この話以降、またしばらく性的描写はまたありません。あくまでタグにもある様に【ストーリー重視】の話ですので。決してネタ切れとかではありません、本当に。
シャワーの音と共に、暖かいお湯が私の身体に掛かり続ける。ゲームの世界と言えど、生活と言う概念があってお風呂と言う物が存在している。そして私は昨日の夜、リズによって乱れる事になり、汗を掻いたまま眠ってしまって居た。故に私はリズのホームにあったお風呂を借りてその汗を流すことに。リズは身体が本来の物では無いから汗を掻いては居なかったけれど、気分の問題として後で入るとの事。世界が世界だけに人によってお風呂に入る人と入らない人と居るんだろう。因みにアスナは毎日入って居た。
突然後ろの扉が開かれる。そしてそこからタオル一枚のリズが姿を現した。私はシャワーを浴びたまま、目の前にある鏡を見て背後に居るリズの姿を確認。私は思わず首を傾げた。と、リズが暖かいからかは分からない物の頬を赤くしながら私に近づいて来た。
「せ、背中。流してあげる」
「……ありがとう……でも……羽は絶対に……駄目」
リズは私に言うと私の背後に椅子を用意する。そして自分の背後にも椅子を用意し、そこに座ると「あんたも座りなさい」と催促して来た。私はお礼を言った後、リズに羽根だけを触らない様にお願いする。ここは敏感過ぎて簡単に触って良い物じゃ無い。その意味も込めて言えば「分かってるわよ」と返された。そして私が言われた通りに座ると、リズの鼻に軽く私の髪が触れる事に。鏡に映るリズの顔が一瞬驚いた様な表情に変化した後、焦った様に息を吐きだす。そして身体を洗う用の泡を片手に出し、それを両手で広げ始める。
「石鹸とかは無いけど、それに近い物ならあるから良かったわ。ゲームと言えど清潔にはして居たい物」
「……アスナも……言ってた」
「ふぅん……ねぇ? アスナともお風呂に入ったりしたの?」
リズの質問に何の意味があるかは分からないけれど、私は頷いて返した。一緒に入った事は確かに間違いない。アスナとは猫の姿で良く入り、身体を洗ってもらっているから。流石に毛で覆われた身体はしっかりと洗わないと匂って仕方が無い筈。かと言って私1人で入る事も出来ず、私はアスナが入って居る時に一緒に入ってリズが手に持って居る様な泡で自分の身体を洗おうとした。だけど猫の姿ではどうやっても上手く洗えず、それを見かねたアスナが洗面器の様な物に私を入れて洗ってくれるようになったのだ。私は猫だけれど、毛玉とかは上手く取れないためこうするしかなかった。
私が頷いた事にリズは一瞬目を細める。と、「ふぅん」と何かを理解したみたいに声を発する。そしてその手を私の背中に当てた。当然泡が私の背中に当たる事になり、何とも言えないくすぐったい感覚が私を襲う。しっかりと羽を避け乍ら広げてくれるリズ。と、突然リズはそんなに必要ないにも関わらず泡を大量に用意して私の肩に沢山盛り始めた。そして鏡に映るリズの顔がまた一瞬変化する。何かを企んだ女性の妖艶な笑み。何かをする気なのはすぐに分かった。だけどそれを理解する前にリズは沢山用意した泡を私の身体に広げ始める。
「……ん」
リズの手は決して私の肌に直に触れる事は無く、私の身体の全てに泡を広げて行く。やがて私は首から上を残して泡だらけにされてしまった。普通なら全体に濡れたのだから後は流すなどをする筈。だけどリズは椅子を近づけると私を後ろに倒した。結果、リズの身体に私はもたれかかる様になる。そしてリズは私の身体の前方に手を回すと……お腹を触り始める。それは洗うよりも愛撫と言った方が良い手つきで、私は声を上げずに目を瞑る。と、リズが右手を私のお腹に回して離れられない様にする。
「ここならまた汗掻いてもすぐ流せるわね。ふぅ~」
「ん! ……アスナ……今日帰って来る」
「それまでに終わらせれば問題ないわ。きっと午後だから大丈夫よ」
これからやろうとして居る事が良く分かり、私は耳に息を吹きかけられて驚きながらも返す。話によればアスナは3日ほどで帰って来るって言って居た。預けられてから今日で3日目、つまり今日。アスナは帰って来る筈。もしもアスナが帰って来た時、私達が居なければ心配するはずだから、こんなことをして居る時間は余り無いと思う。だけどリズの言う事も間違いなく、きっと午前中に終わる内容では無いかも知れない。私は他に反論する言葉が見つからず、黙ってしまう。そしてそれを合図にリズは手を動かし始めた。
リズは私を右手で抱きしめたまま、左手で私の胸をしたから包む様に触り始める。それだけでも声が出そうになると言うのに、リズはあろうことか私の顔のすぐ左側に自分の顔を近づけると迷いなく私の耳朶を落ちて来る蜜を掬う様にして舌を出し、舐め始めた。私は身体を揺らすけれど、揺れるのは髪と大きくも小さくも無い胸だけ。リズの力は私の力を上回って居て、どうやっても抜け出せそうになかった。
「昨日もそう。あんたを見てると欲しくなる。私で染めたくなる」
「リ……ズ……?」
鏡に映るリズの姿は私の知って居るリズとはどう見ても違う人物に思えてしょうがなかった。昨日のリズもそう。何時ものリズはこんな妖艶な笑みを浮かべて恥ずかしがりもせずに行動できる様な人では無い。ましてや親友が帰って来るかも知れない状況でこんなことをする筈が無い。殻が破けた? いや、それよりも何かに憑りつかれて居ると言われた方が納得できるぐらいの変わり様。何か……ある?
