモリー。
珍しく唖然とする烏丸くんを部屋の中へと押し入れて、私は入口の鍵を閉めた。
1名様ご案なーい、にぇーい!
「……謀ったな塔城……!?」
▽ ▽ ▽
「まず、昨日はありがとう。貴方が居てくれたおかげで私たちへの被害も特になく、大まかな事態を恙無く治めることが出来たわ。そこだけはお礼を言わせてほしいの」
グレモリー先輩と顔を合わすと、毎回こんな話ばかりだなあ。
思考を明後日へと逸らしつつ、彼女がそれだけで俺を呼びつける筈がない、と確信している。
彼女らしかまだ知らないが、悪魔というモノは割と無駄に高潔で、そして欲望に忠実だ。
「そこで、貴方には一度キッチリお礼を、というか、望みを叶えてあげるわ。何でも言ってみて。私のこの身体を欲しがっても、欲しい儘に従えることも許せるわよ?」
真っ先に己を差し出す辺り、価値と言うモノを把握している様に聴こえる。
だがそれは彼女らの社会で形成された価値観に基づく基準であって、俺の中ではそうそう高価というわけでもない。
そこを履き違えているから、こんな無駄に滑稽な場面が出来上がるわけだが、それより何より、気になることがあって塔城へと視線を向けた。
――言ってないんすか?
「……もぅ、女の子が自分から好きにしていいって言ってるんだから、そこで他の女の子を見るなんて真似しないで」
拗ねたように言葉を続け、しな垂れかかる彼女の体重に甘い吐息が鼻腔を擽る。
今更だが、今の体勢はベッドの上で隣同士に座り肩口へと顎を乗せるように寄ってくるグレモリー先輩、という構図。
彼女の仕草も相俟って、なんだか『そういうお店』で酒を召している気分である。
塔城は本日待機令でも下されたのか、部屋の入り口ですまし顔だ。
……アーシアのことは部長であり主であるこの人に、未だ通達せず、ってこと? それ、不敬に当たらんかね?
「とは云われましても。俺、先輩に要求なんて別にないですけど」
「なんでもいいのよ? それこそ、今朝イッセーがしていたみたいにちょっと乱暴に、っていう要求でも聞いてあげるくらいの度量、当然あるのだし」
そこで他の男の名前を出す時点でキャバクラ系playは失敗だと思われるが。
って、そういう趣旨とは違うのか。
悪魔って口走ってるからなぁ、性に関してはやはり奔放な気配が微塵も隠れねぇ。
というか、俺との距離を縮めて自分らに有利な立場へ追い込もう、っていう懸念が裏側にありそうで。
彼女本人はそれを微塵も抱いてないけど、彼女で最大でもない組織の総意ってやつが確実に潜んでいるのだろうし。
「――無いっすね」
「むぅ……」
だからこそ拒否する俺に、剥れた顔で不満を露わにするグレモリー先輩。
くそ、ちょっと可愛いじゃねぇか。
「だったら、――わ、私の眷属にならない?」
「おいちょっと待てこら糞アマ」
思わず口汚い言葉が飛び出すのも仕方のないことだと思うんだ。
当然そんな俺の豹変に怯えた、というか引いた態度で顔を青褪めさせている。
これご褒美云々以前に説教入れるべきじゃねぇの?
