「『麻帆良学園から来ました烏丸イソラです!』『仲良くしてね!』」 作:おーり
真骨頂を目指すぜ…!
「本音を言うと、戦争なんてやりたくも無いんだけどねぇ」
ゲオルク・ファウストがそう独り言ちた瞬間、それまで書類仕事に忙殺されていたジークフリートの手元がぴたりと止まった。
彼らの組織活動は基本的に素人が想像するレベルの【日曜朝テレビ番組の正義の味方と敵対する悪の組織】と大差ない運営方針であり、部下という名目の同盟者であるはぐれ悪魔や神器使いに仕事という名のテロリズムを要請するときは直に命じての直轄運営だ。
それなのに役所でもないのに書類仕事に忙殺されている現状は、ぶっちゃけ彼ら個々人の思考の確立方であり、理論立てて部下に命じるために一度『作戦と目的と追求する結果』を立て直すためのカンペ作りでしかなかったりする。
それまではまるで大学のサークル活動にでも興じるかのように立案も方針も中途半端で、武勇と狂奔の鼓舞だけを先走らせる『煽るだけ』の指示しかしていなかった彼らだが、一度明確に『どうしようもない負け』を覚えた後はようやく己らの在り方を見直し始めたらしい。
何がいけなかったのか、何をすればよかったのか、を見直すためにも、今の思考確立方を話し合って『やってみている』最中である。
もう遅い可能性もあるが。
そんなジークは自分たちが現在、冥府側に
だが、同じように書類を見直していた手を止めた曹操は、少々呆然としながら年若い少年魔法士へと言葉を投げた。
「ちょ、ちょっとまてゲオルク、それは今更すぎないか」
疑問というより詰問のような口調なのは、今回の為に彼自身もそれなりに手間と犠牲を支払った後だった所為でもある。
今回の『冥界への戦争』を始めるための頭数を揃えるためとして、彼が率先して動かざるを得なくなった経緯があるのだが、その際の【魔女の夜】という魔法使い集団の頭目であるヴァルブルガという装飾過多な年齢不詳ゴスロリ魔女に生贄ゲフン、まあ色々と色付きの接待で持て成した過去があるのだ詳しくは割愛(早口。
「だってさぁ、根本的に僕たちには戦力が足りてないんだよ。はぐれ悪魔を突貫させるのみならず、僕ら英雄派まで捨て石にされることが決定されているのに、どうやってやる気を出せというのかな」
旧魔王派と一応は銘打っていても、それらを採り仕切る頭が現状居ない今では、冥界側からすれば単純に敵で害悪で、例え彼らの租が家を持っていたとしても
ゲオルクを初めとして、一応は主流となっている英雄派の中では、彼らをはぐれと呼ぶことに今では躊躇もしなくなっていた。
そんな彼らが【
なんやかんやでもリゼヴィムもまた基本は快楽主義なので、使い潰される悪魔らを憐れむことも無いかもしれないことが懸念されていた。
まあ、今更誰かにどうこうできるというのなら、こんな事態にこそなっていないが。
「そ、んなことはないだろう。俺たちには弱点らしい弱点がないが、逆に冥界側の弱点ははっきりとしている。其処を突くための【
「……曹操さぁ、自分でも完勝できないどころか、負ける可能性の方が高いって自覚してるでしょ? 言葉に覇気がないよ?」
「……」
そしてその過剰かもしれない妄想に似た予測は、建てた時点で8割当たる。
それを誰もが思い描けるからこそ、それは既に妄想どころではない確固たる未来として待ち構えられているのである。
明確な負けを味わったからこそ、彼らに植え付けられた推測は覆すことが不可避足り得ているのであった。
ゲオルクに言い切られて黙してしまった曹操には、云われるとおりに思い描ける先行きが明るいモノではないことを完全に理解している。
それでも彼らが進まねばならないのは、一度上げてしまった御旗を卸すことがもう出来ないからであり、逃げることもまた出来ない為である。
『全体としての負け』が未だないからこそ【
無責任に集団そのものを放棄する選択もあるが、それに属していた過去は解消するにも手間がかかる。
その手間の合間に放棄したはずの集団が行動を興せば、自身へ舞い込む火の粉は避けられそうにもない。
