※この作品はR-18です。

「『麻帆良学園から来ました烏丸イソラです!』『仲良くしてね!』」   作:おーり

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59話です。大してえっちくはないですがまとめ的なお話です


☆「ドッキドキな駒王学園体育祭!が開催するってよ(白目」

 

 

 ――全校男子の目に、夢のような光景が広がっていた。

 

 たぱんたぱんと激しく上下に揺れるのは、純白の体操着に包まれた規格外の双丘。

 走るほどに暴れるリアスと朱乃の今にも爆発しそうな膨らみは、他にも走者がいる『競走中である』という事実を一切無視し、生唾呑み込む男子の視線をひときわ釘付けにして競技は進む。

 ついでに言うと走るふたりの体操着は汗で貼りつき、その下の彼女たちの髪色に備わったような高校生とは思い難いアダルトな下着がうっすらと透けて見え、会場の興奮度は鰻登りになる一方でもあった。

 実のところ、悪魔の膂力や体力はかなりのモノなので、体育祭で駆けたからと言って疲れるような代謝を備えてはいない。

 それでもふたりがしっとりと汗ばんでいる理由には、その間に挟まれている男子が原因でもあった。

 

 

「ほら、もっとくっつかないと走れないでしょ? もっと腰に手を回して?」

 

 

 リアスが溶けるような声音で、少年に寄りかかり甘えるように微笑む。

 拍子で押し付けられた胸部は、走行中ということも相俟って揺れながら彼の胸に擦れてたわんでいた。

 体操服越しに届く柔らかな感触もまた暴力的だが、同じように体操服を身に纏うことで無防備となった晒された肌が無造作に触れ合う太腿も充分に危険だ。

 リアスと朱乃の生脚が、露出した太腿が、ハーフパンツ姿の少年の脚へ今にも絡まんばかりに密着していた。

 尚、この学園の女子用体操着は【ブルマ】がデフォルトになっている。

 一時期廃止されたのだが、理事長の娘に当たるとある教師が強権を発動させて復活させたという話なのだからなんとも業の深い所業であろうか。

 

 と、そこで反対側の脚が突然に制止する。

 咄嗟のことでバランスを崩し、並んでいた三人は繋がれた足首を連動されて、そのままに縺れこんだ。

 

 

「きゃっ、あーん、ころんじゃいましたわぁ。烏丸くん、怪我はありません?」

 

 

 少年の、ああもうめんどくせ、烏丸の上へと豊満な乳房を押し付けるように圧し掛かった朱乃が、それすらも愉しむ声音で問いかける。棒読みで。

 そして、その問いに答えることは彼にはできなかった。

 

 

「痛た……、朱乃、気をつけなくちゃダメじゃないの。烏丸くん、平気?」

 

 

 ()()()に縺れ込んだリアスの天然エアバッグの谷間に、少年の顔はすっぽりと収まっていたために。

 まさに、ラヴコメ……っ!

 計略さえ上手くいけば俺があの場所に挟まっていたのにぃぃぃ!と、その光景を目の当たりにした本家ラヴコメ主人公(笑)が血涙を流していたが、知ったことではない。

 某リトさんみたいなラッキースケベ(故意っぽい)に晒されて、男子の嫉妬心もまたボルテージを上げつつある三人四脚であった。

 

 

 

  ▽  ▽  ▽

 

 

 

「まったく、もうちょっと上手いやり方もあったでしょうに。お陰で俺たち最下位ですよ」

「あっあっあっ、ごっ、ごめんなさいっそらくんっ、でもっ、あなたとっつながっていられるのがっ、たのしくってぇっ」

「それならこっちのほうが愉しいでしょ? ほら、あんまり声出したら見つかっちゃいますよっ?」

「ああんっ! それならもっとやさしくしてぇっ!」

 

 

