※この作品はR-18です。

「『麻帆良学園から来ました烏丸イソラです!』『仲良くしてね!』」   作:おーり

47 / 67
新章突入!クロスオーバー感溢れる序章的47話です!
え。今更?って思った人、挙手



【内政チートという名の】理想と現実が交錯する謝肉祭的な第五章【蹂躙劇】 ※時系列上原作六巻相当
「知ってた」


 

 

 まあ、大体わかっていたことではある。

 

 

「ほぉ、この学校の部室棟にはシャワー室まで備え付けられてるのか。見た目は旧校舎なのに、随分と金のかかった設備だな」

「ていうか、麻帆良(うち)の高等部でもこんな怪しい部活が活動を認められてたりしないのに、部室を貰えている現状が有りえなさすぎるわね。催眠術でも使ってるのかしら此処の部長さん」

「烏丸くん、縄きつくない?」

 

 

 駒王学園二学期の始業式が始まり、みんなが体育館に鮨詰めとなっているであろう現在、俺は麻帆良三人娘に捕えられてオカ研部室にて尋問を受けていた。

 アキラたん、そう聞くくらいなら簀巻き解いて。

 なんでもエヴァ曰く、

 

 

「さて、部屋も確保できたことだし、随分と雌の匂いを纏わりつかせているそらの言い分でも聴くとしようか」

 

 

 ――と。

 ……あれぇ、エヴァさん今人間じゃなかったっけ……? 嗅覚が鋭すぎて軍用犬の疑いすら匂わすレベルぅ。

 

 

「まあどうせ新しいハーレムでしょ? 何人入ったの? もう子供も出来ちゃった?」

「せめて週一でローテできるくらいには留めて欲しいなあ、無理かもしれないけど」

「お前ら寛容すぎるだろう」

 

 

 ホントだよ。

 そしてそう先走って予測立てられると俺が逆さ吊りされてる意味が本気で判らなくなる。

 ところでこの姿勢に覚えがあり過ぎるのだけど、デジャブ?

 あとアキラたん、そのローテーションだと流石に俺でも枯れるから。

 

 

「で、何人に手を出したんだ?」

 

 

 明日菜&アキラたんの寛容さはさておき、微笑んでいるのに目が笑ってないエヴァ様の視線から目を逸らしつつ(罪悪感)、答えなくちゃいけない空気のままに脳内で数えてみる。

 えーと、アーシアゼノヴィアイリナ塔城ヴァレリーミッテルトグレモリー姫島……、

 

 

「し、7、8人、かな?」

「嘘つけ、二桁往ってるだろ」

 

 

 馬鹿な! 何故バレた!?

 

 

「別に、お前が普通に男である以上、女を抱くなとは云う気はないさ。だが、此れだけは約束してもらう」

「はい」

「抱け。私も」

「…………………………はぃ」

「返事が小さい!」

「はいぃ!」

 

 

 麻帆良に居た頃から拒否っていたけど、流石にこと此処に及んでいてはエカテリーナも見過ごせはしなかった模様。

 思考からも外していたグレイフィアさんヴェネラナさんオーフィスなんかまで明確に看破され、彼女の嗅覚にガチの戦慄を覚えざるを得ない。

 結局力技で約束させられてしまったので、近いうちにエヴァとのベッドシーンである。

 やったねそらくん! これで幼女は4人目だよ!(白目。

 

 ほんとに彼女の未熟な身体を慮って避けていたにも拘らず、色んな因果は絡み纏って性的な意味での身動きが取れないくらい雁字搦めである。

 畜生、だから逃げたのに。

 まあ『魔王様からは逃げられない』っていうのは常識だから仕方ないけど、【闇の福音】とかいう厨二ネームがあるからなエヴァ様も。イコールで魔王と同体と見ても間違いはない(過言。

 

 修業時代の名残というよりは完全に実力としてこの有様な俺はさておき、ふと視線をずらせば部室の入り口に塔城とヴラディの姿があった。

 

