※この作品はR-18です。

Escape! 猫の世界巡り   作:ウルハーツ

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日常

 あれから何日も何日も時間と日にちは過ぎて行った。で、気が付けばもう1年以上この世界に留まって居た。最初、数日で終える事が出来るとどこかで思って居た。だけど現実として、そんな簡単に対象の欲を満たすことは出来ないらしい。

 

【ソードアート・オンライン】

 

【結城 明日菜『アスナ』 保護欲 80/100・癒欲 42/100】

 

 これが今の状態。確かめようとした時、今現在の状況がこの様な形で頭の中に浮かぶようになっていた。そして他にも色々と問題が発生したりしてる。唯でさえアスナの欲を満たすことを考えるだけで一杯一杯だと言うのにも関わらず、アスナの紹介で出会った1人の少女の姿を見た時、私の頭の中に先程のと同じ様な物が浮かんできた。で、それが

 

【ソードアート・オンライン】

 

【篠崎 里香『リズベット』 愛求欲・支配欲】

 

 と言う物。リズベットと言う人はアスナの親友で、武具屋を営んで居るプレイヤーの1人である少女。アスナと初めて出会った時、私は家に居たからその内容を知らない。だがその後に武具店に行く時に私は一緒に連れて行かれた。そしてその際にリズベットの姿を見た時、今の文字が私の頭の中に浮かび上がって来たと言う事。何時からアスナだけだと思って居たのか……どうやら1つの世界と言えどその中に複数人の対象者が居る様子。アスナ1人を相手に1年以上掛かって居るのにここで2人目、しかも可能性としては他にも出て来る可能性もある。正直何時終わるか皆目見当もつかない。

 

「ふぅ~、終わった終わった! あんたはのんびり昼寝出来て良いわね、まったく」

 

 考えて居る間に奥からリズベットが出て来る。実は今私が居るのはそのリズベットが経営しているリズベット武具店の中。入って来たお客と対応するカウンターの上で丸くなり、開く事の無い出入り口の扉をジッと見ながら唯呆然としているだけだった。まぁ、他所から見れば完全にそう見えるだろうけれど、猫は猫なりに考え事をして居る訳で、それを伝える事が出来ないせいでリズベットは私を暢気に昼寝していると思って居る様子。近づいてきて私の身体を撫でながらカウンターの内側にあった椅子に座った。

 

「アスナ達は今頃迷宮区に入ってるだろうし、お客は期待出来ないわね。って事は暇になるわけか」

 

 リズベットは私を持ち上げると膝の上に乗せて好き勝手に撫で始めた。この1年で分かったけれど、何と私の身体。背中には羽が生えているらしい。確か最初に出会った私をモンスターと勘違いした人が翼がどうとか言って完全にスルーして居たけれど、私は翼猫と言う種類らしい。……あれから偶に1人になって人間になったりする事はあるけれど、その時にもしっかり小さく羽が生えている様子。人に見つかる前に、でも忘れない様に隠れて人の姿になるんだけれど、あの容姿がどうにかならないと歩くことは難しい。

 

『!?』

 

 リズベットが私を撫でる最中、突然羽の根元を触って来た。羽の根元は非常に敏感で、そこを触られると身体が勝手に跳ねてしまう。だから何時も羽を触られた時には逃げるんだけど、リズベットはそんな私の行動を読んでいるみたいにお腹に手を回して逃げられない様にしながら羽の根元を狙って触り始める。苦し紛れに顔を見ればその顔は少し恍惚として居て、このままではかなり不味い事は火を見るよりも明らか。どうにかして逃げなくちゃ……!?

 

【支配欲 11/100】

 

 増えてる……つまりこの状況はリズベットが何かを支配している事であって、それが私と言う事? 満たすことが出来るのは良い事だけれど、その方法は流石に犠牲が大きすぎて、!