 競技の後、転んだ先輩を送るという理由で以て保健室まで来たわけだけど、別に誰が怪我したというわけでもないので問題はない。

 最近養護教諭として配属されたロスヴァイセ先生は俺たちの事情なんて把握しているし、グレモリー先輩の本音を知らない兵藤先輩は騎馬戦に向かっているとのこと。

 そんなわけで、転んで土だらけになった俺たちは姫島先輩の丸洗い魔法で濡れネズミになった結果、服を乾かす間、水気で冷えた身体を温めるために先ほど以上に密着し重ね合わせていた。

 

 何やら思い出深いとも言い難い保健室のベッドの上で、曝け出されたリアスの膣穴を執拗に責める。

 正常位で揺すられる豊満な乳房は、突き上げられるたびに暴れまわる。

 よく見ているとその質量に伴って円を描くように乳首の位置は周回しており、仰向けになっているために自重で拡がるプリンのような形に潰れそうであった柔肉は男子の欲求をもっともっとと駆り立てていた。

 

 

「そらくぅん、わたくしも、もっとほしいですわぁ……」

 

 

 熱に浮かされた声で、姫島先輩もまた一切の衣服を身に纏わずにしな垂れかかる。

 グレモリー先輩よりも大きなその乳房は、垂れそうにも見えているというのに魅力が損なわれることはない。

 男と交わったことでよりその魅力が熟されたというべきか、その魅せ方を己でも知るように、豊満なそれを先端も隠さないようにと片腕で囲むように持ち上げて見せつけていた。

 

 

「んっんっ、朱乃っ、またおおきくっ、なったんじゃないのっ?」

「まあ、そうかしら? ひょっとしたらデキちゃったせいかもしれませんわね?」

「わたしもっ、そうなのっ、かもっ、さいきんぶらがきつくってぇ、あっんっ」

 

 

 嬉しそうな声を上げながら、まるで世間話でもするかのようにその話題を上げるお二方。

 確率的には在り得るのだが、だからといって俺にどうしろと言われない時点でそれをどうにかする権利は俺には無い。

 男女の事情は両方の意見を備えるべきだと思うわけだからね。

 先日もグレイフィアさんに何か言われるかもと向かったのだが、その結果がアレなのはどうしてなのかとしか言いようがない。

 求められたので応えましたが、今更ながら俺が遺す爪痕が結構深い気がするのです。

 

 

「あー、じゃあ止めますか? 安定していない時期にこんな身体を酷使するのは、」

「だめぇっやめないでぇっ! わたしのあかちゃんのおへやにもっともっとおちんぽちょうだぁいっ!」

 

 

 と、身体を離れさせようと捩った瞬間に抱き着いて、腰もまた脚でもって放さないようにと絡み付く。

 エロ漫画みたいな科白を宣うなあ、なんだこの先輩えっろい。

 

 

「ええそうですわ。あと少ししたら、あなたも帰ってしまわれるのでしょう? それまで少しでもいいからあなたの熱を覚えておきたいの。お願い、そらくん」

 

 

 先ほどのように俺を挟み込み、背中に姫島先輩、下にグレモリー先輩と柔らかなサンドイッチに包まれる。

 そのまま背中側では胸で洗うように擦り付け始めるので、姫島先輩のこりこりっとした先端の感触がまたダイレクトに肌を伝う。

 仕事しようよ大和撫子……、あ、してる結果がこれなのか。

 

 

 

  ▽  ▽  ▽

 

 

 

「くそぉ……っ! 赤組に勝てねぇ……っ!」

 

 

 強面スカーフェイスの伊達先生率いる、これまたごつい外見の面子が揃い踏みな赤組だが、その上巨人と見紛うほどの留学生ジャン安藤の強靭さは騎馬戦で最も猛威を振るう。

 あれ一騎で、というかアイツひとりで他の参加者が蹴散らされてるんですけどォ!?

 この競技選択ミスじゃねーのか!? 反則だろアレ!?

 

 

「勝ツ……ッ! コレデ勝ッテ、僕ヲ認メナカッタ春日部センセイニ僕ヲクラスカラ追い出シタコト後悔サセルンダ……ッ!」

 

 

 原動力あの先生かい!

