※この作品はR-18です。

「『麻帆良学園から来ました烏丸イソラです!』『仲良くしてね!』」   作:おーり

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39話だけど、みんな気を付けろ!
キンクリで説明回だ!


「地上高く投げられたは良いけど拾いに行くのが面倒な賽」

 

 

 「今日からお世話になりますっ」

 「いや、こちらこそ」

 

 

 ややテンション高めで修道服を着たアーシアが、にっこり笑って頭を下げた。

 対する俺は若干の懸念を覚えつつも、彼女がこの教会に来てくれることに不満は無い。

 その理由は何より、うちのメンバー(我が家)には家事が満足に出来る人材が不充分であった為である。

 

 

 「助かりますアーシアさん、キッチンを用意したはいいモノの、私では使い方がわからなくて」

←ヴァレリー:備考、王族

 

 「ご飯なんてコンビニで買っちゃえばいいじゃん」

←ミッテルト:備考、元根無し草

 

 「そんな庶民派な魔王聞いたこともないわね」

←カテレア:備考、一応貴族筋

 

 「貴女本人は魔王ではないでしょ」

←ディオドラ:備考、元お坊ちゃん

 

 

 と、俺も含めて無駄に膨れ上がった人材の処理をしているうちに、気が付けば教会在住メンバーの中には家事にあからさまな不備を抱えた者しか残らなかった。

 基本的に身の回りの世話は御付きの者にさせていた吸血鬼や元悪魔の貴族筋はともかく、根無し草であったらしいミッテルトならばサバイバルくらいには期待していたのだが、金さえあれば生きていける現代日本では0円生活に勤しむより手軽なconveniencestoreさえ見つかれば空腹を覚える必要も無かったようだ。

 そしてディオドラの眷属らは現在、教会に所属するはずの元聖女という立場から足を洗って、場末の明朗会計なお店へと出向して貰っている。

 時間こそ空けばこちらへ戻ることも可能だろうが、歓楽街は夜間業務なので昼夜逆転の生活はお互いに不備が合わさり、基本的に彼女らの生活拠点は歓楽街(其処)から外れることは無い。

 そして活動資金面の一部を担って貰っている以上、更に家事という労働へと甘えてしまっては雇用主側の観点としてはガチで申し訳が立たねぇ。

 そんなわけで急遽人材募集に託けようとした矢先に、アーシアの兵藤家よりの出奔が目についたのであった。

 しっかし、その理由がまた酷い。

 

 

 「兵藤先輩に寝込みを襲われるとは……、むしろ今までなんで無かったのか」

 「残念そうに言ってやるなよ。……アーシアに言ったらマジで怒るからな」

 

 

 ヴァレリーに連れられてキッチンへと向かう彼女の後姿を見て呟いていたところを、ミッテルトに窘められる。

 何処かのダークネスなピンク髪妹姫みたいな口調且つジト目で似た内容を繰り返したのも、きっとアーシアの事を慮っての事なのだろう。

 以前堕天使だった頃、此処の教会でアーシアから神器を抜き取る算段をしていた罪悪感がそうさせるのだろうか。

 ミッテルトたんマジツンデレ。

 大事なことなんですね、判ります。

 

 

 「いや、赤龍帝の成りそこない君に穢されるようなことにならなくて、僕としては結構有り難いけどね」

 「……そういえばアナタ、彼女に以前助けてもらったとかいう話だったわね」

 「というか、マッチポンプの一端なんだけどね」

 

 

 へら、と嗤ってディオドラが云う。

 そういえばコイツを拾った時に記憶も閲覧したが、アーシアが教会を追放される切欠になったんだったか。

 でも神器って確か聖書の神が大元を造ったとかって聞き齧った覚えがあるんだけど、その効能上で悪魔も治療しているのに異端として追放する教会も考えが足りないよなぁ。

 まあ今更どうでもいいけど、アーシア色んな奴に狙われ過ぎィ……ッ。

 あれだな、薄幸の美少女って奴だな。

 今となっては、アーシア個人も特に気にした様子も無さそうだったけれど。

 

