結果的に十六夜達3人は無事にギフトゲームをクリアすることに成功。最初に挑んだ耀が自らの命を掛けると言う行動に出た時、黒ウサギと飛鳥は止めようとした。でも私は耀の心にある決意の様な物を何となく感じる事が出来、唯黙ってその光景を見て居るだけ。
やがて止めようとする2人を白夜叉と十六夜が制し、耀が『大丈夫だよ』と言ったことでそれは決行された。内容が終わった際、一時危険な状態になった耀だけど無事に生還。その時に耀が首に掛けて居た物がネックレス型のギフトと判明。白夜叉が売ってほしいと強請るけれど、耀は一切その気が無い様でそれを断った。白夜叉も流石に無理強いはしない様子。
全てが終わった時、黒ウサギは白夜叉に【ギフト鑑定】なる物を依頼。どうやら白夜叉はそれが得意では無いらしく、難しい顔をし乍らも頑張った証として十六夜達3人に自分のギフトに付いてどの程度把握しているのかを質問した。だけど返って来たのは
「企業秘密」
「右に同じ」
「以下同分」
順に十六夜・飛鳥・耀の答えになって居ない答え。一応だけど白夜叉も何時か敵として戦う可能性がある。それ故に自分の能力を明かさない様にして居るのかも知れないし、唯単に教えたくないだけなのかもしれない。十六夜が「人に値札を張られるのは趣味じゃない」と答えれば、それに他の2人も頷いて黒ウサギは静かに溜息をついた。何をやっても思い通りに行かない、しっかりしてくれない十六夜にもう突っ込むのも疲れて居るらしい。それでも頑張る辺り、黒ウサギは苦労人だと嫌でも分かる。
「まぁ、何にせよ見事試練を乗り越えたおんしらには
白夜叉はそう言って目の前で手を二回叩く。と、突然十六夜の目の前にコバルトブルーのカードが。飛鳥の目の前にワインレッドのカードが。耀の目の前にパールエメラルドのカードが。そして【私の目の前に】オフホワイトのカードが出現する。突然現れたカードの驚くけれど、私はこの姿故にそれを手にする事は出来ない。だけどそれは落下すること無く、私の目の前で浮遊し続けて居た。
目の前に出現したカードに黒ウサギが「ギフトカード!」と驚く中、十六夜達はそれぞれボケを入れる。何処からそんなネタが湧いて来るのか、ある意味で感心してしまう。で、十六夜曰く素敵アイテムなこのカードにはそれぞれのギフトが記載されているらしい。白夜叉が言うには全知全能を知る【ラプラスの紙片】と言う物であり、そこにはその人間が持って居るギフトの名称が出るとの事。飛鳥や耀にはそれがしっかりと記されて居て、飛鳥のには【威光】。耀のには【
「じゃあ俺のはレアケースな訳だ?」
「何? ……なっ、そんな馬鹿な」
十六夜が白夜叉の説明を聞いて笑いながら言い、その言葉の意味を確かめるために覗き込んだ白夜叉は一瞬で難しい顔になりながら考え始める。だけど当の本人は鑑定できなかった事に良かったと思って居る様子。
「ところで白夜叉様、何でお猫様にもギフトカードを?」
「ん? あぁ、それはカードを見れば分かるじゃろ。どれ」
黒ウサギの質問に顔を上げた白夜叉は私達の方へと歩いて来る。カードを見るためと言う事で、十六夜達も近寄って来た。そうして集まった全員が私の目の前で浮いて居るカードを覗きこむ。そこに書かれていたのは7つ。
【天使の羽翼】
【天使の癒し】
【
【人化変化】
【
【紅蓮の剣】
【忘却の花】
……これはラプラスの紙片であるギフトカードが私の中にある力をギフトと認識して現れた文字なのだろう。翼の力も癒しの力も、人になれる力も分かる。道具を持って居る事も何となくだけど理解できる。だけど疑問が3つ。3番目の
「な、何ですかこれは!?」
「やはりの。お主、唯の猫では無いの?」
