暗い部屋。ベッドの上では蠢く者がいる。女の身体から力が抜けていく。男はベッドサイドに腰掛けて、タバコを一本箱から取り出し、火を着けて、吸い始めた。
「ねぇ、本当にやるの?」
女はベッドの上でバスローブを羽織、男の背中に抱きついた。男は紫煙を吐き出し
「あぁ、後には引けない。決めたんだ」
女はベッドを降りて、シャワールームに向かった。シャワーの音が聞こえ始めた。男はタバコの火を灰皿でもみ消し、服を着ていく。
『また、連絡する』とメモに書き、灰皿の下に置いて、部屋を出て行った。
-----警察署の刑事部屋
「納得できない。証拠もあるのに、逮捕しないってどういうことですか?」
若い刑事が先輩刑事にかみつく。
「納得しろとはいわない。そういうシムテムなんだ。そろそろ、慣れろよ」
「システム?権力者の息子は罪を犯しても、警察は介入できないってことですか?」
「人外とのハーフでは、手が出せない。治外法権扱いだよ」
「しかし…」
「お前の気持ちはわかるけど、人外に」
「もういいです!」
若い刑事は退職願を班長に提出した。
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八百万の神を信仰する日本。日本政府は極秘裏に世界の神格系と協定を結び、共存共栄の道を歩み出した。そのことにより、神、御使い、悪魔、堕天使などが人化をして、普通に人間界で生活している。
しかし、中には神格系の結んだ協定を良しとしない『はぐれ』がたまに誕生して、人間絡みの犯罪を犯していた。
それとは別に、人間と人外とのハーフの犯罪も横行していった。
それらの犯罪、事件は3rd-AT(サード・アトラクション)と呼ばれて、一般の国民には秘密裏に処理されている。
それらの犯罪、事件を取り締まるため、「Anti Monster Police Department(通称AMP)」を組織した。正式の人外組織から逮捕状が発給されると、生死を問わずに捕獲することができるようになった。
---磯崎---
「那魅、結界は張れたか?」
那魅と呼ばれた女性は白い巫女姿だった。
「あと、1箇所です。キディさん、援護をお願いします」
キディと呼ばれた女性は、小麦色の肌を持つ大柄な女性だ。
「レビア、ヤツらの動きはトレースできているか?」
レビアと呼ばれた女性は、一見モデルかと見紛うスタイルの持ち主だ。
「人工衛星で追尾している。気をつけなさい」
「結界を貼り終えました」
那魅から、結界設置の報告が来た。これで、作戦エリアから、ハーフ共は逃げられない。
「キディ、香津美、逮捕だ」
キディは銃火器を手軽に扱える、怪力を持つサイボーグだ。以前、アイツらにヤラれて、人体の90%近くを損傷して、機械と置き換えている。それだけに、アイツらへの殺意は人一倍である。手にバズーカ砲を、アイツらの潜伏している倉庫へ撃ち込んだ。
ズッドーン!