 

 「今はご主人様の(モノ)なのだから、摘まみ食いとか考えたら駄目よ」

 「ご安心を、もうそういう気にもならないよ。それに、こんな(ナリ)だしね」

 

 

 と自身の小振りな胸をふにと持ち上げて、ディオドラは自嘲するように云う。

 変化する前から容姿に大幅な変化こそ見られはしないが、今の彼は性別が完全に逆転していた。

 金髪で悪魔の特徴携えた中学生くらいの成長度だし、ディオドラ・アスタロト改めアスタ・ロッテたんとでも呼ぶべきだろうか(電撃感。

 

 

 

 ▽ ▽ ▽

 

 

 

 私に還りなさいと云わんばかりの母性をあからさまとしたヴェネラナビッチさんの腹上ダンス教室から三日ほど。

 この三日間妙にことが起こったのだが、その筆頭はやはりディオドラを捕縛したことだろうか。

 というのも、そうなった経緯は割と相手側の過失に当る。

 記憶を閲覧して判った経緯なのだが、どうにもディオドラはアーシアを自身の眷属として引き入れる為に、冥界にグレモリー眷属の滞在時から声をかけていたらしい。

 その理由は自身の趣味の延長線上で、聖女から悪魔に転向した美少女を味わいたい、と中々に悪辣。

 引き入れる表向きの理屈としては嫁に迎え入れたいと口にしていたらしいが、内心では性奴隷以上の価値を見出していなかったらしい。

 ――スマン、それ俺が先に味わったわ。

 

 そのこと自体は察知していなかったようだが、兵藤家へ調査を向けたところアーシアがウチの教会へ来ていたところを遠隔的に把握し、更に教会に居るヴァレリーやミッテルト、他にも同道していたイリナやゼノヴィアという美少女が集まる場に興味を覚え、アーシアのついでに他の修道女らも鹵獲できやしないかと画策し、眷属を引き連れて侵入して来たのである。

 ……いや、まあ修道女の恰好はヴァレリーのは趣味だし、ミッテルトは基本ゴスロリだからそれっぽく見えるだけだしで勘違い甚だしいし、イリナにゼノヴィアは……良く知らんが、結局どれも『勘違い』が先行していた、っていう解釈で合ってるのかな。

 

 まあ、どれも終わった話だったし、俺が本格的に状況に着手したのは彼の捕縛後の話だ。

 朝帰りで教会へ顔出ししたら知らん美少年&修道女らが床に突っ伏している、って普通にびっくりしたわ。

 教会の結界に阻まれて失神したらしいから「悪魔なんだー」とは連想も容易かったけれど、俺を狙っていそうなリゼヴィム関連では無くてアーシア狙いの方面から此処に繋がるとは。

 捕虜の尋問のつもりで記憶の閲覧したはいいけど、関係なさ過ぎてガチで小首を捻ったね。

 

 でもまあ、表層意識や直前記憶読んだだけでも聖女フェチの外道なのは間違いなかったし、このまま解放すればグレモリー眷属へのちょっかいが俺まで飛び火しそうだったから、ことが起こる前に事態を解決して逝くスタイル。

 彼の眷属の中に在った『彼に無理矢理手籠めにされてボロボロになっていた記憶』のみを取り出して、彼の中へとドボン。

 悪魔になった元聖女っていう、彼の趣味の延長線上に当る娘達だったから色々配慮したわけだけど。

 しかし、教会認定【聖女】を易々と鹵獲して逝くディオドラの変態性癖の執着力が凄いのは兎も角、世界各地から集めたとはいえ『彼』の年齢上で蒐集し切れるとか可笑しくないか?