なお、『そのために集合した団体』へ明確に『別の方向性を示唆』するためには、集団そのものを確固として纏める人材や方針とそれを取り巻く環境の『全て』が揃わねば換えられそうにもない。
間違っても、例えば街そのものが『明らかに』社会的に排他されるべき人種と癒着しているかのような社会性を備えた公共設計は表沙汰に出来るモノではなく、それを取り巻く環境は根本的にその社会の内枠で生活する人々のためにこそあるべきものなので、安寧と安心を『大多数』の為に考慮しない公共設計が成り立って
歴史を紐解けば確かにそういう世界がかつてあったことも事実であるが、未だ進歩の途中である社会構築が周到されていない人類発展途上にそれを興すことは人民の安寧を配慮するべき方向性としては明らかに間違った傾き方であると云わざるを得ない。
要するに、どこぞの
――話が逸れた。
曹操の言う通り、冥界側、要するに悪魔には明確な弱点がある。
其処を追求したかのような神器の【
そもそもテロの本質とは、少なくとも『英雄』になろうと彼らが抱いた心中に残響のように燻る闘争と競争に拠る自己発言の場などではなく、無差別かつ広範囲に渡って引き起こされる恐慌と不安の過剰飽和による集団生活の崩壊促進である。
【
これが例えば彼らの仲間であったヘラクレスの神器【
「大体、弱点がないんじゃなくて、そこまで突出するような経験を備えていない、って程度だよ僕らは。だからこうして仲間をふたりも失って、戦略的主要神器のひとつも奪われて、のうのうと生かされて使い潰される。力が無い奴は結局この世界じゃ自由に振る舞うこともできやしないのに、首を突っ込んだのが間違いだったよねぇ」
「……そうしなくては生きていけなかった世界だ、今更いうべきことじゃない」
「そうかなあ。少なくとも、ジークは元々教会側のエリートなんだから、おとなしくそっちの言うことを粛々と聞いておけば今こうしている必要もなかったんじゃないの?」
ゲオルクが語る通り、ジークは元々教会で育てられ鍛えられた。
孤児院出身の彼は教会以外に拠る処も無く、神秘が完全受肉しているこの世の中で物理的な
元々神器を持っていたことも相俟ってなのか、教会の者にしては珍しい意志ある魔剣を所持するに至ったのが彼である。
その点は、フリードと出身を同じくする教育機関の出であることも理由かもしれない。
まともな育成機関が今のところ見当たらない、教会の闇は深い。
「それでもやってしまったことは覆せないだろう。それに俺はエリートというよりはサンプル、あっちだとしても使い潰されていたのがオチだ」
「そうかなぁ」
「……ゲオルク、何が云いたい?」
口を挟んできたジークに何とも言い難い顔で、ゲオルクはそのまま言葉を続けた。
「ジャンヌの今の所属が分かった。――天界だ」
▽ ▽ ▽
「――ミカエルは甘い」
熾天使の一角に、『神の炎』『楽園の管理人』『
彼の名はウリエル、天界を取り仕切る4柱の【
「確かに、天使の数が増えない現状で、『天使化』の手段が得られたことは喜ぶべきことだ。だが、そのために悪魔や堕天使と仲良くする必要など、一切無い」
「おっしゃる通りです、ウリエルさま」
彼に追随するのはテオドロ・レグレンツィ、未だ幼い身でありながら、司教枢機卿という教皇に次ぐ最高位の位階を得ている黒髪の少年である。
烏丸が以前ツッコミを入れた部分が如何なくスルーされている、トンデモ設定の
「ゆえに、我らはこうして戦力を拡げる。聖書派閥などと呼ばれるからには、それを信奉しない者は須らく異端である。異端者は排除せよ、汝らはそう教えを受けて、これまで育ってきたはずだ。――そうだな?」
「「「はい、ウリエル様」」」
「――それでいいのだ」
テオドロと声を合わせたのは、フリード・セルゼン、そしてジャンヌ。
少年のすぐ後ろ両脇を守りながら控えるように傅き、一度教会から離反した身でありながらその場にいるのは、すべてウリエルの独断による采配だ。
だが、根本的に天界は戦力が足りていない。
それを埋めるべく、元堕天使派の殺人狂神父や、どうにも後ろ暗いところが伺える教会から出奔したはずの神器使いだとしても、その罪を雪ぐならば、とミカエルは許可を下した。