 ほんとろくな事しねぇあのマイペース先生!

 負けてられるか! これで負けたらチーム全員に冬休みの宿題五割り増し、全校舎内のワックス掛け、地元ボランティアへの強制参加などなどの【いばらのムチ】が待っているんだからな!

 優勝賞品の体育祭の跡片付け免除と冬休みの宿題三割減と比べてほんと割に合わないけど、あの教頭なら言ったことは何を以てしても確実に実行する……ッ!

 こ、此処は神器を使ってでも勝つべき場面だ!

 

 

「松田! 元浜! 逃げても追いつかれて蹴散らされる! 正面から行くぞ! 全力で押し出せェッ!!」

「正気かイッセー!? 怪我じゃスマネェぞ!?」

「行ける! 俺を信じろォ!」

 

 

 何の因果か俺たち三人が土台になり、正面の俺が後ろふたりの親友へと檄を飛ばす。

 上に乗っている奴はクラスでも小柄な男子でとりあえずモブ、これが美少女ならやる気も起きるのに、戦場の雰囲気に呑まれ今では怯えているばかりで俺たちへの指示も飛ばせない。

 しかしそれらが功を奏し、タダの神輿であるコイツならいくらでも無茶できるってなものよ……!

 

 

「いや、此処は無茶でも行くべきだ。そしてもし怪我をしても、保健室のロスヴァイセちゃんに優しく看護してもらえるのなら惜しくはない……!」

「っ! なるほどそういうことか! 冴えてるなイッセー!」

 

 

 そういう事じゃないんだけど!?

 あーでもそれもいいかもなぁ、あのグレイフィアさんみたいな銀髪爆乳とかに近づけるのならやる気だって漲ってくるぜ……!

 こっそりと顕現させた赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)でカウントスタートし、突撃する。

 俺たちの戦いは、これからだー……ッ!

 

 

 

  ▽  ▽  ▽

 

 

 

『――あら、イッセー? 騎馬戦は終わったの? え? ええ、ごめんなさいね、私たち見れなかったの。丁度立て込んでて』

 

 

 激闘を終えて、未だ姿が見当たらない部長に電話してみたところ難なく繋がった。

 マジか、俺の活躍見られなかったのか……。

 まさかの勝利を手にしたために、保健室へ向かうことは許可されなかった。

 先生方のロスヴァイセちゃんへのガードが固すぎる。というか、俺たちの評価が悪すぎる気がするんですけどまだ改善されませんかね?

 

 

「立て込んでたって、けっこう時間経ってますよ? ていうか、朱乃さんも其処に居ます? 後ろの方でエロい声聴こえるんすけど……」

『ああ、聴こえちゃってる? ちょっとマッサージをしてもらってるの。ほら、さっきも転んでたの見てたでしょ? 次の競技には間に合わせるから大丈夫よ』

 

 

 そういう問題とは違うと思いますが……。

 電話の後ろの方からは『あっ』『んぅっ』『いやぁん』と朱乃さんのエロい声が鮮明に聴こえてくる。

 やべぇ、変な妄想が先走って俺の体操服がテントをおっ建てちまうぜ。

 ま、まあ部長がいっしょに居てそんなに平然としていられるわけはないし、それも杞憂だろうけどな。

 

 

「え、えーっと、お昼とかどうします? 良ければ一緒に、」

「イッセー! ロスヴァイセちゃんがチアリーダーやるってよ!」

「マジか!?」

 

 

 応援合戦に教師陣も加わっての急きょ参加か!? ……教頭ならやるな! やるなぁあのドS様!

