「『麻帆良学園から来ました烏丸イソラです!』『仲良くしてね!』」 作:おーり
63話だよお待たせー
「――……断る」
「ほぅ?」
イッセーはそう間も置かずに、リゼヴィムの要求を断った。
異世界へ進出しようという彼の企みはともかく、イッセーに何をさせたいのかも詳しく説明する暇もなくの拒絶だ。
烏丸に対して色々と鬱憤が積もっているだろうに、その辺りの自尊心を擽るような勧誘を敢行したにも拘らず、だ。
交渉としては決裂もいいところなのだが、しかしリゼヴィムは拒絶されたことに、思わず面白そうに眉目を歪めていた。
「何故か聞いてもいいか? 悪魔くんは、烏丸イソラを許せないと思ってたんだがなぁ」
そういった返答にいきり立つのは、精々が現悪魔社会で『立場』を笠に着ている貴族程度のモノだ。
悪魔としての実力として重視される、年月を重ねて貯め込まれる魔力総量を喪失し、手引きの組織戦力をほとんど使い捨てられ人員不足としか言いようのない少数人員を引き連れる羽目となったリゼヴィムには、『子供の不理解』程度で癇癪を返すほどの『余裕』はない。
自分の要求が通って当然、と思考が凝り固まっている貴族のようには狎れやしない、と内心皮肉たっぷりに彼は尋ね返していた。
その内実は無意識の領分。
領分の幾つかには、また別種の愉しみを味わおうとする少年心があることを、リゼヴィムは自覚していない。
正直現状から何からで苦汁を舐めつつあるリゼヴィムなのだが、引き籠っていた時代と比較するとずっと充実したハードル挑戦の連続で、困難な立場を味わうほどに愉悦が零れるような、軽い被虐症状が誘発されているようになっていた。
が、改めて言うがそこに自覚症状は無い。
それもこれも烏丸ってやつの所為なんだ!
「いや、正直異世界とか行きたくはないんだけど? 確かに烏丸の奴は許せないけど、異世界に喧嘩を売るって要するに戦争するってことじゃねーか。戦争するとエッチなことが出来ねぇ! だから断らせてもらうぜ!」
と、リゼヴィムの微進化はさておいて、イッセーはきっぱりと誘惑を跳ね除ける。
その辺の事情を把握できているのは、以前の駒王会談でアザゼルの例え話が耳に残っていたためと思われる。
理由としては実に情けないが、それでも正解を引き当てるあたりは主人公と呼んで然るべきかもしれない。
よっ、寝取られ主人公っ!
「アーシアちゃんを連れていかれたのにかにゃ?」
「なんだかんだ言ってもアーシアは悪魔だろ。ずっと人間である烏丸と一緒に生きていられるわけはない。帰ってきたときに迎え入れてやれば、すぐにバカなことをしていたって気付いてくれるさ」
事情の摺り合わせに伴って、イッセーはアーシアが人間に戻ったことを把握していない。
イッセーには伏せられている情報がどの程度までなのかをリゼヴィムも知らなかったから教えていなかったが、自らが優良種族へ
改めて、交渉は失敗した。
「そーかい、そりゃあしかたねーなぁ」
が、リゼヴィムは大して残念にも思わずに言葉を返す。
交渉は失敗したが、そこに彼は重要性を備えてはいなかった。
「悪ぃな、烏丸征伐は見逃せねぇが、手を貸すだけの義理もない。ていうか、そんなことに時間割いてたら俺が出世できねぇし」
「いやいや、こちらこそ悪かったなぁ。考えてみりゃあ悪魔くんの上司に断り入れずに勧誘するのもヒデェ話さ。聞かなかったことにしといてくれ」
「おう。上手くいくことを祈ってるぜ!」
もう一度言うが、情報を正しく与えられず、何より覚悟もない子供を、これ以上勧誘する余裕はリゼヴィムにはない。
失敗しても胎も痛まない交渉なのだから、流れたとしても不備とは思っていなかった。
朗らかに談笑する少年たち。
しかしその隙間を、蛇のように悪意が潜んでいるとはイッセーのほうは思いも依らない。
ひとしきり笑い合った後、その悪意は滑るように彼へと押し出された。
「――さておき、今回の報酬だ。ぜひ受け取ってくれ」
「ハァイ、イッセーくん♪」
何処か厳かに、リゼヴィムの声がそう聴こえたイッセーは、彼の背後にするりと現れた少女に目を見開いた。
「っれ、レイナーレッ!?」