 これは教会側との癒着すらも疑わせるレベルですねぇ……。

 教会側も一枚岩では無いという暗喩か。ユダが品切れにならない時点で人の業の深さが芳ばしいわ。

 実際、悪魔歴は誰もがピンキリで転向して数十年~数百年も経っているらしいから、既に悪魔として(というか彼の玩具として)生きる諦観みたいなモノが見え隠れていたが、折角マシな身体を持ってるんだし、以前に見た改造されて戻れなくもなってしまった半吸血鬼の子達みたいに早々に死に逝く必要もあるまいて。

 いやぁ、【聖杯】って、ホント便利ですよね。

 無いものは作れない、のがやや難点だが。

 

 あとは眷属女子らも悪魔から(肉体的にちょっと強靭な)人間へと改造して、記憶を切って繋げて洗脳ゲフン自意識を確立させる方面で頭の中を洗い直して、助けた『()()』資金面で自ら幇助させるように促して駒王町内へと解放。

 そんな彼女らを虐げた記憶を『体験』し続けるディオドラ君がこれ以上『悪さ』を出来ないように、悪魔から悪魔の特徴を維持しただけの人間モドキへと転向させて性別も変える。

 これはよく思う持論から連想したじっk仕置きなのだが、性的犯罪の容疑者に対する求刑は自分のやったことを本気で改めさせるくらいの刑罰が必要じゃないかなって。

 今度は自分が追いかけられる立場になったら、彼らはどういう心理になれるのだろうね?と、そういう意図である。

 やったねディオドラちゃん! 家族を増やせるよ!

 まあ彼の場合、そういう性的犯罪とはまた違う趣向みたいだけど。

 

 悪魔としての肉体を放棄させたのは、そもそもこの教会が結界に覆われている所為でもある。

 アーシアを筆頭とする元修道女かしまし三人娘らはミカエルさんから許可を貰っているので平気そうだったが、他の悪魔が聖別施設に対峙する場合、視界に収めただけでも忌避感や弱い精神ダメージを受ける傾向にあるのだという。

 我が家はその点についてはそんな仕様は一切無く、外から見ただけでは何にも影響を与えないような配慮を施してある。

 だからこそ、脚を踏み込めば予想外にダメージが来るというトラップ仕様なのだが、お蔭でディオドラが捕まったという背景もあるから実験的には成功だ。

 もし此処にリゼヴィム並びに協力している悪魔らが踏み込んできた場合、一網打尽に出来る、という結果を顕せたわけだし。

 ……悪魔以外の協力者とかって居たりしないよな?

 旧魔王はリゼヴィムを除いて全滅だが、かと言って他の神話陣営から疎まれていると思しき聖書派閥出身のテロリストが、そうそう援助を受けられるとは………………いや、逆に聖書派閥が疎まれているから『敵の敵は味方』理論が動くのか?

 人間を悪魔化したり、神器使いとやらを割と力づくで自陣に引き入れたり、聞けばはぐれ悪魔とかいうモノまで制御しきれてないのが今の冥界の現状らしいし。

 テロリストが生まれるべく生まれた、って歴史の流れが傾いている気がしないでもない。

 

 話を戻そう。

 

 結果的にまともな悪魔が残らなかった我が家であるが、実際に悪魔であることのメリットが何気に少ない。

 寿命が延びるとか肉体が頑丈になるとか云われた気もするが、同じようなスペックの異種族である天使や堕天使らは悪魔の最大の弱点である【光】に耐性以前の適性があることを考えると……悪魔のこの低スペックよ。

 かと言ってミッテルトたんみたいに天使化するとしても、アレにはアレで俺の知らない弱点が何処かに潜んでいる可能性も捨てきれない。

 先走って換えたミッテルトだって、ミカエルさん辺りを参考にオーラの属性を傾けた調整でしかないし、元堕天使だったからこそ変化を促せたっていう下地があるから換えられたわけだし。

 そう考えて、カテレアを複製させた時点でパッと見には判別し辛い人間モドキに転向させて、ディオドラもまた似た種族へと変えたのだが。

 