 

「あ、始業式もう終わったんか。どした、目を丸くして」

「――そのまま訊くんですか……!?」

 

 

 あれ、何故か驚愕されてる。げせぬ。

 

 

「今更だけど部室借りてるぞ、人が来なさそうなところが思いつかなくてさ」

「思い返せば、烏丸くんって結構部室を私物化してるよね……」

「いやちょっとツッコミ入れましょうよ……っ! なんで烏丸くんもギャーくんも平然と続けるのですか……!」

 

 

 妙に猛ってる塔城はさておき、こうして断りだけでも入れて置けば後々問題にはならないだろう。

 そんな姑息思考がお気に召さなかったのか、物語(コメディー)定石(セオリー)は新しい風を吹かせてくれる。

 

 

「「「「「……何事!?」」」」」

 

 

 入り口にはグレモリー先輩を初めとした、オカ研の面子が揃い踏みであった。

 ちっ、逃げ遅れたか。

 

 

 

 ▽ ▽ ▽

 

 

 

「まず、知らない子もいることだし自己紹介から始めましょうか」

「れ、レイヴェル・フェニックスと申します。お恥ずかしながら、ライザー・フェニックスの『僧侶(ヴィショップ)』を務めていましたわ」

 

 

 グレモリー先輩の先駆けに、最初に応えたのは金髪クロワッサンのお嬢様であった。

 おお、麻帆良三人娘のインパクトで薄れていたが、ウチのクラスに入って来た転校生ではなかろうか。

 なに? また悪魔関連なの? いい加減にしてよ。

 

 

「で、誰?」

「え、さあ」

「すまん、私も判らない」

 

 

 そう口々にするのは俺・イリナちゃん・ゼノヴィアちゃんの三名。

 教えてくれ、ライザーって誰。

 

 

「イリナさんとゼノヴィアさんはさておき、なんで烏丸くんは覚えてないのですか……。以前にこの部屋で貴方が十字架でのた打ち回らせたホスト崩れです」

「小猫様の紹介に悪意しか伺えられませんわ……!?」

「そんな奴いたっけ」

「そしてこちらは微塵も覚えてない……!」

 

 

 わりとガチで思い出せない。

 そんなことより、のた打ち回るの語源は蒐場(ぬたば)という獣の泥浴場の事で、泥に塗れて転げまわることから来ているらしいね。関係ないですかそうですか。

 

 

「まあライザーはどうでもいいわ。彼女は留学という形で冥界から出て来たのだけど、あなたたちに注意してほしいことは特にないわ。強いて挙げるなら、仲良くしてあげてね特に一年の子たち」

「え、注意して云われにゃ仲良くできん様な子なの?」

「ホラ、小猫ちゃんは基本的に狩猟する側だから……」

「心外なんですけど?」

 

 

 グレモリー先輩の紹介の仕方の方が微妙に手酷い感じが芳ばしいが、槍玉に挙げられた俺たちは聴こえる程度の声音で囁き合う。

 その脇で、リアルタイムで『おめーの席ねーから』と新人イジメ喰らってるクロワッサンが頭を下げた。

 

 

「リアス様の紹介の仕方の方が微妙に手酷いのですが、どうか緩めに受け入れていただければと……。此処を逃すと渋々実家へ戻らなくてはならなくなりますの」

 

 

 微妙にメンタル強い娘だなぁ、と思いつつ、何故実家に戻りたくないのかが窺い知れぬ。

 そんな俺の疑問には、横に来たアーシアが答えてくれた。

 

 

「なんでも、今フェニックス家にはイッセーさんが出向してるみたいです。治療の為、だとか……」

「ああ、居ないと思ったら」

 

 

 その付き添いだろうか、木場先輩の姿も無い。

 新学期に間に合わなかったご様子だが、出来ることなら兵藤先輩には特に紹介したくない身内がサプライズで押し掛けて来られたモノだし、結果としてはオーライとしておこう。

 そして遠回しに先輩に近づかれたく無さそうな感情が垣間見えているクロワッサンの思惑に、やや滂沱が止まらない。

 兵藤先輩、アンタこの子に何したんすか」

 

