※この作品はR-18です。

Escape! 猫の世界巡り   作:ウルハーツ

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秘密

 2人と別れて宿屋を後にした私はアスナの家、私が住む家の目の前に猫の姿で座って居た。既に日は落ちて居て、どう考えても帰ってきているだろう。猫と言えど普通に躾をするためかしっかりと叱るアスナの事だ、確実に怒って居るだろう。かと言って帰らない訳にも行かず、しばらく家の目の前で座って居たけれど意を決して私は家の中に入る。

 

 入った私を出迎える物は何も無かった。部屋の中は誰も居ないかの様に暗く、明かりが1つもついて居ない。既に日が落ちて居る事もあって中は真っ暗闇。暗闇と言う物は生き物を恐怖させる場所ではあるが、猫の私は普通にその中でも視界が良好。ゆっくりと家の中へ1歩1歩と進んで行く。気配は無く、誰かが居る様子も一切無い家の中。もしかするとまだ帰って居ない……?

 

 部屋の中央辺りまで歩いた時、突然部屋の明かりが一斉に付いて、余りの眩しさに一瞬目を瞑る。そしてこの現象は私の考えを一瞬で打ち消すし、当たって居ない事を示すものでもあった。

 

「お帰り、ハク」

 

「!」

 

 背後から聞こえた声に私は身体が跳ねた様な感覚を感じる。多分だけど、アスナから見ても私がビクッとした様に見えただろう。

 

 機械でも無いのに軋む様な音を身体から鳴らしながら私は振り返る。そこには素晴らしすぎて違和感がある笑顔で私を見降ろすアスナの姿。ゆっくりと表情を変えず、そんな笑顔のまま私に近づいて来るアスナに今までに無い恐怖を私は感じて居た。が、ここで逃げてしまえば確実に悪化する。だから私は震えながらも近づいて来るアスナを見続ける。と、アスナが膝を折って私に顔を近づける。

 

 見つめ合う私とアスナ。張り付いて居る様な笑顔で私の顔を覗き込み続けて居ると、やがてアスナは私の脇に手を入れて持ち上げた。

 

「私ね、帰って来た時にハクが居るのが一番の楽しみ何だよ? なのに帰ってきたらハク、居ないんだもん。前もそう。最近、少しおいたが過ぎると思うの。ね? ハク」

 

 そう言って私を見つめるアスナの顔に変化が起きる。笑顔である事は変わらないが、先程までは目に光が宿って居た。けれど今の言葉の後に目を見つめた時、その瞳に光は存在して居ない。そしてその目を見た時に何時もと違う何かを本能的に私は感じた。この後に起きる出来事は絶対に、不味い事なのだと。だから私は強行手段に出る。

 

 まず最初にアスナの手を引っ掻き、身体を自由にする。圏内故に痛みは無い筈だから、その辺りは大丈夫の筈。で、解放されてすぐに私は家から出ようとする。このままでは不味いのなら、家から逃げるのが一番だと思ったから。だけどアスナは私を追うことは無く、急いで出口の場所までついた時。玄関になって居た場所。部屋の内装の一部が光出す。そして収まった頃、扉は唯の壁になってしまっていた。驚き振り返ればメニューを出して私を見て居るアスナの姿。

 

「どうして逃げるの? ……そっか。少し【お仕置き】が必要かな?」

 

 アスナはそう言うと同時に道具の詳細を出す様に私の詳細を出す。あの時リズが出したのと同じ物であり、そこには私を強制的に人の姿にさせる物が存在している。そしてアスナがやろうとしている事は……この世界来て最大の恐怖を私は感じて居た。まさか……まさか。

 

「ねぇ、ハク。1年以上一緒に居て気づいて無いと思ってた? 何時か言ってくれるまで、待ってようとずっと思ってたんだよ? でも……それも今日までだね。もう我慢何て出来ないよ」

 

 メニューを迷うことなくスクロールさせて止まったのは【変化】のある場所。逃げる間もなく、アスナはそれを迷わずに押した。当然ながら押された事で私の身体は強制的に変化させられ、発光し始めた身体は収まったと同時に猫の姿から人の姿にされてしまう。

 

「……どう……して」

 

 余りの出来事に驚くしかない私をアスナは少しばかり恍惚とした表情で見つめて来る。両手を伸ばし、「やっと会えたね」と言って近づいて来るアスナ。私の頭の中に既に逃げると言う選択肢は残って居なかった。この状況、今更逃げたところでもう何の意味も無い。アスナは最初から……私が人である事を知って居た? どうして、どうやって?