 ……今更だけど、人とも悪魔とも呼べなくなったコイツら(ふたり)を何と呼べばいいかな……。

 羽も尻尾も出し入れできなくなったけど、人との相違点というよりは悪魔であった頃の名残でしかない。

 身体が人間より頑丈で、弱点に当っていた【聖なる力】を純粋にエネルギーとして対処できる程度の耐性を維持させたお蔭で、なんかもう神話存在だったとかいう概念背景をダストボックスへポイした現状だ。

 例えるならば他星系の異人種みたいな……もうデビ●ーク星人でいいか(適当。

 

 ともあれ、諸々の事情から元眷属である彼女らも改造は済み、彼女らを悪魔と化した【悪魔の駒(イービル・ピース)】が変化した身体から排斥されたので、丁度ひとセット分余ってしまった。

 ……あれ? Kingが無いな。ディオドラからも検出されなかったし。……チェスの駒を基にしたっていう触れ込みはデマだったのかな……?

 代わりに彼だけは何処かで見たような【蛇】を持っていたわけだが、……どうしようこの無駄アイテム一式。

 悪魔化や天使化は【聖杯】で弄れるから、余った此れらは割と相応に要らない子であるし。

 ……頃合いを見て堕天使陣営へ匿名で寄付しておこう。

 以前の駒王襲撃の際にもアザゼル先生が割と働いていたし、前身は研究者らしい所為か『面白アイテムがあればそれでいい人』みたいなイメージがどうしたって抜けない人だし、働きに対するそれなりの報酬としてなら理由にもなるだろうし。

 中古ショップに持って行こうにも、対戦できないチェスなんぞ銭にも変わらんし。

 

 【蛇】も瓶詰にして【駒】諸共袋詰めにして、教会の適当なところに放置する方針を決めた頃に、TSさせたディオドラちゃんがレイプ目で起床していた。

 悪魔の少年に無理矢理犯されて屈辱を味わう、という記憶を、記憶の持ち主らの主観と共に夢として体験し終えた結果がそれである。

 男性の精神で男性に犯されるとかって、もう悪夢でしかないよね……(震え声。

 

 生きる気力も尽き果てた感じで、虚ろになった彼女が自身の立ち位置と遣ったことへの反省、そして己の現状を全部把握できるようになるまで、随分と時間がかかってしまった。

 同じ実験生bもとい元悪魔仲間としてカテレアをリハビリ要員に沿え、三日経った今でも時折その記憶に悩まされてフラッシュバックに苛まれていると報告があるが、それ以上悪くならないというなら問題は無い。

 放逐しても問題無い程度まで生存基盤を維持できる姿勢を確立させたら、頃合いを見て野に帰そう。

 尚、カテレアの先の先もそんな感じである。

 なんだか野生の雀を拾ったような既視感を覚えるが、ぶっちゃけ先々はこの世界からも逃亡する予定なので先見を見出しているだけ有り難いと思って欲しいなぁ。

 え? アーシアとか?

 ……ホント、どうしようかねぇ……?

 

 

 

 ▽ ▽ ▽

 

 

 

 ……アーシアが、家から出て行ってしまいました……。

 

 いや、夜這い掛けた俺が悪いよ?

 悪いけどさ、もーう少し俺に対して好意を持ってくれていたのだと、思っていたんだけどね……。

 俺の勘違いだったみたいだぜっ☆

 独り善がりだった俺って奴ぁ、本当に滑稽だったなぁ!

 ぬぁーはっはっはっはっは! くははははははは! あっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!

