※この作品はR-18です。

Escape! 猫の世界巡り   作:ウルハーツ

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コミュニティの現状。強烈な和装ロリ

 大きく痛快な音が響く。何時の間にか持って居た黒ウサギのハリセンから鳴った物であり、叩かれたのは飛鳥と耀。そしてあの場には居なかったジン=ラッセルと言う少年。事の発端は数分前に遡る。

 

 コミュニティに向かって居た黒ウサギ一行。だけど十六夜が落ちて来る際に見えた絶景、世界の果てを覚えて居た事で勝手にそこへと向かってしまい、飛鳥と耀だけが黒ウサギに付いて行くことに。そうして連れて行かれたのは箱庭天幕の目の前。そこにはコミュニティのリーダーであるジンが待って居て、黒ウサギはそこで十六夜が居ないのに気付くとジンに案内を頼んで十六夜を迎えに行った。

 

 箱庭の中へと入った3人に連れられて私と三毛猫も中へ。そこのカフェの様な場所に座って説明をして貰おうとした。その際、三毛猫と会話をする猫耳を生やした女性の登場。その流れで耀が【動物と会話が出来る】と言う事実が発覚。飛鳥がそれを知った後に私が何て言っているのかを耀と女性店員に質問したけれど、耀は難しい顔で『何も喋って無い』と返答。私は唯ついて行くだけで何も言って居ないため、それは当然の答え。でも動物としては少し可笑しいのかも知れない。私をジッと見つめて来る目は少し怖かった。

 

 そんな会話をして居た時、無粋にも突然強引に同席をして来た存在が居た。スーツ姿の大男、コミュニティ【フォレス・ガロ】のリーダー事ガルド=ガスパー。彼はジンのコミュニティよりも自分達のコミュニティに飛鳥達を誘い始めた。当然ジンはそれに反応し、そこでガルドは語り始めようとした。だけどその前から気付いて居たらしい飛鳥がジンに自分達にコミュニティの説明を何時までもしない事等を指摘。ジンは辛そうな表情で説明を始めた。

 

 過去、ジンが仕切って居るコミュニティは箱庭の中でも凄い力を持っていたらしい。が、ある日現れた【魔王】がコミュニティの旗。つまり名前を賭けてのギフトゲームを要求。魔王からのギフトゲームは強制であり、その結果は敗北。旗を失い名前を失ったコミュニティは衰退し、今では名前の無いコミュニティとして【ノーネーム】と言う蔑称で呼ばれて居る。

 

 そんなコミュニティに喜んで入る存在は普通居ない。十六夜達3人が呼ばれたのはそんなノーネームを彼らの力を借りて再び立て直す事。だけどそれを話した結果、離れて行ってしまうのでは無いかと思って居たジンと黒ウサギは正直に話せずに黙って居たらしい。その全てを聞き終えた時、ガルドは再び誘う。既に衰退したコミュニティと今現在他のコミュニティに勝ち続け、どんどん拡大していっている自分のコミュニティ。どちらが良いか、考えるまでも無いと。

 

 普通ならガルドの言う通り。だけど飛鳥はそれをさも当然の様に断り、ジンのコミュニティに入る事を宣言した。耀は友達を作りに来たと言う事らしく、飛鳥が入る場所に一緒に入る意を示す。予想外すぎる答えに戸惑うガルドに飛鳥は『無粋な人のコミュニティには入りたく無いもの』と毒を吐き、それに怒りか立ち上がろうとしたガルドを【言葉で】制した。

 

 飛鳥はガルドがどうして様々なコミュニティとゲームをして拡大出来て居るのか、その理由に疑問を持っていたらしい。本来コミュニティの旗を賭けるなど特別な理由などが無い限りはありえない話。だが、現にガルドは自分のコミュニティに他のコミュニティを取り込んで拡大することに成功している。その事に疑問を持った飛鳥はガルドに質問をした。でもそれは質問とは名ばかりの強制。どうやら飛鳥の言った言葉は相手を強制的に動かす能力があり、ガルドは意思とは関係無くその答えを吐いた。

 

【相手から子供を人質に取り、強制的にゲームをさせて居る】

 

 そうガルドから出た答えにその場に居た全員が息を飲み、飛鳥が続けてその子供達をどうして居るかを聞けば答えとしては最悪の内容がガルドの口から発せられた。【もう殺した】と。更に詳しく話そうとするガルドを再び制し、強制的な力を解除した飛鳥。それと同時に怒り狂ったガルドはスーツを破いて巨大な虎の姿へと変貌し、飛鳥へ襲い掛かった。私は飛鳥に抱かれて居る為、一瞬焦る。だけど耀がそれを地面に力づくで伏せさせる事で妨害。あの身体の何処にそんな力があったのか、驚く私達を尻目に飛鳥はガルドに【ギフトゲーム】を申し込んだ。