入り口が爆ぜた。
「右サイドに2匹、左サイドに1匹だ」
レビアはビジョネイルの能力を駆使して、アイツらの居場所を特定して知らせてくる。ビジョネイルとは、あらゆる電子機器をハッキングできる能力である。それは人工衛星が相手でも同じで、情報を素早く手に入れることができる。
香津美は左サイドから、悪魔に反応する魔法弾を撃ち込んだ。
「うげっ!」
「まず、1匹」
「由貴、援護してくれ!」
キディが倉庫に突入し、すぐに1発放つと。
「2匹目ゲットです」
キディの上から3匹目が襲うが、由貴の超能力により、弾かれた。
「くそっ!」
左サイドに逃げ込むが、香津美により、捕獲した。
「作戦終了だ。署に戻るぞ」
一般の人の人に知らせずに解決していくので、こういう事案は、ニュースではガス爆発があったとなる。
いつものように、捕獲者を全員を回収して、署に戻った。生死を問わずにアイツらを捕獲して、生きている者は正規組織に引き渡す。死骸となった捕獲者は、装備開発部に引き渡す。検死と、今後の装備の開発に活かすそうだ。
「マノン、今日は2匹だ」
研究員の間野龍造、通称マノンへ引き渡した。
「ハーフ悪魔か。ハーフの犯罪が減らないなぁ」
「あぁ、増加傾向だよ」
背中から私に抱きついてくるマノン。
「いつから、私を好みに加えたんだ?」
こいつは、基本女好きだ。誰にでも抱きついてくる。しかし、嫌な気はしないので、みんな放置している。抱きつくだけで、後はないし。逆にマノンが抱きつかない方がセクハラではないかという風潮も…抱きつかれないのは、女と見られていない気がするから。これでやっと、私も女の仲間入りだ。
「え?今さっき…」
「一目惚れも大概にしておけよ」
「そうだ、これをキディに渡してくれるかな?対悪魔用だ。ホーリーナックルっていうもので、インパクト時に聖なるビームが出るようになっている」
署長がヘッドハンティングしてきたのだが、マノンの前歴はよくわからない。でも、技術力、開発力は確かで、AMPの装備の殆どを彼が関わっている。
マノンの部屋を出て、署長の部屋に向かう。事件のあらましを報告してくる。
「磯崎、最近の相手をどう思う?」
「ハーフが多いですね」
「今の戦力で足りるか?」
「同時多発的に事件が起きると、対応できないです」
「そうか…あと3チームほど増やそうと思っている」
「3チームも?人材はいるのですか?」
私のチームは特殊な能力持ちばかりである。相手が人間ではないので、特殊な能力でないと対抗できない。
「今、マノンにバトルスーツの開発を頼んでいる。特殊能力はなくても、身体能力があれば、戦力になるように開発を依頼している」
「見た目ロボットみたいなモビルスーツみたいなモノですか?」
「いや、もっとスマートなモノだ。小回りが効かないとうまくないだろう」
署長は私にメンバー表みたいなものを、見せてくれた。
『特殊捜査隊第2課 課長 後藤 喜一』
「ごとうきいちって、あのカミソリの後藤ですか?」
署長は頷いた。捜査一課でキレる捜査員として有名な人物だったが、後輩が3rd-AT絡みで退職してから、ナマクラの後藤になってしまったらしい。
「3rd-ATを憎む気持ちは磯崎以上だろう。まぁ、課長扱いだから、現場には出さない」
------ホテルの1室
男が二人、酒を飲みながら話込んでいる。
「始めるのか?」
「あぁ、ハーフの犯罪は増加の一途だ。それも権力者の子供が多いし」
「始めたら戻れないぞ」
「俺はもう戻れない。お前はまだ大丈夫だ。やめたいなら、やめても、いいよ」
「付いて行く。そう決めたんだ。お前の夢に、俺も混ぜてほしい。三日天下でもいい」
「後悔するかも」
「友達だけ地獄へ行くのを見送ることはできない」
------とある酒場
若者達が酒を飲み、タバコを吸い、ダンスを踊り、異性を抱いている。大臣の息子のヒロキが店に入ってきた。ヒロキは、バーカウンターで、カクテル「ダウンフォール」とお金を交換しすると、売人が近寄ってきた。
「ダウンフォールがほしい」
「10万だ」
ヒロキは金を渡すと、売人から粉の入った包を受け取った。
「鼻から吸引するんだ。快楽に飲み込まれるから、ひと目に着かない場所で、飲め」
売人から注意をきき、店の外のひと目が届かない場所に行き、粉を鼻から吸い込む。押し寄せる高揚感、痛みも苦しみも感じない。ヒロキにもたらされたのは、堕落する快感、異常な食欲…獲物の臭いが鼻に流れ込む。ヒロキが狩りに向かおうとすると、背中から羽が生え、指にはするどい爪が生え、口は耳元まで裂け、大きな牙が生えてきた。
「うぉぉぉぉぉ」
雄叫びを上がると、空に舞い上がり、町中の狙った獲物だけを襲い、食い散らかしていく。そこら中で悲鳴が飛び交い、人々は四方八方へと逃げる。
---磯崎---
出動命令が出た。相手は羽を持つ魔物だ。町中で人を襲い、食い散らかしては、空に舞い上がり、次の獲物を急降下して襲っているようだ。戦闘用ヘリ2機で現場に向かった。
細かい表現がうまくできないorz