 

 

『それじゃあまたねイッセー、お昼は好きな人と楽しみなさい?』

「って、あ! 部長っ? もしもし? もしもーし!?」

 

 

 くっ、断られた……。

 つーか、このままだと俺、結局いつもの男子三人での食事になるんですけど……。

 花が無い。むさいなぁ……。

 

 この間の冥界への襲撃も良いとこ見せられなかったし、気が付いたら大体のことに決着がついていて禍の団(カオス・ブリゲード)の脅威が去った、と言われても実感がわかない。

 こういうのって、少年漫画ならもっと俺みたいな特殊な運命に呑み込まれた奴が主役張れるんじゃねーの? そんで解決するのも主人公が、みたいなさ。

 悪魔に転生して、何か人生が上手く転がっていくみたいな錯覚してたけど、やっぱり現実は甘くないってことなのかなぁ……。

 まあ、童貞は卒業できたし、それだけは上手くいってるんだろうけど。

 

 とりあえず、チアリーダーの応援合戦にはうちの教会トリオだけじゃなく、隣のクラスの杵月・黒木・佐貫さん、強面クラスの紅一点・赤名さんなどと麗し処がわんさか出る。

 それだけじゃなく、上級生からは当然部長と朱乃さんが、下級生からは小猫ちゃんにレイヴェルまで出るらしい。

 小猫ちゃんのちっぱいは相変わらずだけど、今朝ちらりと見つけた体操着姿のレイヴェルは少し見ない間におっぱいが成長していて、それとも着やせするタイプだったのだろうか、丸く形が見て取れるほどに体操着を押し上げていた。

 脅威(胸囲)の成長が著しい1年生女子の中でも、結構な上位に食い込んでいると見たね!

 そんな美少女たちがチアを務める体育祭なんてそこらでも中々ないだろうからな! たっぷりと目の保養に勤しませてもらおうかなー!

 まったく、駒王学園は最高だぜ!

 

 

 

  ▽  ▽  ▽

 

 

 

「ん、ちゅっ、ぁっ、んむぅっ……」

 

 

 暗い室内にぴちゃぴちゃと、獣が水を啜るような、男女がお互いの口元を舐り合う音が響く。

 音の主は良く知る少女で、抱き上げられた彼女は金糸のような髪を撫でつける少年に応えるように、尻を突き出す姿勢で跨って自らの欲望を満たしていた。

 そんな男女の生々しい情事を、少々離れた場所で組み伏せられた少年は、絶望に苛まれた貌で見上げていた。

 

 

「やめろぉ……! やめてくれよアーシアぁ……! なんで、なんでそんなことをしてるんだよぉ……!」

 

 

 半日前までは意気揚々としていた高校生・兵藤一誠、原作主人公のイッセーそのひとである。

 

 体育祭も終了し、結果発表となったのが一時間前。

 赤・青・黄組の点数は同数で、白黒つけるための沙汰を下す羽目となったのは審判の代表としてなのか沼井校長。

 危機を察知した校長は地震の前触れを捉える鼠のように逃亡を果たし、見つけたチームが優勝と宣言した教頭先生の下知によって捜索は県外にまで及ぶ羽目となった。

 

 そんな学校が実質空となった最中、イッセーはアーシアに呼び出されてひとり体育倉庫へ。

 現在は色々と感情的に不安定な間柄となっているとはいえ、同居している美少女に人気の無い場所へと呼び出されるという状況から鑑みても、年頃の男子として性欲(リビドー)が先走り意気揚々としていたイッセーを待っていたのは、入った途端に何者かに押さえつけられての拘束。

 数時間前まで目の保養にしていたチアリーダーの恰好をしたままの美少女は、高揚としていた少年がいつか妄想した男女の情事を、よりにもよって自分とではなく別の男と行為に及ぶことを見せつけていた。

 

 

「んぷぁ、ごめんなさいイッセーさん。イッセーさんには、この街に来た時とか、私が堕天使に命を奪われたときとかに助けてもらいましたし、本当に感謝しているんです。それは、返しようもない恩ですから、イッセーさんは私にとって、とても掛け替えのないひとなんです」

「あ、アーシア……! じゃあ、すぐに離れて、」

「――でも、私やっぱりそらくんのことが好きなんです」

 

 