ある種トラウマに似た思い出を抱いている少女、ご丁寧に駒王学園の制服に身を包んだ人間としての名を天野夕麻といった黒髪の少女が、朗らかに手を振っていた。
「お、お前っ、なんでっ!?」
「落ち着けよ悪魔くん。報酬だって言ったろ?」
その突然すぎる再会に、思わずソファから立ち上がってしまうイッセー。
落ち着いている目の前の少年に諭されるように呼びかけられても、その動揺は抑えられそうにもない。
「報酬って何のことだよ!? ていうか、レイナーレは死んだはず……!」
「アレェ? 先日に挨拶に行かなかったか?」
「ぇ、あ……!」
と、そこで思い出す。
一週間前に、自身がこの世界のことを思い出す切っ掛けとなった出来事を。
そして彼女の生死に関していても抜けていたのだと、状況が錯綜に陥っていると解かりつつも、自分の言動の間抜けっぷりに赤面してしまう。
それをからからと笑い飛ばすリゼヴィム。
まるで朗らかな家族の団欒のような穏やかな光景が、そこにはあった。
「お間抜けだなぁ、悪魔くんは」
「うっ、うるせぇっ! いきなり目の前に現れたら誰だって驚くだろうっ!?」
「あらら、驚かせちゃったみたいねぇ」
改めて、生前のレイナーレには感じられなかった何処か高慢な態度を伺えず、妙にほんわかとした雰囲気を感じ取ったイッセーは、まじまじとレイナーレの姿をした彼女を見る。
「えーと、確か中身が違うんだったよな。何て呼べばいいんだ?」
「どうとでもいいさ。なんなら、天野なんとかって呼んでやればいい」
ならば夕麻と呼ぼう、と心に決めるイッセー。
トラウマ混じりとはいえ初デートを楽しんだ女子だ、危険度が感じられず、さらに何処か好感触のようなモノを匂わせて来れば、そこまで警戒することもないだろう。
「……で、報酬ってどういうことだ?」
「簡単な話だ。此処まで来てくれた悪魔くんに、こいつを一晩貸し与えてあげよう、ってだけのな」
「……なん、だと……!?」
別の意味で警戒が先走る。
同時にバッと勢いよく顔を上げ、その視線は夕麻の身体へと釘付けとなった。
今度は別の意味で彼女の身体を視姦する。
イッセーのイッセー自身の方も先走っていた。
「勧誘は断られたが、召喚されることそのものは悪魔くんのお仕事だからな。今夜時間を取らせちまったそれ相応の対価を貰えないんじゃ、キミだって納得いかないだろ? かといって、こちらの要求を満たしてくれたわけじゃないんだから、宝石とかをポンと出せるような吊り合いは取れてない。だから、――こうして形が残らないで、キミに満足してもらえるような『お土産』を送りたいんだよ、悪魔くん」
どちらが悪魔かわかったものではない言い分であるが、それに気づくイッセーではない。
彼は今、夕麻の身体を品定めするのに夢中である。
リゼヴィムの言葉にうわの空で、イッセーはどうにかして返事をしようとする。
即座に状況に甘んじようとしないのは、リアスや木場に少しばかり後ろめたいためでもあったが。
「い、いやぁ、でも、そんな、悪いってぇ」
「いやいや、こっちもさっきは無茶なことを要求しちゃったからそのお詫びも込めてな? ああ、心配しなくても病気とかもない
「す、好きなように……!」
リアスや朱乃ほどのボリュームはないが、例えるならばゼノヴィアくらいにメリハリの利いた魅力的なバスト。
堕天使の姿になったときには思わず目を引かれた、露出された肌にはシミひとつなく、肉付きの良い太ももや臀部などは実に抱き心地が良さそうだと連想される。
ごくり、と生唾を飲み込む。
後ろめたさは一瞬にして灰燼と化した。
そういえば、最期にシタのはいつのことだったか。
夏休み中に木場を相手に初モノを体験してからは、リアスと一度だけ、そして顔も覚えていないが誰か良い身体の女子を抓んだような記憶がある。
実感だけが残っていて誰なのかが思い出せないので、ひょっとしたらグラビアアイドルか何かと明晰夢ででも味わったのかもしれないがそれはさておき。
考えてみれば木場とすらも、今では性欲を擽られるように掻き立てられるだけで、性行為がそれ以降に成立した記憶がない。
そこまで思考が循環した頃には、長いことお預けを食らっている猛獣の如く、イッセーは目の前のごちそうに今にも齧り付かんばかりの鼻息で目を見開いていた。
