「お猫様! お猫様!」
ベッドの上に移された私に待って居たのは黒ウサギの抱擁と愛撫の嵐。私の事を呼び、片手で私の両手の手首を頭の上に拘束した状態で、体重を掛けない様にして半身を乗りかからせて居る黒ウサギ。その顔は赤く染まり、表情は幸せそうにして居る。現在行って居る黒ウサギの愛撫は感じさせるものでは無く、何方かと言えば愛でて居ると言った方が良い。だけど雰囲気からしてそれは今だけ。この後にしてくることはまず間違いない。
「何処が弱いんでしょうか……ここですか? それとも、ここでしょうか?」
「……!」
黒ウサギは唯一開いて居る手で私の身体を撫でまわす。優しく、でも私の弱点を探す様に。この身体はその殆どが弱点の様な物だけれど、それでもやはり感じやすい所が数カ所ある。胸や秘部は勿論の事、首元や耳。内股や背筋なども普通より感じやすい。……アスナに攻められる日々が続いて居たせいで、そう言う事には嫌でも気が付いた。
脇腹を撫で、腕を撫で、彼方此方を撫でながら私の反応を伺う黒ウサギ。その表情は恍惚とした物とはまた違う、まるでじっくりと捕まえた獲物を痛ぶる少し怖い物だ。出そうになる声を抑えようとする度にその口元は小さく弧を描き、それは私の全てを観察するかの様。私の体質は相手の欲望を素直にさせるだけで無く、人格すらも変えてしまうのだろうか? 黒ウサギはこんな十六夜の様に相手の反応を見て楽しむような性格じゃ無かった筈。
「なるほど。お猫様は基本的に全身が性感帯なのですね。そして……こうして耳を攻められるのは感じるんですね?」
「! んっ!」
黒ウサギは私への愛撫を一度止めると、1人で内容を整理。その後急に顔を近づけて来た事で、私はキスをされると思って居た。だが黒ウサギの顔は私の横……耳元に口を近づける形で停止すると、そのままそこで囁く様に喋り始めた。喋る事で漏れる吐息が耳に掛かり、囁かれる声が鼓膜を揺さぶる。耳打ちとは違う、感じさせるための囁きを不意打ち気味に食らった私は必死に漏れ出る声を我慢した。
「レティシア様や子供達は入り口を掃除して居ます。十六夜さん達も今は居ません。声を出しても良いんですよ? ふぅ~」
「ひぅ!」
耳元で囁き、剰え息だけを吹き掛けて来るそれに声が漏れる。確かに今声を出してもきっと聞くのは黒ウサギだけだろう。しかし前の時から、私と私の身体は声を上げる事を苦手として居た。そもそも余り喋りたくても喋れないこの身体と、元から大声を出すことが苦手な私では声を『上げる』等と言う事は非常に難しい。……それでも出てしまう物だけど、無意識の内に私はそれを堪えてしまう。それが苦痛に繋がったとしても。
声を出さない私の姿は黒ウサギにどう映ったのかは分からない。だが、今の台詞からして恐らく私の喘ぐ声を聞きたかったのだろう。言われても尚我慢する私に一瞬だが不機嫌そうな顔をすると、今度はさっきまで囁き吹き掛けて居たその口からヌルっとした物を出す。そしてそれは私が気付くよりも早く私の耳に触れ、外と中を掻き回す様に這い回った。
「れろっ……んふ、はむ」
「ひっ! ん、んんっ!」
耳の裏を、耳の中を這いずり周る黒ウサギの舌。それは唾液で濡れ、私の耳を侵食していく。そしてそれと同時に黒ウサギの空いて居た手が私の胸を通過し、やがて口元にたどり着く。そして小さく開いて居た私の口の中に突然、その指を数本挿入して来た。彼女の指が私の舌を抑え、口が私の意思とは関係なく無理矢理開かれる。そしてそれと同時に耳を這いずり回りながら弄び続ける彼女の舌が、私を更に攻め立てて来た。
「ん~。ん、んふふ……お猫様の可愛い喘ぎ声、黒ウサギに聞かせてください」
「ふぁめ……ふぅ!……ふぁ!」
快感の反動を利用する様にして口を必死に閉じる事で声が漏れる事を防いでいた私は、口を開けっぱなしにされた事でそれすらも出来なくなってしまった。そんな状態で攻められてしまえば、もう私の口からは籠った声では無い嬌声が部屋に聞こえる様になる。黒ウサギの指があるために舌の自由は効かないが、それでも私の口から聞こえるそれに黒ウサギが満足して居る様子だった。
「可愛いです……お猫様。はむっ、んぐっ」
「ふぅ……ふぁ!」