 花が綻ぶような、しかし熱に浮かされた淫靡な貌で、アーシアは振り返ることなく烏丸イソラを正面に捉えたまま言葉にする。

 告白したアーシアのその手は烏丸の股間に添えられていて、何よりもそれを欲しているのだ、ということをイッセーへと伝える。

 男女のことなども知らないと思っていた、穢れを知らないと錯覚していた彼女の行為に、イッセーは思わず抵抗しようとする力が抜けそうになることを自覚する。

 それくらい目を見開いて、愕然とした貌を晒していた。

 

 力は抜けても疑問は消えない。

 気力の無い声は張り上げられることもなく、イッセーは己の心の内を吐き出し始める。

 

 

「お、おれのうちへきたときに、おれのことを好きになってくれたんだ、って思ってたのに……」

「間違ってはいませんね。でも、イッセーさんはリアス部長の方が好きでしょう?」

 

 

 身勝手だと自分でも分かる物言いが出たが、それを凌駕する言い分で切り返される。

 それは比べられることではない。

 しかし、それはイッセーがそもそも多くの女性へと目を向けてしまう浮気性な雄の(サガ)を明け透けに晒しているための言動の結果であり、さらには悪魔という種族が『そういうモノ』を造ることを良しと増長させる因果からの帰結である。

 元が聖職者であるアーシアにとって男女はひとつい(1対)であって然るべきモノなので、イッセーの言動はやはり目に余っていたのだろうが。

 今となってはそれも過ぎ去った話なので、アーシアがイッセーへと靡かない理由にはならないが。

 それでも自らが好意を示していなかったという証明になっていることを突きつけられて、イッセーはなおさらに言葉を失った。

 

 喪失した語彙の果てで、尚も絞り出されるのは本音しかない。

 短いスカートを後ろ手に弄られ下着をずらされている姿を正面に据えて、目を逸らせずに少年は言葉を探す。

 

 

「あ、アーシアのことだって好きだ、なのに、なんで、こんな、」

「だって、そらくんは気持ち良くシテくれますから」

 

 

 撫で付けていた白魚のような指の隙間から、いきり立つ逸物が顔を覗かせる。

 烏丸の自身は、明らかにイッセーのモノよりも御立派であった。

 

 それを、アーシアは自らの秘所へと宛がう。

 その姿を改めて目の当たりにして、イッセーから失われていた気力は瞬間的に沸騰した。

 

 

「っ、や、やめっ――」

 

「っぁ、はぁっん……っ!」

 

 

 制止を促す少年の声にも躊躇せず、腰を落としたアーシアの肉壺が粘つく音を上げて男性自身を呑みこんで逝く姿を眼前に晒される。

 嬉しそうな嬌声を上げた少女は彼にとって見たことも無い姿で、本当に同じ人物なのかと疑いを抱いていた。

 いや、それは頭の片隅で浮かぶ小さな可能性の話であって、それすらも目前の光景が否定を囁く。

 

 

「お、お前が、お前がアーシアを変えたんだろぉ! 催眠術か何かを使って、そんな風にしたんだ! そうでなけりゃ、アーシアがそんなことをするはずがないんだぁ!」

 

 

 だからこそ猶更認めたくないイッセーは、慣れたように身体を重ねて獣が舐るような口づけで奉仕するアーシアではなく、それを甘んじて受けている烏丸へと矛先を変えるのであった。

 

 

 

  ▽  ▽  ▽

 

 

 

 催眠術ねぇ、……使えたらもっと楽に色々出来たんだろうけどなぁ。

 

 こんな状況になってしまっているが、あくまでも主導は俺ではなくアーシアだ。

 姫島先輩が先ほど言ったように、俺がそろそろ帰るのでその前に兵藤先輩にきっちりと釘を刺しておきたかったらしい。

 なお帰らないという選択肢はない。

 正直帰りたくない理由もあったりするが、帰りたい理由もまたあるのでやらなくちゃダメだ。

 『向こう』と時系列が同じらしいからね、せっかく進学したのに半年サボって留年、とか目も当てられないし。

 気分は夏休みの宿題が最終日に残っていたことを発見した小学生。

 やりたくないけど、やらなくちゃ始まらないよね、という話だ。

 後は、こっちのサブカルやっぱり薄いし。

 濃厚な本家へ早いとこ舞い戻りたい。ぶっちゃけカラオケ行きたい。

 