「というか、ぜひ召し上がってくれると助かるんだけどなー。こっちはちょいとばかり表沙汰に出来ない計画の一端を語っちまったし、口止め料ってことで貰ってくれると安心できるんだけどなぁー」
「し、仕方ねーなぁー! 悪魔だし、対価を貰うのは悪いことじゃないもんなぁー!」
「そうそう、悪魔くんもわかってるじゃないか」
あ、覗く趣味はないから俺は退散させてもらうけれどな? と言い残し、リゼヴィムが部屋から立ち去ったその瞬間。
イッセーはル●ンダイブで夕麻へと躍りかかる。
早脱ぎコンマ1.5秒。
世界新であった。
▽ ▽ ▽
やる気になったイッセーが躍りかかるその前に、夕麻は自然とソファの上へと陣取るように移動していた。
飛びかかってきたイッセーに、押し倒されるがままに抱き着かれる少女の中身は邪竜であるのだが、行為自体に異存はないらしく本当にされるがままである。
胸を強調するまともな教育機関としてはあり得無さ過ぎる制服に手を伸ばされて、抱き留められた少年は夕麻の心情など気にも留めずに豊満な乳房を貪った。
衣服の上から皺になるのも構わず指先は這い回り、乳の谷間に
押し広げられるように開いたシャツの隙間から覗く肌とフリルのついた下着を見つけると、シャツの上からもふくよかさを捉えられた双丘を鷲掴み、より乱暴に顔面を
そんなイッセーにしかし、嫌厭しても可笑しくないはずの少女は笑いかけ、その頭を優しく撫でつける。
「こぉら、慌てないの。そんなにがっつかなくたって、私は逃げないわよ?」
慈母のような微笑みは、少年がこの数年味わったことのないものであった。
実はリアスとか朱乃とか祐斗とか、初期から数えてもイッセーにそこまでの優しさをはっきりと示したことはない。
祐斗は女性として未成熟過ぎるために、その感情を愛と呼ぶには独り善がりが果てしなく、リアスや朱乃の場合は最初の頃は、下級生相手というよりはペットを相手にするような感情しか抱いたことはない。
もう少し良い形で関係が発展していたのならば、女子高生としての精神性に伴ってそれなりの立場と愛情を得られていたのかもしれないが、今の彼女たちは先走った身体の関係で爛れた性欲に
「……っ、ぅ、ぅおおおおっ、夕麻ちゃぁぁぁん……!」
「んっ、ぁあんっ」
そして、味わったことのない感情を向けられたその衝撃は稲妻のようにイッセーの脳裏を掠め走り、イッセーもまた女子を慈しむという感情を思い出させてくれた夕麻に縋りつくように泣きついた。
そしてそのまま手付きは変わらずに乳房を揉みしだく。
泣きついても行為に変動はなかった。
「……ねぇ? おっぱいが好きなのはわかったけれど、どうせなら直接触ったらどうかしら? 制服や下着越しなんかより、ずっとそっちの方が気持ちいいわよ?」
夕麻の言葉に一端のクールタイムを設けられ、彼女が制服を脱ぐことをそわそわしつつも座して待つイッセー。
夏服なのでケープはないが、腰回りを覆う謎の装飾を除けば、駒王の制服は身体の線を視覚効果で細く見せる縦縞柄のシャツに、膝上15センチはあろうかという下着をギリギリの領域で隠す裾の短いスカートのみ。
女子だけ無駄にハイクオリティな駒王学園制服を脱ぎ捨てて、夕麻は薄い桃色の下着と紺の靴下しか身に着けていない。
衣服で隠れていた腰から太腿にかけての下半身は女性らしいふくよかさを見せながらも、陰部を隠す薄布の上には無駄な肉がほとんど付いていない、よく引き締まった腹を外気へと晒した。
その状態で後ろ手にホックを外そうとしたが途中で止めて、凝視するイッセーへと声をかけた。
「全部脱いじゃっていいの? イッセーくんの好きなところで止められるのだけど」
「っ! じゃ、じゃあっ、ソックスだけ残して、パンツから下ろす形でっ!」
「ふふ、ほんとおっぱいが好きなのねぇ」
止めていた手をショーツへと回し、程よい肉付きの太ももに擦るように指先を滑らせる。
引き締まった腹とは裏腹に柔くふっくらとした下腹部と薄布越しにも透けていた薄く生え揃った陰毛が覗き見せるが、イッセーからすればメインディッシュはその次だ。