私の声を聞き、機嫌を良くした黒ウサギは更に私の耳を舐め回す。片耳から響く快感が私を襲い、口を閉じる事も出来ない私はしばらくの間、黒ウサギの思うがままに喘ぎ声を漏らし続けるしか無かった。
一体どれ程時間が経ったのか、既に考える余裕も無くなる程に耳を攻められ続けた私はベッドの上に仰向けのまま倒れて居る事しか出来なかった。そしてそんな私の身体の上には膝立ちの状態で跨り、私の服をゆっくりと脱がせようとして居る黒ウサギの姿。私は抵抗する力も出ず、唯彼女の手で脱がされていく。
私の身体はもう既に『次』を求めて居た。耳だけの攻めでは感じはすれど、絶頂する事は無い。常に感じ続けるも達せない現実に私の身体は勝手に準備を進めて居たから。黒ウサギが耳攻めを終えた時、既に私の身体に私の意思は無かった。分かるのは内股に広がる不快な水気と、彼女のこれからする事を受け入れるしかないと言う現実だけ。
黒ウサギの手が私の胸元の布を掴み、ゆっくりと引き下げる。今の私の服は、完全に脱ぐために少し手間が掛かる。だけど胸元にあるリボンを解けばその部分から降ろせる様になって居て、黒ウサギは強引にそれを引き下げると私の胸の下に入れた。無理矢理開かれた布は当然元の位置に戻ろうとするが、私の胸が壁となってそれを止める。結果、私は胸だけを曝け出す様な姿になってしまった。
「これがお猫様の……大浴場では何度か見て居ますが、こうして見ると凄いです」
解放された胸を前に息を飲む黒ウサギ。確かに何度もお風呂には入って居る為、私の胸自体は珍しい物では無いだろう。大きさなら黒ウサギの方が確実に大きい。が、それを分かった上で黒ウサギに取って私の胸は何かが凄いらしい。それは私には分からない、彼女の中だけの価値観なのだろう。
ゆっくりと黒ウサギの両手が私の胸に迫り、下から揉み上げる様にして触り始める。服の上からとは違う彼女の体温が胸越しに伝わり、またそれとは比較にならない程の快感が私の身体を巡る。黒ウサギは私の胸を触り始めると、様々な角度から今度は好き勝手に触り始めた。力も出ず、黒ウサギに乗られている今。私は彼女から与えられる快感に身悶えするのみ。
「耀さんの言う通り、凄い触り心地です……はむ」
「! ふぁぁ!」
私の胸を堪能しながら呟いた黒ウサギは、突然片方の胸の先を口に含み始めた。更に強い快感は私の身体を瞬時に駆け巡り、声が反射的に出てしまう。今まで声を出すしかない状況が続いてしまった為、現在私の口は声を出しやすくなってしまって居るのかも知れない。
「ふふっ、こんなのはどうですか?」
黒ウサギは口を離すと、揉んでいた両手も離す。そして私の胸の両先端に両手の指を立て、摘む様にすると……クリクリと回す様にして動かし始めた。敏感な場所の更に敏感なそこを両方とも同時に、ピンポイントで攻めて来る。そんな事、片方だけで声を上げて居た私には余りにも強すぎる物だった。
「ひあぁ! やぁ! 止め、あぁ!」
「あの静かなお猫様がこんなにも乱れて……それも私の手で」
私の姿に笑みを浮かべ、更に強く動かしてくる黒ウサギ。意思とは関係なく出てしまう声が、枯れるかも知れないと思うほどに出たとしても、彼女はその攻めを止める事は無かった。……耳攻めで蓄積されていた物もあったのかも知れない。急激に私の中から、何かが込み上げてくる。
「あぁ! イ、ク、ひぁ、あ」
「イきますか? ならもっと強くしてあげますから、存分に達してください!」
「ひぅ! あ、あぁ!」
私がもう絶頂すると分かった黒ウサギは最後の攻撃とばかりに攻めを強くする。そのままでも確実に到達した頂点へ、更に加速する様に上った私。やがてそこにたどり着いた時、見えるのは真っ白な景色と身体に感じる雷を受けた様な快感。
「ひあぁぁぁぁぁぁ!」
声を抑える何て無理で、私はこれでもかと大声を上げて絶頂に達した。私の声を聞き、ゆっくりと指を停止させていく黒ウサギ。動かなくても感覚はあった私の身体だが、絶頂したことでそれすらも感じる余裕が無くなって行く。そうして私は黒ウサギの手でイかされてしまったのだった。……そして、まだ彼女の攻めは終わらない。
【黒ウサギ 承認欲 93/100・養護欲 MAX・性欲 33/100】
次回も続けてR18。1話では終わらぬ黒ウサギのターンです。