 

「口に出てますよそらくん」

「え、マジで?」

「此処一週間ほど、屋敷の娘たちへのモーションが酷くて酷くて……。留学の件が無ければ今頃あの男のモノを銜えさせられていても可笑しくありませんでしたわ」

「……うん、この話止めようか!」

「そ、そうですね!」

 

 

 アーシアに注意されたと思ったらクロワッサンの答えが中々笑えそうになかった。

 現状、この場の女子連中と色々やらかしている身としては本気で笑い飛ばせそうにない。

 

 

「で、そちらの子たちなのだけど……」

 

 

 そしてここにきて、同席しているエヴァたち麻帆良三人娘に視線が向く。

 差し出された紅茶を優雅に呑む様は紅魔館の運命的な緋色を彷彿とさせるが、残念ながらPAD長の姿は今はない。

 

 

「ああ、私たちの事は気にするな。そらも見つかったし、少ししたら帰るさ」

「そういうわけにもいかんだろ……」

 

 

 いつの間にか参加していたアザゼル先生が、悩まし気に抱えていた頭を上げてエヴァ様の言にツッコミを入れる。

 グレモリー先輩方の後くらいにクロワッサンを引き連れて此処へ来たのだが、その寸前では俺が降ろされる云々のドタバタ中でコメディみたいな空気であった。

 なので、この世界の面子と彼女たちとの間には、隔絶した認識の差異があるのは間違いが無い。

 隠す気こそ大して無いが、其処に気付いてもらわない事にはこちらから提示した情報だけで信じて貰うことも出来無いことは容易に予測付くので、やはりわざわざ身バレを促す必要も無かったりする。

 さぁて、なんて語ればいいのやら。

 

 

「お前らは烏丸で慣れてるかもしれんがな、其処のふたりはハッキリ言って異常な存在だぞ。内包している魔力の質が明らかに可笑しいわ」

 

 

 と、アザゼル先生が指すのはエヴァに明日菜。

 気づくの早いな。

 まあ、向こうの世界でも普通にトップシークレットレベルのキャラだし、法則性がやや異なる世界に混じっても悪目立ちするものなのかもしれんし。

 

 

「? どういうことなの?」

「まず、烏丸でも普通に異常なんだがな、人間の身のままで俺たちを凌駕するまでの魔力を内包しているっていうのは『魔法使い』連中の文化からしても有りえないことだ。それと同格かそれ以上の魔力、なんてモノを抱えている時点で、そこの奴が常識的な存在じゃないことは明らかだ」

 

 

 グレモリー先輩の問いに、エヴァを指しながら答えるアザゼル先生。

 はちみつ授業の始まりである。

 

 

「はっきりと計測できればいいんだが、うちのスカウターで出て来た結果は【計測不能】だ。魔王や天使長の居場所を捉える為に設計されたってのに、それ以上ってマジで何モンだよ」

「なんかワクワクする単語が飛び出てきましたね」

 

 

 スカウターとな?

 これは『馬鹿な、スカウターの故障じゃないのか?』という御決りのあのセリフを使う機会が、俺にも巡って来たと云う事か。

 

 

「此処には悪魔の魔力を把握しきれねぇ奴もいるからな、必要は発明の母って奴だ」

「それよりアザゼルの言った理由の方が気にかかるわ。同盟を結んでおきながらなんでそんなモノを作る必要があるのよ」

「部長、今は抑えて」

 

 

 後で教えますから、と年下(塔城)に宥められる年上(グレモリー先輩)の図が其処にあった。

 実際、この人こう見えて堕天使のトップなんだし、同盟を組んだとしてもいや、だからこそ隣国へ対して警戒を抱くのは間違いじゃ無いはずだが。

 裏切り、っていうのは約定があって初めて意味を為す概念だからね。国民(部下)の主義と矜持と尊厳とを押し通し、生命と財産と将来とを保障するのが国主(トップ)の仕事なんだから、其の為には時に切り捨てるべき部分を見極めることは間違ってない。