おそらくは此れもまた天界トップである彼の策の一角であろうが、そこを見通せないウリエルもまた経験が不足している。
これは、先頭を往くものとそれに続くものとの、些細ではあるが大きな差となるのだが、それを指摘できるものはこの場にはいなかった。
「一週間後、冥界で悪魔どもの遊戯の一つであるレーティングゲームの観戦が我らにも認められた。『
現在のレーティングゲームは、冥界の次代を担うとされる6家がトーナメントを組んでいる。
グレモリー対シトリーはシトリーが勝ち抜き、アガレス対バアルではバアルが勝ち抜いた。
残っていたのはアスタロト対グラシャラボラスだが、アスタロトの次期当主は謎の失踪を遂げ、グラシャラボラスの次期当主候補はそれ以前の会合でバアル家次期当主に心を折られゲーム放棄。
よって、次の勝負はシトリー対バアルとなる。
「あのーぅ、お言葉ですがウリエル様? 俺様達は悪魔とかぶっ殺したがってるやつら筆頭ですぜ? そんな危険人物たちを冥界側が受け入れますかねぇ?」
「どうなろうとも構わぬし、汝らにただ黙していろ、とも命じはしない。好きに動いていいのだ」
どうしようもない命の危機、をはっきりと知ったフリードが口をはさんだ理由は、当然その大元が冥界に関わっているのではと懸念したことが理由に当たる。
しかし、それをウリエルは意にも介せず、どのようにしてもいいと断じてしまった。
それを聞いて手元の聖剣を握り直したのはテオドロである。
同じくどうしようもない命の危機を知っていたジャンヌも想像がついたのか、思いっきり顔が引き攣っていた。
「汝らのような明らかな『悪魔の敵』を送ることは、天界が胸襟を開いた何よりの証明にもなる。というのがミカエルの言い分だ。しかし、汝らまでそれに追従する意義など持たなくて良い。飽く迄も奴らに反抗の意志を見出させないように、奴らの隙を突くように、適度に中を引っ掻き回してやるが良い」
「はい、ウリエルさま」
にたぁ、とひとり少年だけが嗤っていた。
自分が良いように悪魔たちを翻弄する様子でも思い描いているのかもしれないが、何かしらの言いようのない悪寒が他の二人にはしっかりときていた。
それを思うと、ちょっと笑っていられなかった。
▽ ▽ ▽
各陣営が色々と冥界での騒動を画策していた丁度そのころ、駒王町では――、
「頼む烏丸っ! いっかいだけだっ! いっかいだけでいいから、その子とえっちさせてくださいっ!!」
とてつもなく考えなしな発言で街中で土下座も辞さない勢いのイッセーが、大河内アキラを指名して懇願していた。
そしてそれに対して烏丸は、――意地汚く餌へ群がる畜生を見下す目で己の先輩を見下ろしていた(過重表現。
マジで死ぬ5秒前かも知れない。
~ニチアサっこ大好き!
内ゲバと抗争が惡の華☆
ヴァーリチーム?勘定に入れられてないみたいっすね。まあ自分たちで好きに動かせる奴だけを纏めているわけだし妥当です
~ONDRさんの扱いぃぃぃ!
もうマジカルパティシエしか救いがないじゃない!
原作がアレでホントに良かったのかしら…(引きこもりの息子を心配する母のように
~4大熾天使さんいらっしゃーい
原作じゃガブリエルさま以外ほとんど出番なしに終了していったみたいで
扱いが不憫なので連れてきた。トップにありがちな反悪魔&堕天使が主義のひと。なおラファエルさまはボクっ子設定。眼鏡クイッとさせて、ボクの計算では勝率80%です、とか言っちゃうひと(妄想
~おや?イッセーの様子が…
おめでとう!イッセーは着々とクズ度が上がってるぞ!
どうしてこうなったのかっていうと、まあ原作であった成長具合が行き届いていなかったというか、活躍する場面がなかった所為というか
でもよくよく読み直すとコイツが前線で大活躍している時点で構成可笑しいと思うの(真顔
~意地汚く餌へ群がる畜生
お前がハムになるんだよォ!(憐みの目
若しくは汚物(直球
真骨頂というかなんというか…
とりあえずあれですね、書きたいことと書くべきことが混ざるとやっぱり書きたいことが出張ってくるからカオスになるんですよね(←地の文