「頼む。」
床に頭を押し付けて、もうかれこれ10分以上こうしている恋人のトシ。
ラブホに連れてこられたと思ったら、耳を疑うようなことを言われた。
“オシッコしてるとこを見たい”って………。
イヤ、無いでしょ。やっぱ、こいつ馬鹿だ。
「絶対やだ。」
「頼む、見せてくれ。」
もう、なんだか呆れてものが言えない。折角の七夕なのに……。
「帰る。」
「!!待ってくれ。」
手首を掴まれる。
「今日のためにさ、折角書いたんだぞ。」
そう言うと、内ポケットから小さな竹を取り出す。短冊とか飾りもついていて、ミニチュアみたいな笹。
その短冊を見ると、“銀時がオシッコしているところを見せてくれますように”と書かれていた。
「お前やっぱり、馬鹿だろ。こんな奴がさぁ、真撰組の副長で良いのかよ。」
「それと、これとは関係ないだろ?」
「知らねぇよ。やだよ、恥ずかしいし……」
そりゃ、恋人だし、出来ることなら頼み事を叶えてやりたいけど、さすがにこれはない。
「恥ずかしいから、無理なのか?どうしても、やってくれないの?俺の織姫。」
「っ〃〃〃〃」
俺の手を取り、懇願してくる。うるうるの目で訴えられ、見えないハズの黒く垂れた犬耳が見える。
「うっ……………わかった。けど、今回だけだからな。」
仕方なしにそう答えると、満面の笑みでこちらを見上げてくる。今度は、嬉しく喜んで振ってる犬の尻尾が見えてきた。こいつが幕府の狗って言われているからか、俺も重症かなぁと思う。
「風呂場でいい?」
「あぁ。」
本当に嬉しそうにしている。なんで、警察には変態しか居ないんだろ?局長は、ゴリラでストーカーだし。副長は、マヨ中毒でニコ中でオタクで変態で……。
「ちゃんと、見えるようにね。」
椅子に座り、足を開く。許可はしたけど、やっぱり見られるのは恥ずかしくて……。
顔を反らす。
トシは、俺が足を閉じられないように股の間に膝をつき座ってる。こんなのやだ。別れればいいのかなぁって考えがよぎらない訳ではないけど、こいつの事が好きなのは事実で……。
チョロチョロと音を立てながら出てる。今までは、単なる排泄行為だったのにタイルで音が響いてしまい余計に恥ずかしくなる。
ん?なんだか、先っちょが暖かい。恐る恐る顔を戻すと、トシが俺の息子をくわえていた。
「ちょ、お前何してんの!!呑むな~!」
トシの顔を退かそうと髪を掴むも、全く抵抗できなくて。1回外への排泄行為が始まったら、それは止まることなくトシの口腔内へと入っていく。わざと喉を鳴らしながら、呑んでいく。こいつ、筋金入りの変態だ。だって、オシッコ呑んでるんだもん。頼まれたってそんなアンモニア臭のする黄色い液体なんて呑みたくない。
トシが口を離す頃には、すでに排泄は終わってた。呑まれたショックと恥ずかしさで、トシの顔が見れない。
「ハァ~、旨かった。」
「よくそんなの呑めるよな。無理。」
「俺だって、やだよ。けど、こんな美人で可愛い恋人のだから呑みたいんだよ。」
「お前、やっぱり味覚変。」
「そんなこというけど、ここ起ってるぞ?」
俺の息子をツンツンついてくる。
「なんで?」
自分でもなんで勃起してるのか、わからない。
「呑まれて感じたんじゃねぇの?」
トシが、扱いてくる。
「やだ……やめ……」
嫌がるも全然やめてくれない。徐々にトシの手が早くなる。
「ハァ~……あっん……」
だんだんと、熱い吐息に変わっていく。
「ベッドに戻るか?」
「ぅん……」
自分の出した物で、足がつるつる滑り椅子から転けそうになる。トシが、俺の身体を支えバタバタシャワーで下半身を洗ってくれる。