 ………………いや、ガチで反省はしてます。マジです。

 

 女体化祐斗と一線を越えたことは、俺に自信みたいなモノを植え付けてくれた。

 しかし、やはり関係を持った相手は男で、童貞こそ捨てることは出来たモノの、その後を欲するとなると役割をそのまま当て嵌めるわけには行かないのだ。

 佑斗には男性としての生活もあるし、それにいくら可愛くたってアイツが男であった頃のことを、お互いに忘れられるはずもない。

 ……いや、一晩下に組み敷いて、精力の尽き果てるまで正面から抱き合った記憶があるのも事実だから、説得力に欠けるかもしれませんが……。

 ……柔らかかったし、気持ち良かったなぁ、アイツの身体……。

 悪魔の精力って無尽蔵だよね……。

 

 と、とにかく、女性の身体の良さと『やり方』って奴を実践訓練で学習出来た俺は、今度こそ本気で彼女を作ろうと、一番近いアーシアから試すことにしたんだ。

 家族を彼女へ、とかってのも駄目な話かもしれないけど、そもそもアーシアとこの先もっと深い関係になりたいっていう想いだってある。

 学んだやり方でアーシアへ迫る意気込みで、寝惚けた状態なら意識も曖昧なはずで、俺に対して普段覗える壁みたいなモノも緩んでいるんじゃないかって言う腹積もりで。

 ……マジで普段はつんけんしてる感じなんです。

 ま、まあ俺にしてみればアーシアの貴重なツンデレはご褒美ですけどね!

 

 ……結果?

 聞くまでも無いだろ?

 ――失敗に終わったさぁ……!

 

 最近少しづつ大きくなってきたアーシアのおっぱいにパジャマの上から手を伸ばし、柔らかさを堪能しつつズボンを脱がし、つるつるのお股に感激していざ参ろうとしたところで、覚醒アーシアに悲鳴と一緒に蹴っ飛ばされたさ!

 悪魔の防御力がいくら凄くても、防げない部分だってあるんだ……っ!

 自分の腰をトントンしてる間に、悲鳴を聞きつけて起きた両親に目撃されてぶん殴られました!

 自分たちの娘みたいに思ってる子を襲う奴が居たら、息子でも容赦しないのは当然みたいです!

 

 その後の家族会議で、そもそも俺には彼女がいるんじゃないかという話が上がり(どうやら家へ顔出しした女体化祐斗のことを言っているらしい)、彼女が居るのに我慢を利かせられなかった発情期息子、というレッテルも容易く貼られた。

 間違ってないけど大いに間違ってる! 彼女じゃねぇ! けど言えねぇ!

 くそ、俺にも部長みたいな催眠術を使えれば……!

 

 そんな俺とアーシアをこの先一つ屋根の下に同居させるのも危うく感じた両親に、すわ勘当かと家を追い出される寸前であった俺へと、アーシアが自ら距離を置こうと『とりあえず夏休みの間だけ』と去っていったわけです!

 無論、それをホイホイと承諾するほど、ウチの両親のアーシア大好きっぷりは低くは非ず、アーシアが帰ってくるまで我が家の土を踏ませはせん!と俺も一緒に追い出されました!

 説得しろとの事らしいですが、アーシアからはつーんと袖にされてるので難易度がルナティックですね!

 

 

 「……それで私のところにきたわけね……」

 「う、うっす、スイマセン部長……」

 

 

 責め立てられ問い質されて、一部始終を説明し終え、深いため息を吐く部長に申し訳ない気持ちでいっぱいのイッセーです……。

 いや、流石に祐斗とのこととかアーシアを襲ったとかって部分は言ってないぜ? 男同士の事を女子に云う事程愚かなことは無い、って俺でもわかるからな?

 アーシアに関しては、俺の配慮が足りなくて怒らせてしまった、って感じで。

 

 

 「アーシアが烏丸くんに気持ちを向けているのは知っていたけど、イッセーとの仲が進展していなかったのも原因だったのかしら……。そこを今更、しかも無理矢理に手出ししちゃったのだから、悪魔であっても受け入れるには難しいと思うわ」

 「れ、冷静に分析しないでください。あと、今更でなかったら問題無かったんですかね……?」

 「いや、そこまでは私でも良く分からないけど……」

 

 

 ですよね。

 部長だって人の恋路を語れるほど、経験豊富ってわけじゃないっすもんね。

 

 

 「……なんで微妙に上から目線なのよ」

 「えっ。あ、いえいえ! お気になさらず!」

 

 

 あっぶねぇ! く、口に出てないよな!?