 特にそういう『他所の国』ってのは同盟を組んだとしても『最大の敵国』という警戒に値する部分に変動は無いのだし、得られるべき情報を追求してゆくのは必要な開発にも繋がるし。

 

 

「もっとも、此れでも烏丸のは把握しきれねぇがな。魔力の高さとかじゃなくて、普通に上限下限の変動が激しい上に隠蔽性も高いから、今のところ全然解析が追い付かねぇ。お前本当に人間か?」

「失礼な」

 

 

 内心見直していたのだが、先生からの俺への評価は辛辣である。

 どうしてそうなったのか。

 

 

「そしてそっちの鈴付きツインテールは更に異常だ。魔力測定結果が出ているが、マイナス値を表すってどういうことだよ」

「「……は?」」

 

 

 姫島先輩とグレモリー先輩の呆気にとられた声が重なった。

 魔力に関することには彼女らおふたりが寡言でもあるのか、おふたり以外は特に反応した様子はない。

 しかし、マイナス値を指し示すのが明日菜ねぇ。もしかしてあれかな、黄昏の姫御子っていう設定(アビリティ)がブイブイ鳴らしてた影響かも。

 並行世界という名の異世界へ渡ったことにより、期せずして有力な計測結果を得られそうである。

 

 

「性質として見るならサーゼクスの【滅びの魔力】に近いかもしれんが、人間がそんなもん抱えていたら制御しきれずに自壊する。……おい烏丸、正直に答えろ。コイツらは、いや、お前らは一体『何処』から来た?」

 

 

 おや、気づいたのかな?

 

 

「な、なにを言い出すの、アザゼル?」

「考えてみりゃそれ以外にはねぇ。この世界は見る者によっちゃ突然変わってゆくようにも見えてるのかもしれんけどな、烏丸みたいに突出した【異常】がこうして表沙汰になるには、前段階ってやつがどうしたって存在する。特に『魔法使い』連中の文化上、コイツみたいな【異常】がこれまで誰の目にも触れてなかったってのもあり得ねえ話なんだ。それこそ、『突然降って湧いた』のでもない限りはな。もしも『隠れ里』のようなところでひっそり研究を続けていたとしても、この地上に俺たちみたいな【人外】が跋扈している以上、本当に隠れきることなんて絶対にねぇ」

 

 

 あんまり人のこと異常異常連呼するのはヤメテ欲しいなぁ。

 あと、アキラたんのことも思い出して挙げてください……。

 

 

「で、でも、神器とかでは? これまで見つからなかった神器が、こうして新しく見つかった、とか……!」

 

 

 全員が俺たちに注目している中、アーシアがフォローするように口を挟んできた。

 魔女裁判のようだったし、似たような経験を持つ彼女だからこそ見てられなかったのかもしれない。

 俺としては、先生の意見も聞いておきたいから静聴して続きを促していたところなのだけど。

 

 

「確かに、その可能性もあり得るだろうけどな」

「そ、それならそらくんのことを尋問するような真似は、」

「だが、どれだけ万能で不可能がないように見えても、神器は飽くまで【聖書の神】が創り出した前提がある。それはこの世界の法則を覆しているように見えても、飽くまでも『神器そのものの領分』を超える結果までは示したりはしない。そこを覆せば自己矛盾に陥るからな、いくら持ち主が望んだとしても、自滅するような結果を齎せるかよ」

「え、ええと……?」

「あー、例えばだな、アーシアの神器は回復用だが、反転して相手を害する結果を導き出すことも不可能じゃないんだ。だが、『もともと歩けない人間』を『歩けるように改竄する』ような『回復の仕方』までは導き出せない。そうしたらもはや別の神器になる。ここまではいいか?」