 

「ここ? ここが良いの? ほれほれ!」

 

 まさか両方の羽を同時に触って来るとは思わず、流石にこれ以上は放って置けないために私は素早くリズベットの膝に爪を立てる。圏内では痛みを感じないらしいけれど、それでもこう言う事に関しては反応する様でリズベットは声を上げて私の身体から手を離す。それを気に急いでカウンターの上に、そのまま武器が入って居る棚の上を飛び乗って扉に近い場所まで逃げる。と、丁度良く扉が開いて誰かが中に入って来た。プレイヤーの1人だろう。その開いた扉から私はリズベットの止める声を無視して逃げだす事にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここが何層なのかとかはさっぱり分からないけれど、この世界に来て1年以上居れば色々な事が出来る様になる。その1つに私は層を飛ぶ事が出来る様になった。飛ぶ場所さえ分かって居れば、後は人間の身体1つでワープは可能。だから私は飛ぶ時だけ人間の姿になる様にして居る。そのせいで【純白の天使】なんて噂が出て居たりするらしくて、アスナもその人を探そうとして居た時があるけどそれが私だと気付かれては居ないから今のところ問題は無い。で、リズベットの武具店から逃げ出した私に行ける場所はアスナの家くらい。

 

「……転移」

 

 人の姿になってから転移門を潜る。その時に周りの人が私を指さしたりするのはもう何時もの事。転移が終了して誰かの視線が私に向く前にすぐに猫の姿になると、私は急いでアスナの家へとダッシュする。便利な事に住居には住人設定と言う物があって、その住人とその住人が許可した物が家の中に入れる様になっているらしい。で、私は住居主であるアスナに許された住人の1人となって居る為に勝手に中に入る事が出来る。ペットと言う概念は本来無かったみたいで、籠とかは存在して居ない。ゲームの世界だから催したりする事は無いためトイレなどは必要無く、殆ど部屋の中で自由にして居る事が多い。そして今日、アスナは攻略でダンジョンに入って居る筈だから……今この家の中には私だけ。人になって居ても問題は無い筈。

 

「……こっちの方が良い」

 

 この世界に来てしばらく、猫のままの事が多かったけれどそれでもやはり人間の身体の方が扱いやすい。記憶で15年位は人間だった筈だから、経験的に人間の身体の扱いの方が長い訳で当然の事なのかも知れない。

 

 人間になった私は何か作る事にする。ゲームの中と言えど食事と言う概念はしっかりと存在して居て、初めてアスナにあった時みたいにお腹も減る。プレイヤーの人達には感覚だけで食べなくても支障はないらしいけれど、私はまず根本的にデータの身体では無いから食事は必須。食事もデータなんじゃないかと思った時期もあったけれど、一応はしっかり食べて居る事になって居るみたいだから気にしない事にした。それで食事の概念が存在する上で当然ながら料理もある訳だけれど、かなり簡略化されて居て作って居る気には余りなれない……のが普通。アスナの料理もナイフを当てずに振る動作だけで斬れる。だけど私は何ども言う様にデータの人間では無いからしっかりと刃物を用意して切って行く普通の家庭的作り方になる。

 

 食材はアスナが収集後に何時も冷蔵庫とかにしっかり入れて居るからそこから取り出せばいい。データの身体では無いけれど、データに触れる事は出来る。だから適当にご飯とおかずになりそうな物を取り出して食べる。ゲームの世界でお米が食べられるって中々に便利と言うかユニーク。おかずは鮭とかなら美味しいんだけれどこの世界独特の魚しかないから一番近い物を使う。気付いた時には99個になる素材みたいに沢山ある奴だから多分ばれる事は無いと思うし、とりあえず頂きます。

 

 ゆっくりと食事を終えて片づけをして証拠隠滅。ソファに座って外を眺めて見る。やる事が無い時は大体外を眺めるかアスナが居た時には適当に近くでやって居る事を見て居るかのどちらかで一言で言えば暇な毎日。一度外に出て戦えるか試そうとしたことがあるけれど、出入り口につく寸前でアスナに気付かれて泣きながら外には出ない様に言われてしまった。戦えない事は無いと思うけど……止めておいた方がきっと良いんだろう。私はそうしてアスナが帰って来るまで時間をつぶして居る事にする。

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