----磯崎---
キディが見つかった。マノンがジャンク屋で見つけて、通報してきたのだ。
「で、お前はここに何しに来たのだ?」
第一発見者のマノンを尋問した。
「何って、掘り出し者探しですよ。たまに、軍用装置の払い下げとか出ますしねぇ」
いつものようにコイツの視線は胸元に注がれている。
「よく、キディだとわかったな?」
「わかりますよ。あのアーマーコートは、うちの財団で開発した物ですから」
キディの身体はここ、AMPのマノンの部屋に運ばれ、ジャンク屋への入手経路は、特殊捜査隊第1課で行っている。
「それよりも磯崎さん、溜まっていませんか?」
私の耳元で、マノンの囁きが聞こえた。その瞬間、身体の中で何かが湧き出てくる。乳首がブラに当たる感覚が何やら気持ち良く感じ始めた。太ももの内側の筋肉が震えている。近くの台に蹌踉めいて手を突いた。
「どうしました?磯崎さん」
後ろからマノンが抱きついて来た。コイツの股間の固い物がお尻に当たる。あぁ、ほしい…でも、こいつにそんな素振りは見せられない。プライドの問題だ。
ブラウスのボタンが外され、ブラをまくり上げられて、胸を揉まれている。彼の指先の魔術によって、私の乳房と乳首は官能な器官に成り下がっていた。
「あぅ…いいわ…もっと…」
彼の舌が私の股間を這えずりまわっている。いつの間に下半身が脱がされている。いや、自分で脱いだ覚えもある。
「あぅ…あぅ…あぁ…もっと…」
床の冷たさが気持ち良い。乳房を床に押し付け、自分で自分の身体を苛めていく…
気が付くと医務室だった。
「女子トイレで倒れていましたよ。磯崎さんは働きすぎなんではないですか?近いうちに精密検査をうけてくださいね」
看護師さんにいわれた。あの官能的な出来事は夢だったのだろうか?最近、マノンに犯される夢が多いのは、欲求不満なのかな?
---後藤----
情報屋のワンから、レビアの所在がもたらされた。総理大臣の人外ハーフの息子のマンションで飼われているらしい。毎晩、人外ハーフのパーティーが行われていて、レビアはそのたびに…
どう救出するか?それ以前に情報はあっているのか?相手は人外ハーフとはいえ、総理の息子である。間違っていたら、AMPの存続にも影響がある。
はぁ…どうするかな。
「後藤さん、出ないんだったら、俺が行きますよ」
間野…
「総理大臣の息子とはいえ、犯罪に関わっているかもしれないんでしょ?なら、捜査するべきではないですか?」
「お前は、もう捜査員ではないんだぞ。捜査に口をはさまないでくれ」
「後藤さんは、またもみ消すんですね」
「おい、どういうことだ。俺はもみ消したことはないぞ」
「着手しないのであれば、もみ消すのと同じです」
「情報自体の信憑性もあるだろ?」
「ワンがガセをよこしたことはないですよ。いいですよ。俺が行きます」
「おい、待て…」
間野は出て行った。あの時も…俺は、しのぶさんに連絡をした。
「第1小隊を出せるかな?」
「今日は無理。装備がメンテナンス中。明日なら出せるわ」
明日かなぁ…間野は今日中に動くだろうな
「出せる小隊はあるかな?」
「後藤君、どうしたの?」
「いや、ワンからの情報で、間野が動いた」
「一人で?」
「あぁ…」
「なんで、後藤君は動かなかったの?」
「相手は総理大臣の息子だ。捜査して何もなかったでは済まないだろ?」
「…そうね」
「署長に相談してみるわ」
俺は、受話器を置き、署長室に向かった。
---マノン---
俺のチームメンバーと合流した。目指すは、マンションの最上階。軍用ヘリで屋上に向かった。
「内海、すまないな」
「相棒、何言っているんだよ。あの時、俺はお前を救えなかった。対象者を救うことしかできなかった」
「それが任務だったから、しょうがないよ」
『こちら、遊馬。裏口から潜入開始しました』
『こちらは、ケイ。正面から入ります』
無線で、チームメイトからの連絡が入る。
「これから、屋上に俺とユングで降下する。ノリコ、カズミはここに待機してくれ。対象者の救助を優先とする」
「「了解!」」
「なぁ、相棒。あの時みたいに死ぬなよ」