 一足お先に大人になった俺からの個人的な意見でしかないっすけど、流石に不敬すぎるし!

 何かを察したらしいリアス部長にジト目を向けられつつ、気にしない方針なのか再度の溜め息。

 ――ふむ、そんなことより腕組みで強調されるおっぱいも素晴らしいですな……。

 

 

 「……ああ、何時ものイッセーね。――さて、朱乃からの報告だけど、アーシアは烏丸くんの家にお邪魔になっているらしいわ」

 「な、なにぃ!? くっそぉあの間男! 弱ってるアーシアの心に付け込んでポイント稼ぐつもりか!?」

 「貴方が言えたことじゃないでしょ……」

 

 

 部長が何か呟いたけど、今はそれも気にならない!

 アーシアはなぁ、教会から追放されたり、堕天使に命を狙われたり、貴族悪魔から求婚されたりと苦労の連続なんだぞぉ!

 そんなアーシアを、………………傷つけたのは俺です! ホントマジスンマセンでしたァッ!!!

 

 

 「ほら、とりあえず落ち着きなさいイッセー。烏丸くんの家には今はヴァレリーさんだって居るのだし、イッセーが思う様な事にはならないわよ」

 「う、うう……、じゃ、じゃあ信じて送り出したアーシアがアヘ顔ダブルピースでRECされる、みたいな展開は無いっすよね……?」

 「貴方どういう推理でそれを導き出したのよ」

 

 

 部長からの目線が冷たくなった。

 可笑しい、俺は至極真面にアーシアのことを心配してるのに。

 

 

 「というか、貴方今日は躁鬱の気が激しすぎるわよ……? アーシアの説得は私も手伝ってあげるし、ご両親にも一緒に説明してあげるから、今日はもうお休みなさい?」

 「ま、マジですか? 部長に頼っちゃってもいいんすか……?」

 「あら、貴方の(あるじ)様は、可愛い眷属の苦悩も分かち合おうとしない心の狭い女だとでも云うつもり?」

 

 

 そう言って、部長はドヤ顔で微笑んだ。

 ……う、うおーーーっ!! 部長ぅぅぅ!! イッショーついていきますぅぅぅッ!!!

 

 

 「とりあえず、今日は私の家に泊めてあげるわ。ベッドは……ひとつしかないけど、構わないわよね?」

 

 

 ……っ!?

 つ、つまり、そういうことですか!?

 いいんすね!? ホイホイ乗っかっちまっても良いんすね!?

 男イッセー、今日こそは頑張りますっ!!

 

 

 

 ▽ ▽ ▽

 

 

 

 「……ようこそ、お会いしたかったですよ、【英雄派】の皆さん」

 「……ふん。白々しいな、ルキフグスのはぐれが」

 

 

 とあるホテルレストランの一角にて、私たち――所謂【旧魔王派】と呼べる生き残りの面子代表として、この私ユーグリットはとある一団と会合を果たしていました。

 彼らは一様に自身に満ち溢れた顔つきをしていますが、全員が人間。

 一見すれば自信過剰で貧弱な向こう見ずばかりですが、実際そうであったとしても実力を備えているのも事実です。

 そんな彼らは、名を【英雄派】。

 【禍の団(カオス・ブリゲード)】にて現在、最も戦力を蓄えている一団でした。

 

 

 「手厳しいですね。私たちはとある神器使いを紹介してもらいたいだけなのですが」

 「ああ、【生死覆す万象の杖(ロッド・オブ・アスクレピオス)】に【托卵促す怪物の滴(エキドナ・ドロップ)】だったか? ……確かに使い手はこちらに居るが」

 

 