身体を拭くも、若干湿った感じてベッドに寝かされる。
急にトシの顔が近づいてきた。咄嗟にトシの口に手をやる。トシが、不機嫌そうに手を退ける。
「何?嫌なのかよ?」
「だって、お前呑んだじゃん。やだ。………帰る。」
「え?ちょっと待って……」
トシの下から抜けて服を着る。俺の息子はすでに萎えてた。
「マジで帰んの?」
トシの言葉を無視して、ラブホを後にした。
真面目に考えた方がいいかもなぁ、別れるかどうか。
「ただいま~、オイ銀さんが帰ったよ。」
返事がない。まぁ、誰もいないけど。神楽は、新八の家に行ってるしな。別に寂しくねぇけど……。
突如、某料理番組の曲が鳴る。トシから貰った携帯の着信音。新八に教えて貰ってこの曲にした。トシ専用の曲。あのマヨネーズの……。出ようか迷っていると留守電に変わる。
『銀時、さっきは悪かった。来週の木曜日、逢えないか?連絡待ってる。』
来週………来週で終わっちゃうのかなぁ?この携帯も返さなきゃ………あいつが
まだ、あいつの事好きだからか。
翌朝。
「銀ちゃん?昨日、お泊まりじゃなかったアルか?」
「ここに土方さんが泊まったんですか?」
神楽と新八がやって来るなり、そう訊いてくる。
「その鞄何ですか?」
ぎちぎちに詰めていて、今にも破裂しそうになっている鞄。その上には、トシの黒の着流しが置かれている。それを見た、新八が訊いてくる。
「返すんだよ。あいつに。」
来週返そうとしたけど、ガキ達の止まることのない質問にいてもたっても居られず、例の鞄を持って……家を出た。
通いなれた屯所への道、いつもより足が重いのは気持ちのせいかこの鞄のせいか、それはわかんないけど……。
屯所に着くと、顔馴染みの隊士に中に入れて貰えた。トシの部屋に着くと、トシは居なかった。都合が良かったのかも、あいつが居たら決心が鈍りそうだし……早く荷物を置いて帰ろう。この携帯も置いて……。
「たくっ、誰だよ。客って……?」
やばっ、帰ってきちゃった。
どうしよう…………。
「誰も居ねぇじゃん。」
文句を言うも探しもせずに、煙草に火をつけあの鞄に近づいてる。
「なんだよ、これ。あいつのとこに置いておいたヤツじゃん。」
早速、気づかれたし……。ふぇ?目があった。扉を閉めて隠れる。
「何やってるんだよ。銀時。」
「………………。」
腕を捕まれ、引っ張り出された。
「なんで、クローゼットに隠れてるんだよ。」
「……………。」
どう言ったら良いのかわからない。眉間にシワを寄せて顔を覗き込んでる。ヤバイ、怒ってるよこれ。
「今から、会議だから。用があんならここに居ていいから。」
「………………」
「副長、行きますよ。」
「あぁ。」
隊士が声をかける。たぶん、ジミーらへんだろう。
なんか書類を持って出ていく。
どうやって切り出そうか?
「ハァ~、疲れた。」
考えていたら、夜になってしまいトシは会議が終わり自室へ帰ってきた。
「で、お前の用事ってなんだよ?」
「イヤ、俺の部屋にお前の置いてたんだけど、狭くなってさ。神楽んとこに置いたら邪魔って言われるし、で、返しに来た。」
「今までそんなこと言わなかったじゃんか。」
「それじゃ、帰るから。」
意気地無し……。さっきまで別れる気満々だったのに、トシの顔を見たら言えなくなった。ばっかみたい。
「なんで、泣いてるんだよ。」
ぎゅ~うっと抱き締められた。涙が溢れてとまらない。もう、七夕過ぎちゃったけど、まだ願い事叶うかなぁ?
“トシとずっと愛し合えますように”
完
土方君、変態です。そんな土方に嫌気がさしてる銀ちゃんです。