考えようとしたけれど、どうやらそうも行かないらしい。カードを見て驚く黒ウサギと、そんな黒ウサギの腕に居る私を背伸びして自らの身長を上げ、私の両脇に手を入れて持ち上げる白夜叉。既に見終わった白夜叉は私に興味があるらしく、十六夜達も順番に私のギフトが掛かれているカードを見ては近寄って来た。やがて私は白夜叉に捕まったまま、5人に囲まれる様になってしまう。
私が唯の猫では無いと分かった今、この場に居る全員は私の正体が分かるまで逃がしてくれる事は無いだろう。私自身が逃げようとしても恐らく無理なのは何となく分かる。つまり私に出来るのは何もせずに黙って居るか、諦めて正体を明かすかのどちらか。でも前者をしたところで強制的に正体を明かされる気がする。何せ飛鳥は相手を操る事が出来るんだから。
「人化変化何て言うのがあるのだから、人の姿にもなれるって事よね?」
「お猫様、そうなのですか?」
飛鳥の言葉に黒ウサギは聞いて来る。どうせ明かされるんだったら最初からの方がきっと良い。このメンツでは後から明かした段階で『今まで騙して居たから』とか言う理由を付けて何か要求してくる可能性がありそうで怖い。だから黒ウサギの言葉に私は頷いて、白夜叉から一度飛び退く。5人の中心に立ちながら、私は人の姿になろうと行動を開始した。だけどこの時、私は大事な事を忘れて居た。
私の身体が光出したことに驚く5人。やがて人の時の目線まで行った時、私の姿に目を見開いて居たのは飛鳥・耀・黒ウサギの3人だった。そして白夜叉は……最初から知って居た故にそこまで衝撃は無い筈にも関わらず、口を開けて目の前の光景に呆けて。十六夜は何か良い物を見たように笑いながら私を見て来ていた。と、口を開けて居た白夜叉の鼻からゆっくりと赤い液がその通り道に後を付け乍ら落ち始める。やがてそれが地面に落下した時、黒ウサギ達は行動して居た。
≪目潰し!≫
「甘いぜ!」
飛鳥・耀・黒ウサギの3人は一斉に十六夜に向けて攻撃を開始。でも十六夜は猛スピードでその攻撃を防ぐと共にその場から走り出した。だけど走ると言っても後ろ走りで私から視線を外そうとせず、それに気付いた黒ウサギが私との間に入る。と、突然私の胸の前に三毛猫が押し付けられた。驚いて見て見れば、少し顔の赤い耀が「隠すべき」と言って私に三毛猫を押し付けて居る光景。三毛猫も『あっしで良ければ!』と言って居て、そこで私はやっと気が付いた。
私が着ていた服は前の世界、ソードアート・オンラインの世界にあった服。だけどあの世界はゲームの世界であって、その世界にある物は全てプログラムなどが施されている物ばかり。別の世界に来てしまった今、プログラムなどを維持している世界では無い物は消滅してしまう。試しにリズから貰った紅蓮の剣を出そうとしてみる。私の手から突然出現する剣。それに耀が驚くのも束の間、すぐにその剣は結晶が砕ける様に消滅してしまった。今度は花も出してみる。出て来たのは予想通り、フラワーガーデンで私が触れた時に消えた花。でも結果は同じで消滅してしまった。カードを確認すれば、名前も一緒に消滅してしまって居る。
「とりあえずどうにかして身体を隠しなさい。乙女が素っ裸何て駄目よ」
「……ん」
考えて居た私に飛鳥は言う。確かに今は身体を隠すべきかも知れない。十六夜は遥か遠くで黒ウサギと追いかけっこ。耀は私から目を反らし、飛鳥も私からは目を反らして居る。そして白夜叉は……目を抑えて苦しみながら何時の間にか血だまりに伏せて居た。何があったのか分からないけれど、私のせいなのは何となく察しが付く。故に私は猫の姿に一度戻り、状況が収まるまで待つことにするのだった。
余りストーリーで深くは触れない予定なので【
【World∞】のアスナIFを読んでいる方は何となく想像出来て居るかも知れませんが、
明日は投稿致しません。