 

 状況から断る事の出来ないガルドはそれを了承。その場は幕を引いたが、その後に十六夜を連れて来た黒ウサギがその内容を知って今に至る。この世界に来て早々に問題行動を起こす問題児たちに黒ウサギはかなり怒って居た。だが、そこはノーネームのリーダーであるジンがガルドを許せなかったと言う思いを伝える事で黒ウサギも引く。その後、十六夜が一緒に戦わないの何のでまた一悶着あったけどそれはもう良いと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒ウサギに連れられてジンと別れた今現在、私達は【サウザンドアイズ】と呼ばれる場所に向かって居た。と言っても私は飛鳥に抱かれて強制的に連れられているだけだけれど。何時になったら解放されるのか。

 

 道中、桜の様な物を見つけた事でそれぞれが季節を言う。しかしそのどれもが合わず、黒ウサギが説明をするには十六夜達3人はそれぞれ違う世界から呼ばれた存在との事。所謂パラレルワールドと呼ばれる物であり、そんな話を聞いて居た私は少し自分と似た様な事をしたのだと言う事で解釈した。要は別の世界があって、1つの世界に3カ所から来たって事だと思う。

 

 黒ウサギの先導の元にたどり着いたのはとあるお店。その目の前には女性店員が居り、今正に閉めようとしている最中だった。それに気付いて黒ウサギが急いで向かうも、軽くあしらわれて中に入れて貰えない始末。余りの対応に黒ウサギが失礼だ等と言うと女性店員は【箱庭の貴族である月の兎】には失礼だったと謝罪した後にコミュニティの名前を質問した。が、その質問に黒ウサギは固まる。どうやら何か事情があるらしく、雰囲気から女性店員もまたそれを理解した上での質問らしい。

 

 十六夜が固まる黒ウサギの代わりに前に出てノーネームを名乗る物の、旗を見せる様に要求。女性店員は黒ウサギを筆頭にこの場に居る全員を絶対に店には居れない気らしい。そして現状をどうするのかと全員が黒ウサギに注目した時、突然店の奥から何かが猛スピードで近づいて来る気配を感じる。そしてその気配が扉まで到着した時、一気に開け放たれてその存在は飛び出て来た。

 

「いぃぃやっほぉぉ!! 久しぶりだ黒ウサギぃぃぃ!!」

 

 突然飛び出して来たのは小さな着物に身を包んでいた小さな少女。その少女は黒ウサギに抱き着こうと轢く様にして突撃。そのまま自らも一緒に近くにあった水路の様な場所に突っ込んだ。それは余りにも急すぎる事だったために、その場に居た全員が目の前の光景に困惑してしまう。最初から気配を察知していた私だけが、衝撃が少なかった。それでも驚きだけど。

 

「そろそろ来る頃だと思ったぞ! ほれ、ここが良いのか!? 良いのか!?」

 

「白夜叉様!? とにかく離れてくだっさい!」

 

 黒ウサギの身体に抱き着いて自らの身体をその大きな胸に頬擦りさせる少女……白夜叉。それに耐えきれなかった黒ウサギは白夜叉を手加減無しで文字通り此方に向かって投降した。綺麗に此方に居た十六夜に飛んできた白夜叉を、十六夜は足で受け止める。かなり痛そうで鈍い音も響いた。そしてやはり痛かったのか、「美少女を足で受けるとは何様じゃ!」と白夜叉は十六夜に文句を言う。それに十六夜も面白そうな表情で「十六夜様だぜ。以後よろしくな和装ロリ」と返答。先程の出来事と言い自分で美少女と言う辺りと言い、この白夜叉と言う少女。かなり強烈な性格をして居る様子。

 

 白夜叉は立ち上がると十六夜。耀。飛鳥の順に見回す。どうやら彼らが来ることを知って居た様子で、「其方がのう」と呟いた。と、飛鳥に視線を向けて居た白夜叉と私は目が会う。その時、一瞬だけ目を細めて私を見つめて来る。

 

「ほう、面白いのも居る様じゃな。まぁ、話は中で聞くとしよう」

 

 『面白いの』と言うのが私の事なのかは分からないけれど、どうやら怪しまれたのは間違い無い様子。白夜叉の言葉には女性店員も逆らえないらしく、女性店員は我慢する様な表情をして黙って居た。何となくだけどこの人はかなり苦労していると思う。

 

 そうして十六夜達は結果的に無事、サウザンドアイズへと足を踏み入れる。何となく私はまだまだ1日は長くなりそうな、そんな予感を感じるのだった。

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