 それにしても、実際別箇にお相手がいるはずの先輩の寝取られ感がスゴイなぁ。

 この人にはアキラに対して色目使われたことで少々苛立ちも覚えちゃいるが、別にそこまで気に掛けるつもりもなかったのだけど。

 何度も言うようだけど、結局のところ俺は近いうちに元の世界へ帰る身だし、実際に迷惑被ったアキラが報復はきっちりと果たしたのだから俺が口出しするのも何か女々しいと思っていたし。

 しかし結果的に報復したみたいな、ざまぁ感がわずかに燻るのは、やっぱり申し訳なさよりも思う処が少しはある所為なのかもしれないが。

 というか、このひとはこのひとできちんとお相手がいるのに、なんで其処までしてアーシアを自分に向けさせたいのかね。

 アレか、ハーレムが夢だとかいう話の所為か?

 

 

「イッセー君、あんまり騒がないでくれるかな。烏丸くんだって、キミに悪いことをしようっていうわけでもないんだし」

 

 

 と、其処でようやく兵藤先輩を拘束していた木場先輩が口を開いた。

 どういう体勢(スタイル)で固定しているのかは把握できんが、ふたりの現状は兵藤先輩を床へ押し留めるように這い蹲らせての背中からの密着だ。

 男にやられたら正直後ろの穴を懸念するような真似なのだが、そうではないことを俺は知っており、背に伝わる感触で兵藤先輩も気づいた様子である。

 

 

「っ祐斗!? おま、いや、この感触は……、っ!? なんで女のままなんだ!?」

 

 

 木場先輩は現在男装しているが、その中身は女性のまま。

 TSした際に何故か伸びた髪はばっさりと切り、胸は『さらし』で抑えつけたのだとか。

 体操着が男子用のままだが、むしろ普段から男である木場先輩がブルマを用意できていたらファンが発狂するわ。

 男装美少女としてこの先やっていくのかしら。

 

 

「ちょっと身体が元に戻れない事情を抱えちゃってね。でもこの先女として生きてゆく覚悟はできているから大丈夫だよ」

「なんだそれ……、っていうか、なんでお前が俺を止めるんだよっ! むしろ止めるのは烏丸だろっ! アーシアがあんなことになってるのにっ!」

「アーシアちゃんは嫌がっていないけど?」

 

 

 くだんの彼女は初めの意向は何処へやら、俺の正面に跨って、チア服を捲ってはだけさせた胸元をノーブラで揺らしながら抱き着き腰を上下させている。

 其処には獣みたいな情欲しか伺えず、己の胎を穿る快感に酔い痴れながら発情した雌犬の如くぺろぺろと、俺の唇へと舐めるようなキスを繰り返す。

 もう兵藤先輩のことなんて微塵も気に掛けてないのは丸わかりであった。

 

 

「そ、そんなことはないっ! あいつだ! 烏丸が催眠術か何かでアーシアを唆したんだっ! そうでなけりゃ、アーシアみたいな子があんな、あんなことするはずがないんだぁっ!」

 

 

 目の前でやってるのに、同じようなことを繰り返して必死で認めようとしないご様子。

 うーむ、女性だって『そういうこと』を欲するくらいの性欲が備わっているのだから、俺としては意外でも何でもないのだけど。

 そういえばアーシアって元々修道女だったらしいし、その辺のイメージが先輩の中には抜け切れていないのかねぇ。

 

 そんな感じでまぐわいつつ、兵藤先輩の言い分にどう説得したモノかなと他人ごとみたいに思考を馳せていたところ、木場先輩がため息をひとつ。

 

 

「アーシアちゃんは、烏丸くんと会ったときからずっとあんな感じだよ。気づいていなかったのはイッセー君だけさ」

 

「………………は、はぁ……?」

 