「――突然失礼。しかし、先輩? 其処で部下に、というのは些か乱暴な浅慮だと思われますが、何故その思考に至ったのか、問い質しても構わないか構わないよな」
質問では無く、断定。
コクコクと頷く彼女に、一つ一つ確認を。
「え、と。お兄様に、現魔王のサーゼクス・ルシファーに今回のことは通達済みなのよ。その上で、貴方という強者がフリーで居るのは、他の貴族が手を出す口実になるから、保護をした方が良いって……」
「……悪魔社会、ってそこまで世界へ影響ある代物なんですか? 又聞きですけど、弱点が多いのによくもまあ繁栄できてますね」
光に弱い、って聞いた時には惨酷王をアーシアへ渡したことは間違いだったんじゃないか?って一瞬頭を過ぎったもの。
自滅の可能性がある護身具とか、冗談じゃなーいわよぅー、って感じで。
「それだけ人の欲望が強い、ということね。悪魔って、見た目が良いのも大勢いるから、それだけで擁護する人種だっていくらでも出てくるわ」
「三竦み以外の陣営からしたら『黒いアレ』的な立場の癖して……」
「ちょっと烏丸くん辛辣過ぎない?」
思わず本音が漏れた。
しかし実際弱点だらけなのだし、神秘が受肉してるこの世界線じゃ間違いなく立場上最弱の陣営が悪魔だ。
種族的な問題、とでも云うべきか。
長く生きている筈なのに、判り易すぎる弱点が克服できてない時点で良くここまで繁栄で来たなぁ、と。
聖書だと創造主の手から零れ堕天したのが大本らしいのだが、それだけで此処まで弱体化するとかまず無いはず。
……これ、多分『件の書物』は充てにならん世界だな。
そもそも堕ちた天使である堕天使と同一と見ていいはずなのに敵対しているしな。
根本的に何か碌でもない部分がズレてる。そんな気がする。
「ともかく、そんな強力な実力者の癖して何の庇護も受けてないなんて、無防備にもほどがあると思うのよ私も。だからおねーさんがご褒美として飼ってあげようかなぁ、って」
「人権問題についてちょっと話し合いましょうか。とりあえず拳で」
「ゴメンナサイ」
飼育発言飛び出した時点で「とりあえず殴ろう」の体勢に、しかしそこは茶目っ気であったらしい。
むぎゅぅ、と振り翳そうとした腕を挟み込む乳の圧迫感が既にあった。
……謝罪は言葉だけか!気持ちイイから許すけど。
つうか、制服の上からわかるって凄いな。
此れは兵藤先輩も強姦魔になるのも納得の魅力――、
「許してにゃん♪」
「オラァ!」
「ひゃぅんっ!?」
一言で台無しだよ!
イラッとしたから空いてる手で片乳を鷲掴んで挟まった腕を脱出!
……うわ、吸い付き凄い。
「んっ、か、らすま、くん、あっ、ふっ、すご、ぉいっ、ふぁんっ、やぁんっ」
掌に収まった服越しでも主張する乳肉の弾力が、自然と揉むことを要求するようにたぷんと震えている。
柔らかさは何気に今迄でも最上級で、片方だけなのにしっかりとした重量を期待させる。
そして、揉むごとに響く敏感な声音。
まるで処女みたいな嬌声を上げる先輩に、気づけば雄としての本能を刺激されている自分が居た。
流石悪魔というべきか。
男を魅了する術はしっかり備えているのだろう。
滾るわぁ……!
「――……こほん」
小さな咳払いが聴こえたが、気にせずに揉む。
グレモリー先輩と言えば以前に仕掛けた呪紋が気にかかるが、根本的に俺は呪いの類を無効化できる障壁をオートで発動可能なわけだし、そもそもがこの先輩の許可を事前に得て触れているのだから心配は無用。
脱出した手も添え直し、両手で両乳へと手を掛ける。
過重表現な気もするが、伝わる感触は期待以上であった。
「ひぅっ!? んっ、ひゃぁっ、はっ、ぁはぁんっ! なにこれぇ、すごぃいっ」
「んー、ごほんっごほんげっほん!」
「……なんだよ塔城」
物言いたげな咳払いがすぐ背後に控えて来たので、ついそちらへと視線を向ける。
手は止めない。
「あっあっあっ」
「止めなさい。イチャつかせるために呼んだわけじゃないんですよ」