「あ、はい、なんとか……」

「烏丸はその前提を割と軽く覆している、現状『あり得ない結果』を輩出し続けている第一人者だ。悪魔を人へ堕天使を天使へ、本来不可逆なはずの【転生】を、烏丸はこの夏にさらりとやらかしていやがった。お前のレポートを読んだがな、元々の性質を完全に書き換える人体改竄って、悪魔ですら【駒】を使わないと出来ないような真似を、相応の神器を介したとしても、一介の魔法使いが出来るはずねぇだろ」

 

 

 最後の科白は俺へと向けられていた。

 アザゼル先生の睨むようなそれと同時に向けられる、色んな箇所からの怪訝な視線。

 あれ、可笑しいな、麻帆良三人娘からも似た視線が来てる。

 

 

「そんなことぁないと思いますが」

「教会側の人工聖剣使いの話でも思い出したか? アレは因子の摘出っていう要因(ファクター)があって初めて出せた結果だし、お前みたいに種族の枠を易々とはみ出るような真似までやった奴は今のところ見たことねぇ。加えてこの間はスルーしたが、お前他人の神器を外側から使えたろ」

 

 

 人口政権使いってなんぞや。

 というかなに? 何かおかしいことでも?

 

 

「何がおかしいのかわかってねぇってツラしてるがな……神器は飽くまでも個人のモノであって共有することは出来ねぇんだよ! 誰かの神器を自分が使おうとするなら、それは奪う以外に方法はねぇ! 取り出さずに他人に使用法を伝えるだけならまだしも、遠隔して自分の思う形に使ってやった結果じゃねぇかあのレポート!」

 

 

 遂に怒り心頭に達したのか、怒鳴るような口調でアザゼル先生が猛りだす。

 うーん、俺からしてみれば、ホムンクルスらとユニゾンするみたいな感覚でシンクロ発動を促せたのだが。

 ジョグレス進化がテイマー2人必要、みたいな感じでやったのがそんなに不味かったのか。

 

 

「そして何よりも、此れまでの聖別でも例を見ない、下手な聖域を凌駕するレベルでの属性付与だ。あんな真似をする奴が他にも居たらとっくの昔に教会側が悪魔も堕天使も刈り尽して、聖書陣営の成立なんて今頃話題にも挙がってねぇよ……」

「ああ……、そういえばそんな真似もできていたな……」

「忘れてたわね……」

 

 

 ゼノヴィアちゃんとイリナちゃんが遠い目で呟いていた。

 此処に至ってはアザゼル先生も疲れた顔で。何やら認めたくない現実と葛藤しているようにも感じる。

 戦わなきゃ、現実と。

 

 

「以上のことから踏まえても、コイツらが普通に神器使いだって説には異論がある。つーわけで烏丸、吐け、色々と。隠してることとかあるんじゃねえのか?」

 

 

 先にも思ったが、別段隠している意図など微塵もない。

 だがそもそも、俺の答えで満足してくれるかどうか。

 

 そんな一瞬の逡巡の隙を突いて、先ほどから黙っていたエヴァが口を開いた。

 

 

「別段隠す必要もあるまい。私たちは異世界の住人だよ」

 

 

 尊大な態度を崩さぬままに、【闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)】が言い放つ。

 そちらに全員の視線が向くが、彼女は意にも介さずにこちらへと目を向けた。

 

 

「で、そら。帰る準備はもうできてるんだろうな。半年も遊んでいたんだ、もういいだろう」

「ん、時間の経過一緒なの? 超リンに来てもらえていれば……」

「下手な時間矛盾など止めて置け。大体、タイムパラドクスがそもそも無いと明言したのはお前と長谷川だろうに」

 

 

 カシオペアでこっちに来る前の時間軸へ……、と画策してみた内心をあっさりと暴露される。

 まあそうだけどね。

 休学扱いなのが少々痛いなぁ、単位とか。

 