 

 兵藤先輩にはきっちりと爆弾発言に聴こえただろう。

 俺がオカ研に顔出しをしたのは半年くらい前だから、その間ずっと己に隠れて付き合っていたことになるのだから。

 まあ、別に先輩に許可を求める配慮(つもり)なんて無いから、このひとが口出ししても言い掛かりにしかならないのだけども。

 

 

「それをキミにもわかる形で教えたい、って言いだしたのは他でもないアーシアちゃんだよ。こうしてぐうの音も出せない証拠を見せてもらったのだから、いい加減アーシアちゃんのことは諦めようよ」

 

「な、に言って、ゆうとは、俺のこと、応援する、って……」

 

「うん、前はそう言ってたけどさ、そうも言ってられないことになっちゃったからね。お互いが納得できる形にしようってことだよ」

 

 

 返事が遅れて、思考も恐らくは覚束ないのであろう。

 そんな先輩に、優しく諭すように、しかし非常な現実を突きつける木場先輩。

 なにを、と彼女の言いたいことがわからずに尚も問い詰める先輩に、木場先輩はうっすらと微笑を向けた。

 

 

「僕ね、赤ちゃん出来ちゃったみたい」

 

 

 ひゅ、と組み伏せられた先輩が息を呑むさまが、こっちにも伝わった。

 

 まーねぇ、俺も先輩に勧められたから堪能させてもらったのだけど、それを勧められるってことは先輩が『その前に』お手付きをしていた、ということにもなるわけだし。

 出来たのがどちらの子かは知らないが、出来ちゃったのだから【番い】を確保したいと欲するのは正しい理由だろう。

 その勧めた事実を、先輩が覚えているかどうかはさておいて。

 

 

「安心して、これからもイッセー君の相手は務められるし、キミの性欲を満たす為にいくらでもしてほしいことをしてあげる。その代わり、他の女の子に手を出すのは認めないけどね」

 

 

 やったね先輩、美少女の嫁さんが出来たよ!

 しかもどんなことでも聞いてくれるっていうなら、旦那冥利に尽きるってものだね!

 ようこそ墓場(こちら)へ。

 

 

「話は終わったか? では、そろそろ私も混ざっていいかな」

「アーシアばっかりずるいわよ、私たちだって出番がほしいのにっ」

「いい機会ですから、変態先輩にも女子の良さは胸ばかりではないことも知っておいてもらいましょうか。無論見学だけですが」

「お姉さま、羞恥心というものを何処へ……?」

 

「は、は? っはぁぁぁ!?」

 

 

 と、先輩が驚くのも無理はないかと。

 ぞろぞろと何処からか出てきたのは、チア服を着こなして健康的な色気を振りまくゼノヴィア・イリナ・塔城・レイヴェルの美少女4人。

 何処かメタいことを口にするイリナや堂々と上を脱ぎ去って巨乳をはずませるコスチュームプレイはそうじゃねえよと言いたくなるゼノヴィアはさておき、見られて燃えるような変態欲求を言葉の端からちらつかせる塔城へお姉さま呼びをするレイヴェルは久しぶりに顔を見たと思ったら何故かこの状況に乗り気である。

 そこそこ無理に食っちゃった身だから嫌われていると思っていたのだが、そういうわけでもなさそうだ。

 やっぱり女子って結構図太いよね。

 

 

「そ、それは俺のハーレムだぞぉ!? お前が、やっぱりお前が全部悪いんだろぉおおお!?」

 

 

 驚く先輩へと配慮も見せず、俺という標的へと群がり始める美少女たち。

 その光景に、萎えかけた気力を振り絞ったのか、今一度声を張る兵藤先輩。

 そんな彼に、ちょっと言いたいことはひとつだけである。

 

 

「先輩、女の子はモノじゃねぇっすよ」

 

「――っふ、ふざっけんなぁぁぁああああああああ!!?」

 

 

 うん、説得力はないっすね。

 ごめんねー。

 

 




なんか超長くなった
次回、明日投稿
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