再び後ろ手にホックを外した夕麻のもったいぶった仕草に、猛牛のような鼻息で前のめりになるイッセー。
目を限界まで見開き、カップからプルンとこぼれるふくらみを、桃色の先端まで余すところなく視界へ納めていた。
「はい、どうぞ♪」
「い、いっただっきまぁぁぁっす!!!」
とうとう露わになった双丘へ、再度飛びかかって行くイッセー。
掴みかかり、むしゃぶりつき、張りのある柔肌と豊満な乳房の感触を、リアスにしたように味わい尽くす。
イッセー少年の乱暴な手つきは、夕麻の時折挙げる歓声に駆り立てられながらも、豊潤な果実を蹂躙するように夢中に貪っていった。
そうして10分ほど堪能したころ、未だ顔を埋め続けるイッセーへ、甘い嬌声を上げ続けていた夕麻は尚も優しく声をかけていた。
「イッセーくぅん……、そっちのほうも、もう我慢が利かないんじゃなぁい?」
夕麻の指先が、イッセーの股間に触れるか触れないかの距離で指し示す。
全裸であったイッセーは改めて、己のガチガチに反り勃ったイチモツを認識する。
「好きにしていいんだからねぇ……?」
夕麻の指先はイッセーの股間から、自分の股間へと滑っていた。
薄い陰毛に隠れていた、柔く滑らかな膣口の割れ目を広げる仕草が目に映る。
甘い声音に誘惑されたイッセーであったが、しかし、と逡巡した。
「な、なぁ、それじゃあ夕麻ちゃんが
掴んだままの乳房から手を放したくなかったイッセーは、そんな提案をしていた。
リアスも祐斗も、腰を落としたのは自分の行動で、処女であった2人を自分がリードする形で初体験を済ませた。
そう自負しているイッセーであったが、一番好きなのはおっぱいだ、本音を漏らすなら男女の決着をつけるその瞬間までもずっと放したくない。
そんな独り善がりから漏れ出た提案であったが、それすらも夕麻は微笑んで受け入れていた。
「ぁぁあんっ、はいったぁぁ……っ!」
細い指に握られた瞬間に爆発しそうであったが、それを乗り越えたイッセーをぎゅうぎゅうに包み込んだのは夕麻の肉穴であった。
思いの外狭く、膣壁で感じる襞のざらざらとした感触が、今にもイッセーの息子を暴発させそうになる。
気持ちいいのに苦しい、相反する感触に身動きが取れなくなるイッセーへ、夕麻は抱き着くように腕を彼の背へと回して囁いた。
「ねぇ、いいこと教えてあげる。この身体、再生してから『こういうこと』をしたのは、あなたが初めてなの……♪」
「っっっ! ゆっ、夕麻ちゃぁぁぁぁんっっっ!!!」
その囁きでイッセーの箍は完全に外れた。
堕天使であった夕麻はイッセーの知らない男に身体を預けたかもしれない過去がある、とイッセーの中では
だが精神面はさておき、現状の夕麻は間違いようがない初物で、自分がその最初として好きにできるのだ。
中身がどれほど
そう認識したイッセーは、自分の腰へと脚を絡めてくる夕麻へ向かって、激しく前後へと運動を始めていた。
「あっ、ああんっ、はげしいっ、いいわよぉイッセーくぅんっ、もっともっとしてぇっ」
ガッツンガッツンとソファが壊れるくらいに腰を押し付けて、夕麻の股間から滲んだ血液が水鉄砲みたいに押し出される。
しかし夕麻は痛みなどを返さず、嬌声と愉悦の悲鳴でイッセーを急き立てる。
なおも掴まれたままの乳房は握り締められるように形を変えて、股間をぶつけることで口元も噛みしめたイッセーの歯形が乳首を傷つける。
夢中で夕麻を貪るイッセーは、その傷跡に一切気が付かず、彼女の身体を見る見るうちに傷だらけにしていった。
「あっあっ、おっおっ、ゆっ、夕麻ちゃぁんっ、おれっ、もうでるぅっ!」
「いいわよぉっ、すきにしてぇっ、たぁくさんっ、私の中に出してぇっ!」
そんな無茶な交尾は当然長くは続かず、早くも限界を迎えたイッセーは、自身の叫びとともに精液を絞り出すように吐き出した。
「~~~ぉっ、ぉ、ぉぉお~~っっ……!」
背を仰け反らせたイッセーは、声にならない海驢みたいな鳴き声を上げながら、股間同士を張り付けることに無上の悦びを感じていた。
夕麻の膣穴に、白く濁った粘液がマグマみたいに流れ落ちる。
その熱を子宮で受け止めながら、ぷつりと意識が落ちたイッセーを、夕麻は抱き留めて微笑んだ。
