-----AMP 格闘練習場
署長ラリーの前で第1小隊が特殊装備を用いた実戦練習を積んでいる。ラリーの横には小隊長の南雲しのぶが立っている。
「南雲、調子はどうだ?」
「順調です。脱ぐ際に、多少問題はありますけど」
「あぁ、全裸に装備だからな。脱ぐと全裸だな。それ以外の問題はあるか?」
「あと、羽の展開ができないみたいです」
「練習しだいみたいだ。あの装備を自分の身体と一体にできると、展開できるみたいだ。違和感があるうちは無理だ」
「それならば、問題はないです」
「そうか、では第2、第3小隊分も制作してもらおう」
ラリーが部屋から出ていこうとした時に、南雲が呼び止めた。
「署長にお聞きしたいことがあります。マノンはどのような経緯でAMPの装備開発に関わるようになったのですか?」
「マノンが信用できないか?元同僚だろ?」
そう、間野龍造は元同僚である。私と課長の後藤くんと同じ部署にいた。あの3rd-AT事案に関わるまで。強姦事件の容疑者は証拠があったのだが、地位協定を前に逮捕を免れ、その後も数件の強姦事件を引き起こしていた。私たちは苦い思いで上の決定に従った。しかし、彼は納得できずに退職した。悪を手を咥えて見逃した捜査機関に嫌気が差したのだ。
「だからです。捜査員だった者が、なぜ開発担当になったのですか?」
「アイツの怒りはわかるだろう?アイツは退職後、人外の研究をするために、私の知っている財団の研究所に入った。マノンは大学で、サイバネティックスの研究していたんだ。その時の知識、技術を使い、あの装備を創りだした。問題は女性でないと起動しないことだった。本当はアイツが装着して、どこの組織に属さずに戦うことを決意していたんだからな。そんなアイツを私はスカウトした。AMPで威力を発揮できる装備だと思ってね」
「彼にそんな経歴があったとは」
「捜査員にそんな経歴は不要だから、あえて報告していなかったようだ」
ラリーは今度こそ、部屋を出て行った。
-----AMP 開発室
ラリーとマノンが向き合っていた。
「第2、第3小隊分も製造に入ってくれ。これが装着者のデータだ」
ラリーの手からデータを受け取るマノン。
「これで減るといいなぁ、マノン」
「これでは減らないよ、ラリー」
ラリーはマノンに詰め寄る。
「どういうことだ?」
「大元を立たないとダメだ。AMPでは末端しか叩けない」
悔しそうに拳を握るマノン。
「大元?お前はなにを狙っているんだ?」
「言っただろう。僕はラリーの組織AMPに協力する。必要な物は開発する。それだけだ。自分ではなにも出来ない。それが嫌なんだよ」
目が真っ赤になり、大粒の涙をこぼしながら、ラリーに返答しているマノン。そんな彼の肩に手を置き、
「そんなに熱くなるな。マノンらしくない」
「あぁ、そうだね。冷静エロ全開でないとね」
-----バー『Z』
「この間の代議士はあまり財産がなかったな」
「あんなもんだよ。それよりも、海外経由で入ってくるバカ共をどうにかしたいんだけど」
「海外のかぁ。はぐれとのハーフが多いから、登録のない者が多いんだ」
「国内でダウンフォールさせたのを、海外に撒けないかな」
「可能だよ。そうするか。国内の奴は別の方法を考えるか」
「その方向でお願いします」
「わかった。登録のない者を入国させるのは、協定違反になるし、気にはしていたんだ」
---キディ---
先日の3rd-ATの件を香津美と共に捜査をしている。
「あんな化物、どこから入ってきたんだ?」
マノンの検死の結果、ガーゴイルらしいと判明した。私は無線で情報センターのレビアに質問をした。
「侵入経路はわからない。レーダーに反応することもないし。サーモカメラで反応することくらいだ。船に潜入しての密入国くらいかな」
「食欲しかない魔物が船で大人しく潜伏するとは思えないわ」
会話に香津美が割ってはいった。香津美も魔物の知識が豊富である。魔法使い故悪魔との契約とか交渉をすることがあるようだ。
「とにかく、侵入経路だよな」
私は刑事の出身なので、捜査手腕を買われている。今回の件の最大の謎は、魔物の侵入経路だ。天界、冥界などの異界との門を通るには許可がないとできないことになっている。故に、冥界にいたであろうガーゴイルの、人間界への侵入経路がわからなかった。