「あの時とは違う。俺は人外だからな。生きる価値がなくなれば、魔王で神でも迎えにきてくれるはずだ」
ユングと屋上に降下した。
---後藤---
署長室で善後策を会議している
「磯崎の方で捜査できないか?」
「難しいですよ。相手は総理の息子ですよね?」
「間野は今夜やるはずです。バックアップは無理ですか?」
俺は、アイツを救いたい。一人で乗り込んでも、人外相手では殺されるのオチだ。
署長のデスクにある電話が鳴り響いた。受話器を取る、署長。
「はい…え?…アイツら…えぇ、AMPでも総理相手では無理です…そうですか…わかりました」
署長は受話器を置いた。
「財団の急襲・救助チームが出動したそうだ。今回のケースのように、警察関係で動けない時のためのチームだ」
「それって、AMPの存在は?」
「高い地位の者の関係者は、AMPでは手は出せない。財団のような非合法なチームしか手を出せないのが現状だ。公務員だからな、AMPのメンバーも…」
署長も磯崎も悔しそうだ。もちろん、俺もだ。間野…すまない。
---マノン---
人外の頭を次々に吹き飛ばしていく。人間と人外の区別が出来る能力を魔王サタンからもらったから。内海の情報通り、人外しかいない。奥の部屋でレビアを発見。彼女と交わっている、総理の息子も発見。コイツは捕縛する。下の階やマンションの外から人外の応援が来ているが、別チームが確実に殺傷もしくは捕縛しているはずだ。
レビアの首についている首輪を回収して、レビアをヘリに引き上げてもらった。さてと、総理の息子はどうするかな。
魔王サタンを呼び出す。
「ほぉ、総理大臣の息子も人外ハーフなのか」
サタンは、目の前の人外ハーフから血を少し取り、検査機にかけた。
「未登録だ」
目の前の人外ハーフに、ガーゴイル化する薬を打ち込み、外国に強制転移させた。それから、俺は部屋の電話から、総理大臣に連絡をした。
「人外協会の者ですが、お宅の息子さんがオイタをしましてね…はぁ?…何をおっしゃっているんですか?お宅の息子さんは未登録ですよ。これは人外のルールに違反します…そうです。総理の息子であろうと例外はないです…はぁ?…協定を破棄する?…認められませんよ。あと、この会話は録音してあります。今から、各党の党首に配布します。では
♪」
「どうだった?」
「人外ではなく人間だって、未登録なだけなのに」
「あぁ、最近よくある言い訳だ。人外で登録していないから人間だって、言い張るんだよ。そのクセ、警察沙汰になると、人外だから治外法権って言い張るんだから、困り者だよ」
「親が登録していないのが問題だしょ?正規のルート以外で、密入国出来てしまうのも問題だし」
「そうだな。すまない。人外を代表して謝るよ」
「何度も言うけど、謝っても済まないからね。それで、あの能力は見つかりましたか?」
「探しているところだ」
「それが見つかったら、次の手を考えよう」
そして、次なる犯罪の証拠を押収してから撤収した。
---後藤---
今日の未明に、レビア・マーベリックは救出されたようだ。命はあったが、廃人化していた。相当きつい薬を使われたらしく、言葉を発することはないそうだ。
救出劇の起きた現場には、多数の人外ハーフの死体が転がっていた。総て、頭を撃ち抜かれている。
部屋の主を探したがいなかった。人外協会が捕縛したらしい。まぁ、AMPで捕まえても、治外法権を振り上げられたら、どうしようもないから。
昼くらいに、総理大臣が失脚した。人外協会の者との会話が録音されていて、それが公開されたのが原因だった。事もあろうに、息子を解放しないと、友好協定を無効にするって口走ったのが原因だ。
署に戻り、間野の部屋に向かった。
「間野…」
「これは、ゴトーさん。いらっしゃいませ。コーヒーですか、タバコですか?お好きにどうぞ」
相変わらずの昼行灯だ。
「お前、財団のコマンダーなのか?」
「財団の困ったちゃんかもね。単なる女好きですから」
「お前なぁ…」
「まぁ、いいんじゃないですか?AMPにしろ財団にしろ、人外ハーフの犯罪が減ればね」
目が笑っていない痛々しい間野の笑顔がそこにあった。