その顔は、――何処かの新世界の神のように酷く歪んでいた。
▽ ▽ ▽
その後、数十分後に目を覚ましたイッセーが夕麻の乳の柔らかさから離れられなくなりしばらく重なり合っていたところを、夕麻自身の謎魔法で次弾装填(意味深)させられるイッセー。
そんな遣り取りを数セット繰り返したところで、ようやく賢者モードに移行することが出来たイッセーが帰宅する頃には、長い夜は明けようとしていた。
身支度を整えて満足して帰ってゆくイッセーを笑顔で見送り、夕麻はホテルの部屋に備え付けてあるバスローブを羽織って身体を休める。
肉体は脆弱な女性であるが、その中身は封印を解かれた邪竜だ。
イッセーが自覚しないままに痣と歯形だらけになった身体は、竜の備え付けている回復力の働きによって自然と治っていった。
「首尾はどうよ?」
「上々、ってところかしら」
ジュクジュクと傷口が塞がり、元の白い肌に戻ってゆく様を眺めていたところへ、退室していたリゼヴィムが意味深な言葉とともに帰ってきた。
脇にはクレオがついている。
夕麻の、バスローブを羽織った『だけ』の前を一切隠そうとしていない姿に赤面し、思わず目を逸らす思春期の眼鏡少年が其処にいた。
「途中ばれないように竜と混ぜる術式を加えたから、遺伝子にはキッチリと補填されてるはずよぉ? クレオきゅん、恥ずかしがってないでしっかり働きましょうねぇ?」
「わ、わかってるよ。エレクトラを助けるためにも、やるべきことはきちんとやるさ」
以前にも語ったが、彼がエレクトラと呼ぶ銀髪の少女はグレイフィアの劣化遺伝子とユーグリットの遺伝子とを混ぜ合わせて製造された
今はもう亡きユーグリットの生命倫理を冒涜する独善に基づいて製造された数多く
それはユークリッドの備えていた思惑、というよりも、元より【聖杯】を使用する際に参考にされた人の世のクローニング技術の限界のようなものだ。
これもまた以前に語ったが、元々使用された素材が摩耗し切ったモノであり、それを培養しても細胞分裂数が早期より上限を振り切っていた。
【聖杯】はあくまで生命の改竄や改造に対しての性質を発揮する神器であるので、生命を一から創ることには性能を割り振られてはいない。
其処まで出来たら『聖書の神』のような【原初神格】相当に値するし、例えそれの息吹が誂えられた道具であろうと、いや、道具であるからこそ『その領分』へは踏み込めない。
一見万能に見えても出来ないことも当然あるのだ。
そして、クレオの持つ【
元より魂そのものが粗雑かつ矮小なエレクトラを、最低でも健常な人生を送らせる程度までですらも、彼の神器では尽力すらも及べない領域の話であった。
そんなクレオが助けたいと、偏に願った彼に出来ることは、何を何でも利用して、エレクトラの延命措置を施してもらう伝手を探ることだ。
そのためならば、彼は
なお、読者が思い浮かべたこの世界特有かつ最大の延命装置に当たる【
ひょっとすれば『人造魂魄』というカテゴリに属するクローン多人数で共有されていたと思しき魂を所持しているエレクトラが、それらの装置や神器の抱えている使い手でも思いも依らない副作用が効果を発揮しないとは限らない話。
それにそもそも、英雄派に所属していたクレオらが悪魔を増やすことを良しとしない建前もあるが、エレクトラにはむしろ普通の女の子としての人生を送ってほしい、と願っていることもまたクレオの本心であった。
旅の最中に肉体の機能障害が発覚し、突然倒れて以降療養に回された少女を思い浮かべ、クレオは決意を再び固める。
顔を上げた少年は、覚悟を決めた目つきで呟いた。
「任せろ。赤龍だろうがなんだろうが、素体さえ用意すればこっちを『本物』に変えてやる」
いろんな方が予想立てましたが、この世界線のリゼヴィムさんは原作よりややマイルドになりました。会談の最中にパスタ持って踊るおっさんなんていなかったんや
原作で見せたラスボス系にあるまじき小物臭がしないぞ!貴様誰だ!
そして名前が出ませんでしたがゴルィニシチェさんのエロシーン
女の人は口先だけなら何とでも言えますし言います
――気をつけなはれや!