 

「分からないって顔。教えてあげる。私ね、ハクが寝てる時に調べた事があったんだ。それでこのコマンドを見つけたの。驚いたよ、ハクが人であの純白の天使だったなんて。でも頭が良いのも、どうして防具屋に怒られて居たのかも納得が行った。力については分からないけど、でも何時か自分から言ってくれると思ってたんだ」

 

 寝て居る時でも警戒できる存在は居る。だけど私は猫であっても人間から猫になった訳で、その様な事が出来る訳では無い。そのために、寝て居る時は完全に無防備になって居たのだろう。そしてその間にアスナは私の存在を知り、それでも知らない振りをして居てくれた。だけどその優しさと言う糸が今までの、そして今回の件で切れてしまったと言う事なのだろう。最初から全部、知って居て……なら私は……!

 

「ふふ、捕まえた。もう離してあげない。んっ」

 

「!?」

 

 アスナが私の目の前に来ると同時に膝をついて私に近い身長差にし、伸ばして居た両手を私の背中に回して抱きすくめて来る。だがそれだけでは無く、私の顔の横で笑った後。一瞬だけ身体を離すと次に来たのは……アスナからのキスだった。それは突然の事で、私は唯でさえ驚いて居たのにこれ以上開かないと思うほどに目が開ききってしまう。が、それでもアスナはキスを止めてはくれなかった。

 

 何か特別な事をする訳でも無い。唯私の唇に自分の唇を合わせたまま、その体勢を維持し続けるアスナ。離れようとしてもアスナは私を抑えられる最低限の力で抑え、今の私に出来る事はこの体勢で居る事だけ。私の身体の全てを自分の物にしようとするかの様に身体を触れ合いさせるアスナ。何分、何十分。一体どれほどの時間をこの体制のままで居るのか分からないほどの時間の流れの中で、ようやくアスナはキスを止める。

 

「私ね、今までずっとハクを攻略に連れて行けないかと思ってたの。猫を連れて行く何てきっと怒ると思ってたんだけどね? ディアベルが加勢してくれて、今日。ハクを連れて行けるようになったんだ。あ、安心して良いよ。ハクは私が絶対に守ってあげる。だから」

 

 強く、更に強くアスナは私の身体を抱きしめる。と、その体勢のままゆっくりと私にその身体を倒して来た。固い床に私が背中を強打しない様、優しく。だけど逃げる事が出来ない様にきつく、私を押し倒すアスナ。この雰囲気を私は知って居る。顔を赤くし、我慢が出来なくなった人間の表情。目の前に求める物があり、それを手に入れる事が出来ると分かる喜びと楽しみに包まれた魅惑的な笑顔。

 

「ずっと一緒だよ、ハク」

 

 魅惑的な笑顔で言うアスナ。リズの時もそうだった。私に逃げ道は残って居ない。あるのはこれから起こる出来事を抗うか受け入れるか。だけど私はこの事によってアスナの欲の1つ、【支配欲】が満たされる事を知って居る。……そうだ、何時から私はアスナにばれる事を怖がって何もしなくなって居たのだろう。何時から私は相手に知られる事に恐怖を感じるようになったのだろう。最初から私がする事は相手の欲を満たすことだけ。例え相手が嫌っても、私が帰るためにしなければいけない事は変わらない。この行為がアスナの欲を満たすのなら、私が帰る事が出来る様になるのなら、それを実行するだけだった。

 

 アスナは私が抵抗しないと分かると抱擁の力を緩め、片手を服の中に入れて来る。そして私の肌を触りながら上へ上へ。リズの時の様な暴走から乱暴に行くのでは無く、あくまで私を自分の物にしようと言うその思いが感じられる愛撫。アスナの責めが、これから始まる。




やっと来たアスナさんのターン。次回は久々の描写です。能力上か全然上手く書けない現状。早く慣れないと。
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