 そう、彼らに要求するのはそれだけです。

 ようやく見つけた【聖杯】に通じる神器ですからね、下手に使い潰される前に回収しておかなくては。

 しかし、彼らはこちらの意図を想像しきれないらしく、韓服のような青年が困惑したように尋ねてきました。

 

 

 「なんでまたこんな神器を欲しがる? 名前こそ大仰だが、【杖】は実際に死者を蘇らせるような効能も備わってない治癒能力程度だし、【(しずく)】は正直言って【魔獣創造】の下位互換だ。お前たちにメリットがあるとは、到底思えない」

 「さて。其処までは教える意味など無いと思われますが?」

 「是非とも聞いておきたいのだがな。何せお前たち【旧魔王派】は、そろって俺たちの傘下に下るとかいう話だそうじゃないか。部下となるのなら、それを纏められなくては上司として示しがつかない」

 

 

 【英雄派】頭目、確か『曹操』と云いましたか。

 こちらが彼に示した条件は、旧魔王に手を貸した派閥内の悪魔らを戦力として引き渡すこと。

 もう一つはこちらが掴んだ『情報』です。

 しかし、それで飽き足らず己の分を弁えずに、更に欲するモノを追いかけるその姿勢……。

 いやぁ、やはり人間は下手な悪魔よりも業が深い。

 

 

 「ご安心を、ちょっとした研究ですよ。成果が出ればキチンと開示します」

 「フン。……まあ、お仲間をこっちに引き渡している以上、お前らだけが逃れる術なんてないだろうがな……」

 

 

 仲間? はて、彼らは自分たちに都合のいい蜜を吸いたいが為に引っ付いて来た寄生虫のようなモノですからねぇ。

 戦力として使える『今の』【旧魔王派】は、精々が【駒】に為れば上等の類ですよ。

 【旧魔王派】に取次いでいたアスタロト家の次期当主が消息を絶ったお蔭で、彼らの目論見であったレーティングゲームに託けての襲撃計画は水泡に帰していますし。

 彼らも別の手を用意しなくては、この先【旧魔王派】の生き残りがどれほど残れるかも不明瞭でしょうからねぇ。

 元よりスポンサーの宛ても数少ないこの世界で、最大派閥の聖書陣営から更に裏切った彼らを、好き好んで自陣に引き入れようなどという酔狂なモノは居る筈もありません。

 まったく、テロリストというのは潰しの利かない職種です。

 

 

 「そして、こちらが我々が掴んだ『情報』です。苦労しましたが、是非有効に活用してください」

 

 

 そうして、彼らの前に事前に伝えて置いた、ターゲットの写真の数々を広げる。

 白い髪に、浅黒い肌、――駒王学園の制服が妙に似合わない男子学生、烏丸イソラの姿が其処にはあった。

 ………………全部カメラ目線でピースまでしていますが……。

 

 

 「此れが例の彼………………おい、此れ本当に隠し撮りなのか? 全部目が合ってるぞ?」

 「そのようですよ? 現在の住居は添付の資料に載っている通りです」

 

 

 ――完全に罠でしょうけどね。

 

 彼本人には私が直接手を下したいところですが、【私】のストックが備えられない今、簡単に姿を現しては初見のリゼヴィム様のような目に遭わせられるのは明白です。

 悪魔に迎合するわけでなく『個の立場を維持し続けている人間』として、【英雄派】も目を付けているようですし。

 彼らが何処まで出来るのか、お手並み拝見と逝きましょうかねぇ。

 

 

 

 




週刊誌からスクエアに移籍したとか、
魂のヴェネラナとか、
原作主人公のクズ化マッタナシだとか、
キングクリムゾンで出番が…!とか、
オリジナル神器の芳ばしさがやや不足してる感とか、
コレ主人公格が三人居ねぇ?とか、

まあ色々詰め込んでストーリーをぎゅっとコンパクトに

それもこれも、此処がRのスレッドだからもっとエロシーンに力入れたくてストーリー方面をさっさと片付けたかった所為
あとディオドラたんはノーパンだと思う(偏見
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