 

「いや、いやいやいやいやまてまてまて!」

「なんだ、騒がしいな」

 

 

 ちょっとまってちょっとまっておじょうさーん、とアザゼル先生が……、いや、これそんなチャラい雰囲気じゃねーわ。

 

 

「い、異世界? マジで言ってんのか?」

「先ほどから悪魔だの天使だの口にしてるのだし、そのくらいは受け入れろ。言っておくがな、そらみたいなのがこっちでの平常と思うなよ」

「そのフォローはおかしくね?」

 

 

 エカテリーナのフォローの方向性の有様に、ちょっと泣けてくる。

 異常じゃねーよ。俺が異常なんじゃなくて、俺以上のバケモノが闊歩してるあの世界が異常なんだよ。

 

 

「た、確かに、もう全く違う文化系列から混じってきたと思えば納得の理由だが、そんなあっさりと話して大丈夫なのか……? もっとこう、なにかあるんじゃないのか……!?」

「お前らの葛藤なんぞ知るか。もういいだろう、いくぞそら」

「ういーす」

 

 

 さて、そろそろ構築していた理論でも明かす時が来たのか。

 世界境界線突破を目指して、大して重くもない腰を浮かす。

 

 

「「「「「「ちょ、ちょっと待って!」」」」」」

 

 

 ――とそこへ俺の腕を足を服の裾をと、この部屋の女子全員ががっしと捕まえる。

 あ、全員じゃねーな。金髪クロワッサンと麻帆良組がやや遠い。

 

 

「帰るって、そんな急に、」

「いくらなんでも唐突な、」

「もう少し此処にいても、」

「聞きたいことも山ほどありますし、」

「……わたしも行っていいですか?」

「連れてってください!」

 

 

 引き留める声がグレモリー先輩に姫島先輩、躊躇いがちなのがイリナちゃんとゼノヴィアちゃん、同行を求めるのが塔城にアーシア。

 六者六様と云うよりは三者三様、しかしまあ、俺の意見は変わりない。

 

 

「でもまあ、嫁さんの意見だし聞かないわけにいかねーからね」

 

 

 へらりと笑って、さらば駒王。さよならだけが人生さ!

 

 

――ギュ

 

 

「行かないで、ください……!」

 

 

 ……ヴラディ?

 裾を改めて捕まえられ、涙目のようになって見上げてくる男の娘に思わず狼狽える。

 なんだコイツ、この中で一番ヒロインやってるじゃねぇか。俺いつの間にコイツの好感度上げてたん?

 くっ、だが、俺には行かなくてはならない理由がある……!

 

 

「スマン、いくら俺でも、いつ滅びるかわからん世界には定住したくはないんだ」

 

 

「――おいちょっと待てホント待てぇぇぇ!!!!!」

 

 

 アザゼル先生まで引き留めにかかってきた。

 やめてよー、別れがつらくなるじゃないのよー。

 

 

 

 





~エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル
 エヴァ様エヴァりんエヴァにゃんキティエカテリーナ、と烏丸の呼び方がやたらと変化する元ロリBBA吸血鬼。お互いに認める嫁
 魔法世界編最終話にて世界改変レベルでの変動を促した結果、徐々にだが人間へ戻ることが可能に
 技能とかはそのままだが、こっちの世界への移動に伴ってなのか移動するためなのか魔力まで充満した状態で参戦したちょっと成長中の合法ロリータ
 UQ?知らない話ですね


~神楽坂明日菜&大河内アキラ
 自称烏丸さんちの愛人1号2号
 彼女らの口ぶりからまだいそうな気配。エヴァ様よく認めたね
 追加に関しては寛容。ただし自分も相手しろ、と烏丸の精力の増進は彼女らの影響もある可能性が微レ存


~ジョグレス進化
 覚えてる人、挙手



以上、いろんなことのおさらい
そんなわけで次回へ続く
アザゼル先生の胃は果たして大丈夫なのか…!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。