「ひぁ! んんんっ!」
リズは揉んでいた手を山の天辺に持っていき、人差し指と親指と摘み始めた。余りの快感に声を上げて身体が跳ね、それをリズは抑え込むと私の口を自分の口で塞ぎ、声を無理やり抑え込んでくる。昨日の責めとは違い、完全にやりたいようにやられている現状。驚く私の頭の中に、あれが浮かび上がって来た。
【篠崎 里香『リズベット』 愛求欲 MAX・支配欲 MAX・独占欲 45/100】
誰かは分からないけれど、言いたいことは分かった。リズは愛されたいと言う欲と何かを支配したいと言う欲が昨日の時点で満たされた。だけどそれと同時に独占欲が出現し、アスナと一緒に居る私を欲しているのだと。私を犠牲にしない方法、そんな物どう考えても存在しなかった。今この時、リズが独占したいのは他ならぬ私自身なのだから。
泡が身体が当たる事で弾け、シャボン玉の様にお風呂場に数個舞い上がる。そんな中で、私は口を塞がれたまま愛撫を続けられることになった。室内で響くのは舌が絡められてなる水音と未だ出続けたまま何も無い所に水を浴びせるシャワーの音だけ。私がリズから離れるにはここから出るしか無い物の、既に立つ力すらない私には無理な話だった。
抱きしめて居た手は何時の間にかに私の秘部を優しく、それで居て確実に責めたて続け、私はお風呂場で泡にまみれたまま絶頂を迎える事になる。だけど昨日の夜の様にリズは止めてくれる訳では無かった。
「!? もう……んぁ!」
絶頂を迎えた私の身体を容赦なくまた責め始めるリズ。抗議をしても一瞬で切り捨てられ、敏感になって居る身体は瞬く間に再び絶頂へと連れて行かれてしまう。一瞬で上り詰め、降ろされたと思えばまた。私は昨日で少し耐性が出来て居たのか、すぐに意識を失う事は無かった。だが10を数えた頃、私の意識は薄れ始める。そしてこの時に私はようやく理解することが出来た。
『何であんたこんな良い匂いするの。何で昨日からあんたを見てると身体が疼くの。あんたが人だって分かったら何で……欲しくなるの。……我慢するつもりだったのに、寝るつもりだったのに』
『昨日もそう。あんたを見てると欲しくなる。私で染めたくなる』
リズはやっぱり憑りつかれるに近い状態になって居たんだ。と。昨日も今日も、リズは私の姿を見てから可笑しくなって居た。それが示すことは間違いなく私には何かがあり、リズはその何かに充てられているのだと。そしてその何かとは間違いなくこの姿。猫の時には普通だったリズが、私のこの姿を知ってから変わる様になってしまった。私の姿を見てから起きるのは……発情に近い物。私を襲いたくなる現象。そう、これはまるで……【魅了】。
再び津波の様に襲ってきた快感の中、私はそれを理解すると同時に薄れて居た意識が完全に無くなり始める。その間際、最後に見えたのは他ならぬ鏡に映ったリズの真っ赤な姿。どうやら私の意識が途切れれば解放される様だ。そして少し安心しながら私は眠る事になった。