門を通らないで来る方法としては、何者かが召喚魔法陣もしくは、転移魔法陣で人間界に呼び込む方法がある。香津美と私で、魔法陣の痕跡がないか、ガーゴイルの出現地域を捜査していた。
「ないなぁ。残留魔力も感じないし。残る可能性は、何かのトリガーでハーフが変異したことだな」
香津美の言う可能性は恐ろしいことだ。何かの拍子に変異するなんて…
「そんなのことが起きるのか、レビア」
「起きないとは言い切れない。マノンの見解を聞いてみないとな」
マノン、私をサイボーグ化した財団の研究所から、署長によりスカウトされた。サイバネティックスの研究者で、生理学、生物学から人外の仕組みを現在も研究していた。私達は署に戻り、香津美と共に彼の開発室に向かった。
「美人さんがお二人も…今日はラッキーです」
挨拶代わりに抱きついてきた。私はベアハックで彼の背骨を締め上げた。
「痛いよ~。キディさぁ~ん」
ベアハックから解放してあげた。腰を押さえて
「今日はどんな用件ですか?3Pですか?」
「エロ話ではない」
香津美の睨みでだまった。
「ハーフが何かの拍子にガーゴイルになることってあるか?」
私はストレートに尋ねた。私達を舐めるように見ているマノンは
「あると思う。ハーフだと遺伝子レベルでは不安定な状態だからね。人間と人外では遺伝子の仕組みが違うから、増改築を繰り返した家のように、規格外のための歪みが生じているはず。そこを叩くと、遺伝子は並び変わるほどの崩壊をし、結びつきやすい物同士が結合する。大体、骨格は人間で見た目は悪魔みたいになるはずだ」
「マノン、もしかして実験をしたの?」
「あぁ、したよ。正規ルートを通して、道を外れたハーフを数体もらってね」
おい、お前…もらった?
「正規のルートってなんだ?」
「人外協会だよ。政府と密約を結んだ人外達のトップが集まる団体だ」
「それって問題だろ?」
「問題?キディさんはハーフの犯罪を許せるの?」
マノンの目つきが変貌していた。さっきまでの舐めるような視線ではなく、獲物を狙う視線だった。
「僕は許せない。絶対にね。だから、使えるルート、コネは使っても、ハーフ犯罪を撲滅したいんだ」
「その変身させた個体はどうしたの?」
香津美がマノンに問おた。
「人外協会に実験結果と共に渡した。問題はないはずだ」
「何をトリガーに使ったの?」
「秘密だよ」
「秘密だと?今回の件はそれが原因かもしれないんだぞ」
「キディ、それは、僕がやったというのか?」
「そうは言わないが…」
「悪いが、下半身はだらしないが、口は固いんだよ、僕はね」
「キディ、聞き方を変えればよいのよ。マノン、それはカンタンに手に入るものなの?」
「人間には難しいけど。人外にはカンタンかもしれない」
香津美はなにかに気づいたのか?その後、二人でマノンの元を去った。
---キディの部屋
今日は久しぶりに地味は捜査で疲れた。まず、シャワーを浴びに全裸でシャワールームに向かった。今日のシャワーは妙に身体が火照る。自分でクリ●リスを刺激していく。脳と口と性生活に必要な部分だけは生身で、後はサイボーグ化されている私の身体。たまに、妙に快楽に溺れたい時もある。
あれこれ考えていたら、急に後ろから誰かに胸を揉まれている。そこはサイボーグ化されているはずなのに、感じる。生身だった時のような久しぶりの感覚。私は何者かに襲われていたが、快楽の海に沈んでいく。
「あっ…いいよ…もっと…お願い…」
強姦している相手にリクエストしている私。久しぶりの感覚に酔しれて、正常な思考ができない。相手のペニスが膣に入り、ピストン運動していく。
「いくぅ…」
私の意識が遠のいていった。目が覚めると、自分のベッドにいた。テーブルの上には
『また、抜いてあげるからね』
と、メモが置いてあった。私は戸締まりを全部チェックしたが、カギはすべてかかっていた。誰?自分で胸を揉んでみた。なにも感覚はなかった。昨夜のあの感覚はなんで?
------あるハーフの部屋
部屋の中で、部屋の主のハーフが動きを封じられている。
「お前の悪事はいくつも判明しているんだ。君のようなハーフは、この国には不要なんだよ。国外追放処分だ。行った先では理性なく食欲だけで生きろ」
ハーフの首元に何かが注射され、どこかに強制転移させられた。