「お前のご主人様が許可したんだからいいんじゃねぇの?」
無言で睨まれた。
というか、この目は『アーシア先輩の事暴露すっぞオラ』って脅迫してる目だ。
俺としては別段何時バラされようとも気にはしないが、彼女の立場的に無駄に荒波立てられるのも問題なのだろう。
だからこそ、姫島先輩も塔城も、彼女のことを他へと漏らしたりはしないのかもしれないし。
となると、やはり俺個人の理屈でバラすのも得策とは言えない。
「はぁ、はぁ、はぁ……!」
呼吸も荒く、俺から解放されたグレモリー先輩がぐったりと身体を預けるのを尻目に、塔城は背中へと。
ぺたん、と擬音が聴こえるくらい、俺に引っ付いている彼女が其処に居たが、
「……」
「……」
悲しいことに、女子にくっつかれているというのに魅力が微塵も湧かない。
ふくらみは、なかった。
「なんか言ってください……」
「……お前ホントに同年代?」
「ぶち殺しますよ」
怒られた。
理不尽だと思います。
▽ ▽ ▽
「し、失礼、取り乱したわね……」
「ホントだよ」
「暴走したあなたが云う事では……」
塔城、うっさい。
「それで、どうかしら? 眷属になる気はない? 悪魔になれば寿命だって延びるし、欲しいモノを欲しい儘に出来るわよ」
「なりませんよ。寿命云々は元より興味もないし、そもそもわざわざ自分から弱点増やそう、なんて酔狂は持ち合わせてません。大体、ホントに欲しい儘に出来るんだったら今頃本気で悪魔社会が天下取ってます」
でも実際は、人間の望みを叶えるために寄生しつつある下請け業が盛んな異種族。
はい、ロンパ。
「そもそも部長、烏丸くんを転生可能な悪魔の駒なんて、余ってるんですか?」
「小猫はどっちの味方よ……」
人間を悪魔へと転生させる、要するに眷属化させる手続きに必要なのが『
多分アレだ。
どちらにしろ、おとといきやがれ!
「むぅー、それじゃあ、せめてお願いしたいことがあるのだけど……」
「先輩、当初の目的と立場が逆です」
むくれて言い募る、俺との接点を喪失しないようにと必死にも見える。
しかしてその実態は、男女の関係にリーチが掛かったのを寸止めされたことで不完全燃焼な情欲の捌け口としてのストレス発散……違うか? 違うか。……違うかな?
「烏丸くんの強さに憧れたみたいで、うちの子たちを鍛えて欲しいのよ。小猫を一日でライザーにも勝てるようにしたのだし、余裕を持てばもっと強くできるんじゃないかしら? 当然、相応の報酬は支払うけど」
「だからお願いする立場じゃねーでしょうよ。お断りします」
そもそも、鍛えるとしたらウチの『倉』を開放する必要性出てくるでしょうよ。
そしたらウチの奥さんとも邂逅させることになるやも知れんし。
……強姦魔先輩を遭わせるとか、ガチで御免蒙る。
というか、話がループしてないか、今回?
とりあえず、おとといきやがれ!(二度目。
最初は同級生のギャル系な子とのエロシーンを書こうとしていた
リアスが結界張り忘れて、保健室でのやり取りを覗き見されて、それを黙らせるために烏丸が下の口を塞ぐって言う感じで
ギャル系の娘にもそれなりに彼氏が居て、結果的にNTRっていう結末目指して
後は微妙に記憶消去とか人格矯正とか施す仕上げで烏丸の弩クズっぷりを前面に押し出す感じで
彼氏のキャラとギャル娘の名前を考えるのが面倒で辞めたけど
というか、同級生という名の所謂モブを寝取っても誰得って感じだよね
ストーリーが原作とはやや違う方向へ進路変更してるから補填しようとすると説明に色々入れなくちゃならなくなる
つまり今回のもそういう皺寄せの顛末
というか、リアスさんが描き難い
見た目高級キャバ嬢みたいで原作一巻ではさも経験ありますみたいな仕草の癖して、二巻目でヒロイン気取った処女ビッチ未満な乙女回路後付けって結局お前なんなんだよ
需要があるらしいので登場してるけど、個人的にはイッセーとくっつけてフェードアウトさせたいくらいにはどうでもいい
特にエロシーンとか…難しいなぁ…